船でゆく北海道
こんばんは。
突然ですが、今夜、親方と専務は一足先に夏のツーリングに出かけます。
行き先は今年も北海道。旅のテーマは「ケイマフリ」。
ご存知の方も少ないかと思いますのでリンクを貼っておきます。
https://www.teuri.jp/_src/898/02keimafuri_photobook.pdf
赤い足の黒い鳥。目の周りだけ白いんです。
天売島や知床の断崖絶壁で子育てするという渡り鳥です。
昨年のツーリングでも見れたら良いな、とは思っていましたが、そもそも9月だと子育てを終えて時期ハズレでしたし、天気が悪くて天売島にも渡れませんでした。
というわけで、今年はガッツリ時期を合わせて「ケイマフリ」に焦点を絞って旅のプランを立てました。まずは小樽から羽幌まで車で向かい、天売島へは自転車だけで再び船で渡ります。そこで2泊した後、知床へ車で移動して知床のケイマフリにも会いに行く予定です。もちろん知床や網走でも自転車で走りますよ。
まずは、これから舞鶴発の新日本海フェリーで小樽に向かいます!
憧れの船旅で憧れの鳥に会いに行くなんて楽しみすぎる。
できるだけレポートできれば良いけど、まずはいつものようにインスタとフェイスブックで流すことになるかな。
6月の北海道は初めてなのでとても楽しみです。
DAY 1
春の島旅 -沖縄・沖永良部島・与論島- (与論島編)
3月1日 沖永良部島和泊港~与論島
午前中は沖永良部島の北東側を散策してから、島を横切るように和泊港へ向かい、沖縄行きの船に乗り込みました。
・和泊港12時発
・与論島13時40分着
宿は港のほぼ対岸に位置する百合が浜前のドミトリー式のゲストハウスです。そこまでは概ね8キロ。この時間だとまずはチェックインを済ませ、それからまた出かけることも可能です。
今回の宿は夕食付ではありません。というか、島のほとんどの宿は朝食も昼食も希望すれば提供してくれますが、夕食は島の中心にあたる茶花地区まで出かける必要があります。幸い、滞在期間中は終日天気が良く、日が暮れてから宿まで8キロほどを自転車で帰ったとしても不便はありませんでしたが、雨だとタクシーを使う必要が出てきます。お風呂に入ってからまた外出するのは面倒な気もしましたが、おそらく旅館業だけが潤わないように、地域おこしの一つなのかな。
【与論港】
2月末から3月なんて、私たちが住む京都の北ではまだ霜が降りたり、雪が舞ったりする頃ですが、ここらはすでに初夏を思わせる日差しです。薄手の長袖か、半そでで大丈夫。
港から走り出して、空港脇の道にほんの少しだけ未舗装路がありました。
【与論城跡】
民俗資料館を兼ねているサザンクロスセンターと隣接しています。
島の一番高いところですので、360度のパノラマで美しい海と町が見渡せます。
城跡の広場にあるこの大きなガジュマルの木は一休みするのにちょうど良い場所でした。3日間の滞在中、結果としてこの城跡には何度も立ち寄ることとなり、カフェではありませんが、「ガジュマルカフェ」と呼んで自動販売機の缶コーヒーで一服していました。というのも、定休日だった施設に再訪したのはもちろん、島を彼方此方巡る際にもこの城跡の脇の道をよく使ったからです。海岸線長23キロの島でしたが、100キロ以上も走り、島を4周以上もしたことになります。この話を島の方にするとみんなとても驚かれました。
【猫の岩】
どうですか?
猫がお魚を食べているように見えますか?
