アイズの独り言

2019.06.19

ジャパンバイクテクニークを終えて

二日間にわたって開催されたジャパンバイクテクニークを無事終えることができました。協力をいだきましたボランティアスタッフ・審判の方々、そして何よりも参加いただきましたチームの皆さんに感謝します。

このジャパンバイクテクニークを通じて、私が2017年のConcours de Machineで体験した「自転車を作って走って競うことの楽しさ」を多くの自転車人にお伝えすることが出来たかと思います。

私はフランスでの体験から、自転車を作る一人の自転車業界のはしくれとして、閉塞感のある今の業界に多少なりともインパクトを与えることができたらとの思いから、このジャパンバイクテクニークを開催する決心をし、ハンドメイド展に参加されているビルダーの皆さんに声を掛けました。はたしてこの呼びかけにどれだけのフレーム製作者の人が答えてくれるのかは大いに不安でしたが、いざふたを開けてみると、17チームものエントリーがありました。

この大会への参加の困難さ、それは自転車の基本要件としての軽さや走行性能の指標としての多様な路面を走るためのフレーム設計はもちろん、輪行や荷物の積載、夜間走行などツーリングのための自転車という条件を満たすための課題があり、さらにはデザインや製作技術、実用性など複雑な要素に対して、5名のジャッジにより評価されるという複合的な課題解決へのアプローチなのです。

これに対して今回エントリーされた自転車に盛られた興味深いアイディアや加工に道具としての自転車に対する真剣な接し方が大いに反映されていると感じた次第です。それは私の想像していた通りであり、それこそが日本において娯楽的スポーツとしてのサイクリングが発展し培ってきた独自の自転車文化の現れであると思います。

私は本大会をオーガナイズしたものとしてこの結果に大いに満足しています。もちろん参加されたチームの皆さんにはまだまだ大会の在り方に対して、不十分であると感じられる部分も多々あったと思います。私はこの大会に多くの批判・提案をいただき、モノづくりの競技としての質をさらに高めていきたいと思います。

来年あるいは再来年またジャパンバイクテクニークを開催できるかどうかはまだわかりません。ただ参加されたチームのみなさんのさらなる熱意と、そしてこの大会を知って自らエントリーをしてみようと思われるビルダーの方が数多く現れれば、それは難しくないと思います。

私はこの大会の再度の開催を目指していることを表明します。今回グランボアは他のチームと同様のエントリーをしておりましたが、最終的にはオープン参加とさせていただきました。それはポイントの設定において私のランドナーへの思いが前に出すぎて、個別ポイントの指向性に偏りがあったようにも感じたからです。今回グランボアは順位の列からは外れましたが、次回は同じスタートラインに立って他のチームと渡りあえるような大会を作って行きたいと思います。エントリーチームの皆さん、そして多くのビルダーのご意見をお待ちしています。

photo by S.Akifusa

親方

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