大介店長 (2018年退職)の投稿記事一覧

2015.10.26

ポリージャポン2015テーマ部門優勝

秋晴れで心地の良いサイクリング日和が続いております。さて年に1度、安曇野にあるペンションクラーレットで開催される自転車エンスーによる集会イベント「ポリージャポン」に参加してまいりました。そのメインイベントであるコンクールデレガンスはテーマ部門、レストア部門の2つの部門が設けられ、参加者によって各3台の優秀車が選定されます。今年のテーマは「1980年以前のフランス車」でした。

グランボアはテーマ部門に1947~48年製ピタールを、レストア部門に1958年製ルネエルス、1960年代製ゴエランの3台を出展いたしました。今年も素晴らしい自転車がエントリーされましたが、なんとピタールはテーマ部門優勝、ルネエルスはレストア部門第2位を頂戴しました。

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では出展車を紹介いたします。
ピタール42Bランドナーはその構成部品から1947年から48年にかけて製造されたと考えられます。オリジナルを尊重することをレストアのコンセプトとして掲げ、フレームはオリジナルペイントを傷めないよう丁寧に洗浄し、パーツは再鍍金を施さずオーバーホール後軽く研磨することに留めており全体の調和をとっています。

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ルネエルスミキストはフルタッチアップというグランボア独自の手法を用いてレストアしました。フルタッチアップとは貴重なオリジナルロゴマークや線引きを残しつつ、傷んだ全体のペイントを修復することによって当時の雰囲気を再現する手法です。パーツ類は鍍金できるものは再鍍金を施し、軽合パーツは丁寧に磨き上げてからアッセンブルしております。

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ゴエラン700Cランドナーは、フルレストア施工の一例です。フレームに関しては前オーナー様のご希望によりブレーキをセンタープル直付仕様に変更し、制動力を強化させました。パーツ類はクローム鍍金を施し、リアキャリアやバッグサポータ金具もふさわしいものを製作しております。再塗装によって失われていたロゴマークはグランボアが過去のレストアの際に残したデータから復元させることができました。

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グランボアでは以上の3台ように、レストア前のコンディションを踏まえてオーナー様のご希望に添う形で適切なアドバイスをさせていただき、それぞれの特性を活かしたレストアを行っております。今回出展いたしました3台はギャラリーグランボアにて販売いたしますので是非ご覧ください。

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大介店長 (2018年退職)


2015.09.10

佐渡へのいざない

樺太旅行以来すっかり船旅に魅力を感じた私は、佐渡島に訪問することに決定しました。佐渡島は沖縄本島に次ぐ面積を有しており、1周すると200km程あります。国際トライアスロン大会や佐渡ロングライドというサイクリングイベントも開催され、自転車には馴染みがある島といえるでしょう。旅行中も「トライアスロンの練習か」と数人に声をかけられました。

 

本州から佐渡島へのアクセスは北から新潟港、寺泊港、直江津港からの3通りあり、その内フェリーは新潟と直江津から出ています。今回は直江津港発の高速カーフェリー「あかね」に乗船しました。ちょうど小木港でアースセレブレーションという祭の開催中で多くの外国人とすれ違いました。船は今年の4月に就航したばかりのオーストラリア製の新造船で、直江津―小木間をわずか100分で結びます。11月3日までキャンペーン中で名前が「あかね」さんの方は記念品がもらえるそうです。

 

酒蔵見学と佐渡随一の名所佐渡金山を観光し、この日は両津の旅館に1泊することにしました。翌朝、道の駅「芸能とトキの里」に移動します。この道の駅以前は物産館、展望レストラン、そしてロボットが能を演じる能楽館があったそうですが、現在は閉鎖され大学の施設になっています。トイレと駐車場は使用できるので車を置き、雨が振りだした為ヤッケを着て出発します。

 

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道の駅を出発する
 

 
 

県道81号線を北西に進行し、佐渡島の最高峰金北山の北にあるドンデン山に登ります。両津の港町、加茂湖が見下ろせる急勾配のワインディングが続き、かなり気合が要ります。峠には山荘があり山頂からは鳥海山や立山連峰が一望できるそうです。この日は残念ながら天候不良の為展望はありませんでしたが、登り甲斐があると思います。外海府の国民宿舎に1泊し、景勝地大野亀に向かいます。

