アイズの独り言

2018.10.02

ブルべレポート BRM915米原600km

こんにちは、チョコです。9月15~16日に開催されたオダックス近畿主催のブルベ、BRM915米原600kmに参加しました。

 

 
コースは米原駅をスタートして北陸の山間部を通って石川の千里浜ドライブウェイまで北上し、富山から高山、ひるがの高原を通って郡上市、岐阜、最後に関ヶ原を超えて米原へ戻ってくる600kmです。

 

 

スタートの前日、仕事を終えると輪行で米原へ向かいました。電車までの時間が限られているので素早く支度ができるtypeERの輪行システムは非常に助かります。

今回、スタートが朝の5:00で京都から始発輪行では間に合わないので米原駅前のホテルに前泊です。米原に到着してからは少しでも睡眠時間を確保するために緊張しない程度に急いで寝る支度を済ませ、ほぼ予定通りの23:30に就寝。しっかり熟睡できて3:45にアラームで起床しました。スタートはホテルから出て10秒のところにあるので余裕を持って支度が出来ます。

さて、今回のブルベでもっともポイントになるのが天候です。今回のブルベは前日の金曜日から雨が降っていて予報では走行初日の15日も夜まで雨。日中の気温は23度ほど。翌日は曇りか晴れの予報で場所によっては30度近くまで気温が上がる予報でした。夜間に通過する予定の高山市の気温は17度、場所によっては体感15度を下回るところもあると予想しました。雨と気温差に対応するためにフルジップの半袖ジャージ、ビブショーツ、ウールソックスの基本セットにアームカバー、長袖のウールインナー、ニッカーパンツ、上下レインウェアを気温と天候に合わせて組み合わせます。また、雨除けと日差し除けの為にヘルメットの下にサイクルキャップを常時着用していました。長指グローブも念のため携行していたのですが着用するほど冷えることはありませんでした。雨対策の一環として普段のブルべより多めに股ズレを予防するシャモアクリームを塗ったのですが、これは途中で塗りなおせるように携帯しておいた方がよかったです。初日の雨と汗でほとんど流れてしまいました。

 

 
いつもの様に受付でブルベカードを受け取り車検、ブリーフィングを済ませます。初日の雨が確定していたのでエントリー104名に対し出走者は50名ほど。今回、僕はこのブルベを完走すると2018年のSR(スーパーランドナー)認定が貰えるのですが同じように米原600でSRがかかっている人が何人かいるようで、主催者からは無理しすぎないようにとお達しがありました。

 

 

5:00スタート。木之本あたりまで信号が多いのでストップアンドゴーが続きます。自分のペースで走りたいのと前走者が跳ね上げた水を浴びたくないのでなるべく前に出て走りました。斜め上からあたる雨粒はキャップのひさしで防げますが、前走者の自転車が跳ね上げた飛沫は防ぎようがないので厄介です。

 

 

最初の登りは椿坂峠。出走前はトンネルか旧道の峠どちらを通っても良いことになっていましたが旧道はゲートが降りて通行止めになっていたのでトンネルを通過しました。
365号線を走っていて椿坂峠とセットになるのが栃木峠。こちらはピークにスキー場があるのでそこを目指して登って行きます。椿坂峠と栃木峠は一ヶ月前に同じ方向から走っていたのでペース配分に自信を持って通過できました。土地勘があるのとないのではペース配分、精神的な余裕に差が出てきますね。栃ノ木峠を越えると福井県に入ります。

 

 

石川県まで8号線沿いに走ればほぼ平坦ですが今回は越前大野、勝山を経由して山越えで石川県に入りました。写真のように明るくなってからも雨の勢いは衰えず、我慢の時間が続きます。

 

 

勝山から白山への道は北陸のらしくスノーシェードがあったり路面が派手に荒れていたりと変化に富んでいて楽しいです。雨の中走るのは大変ですが、写真のようなどこか幻想的な景色が見られるので雨も悪くないなと思います。

 

 

