アイズの独り言

2022.10.07

留萌から宗谷 ~利尻島~

礼文島から利尻島まではフェリーで50分ほどです。

2等自由乗船券1,030円 自転車920円(輪行時は無料)

 

 

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9月13日 利尻島

午後2時前に鴛泊港に到着。

当初の予定では沓形港に着いてからまずは宿にチェックインし、それからサイクリングロードを適当に走って往復する予定でした。でも、お天気も下り坂でしたし、風も強かったので結果的にはこれが正解でした。利尻島のサイクリングロードは想像以上に素晴らしく、宿のある沓形まで走行距離は20km足らずでしたが余裕をもって楽しめました。

 

 

この日に走った道はほとんどが島の北側のサイクリングロードです。地図は「りしぷら」の地図が分かりやすいと思います。リンクを開いていただくと他にもサイクリストの力量に応じて3種類のコースを紹介されていますよ。「りしぷら」は利尻島の観光ポータルサイトとして利尻の魅力を細かく紹介しています。利尻富士町ホームページの案内も親切です。

 

 

 

 

利尻北麓野営場へと向かう道の利尻山神社の前あたりからサイクリングロードに入れました。これがとても素晴らしい道でしたよ。なんか、ある意味、サロベツよりも野性味があって感動しました。それに、何より歩行者と自転車のためだけにこの道があるなんてすごいですよね。

富士野園地

映画のロケ地にもなっています。

 

 

サイクリングロードは完全に車が入れないようにしてあります。ところどころ寸断されて道道105を横断しなければならないところや交差路がありますが注意喚起がしっかりされています。

 

 

これで利尻山が見えていればすごい迫力ですね。

 

 

 

 

夕暮前にお宿にチェックインして間もなく雨が降り出しました。

だんだん風も強くなって翌日の稚内行きも心配になってきました。でも、旅はあと2日。万が一、船が欠航してここに足止めされたとしても、もう、何とかなるスケジュールです。お風呂に入って、コインランドリーで洗濯して、夕飯いただいて、お風呂に入って、「そろそろ帰るんだなぁ。」とか思いながら窓の外の風の音を聞きながら寝たのでした。

 

 

この日のお宿は沓形のホテル利尻

礼文・利尻で唯一の源泉かけ流し温泉とのことでとても良いお湯。でもね、褐色のお湯は湯船の底を隠すほどで、中に段差が2ヵ所あるのに気づかず踵をすりむいてしまいました。。足元要注意ですよ~。売店ではサロベツの有名牧場のアイスがあります。

 

 

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9月14日 利尻~稚内

案の定、心配していた船は午前中はすべて欠航になりました。でも、私たちが乗る予定にしていた17時40分発だけ出航することに。1日3便ある船が1便に集約されることになります。そこで親方、「きっと混むから1等にしようか」とか言い出す。なるほどなるほど、名案です。2等自由席はシート席もありますが、多くが雑魚寝ができる座敷席です。どれほどの方が乗られるのか分かりませんが、人混みを避ける意味でもちょっと奮発することにして、朝の内にネットで購入しておきました。

利尻~稚内迄 1等指定席 5,400円。2等自由席が2,660円なのでほぼ倍ですね。

これで安心してギリギリまで遊ぶことができます。自転車は一台1,800円、輪行時は無料です。

 

地図は姫沼までになっていますが、そのあとまたサイクリングロードへ入り鴛泊のフェリーターミナルでゴールです。これで利尻一周約60km完走。コースは北側と違ってアップダウンが結構あるので風があるとちょっと難儀です。途中であきらめてバスに乗っちゃう人も結構いるのだとか。でも、見どころもいろいろありましたよ。

 

 

宿を出発した直ぐはこんな感じ。

気温も低く利尻山も厚い雲に覆われています。でも夜中に吹き荒れていた風は少し治まっていて雨もほぼ止んでいました。

 

 

そして1時間もしないうちにこの青空。

今回はホントお天気に恵まれました。

サイクリングロードとして整備されているのは島の北側のみですので、この日はホテルを出て道道108、利尻ファンタスティックロードを走ります。

 

 

【寝熊の岩】

確かに、熊が寝そべってるように見えます。でも、泳いでる風にも見えますね。

この後、利尻町立博物館にもよったのですが、明治45年に本道から利尻島まで泳いで渡ってきたと云われる熊を退治した話が写真付きで伝えられています。でも、ちょっと調べてみると2018年にもそんな話が浮上してたり、最近では2022年の6月に無人カメラに写っていたそう。今はその熊の痕跡は無くなったようですが、クマって結構な距離を泳ぐんですね。

 

 

霊峰湧水

このお水、本当に美味しかった。

で、水を汲んで楽しんでいる私たちに声をかけてこられた方がこの方。

町おこしで2017年に結成された「リーシリボーイズ」の主要メンバー、コンブアッペカッチャさん!