実はこれはたまたま面白いなぁと思って写真に収めていたものを宿のご主人に見せたら「猫の岩」だと教えてもらったものです。あえて場所は明かしませんよ。行かれる方は是非探してみてください。
(実はどこだかよく覚えていない。)
【与論シーサイドガーデン】
作家の森瑤子さんの別荘のお庭がカフェとして開放されています。
今となっては奄美群島国立公園に指定されているエリアなので貴重な施設です。お茶をしなくてもお庭に入るだけで500円必要です。
眼下に砂浜が無く、海の色がひときわきれいなエリアでした。
【百合が浜ビーチ】
小さな島ですが、ビーチはなんと60もあるそうで、それぞれにこんな素敵なゲートがあります。特にこの百合が浜ビーチのゲートを抜けたところには地元のおばあたちが営む手作り品の露店があり面白いです。今回の宿はちょうどこのビーチの真ん前にあり、マリンスポーツの受付もこの近所でできます。
最終日の午前中にグラスボートに乗りました。海の色がまた違いますね。
朝散歩
砂浜は生命力あふれるシマアザミが浜を這う小さなウミガメのようです。
雲の切れ間から朝日。
毎朝この場所でサンシンの練習をしているという方に出会いました。
この写真の一番左の端のあたりから歩いてきた私たちをずっと見ていたらしく「まさかここまで歩いてくるとは思わなかった」と話が弾みました。で、なんと、一曲披露してくださったんです。とても良い思い出になりました。エレキサンシンというそうですよ。
もう一人の方はこの岩場に毎朝少しづつ砂を運んでいるという方です。
確かに朝日を眺めながらサンシンを弾くには絶好の舞台ですね。
【島の特産品】
サトウキビは正に収穫の真っ最中でした。
多くは刈り取り機を使って収穫していましたが、中には手で刈り取っておられる方もおられました。
手で刈っておられた方に話を聞くと、刈り取り機を使うと1日につき7,000円から10,000円も費用がかかるから自分で刈っているそうな。更に聞くと、1キロ20円でしか買ってもらえんのに機械なんか入れられない。どうしても刈りにくい場所はやってもらうけど、あとは自分でぼちぼち健康の為じゃ思うてやってる、とのこと。
写真の一束が100キロくらい、ということは2,000円。。。すでに1週間ほどかかっているそうです。
ちょっと高いな、と思っていた奄美のお砂糖を帰りに迷わず買いました。
そして、大事に使おう。
島内の製糖所。
ふんわり甘い香りがしました。収穫されたサトウキビはすべてここに運ばれるようです。
【ハミゴーパンタ展望所】
島の南側は崖になっていて、道は適度なアップダウンがあり、自転車で走るにはとても気持ちに良い道です。展望所からは沖縄本島が良く見えました。
その近くには沖縄返還40周年の記念に沖縄の国頭村から贈られたヤンバルクイナの像があります。
与論島の民俗博物館でも、沖縄の博物館でも、更には旅の合間に読み聞いていた「宝島」の中にも、かつては分断されていたこの地域の苦労や残酷さに多く触れられていました。今、こうやって自由に船旅を楽しめる平和な時代を喜ぶ半面、地球のどこかで同じような悲劇が今もなお続いていることを考えてしまう。
きれいな海の他にもいろいろ見るべきもの、知るべきことがある旅でした。
因みに、私たちの自転車のタイヤは今度発売予定の「ルート・フォレスティエール」です。
*****
ここからは鳥のお話。
リュウキュウメジロ
普通のメジロに比べてお腹の羽が白いのが特徴のようです。
ジョウビタキ
こんなスマートなジョウビタキは初めて見ました。
家の近くでもよく見られる鳥なのですが、冬鳥でもっと真ん丸なんですよ。↓
チラチラ舞っているのは雪。冬の羽毛で真ん丸です。
そして、ムナグロ。
空き地に数羽で群れていました。
初めて見る鳥は大抵グーグルレンズなんかで調べるとすぐわかるのですが、これは調べてもはっきりわからず、結局、沖縄の博物館で判明したのでした。
春の島旅 -沖縄・沖永良部島・与論島- (沖永良部島編)
2月28日 沖縄本部~沖永良部伊延港~田皆崎~沖永良部和泊・コチンダホテル
3月1日 沖永良部島和泊港~与論島
フェリーで沖永良部島へ。
朝の7時に那覇を出たフェリーは本部港に9時に入港、9時20分に出港するスケジュールです。乗船手続きは1時間前までに済ましておく必要があるので、港には8時20分には着いてチケットを購入し、乗り込み場所で待機することになります。今回はそれほど混んでは無かったのですが、混雑時は事前予約が必要な時期もあるようです。要注意ですね。
前夜のホテルから港までは6キロ程度ですので8時にチェックアウトしても間に合います。
思っていたより大きな船でちょっとビックリしました。
日常の足として利用される方や、貨物の運搬など、島々をつなぐ欠かせない交通手段なんですね。これだと揺れも少なくて快適そうです。
***
でも、そもそも、なんで沖永良部?
当初の親方が立てたプランでは沖縄2泊、与論島3泊だったのです。
でも、周回して20数キロしかない島に3泊??
私「3泊も何するの?」
親方「たそがれるの。」
少し前に見た映画の受け売りで答えが返ってきました。
その映画を一緒に見ていた私も島のイメージが偏ってしまっていて、「これはまずい。。」と内心思いました。実際に地図を何度見ても、自転車ですべての名所・観光地を回ったとしても1日もあれば十分な規模のように見えたのです。
絶対に退屈のあまり仕事をしだすか、最終的にケンカになる!!