外海府海岸を北上します。日本海の荒波で削られた独特の地形に岩をくり抜いたトンネルが続き爽快に走ります。

 

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トンネルが続く海岸線

 

 

大野亀は標高167mの1枚岩で迫力があります。5月下旬から6月頃にはトビシマカンゾウという黄色の花が一斉に咲くそうです。訪れた8月下旬は草原でしたがとても開放感のある場所でした。

 

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大野亀を望む

 

 

温泉で旅の疲れを癒し、最終便の「あかね」で北国佐渡を後にしました。今回はカーサイクリングで佐渡を楽しみましたが、新幹線輪行してフェリーに乗船するのも面白いと思います。関西方面からは北陸新幹線上越妙高駅から直江津港に連絡バスが出ています。また、佐渡には配流された日蓮にゆかりがある寺社や霊場も多数存在し、史跡めぐりも可能かと思います。次の旅に夢が広がります。

 

大介店長 (2018年退職)


2015.01.12

シュエット on ユーラシア

12月某日、学生アルバイトのF君が通学に使用するBSユーラシアのブレーキが効かないと相談がありました。彼のユーラシアは82年式グランスポルティーフ(EAG-S1)というモデルでセンタープルブレーキ直付仕様の車です。台座にはダイアコンペ610が鎮座しており制動力に問題があるように見えませんが、リアブレーキに違和感があります。よく見るとダイアコンペのマークが左に寄っています。

 

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ピポット台座のピッチを採寸してみるとフロントは64mmであるのに対し、リアは70mmもあります。確認のために店にあったフレームとお客様のフレームも採寸しましたが同じピッチでした。ピポットのピッチはブレーキの設計により決定しており、設計寸法でなければ本来の性能が発揮されません。因みにダイアコンペの設計寸法は65mm、シュエット2632(マハックレーサーと同じ)は62mm、シュエット3642(マハックライドと同じ)は75mmです。

またブレーキが効かない要因として、アームの剛性、ブレーキシューゴムの性能、劣化などが考えられます。そこでシュエット2632をフロントに、ラージサイズのシュエット3642をリアに装着して走行テストを実施してみました。

 

結果は、、

 

驚くほどよく止まります。特にリアの制動力の向上は著しく、ロックするほど効きました。設計寸法は異なりますが剛性が高く、トーイン調整ギロチンによりブレーキシューの確実なセッティングが可能なシュエットは、ユーラシアフレームともマッチしたようです。F君も大満足のご様子です。

 

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本日より、シュエットforユーラシアスペシャルセットシュエットforユーラシアスペシャルセット(モダン)を販売いたします。内容はフロント用2632アーム、リア用3642アーム、チドリ、ブレーキシュー、ギロチンセット、アーチワイヤー、真鍮ワッシャー、スプリングのフルセットです。

 

剛性のあるブレーキで確実な制動力を得られます。ユーラシアオーナーの皆様、愛車のグレードアップにいかがですか。

 

ユーラシア組付例フロント

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ユーラシア組付例リア

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*撮影に使用したシャンパンゴールドのフレームは再塗装後アッセンブルして販売予定です。もちろんブレーキはシュエットで。

大介店長 (2018年退職)


2014.10.27

ポリージャポン 2014

親方と私は10月18日-19日に開催されたポリージャポンに行ってまいりました。今回はレポートが少し遅くなってしまいましたので出展させていただきました自転車を中心に紹介致します。

ポリージャポンとは年に1度開催される自転車エンスーによる集会イベントです。そのメインイベントにコンクールがあります。コンクールではテーマ部門、レストア部門の2つの部門が設けられ、参加者によって各3台の優秀車が選定されます。今年のテーマは長距離旅行車でした。グランボアは1935年製グロリアと1950年製ルネエルスのタンデムの2台をコンクールレストア部門に出展致しました。

 

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グロリアは戦前から存在するイタリアのメーカーであり、エルネストコルナゴが弟子入りした工房であるといわれています。特筆すべきはフレームの表面処理であり、全体はニッケル鍍金ですがラグとエンドはクローム鍍金になっています。つまり1本のフレームに2種類の鍍金が使い分けられており、常識では考えられない鍍金処理が施されています。またヘッド周辺はラグ部分とヘッドチューブが一体構造になっており、当時としては非常に高い工作技術を得ていたと考えられます。グランボアでは不可能とされた鍍金処理を独自の手法により再現し、グロリアのレストアに成功しました。

