アイズの独り言>

いよいよConcours de Machines(コンクールマシン)まで14日となりました。「今年の夏はコンクールに出るぞ、フランスに行くぞ」と親方が私たちに告げたのはちょうど春ごろだったと思います。フランスに行く?世界の舞台でグランボアの自転車を競わせる?なんだかよく分からなくて、その話を聞いたときにはまだ夢見心地でした。
 
 
 
以前にも少しご紹介しましたが、グランボアはこの夏、フランスはクレモンフェラン近郊の街アンベールで開催されるコンクールマシンという自転車のレースに出場します!

2016年が第一回目のこのレースは、まだ始まったばかりの新しい大会です。そこにはフランスをはじめ世界各国の自転車ビルダーが集まり、6月30日~7月2日の3日間にわたり、合計400kmをひとりのライダーと一台の自転車で走り切ります。400kmの行程には舗装路やダート、峠道も含まれたヴァリエーションに富んだコースとなります。そして、レースの3日間が終わったときに最も優秀だった自転車が賞されます。そう、このレースの本質は、自転車そのものの性能を競い合うことなのです。

現在、スポーツ自転車のレースというのは乗り手が競い合って勝敗が決まるレースを差します。もちろん勝てば表彰されるのは選手ですので、いかに強い選手を育てるかというところに一番力が注がれています。一方、コンクールマシンで競われるのは自転車そのものの性能です。いかに軽量で、なおかつ3日間のハードなレースを走りきることができる耐久力のある自転車を作れるかということが、このレースで競われるポイントです。
 
 
「かつてのサンジェやエルスがそうだったように、世界のビルダーたちと競い合いながら、ありとあらゆる工夫を凝らして自転車を作っていくことが今後の自転車業界全体の技術の向上につながっていくだろう」と親方は話してくれました。そしてこれが、グランボアがこのレースに挑戦する目的です。
 
 

サンジェ本の表紙にもなっている、1947年のコンクールマシン優勝車。実は、かつて自転車の性能を競うコンクールがフランスで開催されたことがありました。それは、第二次世界大戦を挟んで開催され、たった5回で終わってしまったそうですが、今なおハンドメイド自転車の最高峰とされるサンジェやエルスもしのぎを削り、フランスの自転車産業における技術の革新をもたらした伝説のコンクールだったそうです。当時のコンクールで優勝した自転車をよく研究すると随所に軽量化のヒントが隠されていて、そこからアイデアを思いつくことがあると店長が話していました。
 
 
*****
 
 
2017年のコンクールは6月29日から始まります。レースを前日に控えたこの日は各チームがそれぞれ自転車のプレゼンをします。審査員のほかに参加者とオーディエンスもこのプレゼンの聴衆となります。そして翌日6月30日から3日間のレースが始まります。採点はポイント制で、レースが終わった時点で、自転車の車体重量+レースでの平均速度+レース中のマシントラブル+審判・参加者・オーディエンスによる投票の総合得点でポイントが加点・減点され、その年のコンクール優勝車が決まります。

具体的には、

①自転車の車体重量・・・10.5kgを基準とし、それより重いか・軽いか。
②レースでの平均速度・・・レースでの平均時速を22.5kmとし、それより速いか・遅いか。
④レース中のマシントラブル・・・マシントラブルが起こると減点。
③審判・参加者・オーディエンスの投票・・・プレゼンとレースを総合判断し、優れた自転車へ投票。

という点が評価の基準となり、最終的に最も高いポイントを持っている自転車が優勝となります。
 
 
ほかにも、コンクールにはいくつかの規定があります。たとえば、①で述べた車体重量とは電装・キャリア・泥除け・バック・中身の荷物も含めた総重量のことを指します。また、レース開催中の3日間、自転車のメンテナンスはライダー本人がしなければならならず、故障によるメカの交換はできないというルールがあります。

そのため、軽量化と耐久性のバランスをいかにとっていくかということが、コンクールで良い結果を出すために必要な鍵になります。軽量化していくことの基本は、いらないものを削り、いるものを最小限だけ残すということですが、この「いるものの最小限」を見極めていくことができないと、耐久性のない自転車になってしまい3日間のレースを世界と競い合いながら走りきることは困難です。また、自転車そのものの軽量化を考えるとともに、バックのみならず携行する荷物の最低限もよく考えて準備をする必要があります。オーダーメイドで軽いバックを作ってもらったり、軽量工具を作ってもらったりと、お店を越えて様々な方に協力していただきながら準備を進めています。