実際はそんなことは全然なかったのですが、なんだかもったいない気がして与論島の北に位置する少し大きな島にも立ち寄ることとしたのです。沖永良部島は周回しても60キロありません。しかも、予約が取れた宿は別館で「島のサイクルズ」として島内サイクリングにも力を入れている様子です。
***
さぁて、沖永良部島までは与論島経由で5時間の船旅です。
今年のラリーグランボアの記念品の「旅する手帳」に旅の記録をしたため、海と空を見ながらオーディブルで物語の世界に浸れるなんて、本当に贅沢な時間でした。
20-30代のころは人並みに読書も楽しんできて大好きだったのに、振り返ればここ何年もの間、こんなに没頭して本を読むことが無かったなぁ。今となっては実際に細かい文字を追い続けたりできないし、大きなハードカバーの本は手に持った時点で読むことを断念してしまうことが多かった。それが、「聞く」という作業で長編作を読破することができるのです。しかも、この時に聞いていた「宝島」は沖縄の方言がセリフに多用されていて、沖縄出身のナレーターの読み聞かせがとても有効でした。
オーディブルなどの「朗読ツール」は私にとって、今や日常の救世主的なツールです。通勤時間や家事、仕事場での単純作業、お風呂タイムに欠かせない物となりました。スピーカーを使うことで同じ本を同じタイミングで共有できるのも良いですよ。この数ヶ月で何冊も読むことができました。
オーディブルで読んだこの本があまりに面白くて思わず実際の本も買ってしまった。買ったと言っても中古書店で192円。
さて、そんな有意義な5時間を過ごして沖永良部島に着いたのですが、なんと、予定していた太平洋側の和泊港ではなく、東シナ海側の伊延港に着くとのアナウンス!!
私たちはこの伊延港の存在すら認識しておらず、ちょっと慌てました。でも、お天気や潮の流れで割と頻繁に着く港が変わるようで、ほとんどの方は平然とされています。まあ、そうですよね、この2つの港は最短距離で3キロほどで、車だとなんてことない距離ですから。でも、自転車旅では要注意事項です。特に乗船時もどちらの港から出るのかは当日の数時間前じゃないと分からないそうですから。
船を降りて走り始めたのは2時すぎでした。
当初の予定では港の近くの宿に荷物を置いてから適当に往復しようと思っていましたが、島の南側をぐるっと走ることになりました。
結果的にこの方が良かった。翌日の午前中に島の北側を走ればちょうど一周できます。
いきなり南国感満載の植生が迎えてくれました。
芭蕉の木。バナナ?
鳥も違いますよ。
日本の里山のお友達、トビは1羽もみませんでした。その代わり、、、
日頃見ない鳥を見られるだけで嬉しくなってきます。
走りはじめてすぐに気が付きましたが、島のメインの県道を走っていたのでは肝心の海が見えない。来たからにはやはり海沿いを走りたいので脇道から浜へ向かおうとすると畑作業されていた地元の方がウミガメがいるという浜を教えてくれました。
うーん、どれどれ。
目を凝らしてしばらく眺めていましたが、見つけられません。
それにしても見たことない海の色。
後から聞くにはカメは満潮時に藻を食べにこの場所までやって来るんだとか。当然ですが、行けば必ず会えるものではありません。右端に唯一写っているのはウミウ。
半崎
ヤギ一家、放牧中?