???でしょ。

私たちもお話していてほとんど解っていなかったんですが、「おら、有名人だども知らねぇの?」なんて言うので、稚内についてからネットで調べてみてビックリ。是非、@pressさんのページも覗いてみてください。そんな方と小一時間も立ち話して、お別れする時には利尻昆布を二束もいただいてしまいました。

話した内容は利尻町の話かというとそれはほんの一部、ほとんどがご自身が経験されたシベリア抑留のお話と、私財を使ってここに慰霊碑を建てるんだという熱いお話でした。私も親方も実際にシベリアに抑留された方のお話を聞いたのは初めてでしたし、直に聞くこの地の言葉がとても新鮮で、とても刺激的な時間を過ごさせてもらえました。御年97歳。またお会いしたいです。

 

 

 

 

天気もどんどん良くなってきましたよ。

利尻島の中では利尻山を文字通り四方八方から眺めることになるので山の形が劇的に変わります。こんな利尻もこの旅で初めてです。

 

 

利尻町立博物館

入館料200円

トドのはく製や利尻町の鰊番屋の様子が再現され展示されています。囲炉裏を囲むヤン衆の人形がすごいリアルでちょっとビックリしました。この後で利尻郷土資料館もありますが内容的にかぶるものもあります。

この魚、礼文荘で出していただいた煮魚。「ハッカク」って初めて。美味しかったんですよ。

 

 

仙法志御崎公園

ちょうど利尻島の南に位置し、利尻山を南側から眺めることができます。

礼文島とは全く異なる海原ですね。

 

 

 

 

お昼ご飯は走ってきた道中で見つけた「まるヰ食堂」まで戻ることにしました。

地元の方々が通う食堂が美味しい確率は高いです。ここも独特なセルフサービスでしたが、美味しかったですよ。親方は塩ラーメン、私はタコ天うどんをいただきました。

 

 

 

島の南側は海岸線らしい大き目のアップダウンが続きます。

向こうに見える島影は本道。

 

 

 

 

 

南原湿原

ここまでくると利尻山にかかっていた雲はすべて晴れていました。山頂近くのローソク岩もはっきり見えています。

メヌウショロ沼の周りは木道が整備されていて散歩をしても良いですよ。1kmほどです。トイレ有。

 

 

オタトマリ沼

メヌウショロ沼と同じくらいの遊歩道があります。食堂と土産物屋を兼ねたお店が2軒あり一息つけます。

 

 

 

 

 

【白い恋人の丘】

オタトマリ沼の売店の方に薦められて寄ることにしました。道道から外れて展望台まで上りです。

利尻山ばっちり。

恋人たちへの演出の為か、その利尻を眺めるために二人掛けのベンチが置かれていました。

 

 

そして、海側は本道が望めます。

なんと、対岸のオトンルイがはっきり見えていました。

これほどになると人工物とはいえすごいランドマークですね。無くなってしまうのはちょっと惜しいくらいです。

 

 

 

利尻郷土資料館

鬼脇の集落内の赤い屋根のかわいらしい建物です。後で調べると昔の町役場だったそう。展示品は町の博物館と被るものもあるし規模も小さいですが建屋を見に訪れるのも良いかも。入館料200円。

 

 

【二ツ石海岸公園】

何かの芯材を再利用したと思われるテーブルとベンチがおかれています。天気が良くここでも対岸の風車が良く見えました。

 

 

南東側からの利尻山。

 

 

 

島の東側も交通量も少なくひたすら気持ちの良い道が続きます。

あの向こうに見える島影は礼文島。

 

 

 

【野塚駐輪駐車公園】

利尻島サイクリングロードの起点。

ここからサイクリングロードに入り、鴛泊港まで走りました。

 

 

 

自転車専用道なのに渓谷にちゃんとした橋がいくつもかかっていてとても立派なサイクリングロードです。全長24.9km。全部走った体感として富士野園地の西側と東側でちょっと趣が違います。前の日に走った西側は概ね平坦で開放的な景色が多く望めます。一方、この日走った東側は木立の中を大小さまざまな橋を使って走り、姫沼、湾内大橋とアップダウンがいくつかあります。どっちのコースも良いですね。オフシーズンなのもあるかもしれませんが、こんなに安心して走れるサイクリングロードも珍しい気がします。

すばしっこく動き回るキビタキを写真に収めることができました。

あちこちから鳥のさえずりが聞こえてきて楽しかった。

 

 

 

 

【姫沼】

サイクリングロードから外れて少し上ったところにあります。距離は800mほどですので行ってみました。

とてもやさしいシルエットの利尻山を見ることができました。

姫沼からサイクリングロードに戻ると湾内大橋まで再び上り返します。でも、これで最後。あとは港まで下っていけます。

 

 

 

【鴛泊港フェリーターミナル】

港でチェックインを済ませた後、出港時間の17時40分まで1時間ほどありました。

で、親方がササッとネットで見つけたカフェに入ることに。フェリーターミナル真ん前に何軒かある商店の一つ、PORTO COFFEEさん。矢印の下あたりです。

 

時間調整のためでしたが、コーヒーをいただいてビックリしました。大きな街中の有名店よりもずっと美味しくていい香り。近くにこんなお店があると良いのにな。でも、利尻のお水のおかげかもしれないですね。

 

 

予定通りに船は出港。

 

乗船客は確かにたくさんおられましたが、1等席はガラガラ。(笑)

 

 

 

1等席から見た利尻山。

 

 

鴛泊港から稚内港まで1時間40分です。

稚内のホテルは港にほど近いビジネスホテルでしたので夜の8時前のチェックインでしたが問題なくスムーズでした。自転車をフロントに預けて、荷物を置いたら歩いて街へ。夕食は地元で人気のスープカレーをいただきました。

今やネットのおかげでどこにいても旅の苦労は激減できますね。ある意味、旅の面白さも少し減ってしまうのかもしれませんが、ネット以前の旅とは大違いです。20年以上前が青春だった人たちにとって、かつて自分が地図や時刻表を頼りに旅した道を「今」旅するとちょっと物足りないかも!?

でも、やっぱり旅は楽しい。

平和であればこれはどんな時代になっても変わらない気がします。

 

 

つちやはるみ

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