ツーリングタイヤ
かつてフランスにあったウォルバー社のタイヤは、多くのランドナーに使われていました。その代表的なタイヤのひとつがスーパーランドナーです。細めのサイズで、ライン目と杉目のミックスの美しいトレッドパターンは、ほかの650Bサイズのタイヤに比べるといかにも軽快で魅力的でした。しかし、そのタイヤがなくなってしまうと美しいランドナーも乗ることができなくなってしまいます。ランドナーを乗り続けるために、650×32Bのグランボアシプレのホワイトラベルを作りました。
ロードバイクタイヤは大きく進化しました。自動車レース用タイヤの素材を応用することによって著しく高性能化しました。その高性能なレースタイヤと同じ素材でツーリングタイヤを作ってやれば、もっと良いツーリングタイヤができるのではないかと考え、生まれたのがグリーンのラベルのシプレです。
試作したタイヤで初めて長野と群馬の県境の碓氷峠を下ったときには、コーナーでの恐ろしいほどのグリップ力を経験することができました。そして旧中仙道の緩い下り勾配での走りの伸びが違うのも驚きでした。
グリーンラベルのシプレの高性能ぶりから生まれたのがその700Cバージョン「シプレ700」です。
シプレ700の誕生以後、グランボアタイヤはアラミドビードを採用しています。アラミド繊維は引張り強度に優れた化学繊維でふつう円形のタイヤも折りたたんで持ち運ぶことができます。そして何よりもこのアラミドビードによってタイヤは大きく軽量化することができます。レーシングタイヤでは一般的に使われているもので、このことにより高性能素材を合わせ持つグランボアのタイヤはツーリング用タイヤとしてはずば抜けた性能を備えたものとなっています。
650×42Bのエートルは、かつて林道ツーリングで最も使われた42Bランドナーのために生まれました。以前はどこにでもあったダート林道はドンドンと舗装されており、ダート走行はそのコースをかなりの山奥に捜さなければならない状態になっています。それならば太くて軽いタイヤで軽快に舗装路を走れれば楽しいだろうと考え製作しました。
舗装路走行を意識してトレッドパターンはライン目に、カラーは昔のフランスタイヤに倣い標準色を赤色としました。ほかのグランボアタイヤと同じ構成の素材により製作したことにより、昔の42Bとは全く異なるタイヤになりました。重量はかつてのウォルバー・ユッチンソンの2/3ほどの重さになり、その走行性能は格段に向上したのです。
650×36BのリエールはフランスH社の定番ランドナータイヤのパターンをベースにセンターラインを大きくとり、トレッドゴムがなるべくサイドウォールをカバーするようにしています。舗装路にも未舗装路にも対応できるオールマイティーなタイヤができあがりました。
23C~28Cまでの700Cのタイヤはパナレーサーツアラーと同一の型で製作しています。
特に23Cのコルデマドレーヌはフランスのアレックスサンジェのオリビエ・シューカ氏の要望から生まれました。
彼がパリルーベのアマチュアレースに参加してグランボアセール26Cで実走体験したことによります。有名なマッドかつスリッピィなレースコンディションでもグランボアタイヤはよくグリップし、その高性能ぶりを認識した彼がもっと細身のタイヤを希望してきたのです。
32Aルナールは、国産のツーリング車を愛するベテランツーリストの方々からのリクエストにこたえてラインナップしました。
2018年には究極の軽量化を目指したタイヤを新たに製作しました。これまで、足回りを軽くしたいと考えた場合は細いタイヤに履き替えることを強いられ、サイクリストはそれゆえの乗り心地の悪さを受け入れなければなりませんでした。エキュルイユは38Bという太目のタイヤながらもグランボアタイヤの26Cと同程度の重量を実現しています。
回転部の絶対重量を軽減すると、登坂時に体感する軽さは明らかに別次元のものとなり、その違いはまるで別の自転車に乗り替えたかのように感じられるほどです。軽やかで快適な長距離ライドをお楽しみください。
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ハイパフォーマンスチューブ レール
さらに軽やかな走行感を追求したいという思いのもと、オリジナルチューブも製作しています。その走行感から、フランス語で翼という意味のレール(L’aile)と名付けました。
重量が軽くなったのはもちろん、走り心地のしなやかさを求める方にもおすすめです。
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エキストラレジェ
エキストラレジェのタイヤはチューブラータイヤのケージングを使っています。これによってグランボアタイヤは大きく軽量化を実現しました。一段と軽やかな走りを実現することに成功しました。
このケージングはあまりに繊細でデリケートです。サイドカットパンクには十分な注意が必要です。落石の多い道路やダート走行時には特にご注意ください。
パナレーサーのタイヤとの違い
同じ工場で作られているパナレーサーとグランボアですが、一番の違いはアンチパンクベルトの有無です。
パナレーサーのツアラーシリーズとグランボアのセールシリーズは同じ型から作られています。一番の違いはアンチパンクベルトの有無です。この二つのタイヤを実際に乗り比べてみますと、グランボアに比べツアラーではゴツゴツとした路面の振動が両椀に伝わってきます。当然のことなのですが、パンク防止のためのアンチパンクベルトは釘や鋭利なガラス破片などからチューブを守るため堅い材質で作られています。この堅くて丈夫な素材を入れることによってパンクを防いでいるのです。ツアラーは耐久性を重視してグランボアより丈夫なケージングを採用しアンチパンクベルトを入れてパンクに備えています。ただケージングとアンチパンクベルトの堅さが乗り味を硬くしてしまっているのです。タイヤ本来のしなやかさがスポイルされてしまっているのです。グランボアでは可能な限りしなやかなケージングを使い、アンチパンクベルトを引き算することにより、軽量化と快適な乗り心地を実現しています。そしてそれを太めのツーリングタイヤに組み合わせることよって舗装路面の微震動を吸収して長距離走行時の蓄積疲労を大きく軽減してくれるグランボアのタイヤとなるのです。
パンクはしないほうが良いに決まっています。しかしグランボアは快適な走りを楽しむことが第一であると考えます。アンチパンクベルトによってもパンクを100%防げるわけではありません。パンク修理の必要な時もあります。むしろパンク修理も旅の一部であると考えることができれば苦ではなくなります。それよりはいかに気持ちよく走れるかを大切にしたいと考えます。
グランボアのタイヤは基本的に同じスペックで作られています。しなやかでころがり抵抗のより少ないケージングとハイグリップのトレッドコンパウンドにより快適な走りを実現しているのです。