田皆岬の灯台が見えました。
折角目的地に着いたのに海の写真がありません。。。
というのも、本当の岬へはここから歩いていく必要があり、時間的に諦めました。でも、今思えば行けばよかったな。
島の西側。
サトウキビ畑は正に収穫の真っ最中でした。
親方の自転車は去年のJBTで前野店長が乗ったステンレス車。最近は好んでこれを乗っているような気がする。
この日はここで17時30分くらい。宿に入れたのは18時を回っていました。
やはり、観光しながらだとちょっと余裕がなかったな。。
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翌朝。
まずは展望台へ。
眼下に見える公園の花壇にはユリの苗がびっしり。
街のあちこちで見かけたものと同じです。調べると「えらぶユリ」と呼ばれる沖永良部島の特産品だそうですよ。
花の時期は素晴らしいでしょうね。
沖永良部空港
手前の畑には田芋が植えられています。
このお芋を原料にしたお菓子はとても美味しかった。古くから沖永良部島と与論島で先祖供養や神事でも使われてきた特産品だそうです。
前日の夕食で入った串カツ屋さんで、最近は近くにクジラの親子がいて割と頻繁に目撃されているという情報を貰いました。で、期待に胸を膨らませ向かうことに。
子供がいるので30分に一度は息継ぎに上がってくるよ、と教えてもらったのでしばらくいましたが、結局クジラには会えませんでした。海次第で東シナ海と太平洋を行ったり来たりしているそうです。
ただただのどかできれいな海。その海の向こうの島影は徳之島。
クジラもウミガメも見れませんでしたが、なんだか満足して港へ向かいました。その道中に日本一のガジュマルの木があると言うので立ち寄りました。
現役の小学校の敷地内ですので、職員の方に許可を取って中に入らせていただいてます。
子供たちもいましたが、みんな元気で、キチンと挨拶してくれて、ガジュマルの木と共にそんな事にも心が温かくなりました。
ざっと駆け足で巡った沖永良部島。
2-3泊すればクジラにもウミガメにも会えたんでしょうね。
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【宿泊情報】コチンダホテル
「コチンダ」って「東風平」って書くようです。「ひがし風」「はるかぜ」を意味する沖縄の言葉。
赤い瓦屋根の長屋風のコテージ。中央にはガジュマルの木。食事は朝食のみ。喫茶やアメニティーグッズなどはコテージの共有スペースにまとめられています。
宿のチェックインとチェックアウトは「島のサイクルズ」で。
気さくなご主人が食事の場所や島の見どころなど教えてくれますよ。
レンタサイクルもあり〼。
次は与論島編です。
留萌から宗谷 ~稚内・宗谷~
朝食前の散歩。
日が昇り始めたところでしたが、すでに良いお天気。
港では島への往復時に乗った2艘の船が停泊しています。
【稚内港北防波堤ドーム】
ホテルは稚内の歴史的建造物のすぐ近くでした。
この半ドーム状の建造物は、かつて樺太が日本だったころ、宗谷本線から樺太行の連絡船へと乗り継ぐ人たちにとっての発着場となっており、その鉄道や道路を雨風から守っていた防波堤でもありました。実際に使用されていた期間は短かったようですが、当時の賑わいが想像できるモダンで立派な作りです。
<画像=wow50より>
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9月15日 稚内~宗谷岬
いよいよ旅の最終目的地の宗谷岬まで走る日です。距離は寄り道しても60kmほど、見所は最北端の宗谷岬くらい?
実は2人ともサロベツ・礼文・利尻と走り終えて「もう、旅のクライマックスは終えた」と思っていました。もっと白状すると、「最北端」というワードに興味が薄い私は「もう帰ってもいいんじゃないの?」とすら思っていました。稚内空港はもうすぐそこです。ですが、なんの、なんの、この日のコース上も心震える見どころがいくつもありました。帰りの飛行機を翌日に控えて、旅の余韻を楽しむどころか大はしゃぎの一日となったのでした。
寄り道は宗谷ふれあい公園展望台、大沼、宗谷岬、宗谷丘陵、白い道など。
昼食と宿泊はペンション亜留芽利亜。
出発前。
今回の旅は全く自転車のトラブルはありませんでした。パンクすらしなかったのですが、10日も海沿いを走るとペダリングに違和感が出てきました。コツコツ当たるような感じがしたり、実際にペダルを回すたびに音がして気になります。
そんな時はこれ。軽く汚れを拭きとって数滴チェーンに差すだけです。旅先では特に携帯用の19mlが便利ですよ。自転車も全体的にうっすら白く汚れていたのでサッとお掃除。手指消毒用のウェットティッシュはこんな時にも役立ちます。
宗谷湾の向こうには宗谷岬、反対側は大沼の向こうに利尻山が見渡せます。丘の上の展望広場は思っていたより広くてとても気持ちの良い場所でした。
この日の利尻もきれいでした。
大沼の畔の野鳥観察小屋。
野鳥はカモすらおらず。。。
渡り鳥が来る頃だと壮観でしょうね。。
いろんな利尻山の宗谷バージョン。
水鳥が立てるくらいの遠浅の海と利尻山のコラボレーション。秋の午前中の柔らかい光が反射する水面の向こうの利尻山は神々しいほどです。実は私は今回の旅でここから見た利尻山に一番感動しました。めっちゃ好みです。
そして、ここにもアザラシの群れ!
