キャリア・バック・ツール
2日目のレースのお話の前に少しできていなかった自転車のお話を。スミマセン。レースの話を早く知りたいですよね。ですが、今回のグランボアのコンクールマシンの軽さの秘密は自転車だけではありませんから。それにバッグやツールも重要な役割を持っています。
【フロントキャリア】
形は丸みを帯びたデザインがかわいいグランボアのTypeER用と一緒です。6mmのパイプを使った小さめデザインのERキャリアはそれだけでも軽量なのですが、今回作ってもらったコンクール用は特別にパイプの厚みを通常の1mm厚のものから0.8mmと薄いもので作ってもらいました。昔の蔵王用のパイプがわずかに残っていたのですね。
ちなみにERキャリアのこの形状はER輪行(フォークを抜かずに輪行)をするとき邪魔にならない、だけどバッグはシッカリ支える絶妙な大きさなのです。
【フロントバッグ】
コンクールでは、自転車の重量だけではなく、バック+工具・スペアパーツを含む総重量が10.5kgを基準にして、重いか軽いかという点でポイントの加点・減点があります。さらに、それだけではなく、コンクールのレース2日目では、事前に知らされていないコントロールポイント間を主催者から渡される荷物(3.3kg)を運ぶというルールがあるのです。昨年の荷物は3.3kgの雑誌だったそうです。今年はどんな形の荷物を運ぶことになるのかはその場ではじめて知らされる仕組みになっています。昨年同様雑誌サイズの荷物を運ぶことも想定してバッグも自転車同様デザインしなければなりません。グランボアのこだわりは全体の雰囲気を壊さないデザインと重量です。
今回、どこで作ってもらうかいろいろ考えましたが、日頃グランボアのカスタムバッグを作ってもらっているBACCHAUS(バコーズ)さんにお願いすることとなりました。自転車のことでかかりきりでバッグの事に取り掛かれたのはコンクール1か月前を切っていました。こちらの趣旨をよく理解してくださり、すごく短期間で親方の考えるバッグを具現化してくださったのがバコーズさんだったのです。最初の試作に、手直しに、更にもうひとつ本番用と、何度も快く対応してくださいました。しかもわざわざ東京から状況確認のためにお店まで来てくださったんですよ。ありがとうございます。
最終的に採用が決まったバッグがこちら。一見普通ですよね。
クラシカルな雰囲気。コンクール用にサイドポケットやキャリー用のD環などは省いていてすっきりしています。でも、帆布×レザーだとナイロンのバックに比べて重たくなるのでは・・・?
気になる重量はというと・・・
289g!!!
従来のジルベルトゥ製のグランボアのフロントバックの800gと較べますとかなり軽く仕上がりましたね。帆布、ハンドルに固定するベルト、縁取りのレザー、内側の補強などすべての素材、サイズなどを見直してこんなに軽いフロントバックが出来上がりました。
そして、3.3kgの雑誌をどうやって積むのかというと・・・
なんと上蓋がストレッチするんです!!!
引っ掛けるゴムを出す位置が2か所設けられていて、たくさんの荷物でバックが膨らんでしまったときは下側からゴムを引っ張る(上の写真の状態)と上蓋の面積が広がる仕組みです。親方が思いついたこのゴムの掛け方は最小限の工夫で大きな効果を生み出すこととなりました。使い方は是非実物をご覧いただきたいと思います。簡単な仕組みですが画像や言葉で説明するのは少々野暮な感じです。
強度も充分。
試走でチョコに3.3kgの荷物を入れて走ってもらいましたがとても安定していたそうです。
【工具/補修パーツ】
これらもグランボアは手を抜きません。レースだけを取れば必要ないものもあるかもしれません。ですが、ツーリングの際は必ず必要です。そして、何のためのコンクールかと考えればここでも手を尽くす必要があると考えます。
チューブとニップル回しは普段からグランボアで使用しているものです。
ポンプはチョコがネットで探してきたものですが、国産で非常に軽量で良くできています。
チタンのキーセットは今回RUNWELLさんでお世話になりました。通常、3/4/5/6mmのセットのところ、グランボアでは3mmを2.5mmに代えて貰いました。チドリがちょうどそのサイズなのです。
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