先に親方がJBT2026大会の報告をしていますが、私は今回エントリーした自転車の詳細について触れたいと思います。
1946年コンクールデュラルマンのアレックスサンジェをオマージュした一台。
アルバイト時代、昼食をとる部屋に一台の自転車がひっそりと佇んでいました。コンクールデュラルマンのアレックスサンジェは当時の私にとって何気ない日常に溶け込んだ自転車に違いありませんでした。
「軽量化のために乗ってはいけない、乗れない自転車」
私のなかで常に気になる存在。2017年コンクールマシンのエントリー車を製作する際もデュラルマンのアレックスサンジェを参考にして軽量化が施されました。
JBTにエントリーする話になった際、これしかないと思いました。スペックもシクロランドナーなのでインパクトは十分、各部品の軽量化は重要視しませんでした。
まずフレームの図面を用意することからはじめます。問題はフォークブレードでした。現行で厚みの薄いブレードはなく、デュラルマンのアレックスサンジェの肝といえる軽いフォークにフロントキャリアで補強する仕組みをどう再現するかが課題でした。それ単体で十分な強度を持つフォークにフロントキャリアを直付けするだけではオマージュとは言えません。なにか手はないかと考えていると、過去に22φの丸フォークを製作した事を思い出しました。古いレイノルズの丸フォークブレードを持込でレストアの依頼があり、このブレードに準ずるかたちで22φの(おそらく0.8mm)チェーンステーをブレードに流用したのですが、結果強度不足ということで23φの1mmチェーンステーでフォークをつくることとなりました。この結果を逆手にとってデュラルマンのアレックスサンジェを再現しようと目論見ました。
少しやりすぎか?と不安になりましたが22φの0.7mmのチェーンステーを使用してフォークを拵えました。手に持った瞬間に「軽う!」と驚きましたが、「大丈夫、大丈夫…」と言い聞かせ無心にフロントキャリアを直付けしました。
結論から申しますと、JBTの2000mダウンの下りでも問題なく安心して攻める?ことができました。序盤は様子を見ながら下っていましたが、後半は疲れからもありますが、フロントフォークのことも忘れて無心で下っていました。これからテストを重ねて実用化できればと考えています。
フレーム前三角はいたって普通に、後ろ三角は0.7mmチェーンステーを少し短めに、シートステーは0.6mmを使用しましたがクロスシートにすることで強度を確保しました。リアブレーキもしっかり効いてくれてたわみも心配ありませんでした。
軽量フレームにそして各パーツには極限の軽量加工は控えましたがトータルで9.6kgほどの重量となりました。
シクロランドナー5V 極力アルミを採用していますが、実走行重視でガイド付き。サンジェのオマージュですので4本ブラケット。
車検時に担当の方から「一番スムーズに変速するね~」とお褒めの言葉をいただきました。80年前のスペックでも問題なく、むしろ快適にツーリングできることが走行会で実証できました。
フロントメカはサンジェ型ロッド式。軽量化を意識するならハリガネ羽根を使いたいところですが、これも走り重視でサンプレ改造型。
写真では分かりづらいですが、ロッドは過去にスチール2mm厚の肉抜きタイプの作り置きがあったので採用。
顔ともいえるチェーンリングはシクロローザ。デュラルマンのアレックスサンジェにもこのチェーンリングがついており、どうしてもつけたかったものなんですが、歯数の問題があり最後まで悩みのタネでした。JBTの直前にランデヴーアレックスサンジェの集まりがありましたので、参加者の方々に聞きまわったところ奇跡的な出来事から42×24のリングを入手。Kさん本当にありがとうございました。
ブレーキはマファックのクリテリウム。肉抜き加工を施し、ブレーキシュー取り付けボルト一式アルミに置き換えています。しっかり効いてくれ安心して下れました。ただし長期で使うことはお勧めしません、、、、
おそらくAVAのとても古いハンドル。ハンドルでこうも雰囲気が変わるのは不思議です。ブレーキレバーは軽さ優先でマファックプロモーション。
ステムはフランス製ということしかわからないスチールモデル。ベル台座がありませんので、、、、
こんなところに直付けに。軽さを優先するならイデアルチタンモデル一択ですが、このために軽合ベースを選びました。直付け加工のために穴をあけるのはかなり勇気がいりましたが、、、、、。
フロントライトにはJOS431C オリジナルでは到底夜道は照らしてくれませんので、LindenのJOS431用LEDシステムユニットをモバイルバッテリーから給電させました。JOSとは思えないまぶしいほどの明るさです。
サンジェと同じく左チェーンステーにテールライトを配置し、カーボンブラシで給電させる贅沢仕様。
MKSシルバンツーリングNEXTを肉抜き加工しました。左右でピッタリ50gの軽量化に成功。
肝心の走行会はというと
あくまでレースではなく、親方と純粋にサイクリングを楽しみました。旧道ばかり進むのでサポートの方にはご迷惑をおかけしました。
今回2026ジャパンバイクテクニークに携わっていただいた皆様本当にありがとうございました。
次回も精進して挑戦しますのでよろしくお願い申し上げます。
伊藤
今回のジャパンバイクテクニーク。出場台数はちょっと少なかったですが、中身は濃かったです。