海の色が変わる手前のところでたくさん寝転んでいました。宿の方によると日によってはトドも見られるそうですよ。
【宗谷岬】
お馴染みのモニュメントの前はやはり人気です。
でもそこから宗谷岬平和公園まで上がるとまた違った景色が広がりますよ。
海側には北海道での酪農の発展を記念するあけぼの像。海の向こうにはうっすらサハリン(樺太)も見えています。
丘側にすっくと立つ塔は祈りの塔。
トイレや売店、食堂などの他に広場にはこういったいくつかの記念碑が設置されています。そして、その中をなぜか野生のシカが闊歩してました。
平和公園からは最北端のモニュメントも見えました。更に最北端度が増しますね~。
ここには平和の象徴としてアルメリアという花が植えられています。
稚内市内の至るところでみられるようになったアルメリアの花は、ここ宗谷岬平和公園に植えたのがはじまりで、毎年、夏には美しいピンクの花がこの公園を埋め尽くすとのこと。
また、この日の宿は「ペンションアルメリア」と言ってこの花に因んでいるそうです。
【宗谷丘陵】
平和公園から更に内陸へ進むと広大な丘陵地帯を利用した牧場が広がります。結構アップダウンがありますが、開放的でスケールの大きな景色が楽しめます。最北端に来られた方はぜひ少し寄り道をして牧場まで足を延ばすと良いですよ。この先の「白い道」も含めて周回しても30kmほどです。
【白い道】
町の名産品でもあるホタテの貝殻を敷き詰めた、文字通り白い道。ダイナミックな牧草地の丘陵地帯に突如として現れます。もうすでに知る人ぞ知る観光名所となっていますので車やバイクで訪れる人も結構おられました。自転車だとアップダウンがそこそこあるのと、貝殻を敷き詰めたダート道という事でロードバイクやママチャリではちょっと厳しい。まさしくランドナーが得意とする道ですね。自転車できていたのは私たちだけでした。
ツーリングに来てここを走らずに通り過ぎるなんてかなりもったいないかも。
11泊したお宿の中でホームページから一番イメージが掴みづらかったのはこのお宿でした。
宗谷湾に面する立地でロケーションは最高。でも、洋風なの? 和風なの? 宿の名前が意味することは? ペンションだけど大衆食堂もやってるの? と謎がいっぱいでした。でも、実際に行ってみると居心地の良い、とても良心的な宿、兼レストランでした。おそらくこのお宿の名前の意味が謎を解くカギだったのかな。この地で平和を願う花として植えられてきたアルメリアが由来となっています。私たちはスペインの都市名と勘違いしていましたからさらに混乱しました。
宿泊だけでなく、お昼は食堂もされているのでとてもありがたい。私たちは稚内から走り出して途中お昼をここでいただき、荷物も置かせていただきました。で、走り終えて戻ってきたら喫茶でコーヒーをいただいてくつろげました。(本当はレストランの時間は14時までだったようですが気持ちよく対応してくれました。)
で、全部の旅程を無事に走り終えて感慨に浸っている私たちのところに女将が話しかけてきたんです。
女将 「五右衛門風呂いかがですか?」
親方+専務 「・・・??」
女将 「今日はお湯も入れ替えたし是非どうぞ。」
親方+専務 「いやいやいやいや。」
お宿の湾側に確かに五右衛門風呂があるのはお昼ご飯の時にも目にしていました。ようするに宿の食堂の大きな窓から海原が見渡せるのですが、その浜の一角というか、一番いい場所にそのお風呂はありました。
女将 「大人3人くらいだと余裕で入れますよ。お二人でどうぞ。」
親方+専務 「いやいやいやいや!! 」
女将 「皆さん、そう言いつつも入るととても喜ばれるんです。水着も無料でお貸しします。」
専務 「いやいやいやいやいやいやいやいや!! とんでもない!!!」
親方 「・・・。」
女将 「大丈夫です。皆さん、慣れたら何度も入りたくなるんです。女性用もありますよ。」
専務 「いやいやいやいやいやいやいや。。。」
というやり取りを10分くらいして親方が五右衛門風呂をいただくことになったのでした。
寒くなく、暑くなく、確かに露天風呂日和。海も利尻山も湯船から独り占めです。
しかも、夕暮が近づくにつれ太陽の周りに「ハロ」が現れました。
近づいてきている台風の影響で北海道のお天気もこの日を境に下り坂。そんな旅の最終日にこんな貴重な体験をさせていただいたのでした。
