アイズの独り言

親方と私は10月18日-19日に開催されたポリージャポンに行ってまいりました。今回はレポートが少し遅くなってしまいましたので出展させていただきました自転車を中心に紹介致します。

ポリージャポンとは年に1度開催される自転車エンスーによる集会イベントです。そのメインイベントにコンクールがあります。コンクールではテーマ部門、レストア部門の2つの部門が設けられ、参加者によって各3台の優秀車が選定されます。今年のテーマは長距離旅行車でした。グランボアは1935年製グロリアと1950年製ルネエルスのタンデムの2台をコンクールレストア部門に出展致しました。

 

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グロリアは戦前から存在するイタリアのメーカーであり、エルネストコルナゴが弟子入りした工房であるといわれています。特筆すべきはフレームの表面処理であり、全体はニッケル鍍金ですがラグとエンドはクローム鍍金になっています。つまり1本のフレームに2種類の鍍金が使い分けられており、常識では考えられない鍍金処理が施されています。またヘッド周辺はラグ部分とヘッドチューブが一体構造になっており、当時としては非常に高い工作技術を得ていたと考えられます。グランボアでは不可能とされた鍍金処理を独自の手法により再現し、グロリアのレストアに成功しました。

 

 

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今回のグロリアはイタリアで塗装によって修復された車体を輸入し、レストアした車です。変速機はビットリアマルゲリータにモデファイしました。逆転式のマルゲリータはテンショナーレバーでチェーンのテンションを緩め、ペダリングを逆回転させている間にレバー上部のノブを左右に動かすことで、チェーンステーに装着した羽根を振って変速します。そして再度レバーでチェーンのテンションをとります。

非常に味わい深いグロリアは他にカンビオコルサ仕様などバリエーションがあり、グランボアでも数台のレストアを手掛けました。仕様によって一味違う雰囲気に仕上っていますので、是非ギャラリーページもご覧ください。

 

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エルスタンデムはフレーム状態でフランスから輸入されました。フレームは塗装されていましたが、当店で2ヶ月の歳月を掛けてフレームの下地処理を行い鍍金を施しました。オール鍍金の状態の事をフランス語でトゥークロメと呼びます。入手困難なオリジナル部品やボルト類、キャリアは車体に合うようにレプリカを作成しました。ボルト1本までオリジナルを使用しているルネエルスは「パリの宝石」と呼ばれるにふさわしい調和の取れた自転車です。それ故にレストアの際は特に注意を払う必要があります。

レストア技術のご紹介」にこのエルスのレストアにまつわる記事が途中までですが紹介されています。こちらも是非ご覧ください。

 

コンクールの出場車は特別な工作が施されていたり、希少な部品が装着されるなど目をみはる自転車ばかりでした。特に各部門の優勝車は磨きも素晴らしかったですが、それぞれに素敵なエピソードがありオーナーの方々の自転車に対する情熱がうかがえました。ポリージャポンでは日常の店内とは異なる雰囲気の中で先輩方から学ぶことが多く、充実した2日間を過ごしました。お世話してくださいました皆様ありがとうございました。

 

大介店長 (2018年退職)


このイベントのことを初めて知ったのはバイシクルクオータリー2006年冬の号でした。日本ではほとんど未だ紹介されておらず英文を半信半疑で読んでアイズのブログで紹介したのを覚えています。

あれから8年。何度か「行って見る?」なんて計画はあったのですがなかなか実現には至らず、今回ようやく念願かなって本場のエロイカを体感して来ることができました。

 

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久しぶりにイタリアを旅するに当たり長年のヴィンテージ系取引先に相談して見ると、もう既に開催場所であるガイオーレでは宿泊は難しいだろうとの事。実際にWebで調べてもどこも一杯です。でも、よくよく聞くと開催当日だけでなくフリーマーケットは数日前から立ち始める様子。取引先も10月5日の開催日に対して10月1日から現地入りするとのことで、「それなら」と、我々も同行することにしました。親方曰く、「マニアの行動パターンは世界中一緒だぜ。」

それでもガイオーレで宿泊できたのは初日のみ。2日から5日まで我々は会場から概ね80キロ離れたピエンツアに宿を移すことにしました。ツーリングと合わせてこ地域を存分に楽しもうと、念入りにプランを練りましたよ。でもまあ、ツーリングの話はまた後日。

 

 

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別の場所で取引先と会い、会場まで同行しました。前のトラックに従いて行くだけなので楽チンです。親方は割と海外でも平気で運転します。今回「私も!」と思い、国際運転免許を取得して行きましたが、結局活用しませんでした。なんだか無意識に左に入ってしまいそうで。。。

 

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会場では確かに店がで始めていました。でも、まだまだ数は少なく人も疎らです。

 

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でも、ほら。

 

 

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ここも!