白山市に入る直前、福井ラプトルの像がありました。小さい頃、勝山の恐竜博物館に連れて行ってもらったのを思い出しながら写真撮影。白山市に入ってからも恐竜の像があってひとりにやけていました。こういう小さいことでも楽しいと思えると走り続けるモチベーションにつながっていきます。

 

 

手取湖沿いを走っている頃は小雨になりレインウェア無しでも走れそうな状況に。ただ予報ではこの後も雨雲の下を走る可能性が高く、レインジャケットを着ていても不快な気温ではなかったのでレインパンツだけ脱ぎました。
白山市から金沢市に入ると雨は止み、束の間の太陽が覗きます。

 

 
しかし金沢の市街地を抜ける頃には一転激しい雨に変わり、交通量の多さと視界の悪さに気を使いました。
早い所交通量の多い金沢市を抜けたかったので先を急いでいると左ペダルの感触がなくなりスルッと外れました。最初はクリートのボルトが緩んだのかと思いましたが左足を地面につけると違和感が。なんとペダルボディは靴裏についたままでシャフトだけクランクに残っていました… どうもシャフトとボディを固定するナットが緩んでいたようです。クリートからペダルボディを外せないので一旦靴を脱ぎ、ペダルボディにシューズがくっついたままシャフトに戻してナットを手で締めて固定することで復旧させることができました。今まで走行中にペダル関連のアクシンデントは起きたことがなかったので焦りました。ちなみにナットを手で締めてボディとシャフトを固定したペダルですが幸いにもゴールまでの400km、緩むことなく仕事をしてくれました。

 

 

ペダルもげ事件から復帰し七尾市に入ると雨は止んで路面もドライに。久々の乾いた路面に喜びながらPC2千里浜ドライブウェイに到着しました。ここではスタッフの方に直接サインを貰って通過証明となります。雨が止んでいるのと綺麗な景色にホッとして思わず長居。下の写真は通過チェックで待機されていたオダックス近畿のスタッフの方に撮影していただ来ました。撮影ありがとうございます。

 

 

千里浜を出て富山方面へ向かうのですがすぐに雨雲の下に入りました。富山の市街地を走るころは雨の勢いが増し、一日目の総仕上げのような様相を呈していました。ちょうど富山市でコースの半分300㎞になるのと、この先高山まで宿泊施設がほとんど無いことから富山市内に宿をとった参加者も多かったようです。僕はいつものように最小限の仮眠でゴールするつもりでいたので富山市内ではコンビニでの補給のみにとどめました。

 

 

一日中雨にさらされ、チェーンに抵抗感が出てきたのでオイルを刺します。今回のブルベで持ってきてよかったものトップスリーに予備のチェーンオイルはランクイン確定です。フロントシングルのドライブトレインはチェーンのオイル切れを起こすと一気に抵抗感が増すように感じます。

 

 

富山の市街地を抜けると高山までしばらく補給できる場所がないので多めに補給食を持ちました。真夏のブルベでは溶けてしまうチョコレートも20度前後なら大丈夫。ちなみに最近のマイブームは梅干しです。カロリーは期待できませんが甘いものがメインの補給食の中に混ぜておくと口の中がリセットされてすっきりします。クエン酸による疲労回復効果も期待できますね。

 

 

富山から高山までの区間を走っている間、22時を過ぎたあたりから眠気に襲われました。普段の感覚だと24時を回ってから眠くなるのですが日中雨に打たれ続けたせいで思ったより疲れていたようです。猪谷駅をすぎて国道41号から360号に分岐するのですが、ここを見落としてしまい長いトンネルを通って2㎞ほど進んでからコースを逸れていることに気が付きました。結局慢性的な眠気は取れず、高山のPC3に着くまでに道の駅のベンチ、バス停などで計2時間の仮眠をとりました。

 

 

PC3高山に着いたのが午前4時。仮眠を取ってもまだ眠かったのと、しっかりした食事を摂りたかったのでチキンカツ弁当を食べました。今までのパターンだと夜間走行中に油物を摂ると調子が悪くなったのですが今回はガッツリ食べてから目が冴えて走行ペースも徐々に回復していきました。やっぱり基本の朝昼夕3食はブルべ中であっても補給食とは別枠でしっかりとったほうが良いのかもしれません。長距離走行時の食事の配分は難しいです。

 

 

高山を出るといよいよこのコースの仕上げにかかるように長めの登りが連続します。まずは小鳥峠。「ことり」ではなく「おどり」と読みます。小鳥の鳴き声がこの辺りは多かったような?