ペンション亜留芽利亜さん、サービス満点! おススメです。
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9月16日 ペンション亜留芽利亜~稚内空港
ANA羽田経由伊丹行きは13:15発。
空港には11時30分に着けば、輪行したとしても余裕です。空港の近所の北の桜守パークに立ち寄る予定にしてあったので前の晩に「北の桜守」の映画を見ておきましたが、あえて立寄る必要は無かったかな。映画は良い映画でしたよ。
それより、メグマ沼に向かう道が良かった。例によって親方が地図を眺めていて決めたルートですが、牧場内を突っ切る農道(ダート)です。
いきなり牛の朝の横断に出会いました。すべての牛が牧場に出るまで10分くらいかな。
そして、その出てきた牛たちが興味津々で私の近くに集まってきました。
丈のある草と小さな溝で隔てられているとはいえちょっとソワソワします。。しかも、私が走り出すと彼らも一緒にドッドッドッと後を追って一緒に走り出したんです。親方、後ろで見ていて大喜び。牛も自転車が珍しかったんですね。
牧場らしい景色が広がります。
牧場の管理者さんが右下に写ってますよ。(^^)
このダートはたぶん2-3kmほど。楽しい道でした。
【メグマ沼自然公園】
メグマ沼は海跡湖で、海だったところが地形の変動によって切り離されてできた湖。その湖の周りには日本最北の湿原が広がっています。木道が整備されていて、湖畔を歩くことができるようになっていたので自転車を置いてお散歩してきました。
我ながらとても楽しそうです。後ろは宗谷岬が写っています。
そして、これがこの旅で撮影した最後の利尻山。
お天気は今一つでしたがしっかりその姿を見せてくれていました。
***
実は、親方には見たい利尻山の姿がもうひとつありました。
それは飛行機から見る利尻山。
その日、台風が近づいていたものの山に雲はかかっておらずチャンスでした。
飛行機に乗るまでウキウキ、ワクワク。
でも、なんと、座ったシートは機体の左側!!!
座席の予約の時に左右を間違えてしまいせっかくのチャンスを逃してしまったのです。。。
チーン。。
それまでウキウキしていた親方は見れないと分かったとたん意気消沈したのでした。(笑)
********
いよいよ日本も行動制限が解除され、自由に旅ができるようになりつつありますね。
ほんと、嬉しいです。
振り返れば3年もの間、世界中で人の往来が制限されてしまい、世の中が大きく変わりました。ネットの発達によって簡単に情報は得られるし、会わなくても人と人がつながることができる時代です。ですが、でもね、やっぱり、ちゃんと現地に立ち、人と会うことが大切だとしみじみ感じます。会うだけで、その場に立つだけで、言葉だけでは伝えられない、伝わらないことが、一瞬にして理解できることがたくさんあります。自分の足で立ち、自分の目で見、自分の心で感じることがやっぱり大切です。
旅に出ましょう。
そして、旅の相棒にはランドナーがぴったりです。今回、礼文島で泊まった花れぶんの女将が私たちの旅姿を見て「なんてシンプルな旅」と絶賛してくれました。ずっとランドナーに乗ってこられた方にとっては当たり前のことですが、自転車にスマートに荷物を負わせ、自分たちは身軽に旅ができるランドナーは誰が見ても機能美に溢れているのです。
京都にお越しの際はアイズバイシクルにもお立ち寄りください。
イベントもいろいろ予定しています。
10月22日 京王閣フリーマーケット
10月30日 岐阜羽島サイクルフリーマーケット
11月3日 コンセントラリー「おにゅう峠」(アイズバイシクル主催)
11月23日 タンデム学会(アイズバイシクル主催)
皆様に直接お会いできるのをスタッフ一同楽しみにしています。
留萌から宗谷 ~利尻島~
礼文島から利尻島まではフェリーで50分ほどです。
2等自由乗船券1,030円 自転車920円(輪行時は無料)
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9月13日 利尻島
午後2時前に鴛泊港に到着。