 

 

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今回のグロリアはイタリアで塗装によって修復された車体を輸入し、レストアした車です。変速機はビットリアマルゲリータにモデファイしました。逆転式のマルゲリータはテンショナーレバーでチェーンのテンションを緩め、ペダリングを逆回転させている間にレバー上部のノブを左右に動かすことで、チェーンステーに装着した羽根を振って変速します。そして再度レバーでチェーンのテンションをとります。

非常に味わい深いグロリアは他にカンビオコルサ仕様などバリエーションがあり、グランボアでも数台のレストアを手掛けました。仕様によって一味違う雰囲気に仕上っていますので、是非ギャラリーページもご覧ください。

 

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エルスタンデムはフレーム状態でフランスから輸入されました。フレームは塗装されていましたが、当店で2ヶ月の歳月を掛けてフレームの下地処理を行い鍍金を施しました。オール鍍金の状態の事をフランス語でトゥークロメと呼びます。入手困難なオリジナル部品やボルト類、キャリアは車体に合うようにレプリカを作成しました。ボルト1本までオリジナルを使用しているルネエルスは「パリの宝石」と呼ばれるにふさわしい調和の取れた自転車です。それ故にレストアの際は特に注意を払う必要があります。

レストア技術のご紹介」にこのエルスのレストアにまつわる記事が途中までですが紹介されています。こちらも是非ご覧ください。

 

コンクールの出場車は特別な工作が施されていたり、希少な部品が装着されるなど目をみはる自転車ばかりでした。特に各部門の優勝車は磨きも素晴らしかったですが、それぞれに素敵なエピソードがありオーナーの方々の自転車に対する情熱がうかがえました。ポリージャポンでは日常の店内とは異なる雰囲気の中で先輩方から学ぶことが多く、充実した2日間を過ごしました。お世話してくださいました皆様ありがとうございました。

 

大介店長 (2018年退職)


2014.09.23

サハリンツーリング その2

サハリンツーリングレポートの続きです。

9月10日

ホルムスク⇒ユジノサハリンスク(P495)

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6時半に起床し部屋でヨーグルトとパンを食べた後、ホテルの前で自転車を組み立てます。今回の旅行では、自転車を輪行袋に入れて部屋に持ち込みましたが、分解組立が簡単なタイプERが重宝しました。

 

 

 

 

 

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コルサコフの市街を抜けると熊笹峠への豪快なワインディング。標高400mまで登ります。ホルムスク、熊笹峠周辺はかつて日ソで激戦が繰り広げられた場所です。峠にはそれを示すモニュメントがありました。

 

 

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今回使用した地図は昭和10年に陸地測量部が発行した二十万分の一地勢図「豊原」のコピーです。当時の地名が記載されています。80年前の地図ですが道も大きくは変わらないのでこれで充分でした。

 

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アップダウンを繰り返しながらサハリンの大自然の中を走ります。路肩で果物を販売するおばあちゃんからヒメリンゴを購入しました。甘酸っぱくて疲れもとれます。他にとうもろこしや木の実なども販売してました。横に見える車はロシア車のラーダです。

 

 

 

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4時頃にユジノサハリンスクに到着しサハリン州郷土史博物館に行きました。この博物館は日本樺太庁博物館として戦前に建設されたもので先住民の文化や自然、開拓の歴史などが日本時代の展示方法で展示されています。大変興味深い博物館でした。夕食に大量のピロシキを食べ、翌日に備えて早めに就寝しました。  

 

 

*****

9月11日 ユジノサハリンスク⇒コルサコフ(P493)

 

 

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帰国の日、10時半発のフェリーに乗船する為に早朝に宿を出ました。朝日が昇ると青空が広がり気持ちよく走れました。

 

 

 

 

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コルサコフ港に到着しました。自転車を輪行袋に収納し出国手続きを行います。10時半発の予定でしたが、10時には出港しました。予約者が乗船次第出港するようです。

今回のツーリングはサハリンの情報が少なかった為不安な点もありましたが、現地に行ってみると不都合な事はなく純粋にツーリングを楽しめました。数少ないフェリーで行くことができる海外ツーリンングの地として、サハリンは大変魅力的です。私もまた訪れたい場所となりました。

 

大介店長 (2018年退職)


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