 

 

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そして、日が経つに連れ出店は増えて行き。。。

 

そして、当日。

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オーディナリー(ダルマ自転車)で会場をウロウロする人や、

 

 

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こんなチームや、

 

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子供達に大人気のサンタクロース。トナカイでなく自転車に跨っていますよ!

 

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ゴール!

 

 

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なんと、人口3000人ほどの小さな村にその日は6000人以上の人が集まるとか。凄いですねー。

今では日本国内でも数年前から同様のイベントが開催されるようになり、世界中でとても有名なヴィンテージバイクのイベントになりました。何より走るイベントでありながらタイムを競うわけではない、ツーリングイベントなのがいいですね。

それに、自転車だけでなく蜂蜜やワイン、ハムやチーズなど物産品のお店もたくさん出て立派な地域興しになっている様子。会場を廻るだけで充分お土産ができました!

 

 

 

 

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イタリアで大変お世話になったのはこのお二方。

Grazie!

 

 

 

つちやはるみ


いろいろドンドン入荷しています。

まずは先日のイタリア出張でたまたまエロイカの会場に出店していたGHISALLOから木リムが入荷しています。もうすでにご存知の方も多いかと思いますが、ギザロとはイタリアのタイヤ・リムメーカーだったD’Alessandro社の流れをくむ木製リムのメーカーです。サンプルで入れた3種が1ペアづつあったのですがブログでお知らせするまでに2種は売れてしまいました。あとは22mm幅のストラーダのみの在庫となっています。ただし、今回から直接取引ができるようになりましたので完売したものやカタログ掲載品はご予約にてご注文お受けできます。メールにてお問い合わせください。

 

あと、欠品してましたビンダのストラップが再入荷しています。いろいろなパターンがございますのでご不明な点はご遠慮なくお問い合わせください。

 

それと、カンパのブレーキレバーフードも再入荷しましたが、今回は色むらがあるB級品ですが価格は断然お得ですよ?

 

32Aのタイヤも入荷し、タイヤは只今全て在庫がある状態です。

 

 

 

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ハッチがまた体調を崩し、只今在宅にて付き添い中です。もともと野良猫で喧嘩の傷が酷く、我が家に来た時には既に猫エイズの検査も陽性だったはっちゃん。チョットした怪我でも自分で治すことができず事あるごとにお医者に通っていました。でも、今回は特に厳しい戦いになっています。。。

 

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あー、なんて爽やかな秋晴れ。。。今年はホントに小豆が上出来だ。

 

つちやはるみ


2014.10.22

Col de Pavesin

「CONCENTRATION NATIONALE DE PAVEZIN」というFFCT(フランス自転車旅行連盟)主催のミーティングに参加してきました。誘われるままに参加したこの集い、実はグランボアと関係があったのです。

 

 

日本語に訳すと「パベザン峠に集まれ!」という感じのミーティングでしょうか。なのでそこに至るコースは各々自由です。

 

 

GIVOR駅から出発。 ジャンフィリップとその友人のジルベール、4人で集合場所に向かいます。親方のパニアには風呂敷に包まれたジャンフィリップお手製のお弁当が! 楽しみです!

(こんな場でも日本の風呂敷は大変役に立ちます。私は旅に出るときは必ず大きなサイズと小さなサイズ各1枚づつ持参します。)
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Pilat map

ご一緒したジルベールさんはこの地域のサイクリングロードマップの監修をされたこの地域のスペシャリスト。知識も豊富でとても楽しい方でした。

 

 

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上っている最中もずっとおしゃべりをしながら。走りなれた道なのです。

 

 

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パベザン峠(Col de Pavesin)とマゼ峠(Col de la Croix du Mazet)の分岐。ここにはトイレもあり助かりました。ジルベールは直接パベザン峠へ。ジャンフィリップと我々はマゼ峠での別の集まりに少し顔を出す予定があったのでここでしばしお別れです。