当初の予定では沓形港に着いてからまずは宿にチェックインし、それからサイクリングロードを適当に走って往復する予定でした。でも、お天気も下り坂でしたし、風も強かったので結果的にはこれが正解でした。利尻島のサイクリングロードは想像以上に素晴らしく、宿のある沓形まで走行距離は20km足らずでしたが余裕をもって楽しめました。
この日に走った道はほとんどが島の北側のサイクリングロードです。地図は「りしぷら」の地図が分かりやすいと思います。リンクを開いていただくと他にもサイクリストの力量に応じて3種類のコースを紹介されていますよ。「りしぷら」は利尻島の観光ポータルサイトとして利尻の魅力を細かく紹介しています。利尻富士町ホームページの案内も親切です。
利尻北麓野営場へと向かう道の利尻山神社の前あたりからサイクリングロードに入れました。これがとても素晴らしい道でしたよ。なんか、ある意味、サロベツよりも野性味があって感動しました。それに、何より歩行者と自転車のためだけにこの道があるなんてすごいですよね。
映画のロケ地にもなっています。
サイクリングロードは完全に車が入れないようにしてあります。ところどころ寸断されて道道105を横断しなければならないところや交差路がありますが注意喚起がしっかりされています。
夕暮前にお宿にチェックインして間もなく雨が降り出しました。
だんだん風も強くなって翌日の稚内行きも心配になってきました。でも、旅はあと2日。万が一、船が欠航してここに足止めされたとしても、もう、何とかなるスケジュールです。お風呂に入って、コインランドリーで洗濯して、夕飯いただいて、お風呂に入って、「そろそろ帰るんだなぁ。」とか思いながら窓の外の風の音を聞きながら寝たのでした。
この日のお宿は沓形のホテル利尻。
礼文・利尻で唯一の源泉かけ流し温泉とのことでとても良いお湯。でもね、褐色のお湯は湯船の底を隠すほどで、中に段差が2ヵ所あるのに気づかず踵をすりむいてしまいました。。足元要注意ですよ~。売店ではサロベツの有名牧場のアイスがあります。
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9月14日 利尻~稚内
案の定、心配していた船は午前中はすべて欠航になりました。でも、私たちが乗る予定にしていた17時40分発だけ出航することに。1日3便ある船が1便に集約されることになります。そこで親方、「きっと混むから1等にしようか」とか言い出す。なるほどなるほど、名案です。2等自由席はシート席もありますが、多くが雑魚寝ができる座敷席です。どれほどの方が乗られるのか分かりませんが、人混みを避ける意味でもちょっと奮発することにして、朝の内にネットで購入しておきました。
利尻~稚内迄 1等指定席 5,400円。2等自由席が2,660円なのでほぼ倍ですね。
これで安心してギリギリまで遊ぶことができます。自転車は一台1,800円、輪行時は無料です。
地図は姫沼までになっていますが、そのあとまたサイクリングロードへ入り鴛泊のフェリーターミナルでゴールです。これで利尻一周約60km完走。コースは北側と違ってアップダウンが結構あるので風があるとちょっと難儀です。途中であきらめてバスに乗っちゃう人も結構いるのだとか。でも、見どころもいろいろありましたよ。
宿を出発した直ぐはこんな感じ。
気温も低く利尻山も厚い雲に覆われています。でも夜中に吹き荒れていた風は少し治まっていて雨もほぼ止んでいました。
そして1時間もしないうちにこの青空。
今回はホントお天気に恵まれました。
サイクリングロードとして整備されているのは島の北側のみですので、この日はホテルを出て道道108、利尻ファンタスティックロードを走ります。
【寝熊の岩】
確かに、熊が寝そべってるように見えます。でも、泳いでる風にも見えますね。
この後、利尻町立博物館にもよったのですが、明治45年に本道から利尻島まで泳いで渡ってきたと云われる熊を退治した話が写真付きで伝えられています。でも、ちょっと調べてみると2018年にもそんな話が浮上してたり、最近では2022年の6月に無人カメラに写っていたそう。今はその熊の痕跡は無くなったようですが、クマって結構な距離を泳ぐんですね。
【霊峰湧水】
このお水、本当に美味しかった。
で、水を汲んで楽しんでいる私たちに声をかけてこられた方がこの方。
町おこしで2017年に結成された「リーシリボーイズ」の主要メンバー、コンブアッペカッチャさん!