グランボアからは現在フレーム製作も手掛けているスタッフの伊藤君が、1946年のコンクールデュラルマン優勝車をオマージュして製作したシクロランドナー仕様の軽量ビンテージランドナーで、私は2019年の第1回JBTのために製作した軽量ランドナーにHONDAのスマチャリ電動アシストユニットを載せてエントリーしました。
初日6日のプレゼンの前にはNHKの朝の地域ニュースの生放送の中継があり、私はこのイベントを始めたものとして出演しました。4分半ほどの放送に前日から2日間に渡り都合5回のリハーサルを行って本番でした。こちらは13日の朝までNHKプラスを使って御覧いただけます。
プレゼンでは個性的な参加者のそれぞれの自転車に対する熱い情熱の感じられるお話しが聞けました。プレゼンの合間にもお互いの自転車についての質問を投げかけ合って多くの知見を拡げることが出来ました。40年も自転車屋をやっていても、まだまだ知らないいろいろなアプローチがあるものだと恐れ入りました。
2日目のライドですが74km・2000mアップの峠破りコースです。特にスタートからいきなり15%の激坂が1km弱つづきます。そのあと平均勾配10%で6kmほどを登らなければなりません。
私はバッテリーの持ちを重視して最初のヒルクライム区間だけはフルパワーで登り、そのあとはいつものツーリングペースで走り切りました。結果として3月の試走の際には3本のバッテりーはほぼ使いきってしまいましたが、本番では2本半ほどで走り切ることが出来ました。信州の峠道を伊藤君とふたり、適度に休憩をはさみつつ楽しく走り切ることが出来ました。
今回のエントリーで仰天したのがチタンで製作されたペニー・ファーシングでした。いくらチタンで作ったとは言え、無垢のゴムでできたタイヤに10番ぐらいかと思われる太く長いスポークで構成された巨大なホイールを持つ自転車は登り坂を押して上がるだけでも相当な労力を強いられ、そのあとにダートを含む林道区間を走り切ることは不可能と思われました。製作者でありライダーの長氏はなんと私と同じ年だと聞いて無茶なことをすると真剣に思いました。でも結果は無事完走。まったく驚異的な人だと感服しました。ダートでの走りが動画で記録されています。
いや全く恐れ入りました。こんなことを発想出来て、さらにその楽しさ面白さを拡げようという姿勢が何よりも貴重です。
今回もたくさん方にボランティアスタッフとしてご協力いただきまして素晴らしい大会になったと思います。これはまだまだいろんな自転車が登場してきそうです。次回が楽しみになりました。
さてさて次の日曜日はシクロジャンブルです。今すこしずつビンテージパーツの在庫をショッピングサイトに上げています。一部はシクロジャンブルに持っていきます。特別価格で販売しますのでお楽しみに。
今週末のJapanBikeTechniqueに向けて拓未君が取り組んでいた自転車がようやく出来上がりました。
構想とフレームデザインは早くに出来上がっていたものの、遅れがちなお客様の仕事を優先し、フレーム作りに着手できたのは5月の初めでしたのでほぼ一か月で作り上げたことになります。
あれ?
なんだか見たことあるような、、、。
なんと、彼が造ったのは日頃彼が仕事をしている上に常に鎮座している1946年のコンクールデュラルマン(ジャパンバイクテクニークの元になったフランスのイベント)の優勝車であるアレックスサンジェをオマージュした一台でした。
フロントはロット式、リアの変速機はシクロの5段です。
むむむ、これであのJBTのコースを走ろうというのか、、、。
かれこれ80年も前のスペックです。
でも、今回はさらに古い車種のペニーファーシングなんて言うのも参加するというのだからなんだかすごい事になってきました。
大メーカーの意図に追従する形ではなく、自転車の自由な楽しさを追い求めたい。
そうなると今やヴィンテージが選択肢として面白いのかもしれません。
グランボアでは長年新旧のいいとこどりで機能美溢れる自転車を作ってきました。
特に拓未君の好みはそっちなんです。
フロントキャリアが一体となったフロントフォーク。
キャリアの形はあえてオリジナルとは違うグランボアのERタイプをアレンジしているようです。そもそも、ERパニア自体がこのサンジェのキャリアから発想を得ているのですから違和感ないですね。
全体像と詳細の説明はJBTの後に拓未君自身がしてくれると思います。
まずは今週末開催予定のJBTに皆さん注目してくださいね~。
できれば現地まで応援に来て下さるととっても嬉しいです。
それにしても親方がグランボアを始めた時の最初の一台は親方が乗って衝撃を受けたSさんのルネエルスの完全レプリカでした。自ら語ることないその自転車の意図を理解するには作業をトレースすることが一番です。少なくとも親方はそうやって技術と知識を身に着けてきたのです。
親方は前回に引き続き長年取り組んできた後付けできるアシスト車でエントリーしています。
なかなか思い描く形に到達できずにもがき苦しむ毎日ですが、今提供できる最良のもので出走しますよ。
今回のJBTにはNHKから取材が入るそうです。
関東・甲信越地方のみの生放送らしいのですが、6月6日の朝7時半からだそうです。NHKプラスでしたら全国でご覧いただけます。
是非、そちらもご覧いただければと思います。
放送時間は5分足らずだそうですのでお見逃しなく!














































