ハンドメイドバイシクル展 お礼
東京から京都に戻ってから、京都は思わぬ大雪です。
特に24日の夕方から降り出した雪は今まで経験したことないほどで、見る見るうちに降り積もり、お店の近所の路上でも何台も車が立ち往生する事態を引き起こしとても大変でした。
皆さまは大丈夫でしたか?
さて、ハンドメイドバイシクル展ではたくさんの方にグランボアの最新作の自転車たちをご覧いただけてとても有意義な週末となりました。会場まで足をお運びいただいた皆様、ありがとうございました!
この展示会はコロナの最中もオンラインで開催したり、昨年は通常通り開催され、親方とアトリエ長が出展に出向いたりしていましたが、私にとっては3年ぶりの東京。久しぶりの懐かしい方々に直にお会いできてとても嬉しいひと時でした。たとえマスク越しであっても直接お会いしてお話しするのは本当に大切ですね。直接会うことによって、長いと感じていた3年という月日が気持ちの中ではグッと縮められる気がします。
運営される側も毎年大変なご苦労があったと思います。本当にご苦労様でした。そして、ありがとうございました。
昨年から物販も可となりましたのでいろいろ持っていきましたよ。
この写真は親方の先輩にあたるUさんが撮影してくださっもの。私の写真はこの一枚しか手元なかったので嬉しいです。ありがとうございました!
そして、今回は前野店長も接客担当です。
入り口から一番遠いブースでしたが、2日間とも間断なくお立ち寄りいただきました。
さて、今回の出展車両はこちらの3台。
いずれもオーナー様がいて、ご注文でお作りしたものになります。ですが、偶然にもすべての自転車が42B仕様で、グランボアの亀甲泥除け、GB650MLの仕様となりました。ハンドルもすべてランドナーバー。それでも3台ともとても個性的で、フルオーダーの醍醐味を感じていただけたのではないかなと思っています。
まずはこちら。
前野店長のオーダーで、アトリエ長が初めてフルオーダーフレームの製作に取り組んだ一台です。
前野店長の自転車ですのでもちろんブルべで使用することが大前提。
セミカスタムフレームのように各寸法が決まっているわけではありませんので、使用するパイプから吟味し、話し合いながら各寸法を決め、CADで設計し、完成車に仕上げなくてはなりません。
彼らのこれまでの経験と、小さな挑戦がミックスされた一台となりました。
こちらはアイズバイシクルが開業して間もないころからのお客様からのご注文です。メーカー車を含めると、もう、何台の自転車をお納めさせていただいたことやら。親方フレームの自転車もとても気に入っていただけてこれで2台目となります。それに、今回の出展に際し、わざわざ京都から東京まで応援に来てくださいました!
Aさん、ありがとうございました!
毎回、いろいろなコンセプトの下、自転車をお作りするわけですが、今回のコンセプトは「手持ちの部品で作る一台」。まさしく今の時代にピッタリ!?
以下は今回のカタログ用に親方が書いた一文です。
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現代のロードバイク・マウンテンバイクは、すべてがパーツメーカーによって企画構成され、素晴らしい性能を発揮するように作られた「コンポーネント」によって組み上げられています。しかし反面、それらはそのコンポーネントという縛られたパーツ構成の中でしか使用する事ができなくなってしまっています。かつての自転車部品はそれぞれが独立していて、たとえメーカーが異なっていたとしても、組み合わせて楽しむ事ができました。ところが今は、一つの部品が壊れた場合、同じもので補修するしかなく、そのパーツが型式遅れになっていれば、すべてを入れ替えなければならないようになってしまいました。
もう今や、使い捨ての時代ではありません。SDGsが叫ばれている現代において、趣味として自転車を楽しむ私たちも時代に即した行動をとらなければなりません。もちろん地球環境を大切にするために、既に自転車を選択される方はたくさんおられます。だからこそ、もう一歩踏み込んだ考えの元、私たちサイクリストは永く自転車を楽しむための新しいフォーマットを求める事が必要なのだと思います。
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自転車に限らず、今の多くのものは「丈夫で長持ち」よりも、「定期的に買い替える」ことを暗に求められているように感じている方は少なくないと思います。半世紀以上も愛され続けてきたランドナーは、その計算された経済活動と流行の波に翻弄されながらも、淘汰される寸前のところでそれらとうまく折り合いをつけながら今も踏ん張っています。
今回お作りしたAさんの自転車は、そんな使い捨て時代に抗うひとつの道を示した一台だと思います。
そして、最後の一台はステンレスフレーム+クロモリメッキフォークで組み上げた、大変豪華でグランボアの新しいチャレンジに満ちたランドナーです。
620mmと大きなフレームにスラムの電動メカセット。ステンレス製のキャリア一式。
一見、先にご紹介したSDGsの自転車に反するかのように見えるかもしれませんが、鍍金をご所望するお客様に新しくご提案できるひとつになるかと考えています。研磨やメッキの作業工程で出る廃液が環境に悪いとされているのは周知の事実で、自転車部品がシルバーから黒に代わってしまいつつあるのも、生産国である台湾での規制が厳しくなり、研磨メッキ屋の多くが廃業に追い込まれてしまったことにあります。だからと言ってカーボンが環境にいいのかは大いに疑問が残るところではありますが、グランボアではステンレスという素材は今後の一つの選択肢になりうると考えています。
アトリエ長が製作したステンレスキャリア。パニアバッグ仕様です。
タイヤはこの春から発売予定のエキストラレジェプリュ(Extra Leger Plus)の試作品。
ブレーキの台座やフレームエンド、ワイヤーリードなどの小さなダボ、特徴的なシートステーの蓋のパーツまでも、クロモリとは異なりステンレス製です。
ここまでくると、このダイレクトマウントのツーピースタイプ”ONEbyESU”のチェーンホィールもピカピカに磨きたいところ。。。
はい、もちろん、すでにいったんばらして磨きに出しました。
そして、再度組み上げて、この自転車はアメリカのお客様へお届けの予定です。
いつも、素敵なオーダーに恵まれて有難いです。
ありがとうございます。
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