???でしょ。
私たちもお話していてほとんど解っていなかったんですが、「おら、有名人だども知らねぇの?」なんて言うので、稚内についてからネットで調べてみてビックリ。是非、@pressさんのページも覗いてみてください。そんな方と小一時間も立ち話して、お別れする時には利尻昆布を二束もいただいてしまいました。
話した内容は利尻町の話かというとそれはほんの一部、ほとんどがご自身が経験されたシベリア抑留のお話と、私財を使ってここに慰霊碑を建てるんだという熱いお話でした。私も親方も実際にシベリアに抑留された方のお話を聞いたのは初めてでしたし、直に聞くこの地の言葉がとても新鮮で、とても刺激的な時間を過ごさせてもらえました。御年97歳。またお会いしたいです。
天気もどんどん良くなってきましたよ。
利尻島の中では利尻山を文字通り四方八方から眺めることになるので山の形が劇的に変わります。こんな利尻もこの旅で初めてです。
【利尻町立博物館】
入館料200円
トドのはく製や利尻町の鰊番屋の様子が再現され展示されています。囲炉裏を囲むヤン衆の人形がすごいリアルでちょっとビックリしました。この後で利尻郷土資料館もありますが内容的にかぶるものもあります。
この魚、礼文荘で出していただいた煮魚。「ハッカク」って初めて。美味しかったんですよ。
【仙法志御崎公園】
ちょうど利尻島の南に位置し、利尻山を南側から眺めることができます。
礼文島とは全く異なる海原ですね。
お昼ご飯は走ってきた道中で見つけた「まるヰ食堂」まで戻ることにしました。
地元の方々が通う食堂が美味しい確率は高いです。ここも独特なセルフサービスでしたが、美味しかったですよ。親方は塩ラーメン、私はタコ天うどんをいただきました。
島の南側は海岸線らしい大き目のアップダウンが続きます。
向こうに見える島影は本道。
【南原湿原】
ここまでくると利尻山にかかっていた雲はすべて晴れていました。山頂近くのローソク岩もはっきり見えています。
メヌウショロ沼の周りは木道が整備されていて散歩をしても良いですよ。1kmほどです。トイレ有。
【オタトマリ沼】
メヌウショロ沼と同じくらいの遊歩道があります。食堂と土産物屋を兼ねたお店が2軒あり一息つけます。
【白い恋人の丘】
オタトマリ沼の売店の方に薦められて寄ることにしました。道道から外れて展望台まで上りです。
利尻山ばっちり。
恋人たちへの演出の為か、その利尻を眺めるために二人掛けのベンチが置かれていました。
そして、海側は本道が望めます。
なんと、対岸のオトンルイがはっきり見えていました。
これほどになると人工物とはいえすごいランドマークですね。無くなってしまうのはちょっと惜しいくらいです。
【利尻郷土資料館】
鬼脇の集落内の赤い屋根のかわいらしい建物です。後で調べると昔の町役場だったそう。展示品は町の博物館と被るものもあるし規模も小さいですが建屋を見に訪れるのも良いかも。入館料200円。
【二ツ石海岸公園】
何かの芯材を再利用したと思われるテーブルとベンチがおかれています。天気が良くここでも対岸の風車が良く見えました。
南東側からの利尻山。
島の東側も交通量も少なくひたすら気持ちの良い道が続きます。
あの向こうに見える島影は礼文島。
【野塚駐輪駐車公園】
利尻島サイクリングロードの起点。
ここからサイクリングロードに入り、鴛泊港まで走りました。
自転車専用道なのに渓谷にちゃんとした橋がいくつもかかっていてとても立派なサイクリングロードです。全長24.9km。全部走った体感として富士野園地の西側と東側でちょっと趣が違います。前の日に走った西側は概ね平坦で開放的な景色が多く望めます。一方、この日走った東側は木立の中を大小さまざまな橋を使って走り、姫沼、湾内大橋とアップダウンがいくつかあります。どっちのコースも良いですね。オフシーズンなのもあるかもしれませんが、こんなに安心して走れるサイクリングロードも珍しい気がします。
すばしっこく動き回るキビタキを写真に収めることができました。
あちこちから鳥のさえずりが聞こえてきて楽しかった。
【姫沼】
サイクリングロードから外れて少し上ったところにあります。距離は800mほどですので行ってみました。
とてもやさしいシルエットの利尻山を見ることができました。
姫沼からサイクリングロードに戻ると湾内大橋まで再び上り返します。でも、これで最後。あとは港まで下っていけます。
【鴛泊港フェリーターミナル】
港でチェックインを済ませた後、出港時間の17時40分まで1時間ほどありました。
で、親方がササッとネットで見つけたカフェに入ることに。フェリーターミナル真ん前に何軒かある商店の一つ、PORTO COFFEEさん。矢印の下あたりです。
時間調整のためでしたが、コーヒーをいただいてビックリしました。大きな街中の有名店よりもずっと美味しくていい香り。近くにこんなお店があると良いのにな。でも、利尻のお水のおかげかもしれないですね。
予定通りに船は出港。
乗船客は確かにたくさんおられましたが、1等席はガラガラ。(笑)
1等席から見た利尻山。
鴛泊港から稚内港まで1時間40分です。
稚内のホテルは港にほど近いビジネスホテルでしたので夜の8時前のチェックインでしたが問題なくスムーズでした。自転車をフロントに預けて、荷物を置いたら歩いて街へ。夕食は地元で人気のスープカレーをいただきました。
今やネットのおかげでどこにいても旅の苦労は激減できますね。ある意味、旅の面白さも少し減ってしまうのかもしれませんが、ネット以前の旅とは大違いです。20年以上前が青春だった人たちにとって、かつて自分が地図や時刻表を頼りに旅した道を「今」旅するとちょっと物足りないかも!?
でも、やっぱり旅は楽しい。
平和であればこれはどんな時代になっても変わらない気がします。