 

 

高速道路の最高地点でもある松ノ木峠。高速道路のように緩やかな登りでした。

 

 

そして少し下ってひるがの高原へ登り返します。ひるがのって漢字表記にするとゾワッとする地名ですね。

 

 

ひるがの高原のコンビニがPCに設定されているのでここで補給食を買い足します。600㎞の後半になってくると食欲が落ちるというより何を食べたいのか考えるのが面倒になってくるのでひるがの高原以降はほとんどゼリー飲料で済ませていました。食事というより燃料補給です。

 

 

ひるがの高原から先は下り基調で大きな登りはありません。とはいっても川沿いの小さなアップダウンがあったりしてゴールまで足を止めるわけにはいかないのですが。下は郡上八幡近くで撮った写真で、あまりにも気持ちのいい景色だったので橋の上でつかの間の旅気分を味わいました。昨日は一日中雨の中で今日は山をバックに写真が撮れるほど穏やかに晴れている。ここまでいろんな地名も見てきました。たった二日の出来事ですが1週間のツーリングをしたような錯覚に陥る濃密な時間です。まるで小旅行、これが僕の思う600㎞ブルべの魅力かもしれません。

 

 

郡上から先も順調に距離を稼ぎ、太陽の光を浴びてペースアップしながらゴールを目指していた575㎞地点、垂井市を走っているときにそれは起きました。前方の信号が変わるのが見えたのでブレーキをかけてゆるやかに減速しているときに前輪から勢いよく空気が漏れる音が。あっという間にタイヤはペシャンコになったのでバーストだと予想は出来たのですが、なんとサイドウォールではなくトレッドゴムに覆われている部分が裂けていました。サイドカットをすることはかなり稀で、昨年のコンクールマシン初日のダートでやらかして以来ですがトレッドが裂けているとは思いませんでした。正直、タイヤのサイドカットに関してこのレポートに書くか迷いましたがこんなこともあります。鋭利な金属片かガラス片を踏んで切れたのだと思います。予備タイヤは携帯していなかったのでタイヤブートで応急処置を済ませコースに戻りました。

 

 
垂井でバーストしてからそれまでの勢いがなくなり、ポタリングモードでゴールまで走りました。バースト前は勢いで越えてしまおうと考えていた関ケ原の登りが何と長く感じたことか… 最後にアクシデントがありましたが無事にゴールの米原市公民館に到着、認定時間34時間25分で完走です。6月の紀伊半島一周より早い時間で帰ってきたかったのですが、雨が降るとそう簡単にはいきませんでした。

 

 
ゴール受付ではバームクーヘンの丸太が待っていました。ごちそうさまです!

 

 
そうそう、今回のブルべで初めてルイゾンボベのメリノウールソックスを導入したのですが、靴が浸水するような状況になっても気持ち悪くなく、濡れた状態でも不快感を感じずに走行を続けられました。雨の日はどんなに防水性の高いものを使っていても生地ではなく隙間から浸水してしまうので、濡れてからも不快感が少ないものを選ぶのが良いかと思います。メリノウールの防臭性、保温性からくる快適さはもちろん気に入っているのですが、何せ靴下の名前が「ブルべ」ですから出走したブルべで無事に認定がもらえるように今後も履いていこうと思います。
さて、次のブルべは今週末のBRM1005中部1000㎞を予定しています。新たに発生した台風25号の動きにハラハラしていますが次回も完走報告ができるよう準備している次第です。

 

 


記事冒頭のルートラボはデータの間引きを行っているのでより細かい情報はSTRAVAでご覧いただけます。

まえの

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