 

 

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分岐を超えてから少し上りは急になりますが更にのどかな風景が広がります。

 

 

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マゼ峠。ここで実はフランスで古くから活動されている650B友の会(Confrerie des 650)のミーティングがあるとのことでしたが少し遅れてしまったので先に行ってしまったようです。標高650メートル。なるほど。

 

 

パベザン峠(Col de Pavesin)

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驚いたことに到着したとたんに人だかりになってしまいました。段取りの良いジャンフィリップが事前にグランボアが来ると伝えていたようです。親方はちょうどFFCTの代表者の方と挨拶しているところです。650B友の会の方々ともここで出会えました。

 

 

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熱心な方が輪行の仕方が見たいというので親方のタイプDと私のER700をそれぞれ分解実演中。大変興味を持ってくださり光栄でした。

 

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飲み物やケーキなど提供されてました。ジャンフィリップによると200人ほどの集まりになるとか。

 

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M. Raymond HENRI

フランスで自転車関係の書籍の著者として有名です。前回の渡仏時にご自宅までお伺いして以来です。お会いできると思っていなかったのでとてもうれしい再会となりました。

 

 

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650B友の会の方々。残念なことにメンバーの高齢化のため今年でマゼ峠のミーティングは最後になるとのことでした。

 

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1958年に自分でオーダーしたルネエルスにまたがるこのお方はなんと83歳! この方も650B友の会のメンバーです。

 

 

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ラリーサンジェで2度ほどご一緒したマリールーさん。この日はゆっくりお話しすることができました。

 

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それぞれ持ち寄ったお弁当でお昼ごはん。なかなか話は尽きずこの後も更に向かいの茶店でコーヒーをいただきながらおしゃべりです。ようするに雰囲気は日本のツーリングとほとんど変わりないのです。

そして、それぞれ帰りの時間を考えて三々五々名残惜しげに帰途につきます。

 

 

*****

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さて、このポストカード。ニューサイに紹介されたことがあるのでご存知の方もある方思います。この日、改めてジャンフィリップが記念にと手渡してくれました。ベロシオがタンデムのストーカー側に またがるこの写真はまさしくこのパベザン峠で撮影されたものでタンデムの後ろを支えている方はなんとシクロの創始者だとか。左上に記された年号を見るとベロシオが没する1年前です。

 

 

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タンデムの後ろの建物がこれ。

 

 

 

 

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そしてその隣の建物の壁にこんなプレートが。ジャンフィリップが英文に訳してくれました。

 

*****

In this place
Paul de Vivié (Vélocio)
apostle of cyclotouring
liked gathering in the fall his
disciples and friends. Let those
who knew him imitate his example, let
young people learn the legend

*****

 

ベロシオの功績をたたえるために毎年秋に集まることを約束したこの碑の通り今も200人ものツーリストがフランス全土から集まってきていたのです。ジャンフィリップ曰くベロシオはサンテチェンヌからリヨンまで自転車でしばしば通っていたとのこと。ちょうどその中間地点であるこの地が集合場所に設定されたとか。きっと今となっては毎年会う顔ぶれに会うために来ている方がほとんどかもしれませんが、峠を越えながらベロシオのことを想う日なのです。ただ、気になるのは最後の一文。若い方はほとんど見かけなかったんですよね。。。

 

 

 

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とにかく改めてグランボアの名前の深さを感じる一日となったのでした。 ホント、ジャンフィリップには感謝です。

Merci beaucoup!

 

 

つちやはるみ


大変慌ただしく過ごしています。悲しいかな、すでにヨーロッパをツーリングしたのが遠い昔のようです。。。

 

さて、今回はサイクルモードの出展もありませんので通常の日程の11月3日(文化の日)に秋のアイズラリーを催したいと思います。参加希望の方には詳細をお知らせしますのでいつも通りメール、もしくはお電話にてお知らせください。少し急なお知らせですが、是非皆様と秋のツーリングを楽しみたいと思っています!

雨天にて11月24日に延期となっています!

 

 

*****

陽だまりが気持ち良い季節を迎えました。

旅行中体調を崩していたハッチは糖尿病が判明。元気にしていますが療養食開始です。。。

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只今体重6キロ。これでも1キロ以上痩せちゃったんだよ。

 

 

つちやはるみ


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