イタリアンフェンダー製作秘話・鳩金具とカンザシ
前回グランボアの新製品イタリアンフェンダー“ヴィンテージ”GB700IT-Vのリベットについてを記事にすると、カンザシとハト金具もこだわってるんですよ!とアイズのメカニックからお話を聞くことができました。
カンザシとは泥除けに付いているステーを留めるための金具です。普通は、小さなギロチンダルマを使ってステーを留めるのですが、グランボアではナットでステーを留めることにこだわりました。ヴィンテージのイタリアンフェンダーにどこまでも近づけるためです。
そのため、カンザシは一から型を起こす必要がありました。本所工研さんで作ってもらったグランボアのオリジナルカンザシです。
泥除けをフレームに取り付けるとめのL字型の鳩金具は、フロント-前とフロント-後で首の長さを微妙に変える必要があったので、アイズの工房で製作しました。首の短い方(左)がフロント-前で、長い方(右)がフロント-後です。
最初の状態はまっすぐ。
このままではイタリアンフェンダーに装着できず、二段階の加工をしていきます。最初の状態(右端)から、差込み口に入れる部分に角度をつけて(中央)、泥除けの内側のアールに沿うように両端を曲げます(左端)。
アイズではこのために、専用の治具を新しく3台つくりました。
まず、この治具で鳩金具の首を曲げます。上から重しで圧力をかけて曲げます。
首を曲げたら、次は泥除けの内側のアールに沿って両側を曲げます。泥除けの内側と同じアールの治具に鳩金具を乗せて、上から重しを乗せて圧力をかけて曲げます。
泥除け本体にも差込み口を開けます。この治具は先端が刃になっていて、間に泥除け本体を挟み、穴をあけます。
リベットを付ける穴も開けて、ひとつずつ丁寧にかしめていきます。
やっと完成!小さなパーツですが、これだけの手順を経て作られているんですね。。
イタリアンフェンダーGB700IT-V制作秘話、最後はステーについて書きたいと思います!
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