 

 

コンクールまであと14日。アイズの工房では通常業務と平行してコンクールのための自転車作りも大詰めを迎えようとしています。去年の優勝車の車体重量は9.3kg。グランボアは9kgに目標を定めて自転車を作ってます。そして昨日、コンクールの予備車となる親方フレーム3号車が完成しました!!!

しかも、グランボアの新しいオリジナルパーツ、葉っぱモチーフのチェンリングも搭載しているんです!

 

 

こちらの予備車でまずはテスト走行を繰り返し、ブラッシュアップしながら本戦用の自転車を作っていく予定です。

軽さ、耐久性、そしてグランボアがずっと大事にしてきた自転車の美しさ、すべてを兼ね備えた自転車を作って本戦に臨みたいと思います。これからコンクールまでの間、少しづつ自転車の詳細をご紹介していきますね。チームグランボアの挑戦、応援よろしくお願いします!

なっぱ (2021年退職)

こんにちは、スタッフの前野です。先月に続き好天に恵まれたアイズの朝サイ、6月も無事に開催できました。参加してくださった皆様ありがとうございました。
今月はアイズの朝サイ史上最長の53km、9時にお店をスタートして3時間で戻ってくるプランです。いつもの朝サイは長くて30km、3時間あればゆっくり休憩して戻ってこられます。しかし今回は倍近い距離を走るので、休憩短めの走りを楽しむ朝サイとして企画しました。
アイズバイシクルをスタートしてまずは急勾配の六丁峠を登ります。峠での談笑は楽しいですが先が長いので早めに切り上げ、保津峡へ下ります。

 

 

朝サイ皆勤賞のK様はご都合のため保津峡でお別れとなりましたが毎回のご参加ありがとうございます!

 

柚子で有名な水尾の集落を抜け、愛宕山を横目に神明峠を登っていきます。峠の途中に湧き水があるので休憩です。サイクリング中に飲む愛宕山の湧き水はとってもおいしいですよ。

 

神吉を過ぎてダウンヒルを終えると細野の田園風景が待っています。このあたりで正午を回っていました。時間が押していますがしばらく休んでいなかったのでここで休憩。この後、笠トンネル、御経坂峠を通って帰りました。

 

お店に帰ってきたのは13時前。たくさん走ったので少し遅くなってしまいました。参加者の方から「今日は朝サイじゃなくて朝トレーニングだ!」という言葉を頂いたとおり、帰ってきた頃にはお腹がペコペコでした。そんなハードな朝サイでしたが、走り終わった皆さんの充実感に包まれた笑顔を見ていると、たまにはこんな朝サイもいいのかな?と思いました。
ただ、アイズの朝サイはあくまでも午前中、12時までに帰るのが基本です。予定がある中、ご参加くださる方もいらっしゃるので今後も出来るだけ時間内に収まるよう行きたいと思います。大勢でペースを合わせて走るのは難しいですが、今回の朝サイでヒントを見つけました。今度は皆さんにより楽しんでいただける朝サイをご案内できるかと思います!

さて、お店に到着後親方から4月に開催した棒付変速機優勝杯の勝者Mさんへのトロフィー授与式が行われました。レース終了後、トロフィーに名入れをさせていただき再度授与の運びとなりました。
レースの様子はこちら!

 

 

今年は自分も決勝に残ることが出来ましたが、予選と同じくチェーン落ちで失速。スムーズな変速操作で優勝したMさんの背中は遥か彼方でした。来年こそMさんに追いつきたいなあ…
Mさん改めて優勝おめでとうございます!

 

 

来月の朝サイも第二日曜日午前中に開催です。午後からは毎年恒例の七夕セールを予定しています。朝サイとあわせてお楽しみください。その時には、現在準備中のコンクールドマシンのご報告も出来るかと思います。
今回は距離が長く峠も多かったので急ぎ足でしたが、普段は短い距離を午前中の間のんびりと走るサイクリングです。初めての方もどうぞ気軽にご参加ください!

まえの

2017.05.29

夏の予定

今年の夏、久しぶりにフランスへ出かける予定です。

もちろん仕事です。(ほんとうです!)

昨年末から「親方フレーム工房(仮称)」が本格稼動し始めてまる5ヶ月、ようやく4本目が完成しようとしています。最初ですのでいろいろ模索しながら、作っては修正し、足りないジグや道具を補い、「感」や「熟練の技」に頼らずとも良いものが作れる環境を整えながらの作業を一人繰り返しています。そして、本数を重ねるにつれ、当然ながら出来上がるのも早くなり、芯のシッカリ出た良いものができるようになってきています。

実際にはこの4本目フレームはフランスはアンベールで開催される”Conours de Machines“でチョコが乗る予備車となります。次の5本目は当然本戦用としてこれから作るわけです。出発まであと27日。店長は軽量化を進めるためのパーツの吟味と加工、チョコは昨日も300キロブルベに参加するなどしながら、パイロットとしての体の調整を進めています。店一体となってのアイズのチャレンジは日々の仕事をこなしながら進んでいますよ!

 

手の内を今明かすわけにはいかないのですが、いろいろしているうちのほんの少しお見せしますと。。。穴を開けるのは軽量化の基本。元が何か分かりますか?

「それは生爪がいるなぁ。」

「生爪を締め上げてやるんや。」

「!!!」

物騒な会話を耳にした後、納品された道具が上の写真。

「三角もあれば四角もあんねんで。」と更に教えてもらいました。

実際に何をしているんでしょうね。。私たちも出来上がりが楽しみです。

 

【コンクールマシーン~Concours de Machines~】

第2次世界大戦前後、フランスでたった5回のみ開催された自転車そのものを競うコンクール。あのサンジェやエルスも参加し、フランスの自転車産業における技術の革新をもたらした伝説のコンクールです。

 

 

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そして、ラリーグランボアにご参加くださった方々は既にご存知ですが、グランボアのジャージがあのルイゾンボベとのコラボで実現します。今回のコンクールに間に合わせるべく作業を進めてもらっていますのでもう間も無く出来上がる予定です。そこで本日より30周年特別価格にてご予約を承ります。ラリーにご参加下さった方々もご希望の方はサイズと枚数をこの期間にお知らせください。当然ながら枚数には限りがございます。また特別価格はご予約のみとさせていただきますのでよろしくお願いします。ご予約はこちらから。

 

 

あと、長らく欠品していました23Cタイヤ、コルデマドレーヌが入荷しています。お待たせしました。

 

つちやはるみ

慌しい5月も早終盤。

週末ごとにイベントがあり、ご不便をおかけしています。

先週末のランデヴーはその前の週にあったエロイカとは打って変わって2日間ともすばらしいお天気に恵まれました。

 

現地に着いたときも。

 

夜明け前も。

 

翌日も。

 

みんなの日頃の行いのおかげでしょう!

今年で19回目となったこの会も多くは馴染みの方ばかりで年に一度の同窓会のような和やかさです。来年はいよいよ20回目。今年は富士山麓での開催でしたが、来年はもう少し関西寄りで場所を検討してもらいますので、是非たくさんの方にご参加いただきたいです。サンジェオーナーの方、来年は5月19日20日開催予定です。どうぞ早めのスケジュール調整をよろしくお願いします。

 

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そして、最近ご用意できた新商品。

まずは、

フランス車のレストアには欠かせない、ユーレ(Huret)用とサンプレ(Simplex)用のディレーラーケーブル。(チェンジケーブルと言ったり、シフトケーブル言ったりもします。)

ソロ用前後1台分800円(税別)の予定です。ショッピングのページは明日にでもアップしますね。

 

そして、

こちらはお馴染みのグランボアスモールフランジハブに28穴が加わりました。お値段はこれまでと同じです。

 

 

 

それに、こちら。

11s用のカセットボディ。パッと見て判りにくいですが、下がそうです。

これまでのグランボアのハブはシマノでしたら10速までしか対応していませんでしたが、これで11速に対応できることとなります。また、グランボアのハブをお持ちの場合はこちらに交換していただくだけでハブ本体はそのままで11速化が可能です。

今回はためしでボディのみ少量入れましたのでご希望の方はショッピングサイトのご要望欄、もしくはメールにてご相談ください。

 

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そして本日組みあがった自転車は稀に見る大物。

エンジン付きのエルスのタンデムです。人力で走ることもできる仕様になっていてオモシロいです。しばらくはお店で見られるかも。

今週末は親方も出てきていますのでどうぞ遊びに来てくださいませ。

 

 

つちやはるみ

アイズバイシクルの4月29日は毎年恒例のカンパ初期の棒式変速機を搭載した自転車だけで競うちょっと変わったレース、棒式変速機優勝杯・コッパデカンビオバケッタ。2017年は新チャンピオンが誕生しました!
 
 
レースはまず予選があり、1周1キロのコースを3周回ってタイムを競います。1キロのコースにはダート、登り坂があり、加えて変速ポイントが2回設定されています。変速ポイントを変速せずに通過してしまうとペナルティでタイムが加算されてしまうルールになっています。そして、上位3名によるマスドスタートでの決勝戦でチャンピオンが決まります。チャンピオンになるにはスピードと変速テクニックどちらも必要なレースなんです。
 
 
 
予選はくじ引きで順番が決まります。
第一走者はYさま。スターターはYさまを永遠のライバルと称するKさまです!

Aさま。開催地の美山はまだ桜が少し残っています。

大阪からお越しのSさま。ダートもなかなか走りごたえがあります。うまく変速できていないと、このダートの振動でチェンが外れる魔のスポットでもあります。

Sさま。奥様であるMさん専属コーチでもあります(!?)。コーチはもちろん変速ポイントもノーミスでクリアです。

アイズ店長。本気でこんなに速く走ることがないので、思ってる以上に疲れたそうです。

スタッフたくみ君は、この日に間に合うように作ったアイズのカンビオコルサで参戦!坂を登りきったところでチェンがはずれてしまいました。。

福井県からお越しのIさま。過去2回のレースでは決勝戦に進出された実力者です!

Nさまの変速はいつもスムーズ。トラブルなく3周走られます。

親方も参戦!一番ドラマチックなシーンが見られるので、審判のいるチェックポイントが一番の観覧席になります。


 
 
 
今年の決勝戦は、去年の大会でも速い速いと皆さまから言われていた初出場Mさん、おととしぶりに決勝進出となったKさん、そして同じく決勝戦初出場となるスタッフのチョコ君。過去2回の決勝戦の顔ぶれとメンバーが違います。ちなみに決勝戦出走者3名様はいずれも予選タイムが6分台(Mさま6’43”、Kさま6’34”、チョコ君6’15”)です。決勝戦に出るには、6分台で走ること+変速ミスをしないことが重要なポイントになってきます。
予選が終わったとたんに遠くで雷がゴロゴロ。。決勝戦は嵐の予感です・・・!
 
 
決勝戦はMさまが一番にスタート、次いで10秒後にKさま、40秒後にチョコ君の順でスタートします。Kさんのスタート時間を基準に、女性のMさんには-10秒、パワーが有り余っているチョコ君には+30秒のハンディキャップとしました。Kさんとチョコ君は3週目でMさんを追い越す作戦だったそうですが・・・




Sさま奥様。登り坂にさしかかってから失速せずに変速されています。その後ろにはKさんが迫ってきています・・・!






 
 
とうとう追い越せず!2017年チャンピオンはMさん!かっこいいです!

ご主人Sさまはカンビオコルサに乗って通勤されるほど変速が上手!レース前にも試走しながら奥様に失速せずに変速するタイミングをアドバイスされておられました。おふたりで掴んだ栄光、おめでとうございます!
 
 
 
今年のレース参加者はスタッフ含め13人。観覧のみとして遊びに来てくださった方が4名の全部で17名でした。ご参加いただいた皆様ありがとうございます!

このレースは毎年4月29日に開催しています。棒式変速機仕様の自転車をお持ちの方、ご興味のある方はぜひ来年ご参加くださいね。来年のレースが今から楽しみです!

なっぱ (2021年退職)

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