コンクールマシン参戦記 本戦2日目
7月1日(日曜日) 曇り。
この日は予定されていた8時からの20kmほどの走行テストはキャンセルとなり、同時開催中のイベントと一緒にスタートするベール峠を巡る走行テストも距離が短縮されました。
前日に渡されたチェックポイントが記された地図。
コース短縮のため、3番目のチェックポイントは無しになりました。ベール峠の1番と、その南東に位置するクロワ峠の2番の間を独自でルートを決め、走行します。そしてこの日の課題として1と2の間か、2と4の間でスタッフから渡される3.3kg程度の荷物を次のチェックポイントまで運びます。渡される荷物の内容は未だ知らされていません。
幾つかルートはありそうです。ベール峠から北へ向かう舗装路のルートは迂回路となり、ずいぶん距離が伸びそうです。またはベール峠をもう一度下り、逆方向からシューペール峠に向かうか。。。チョコと親方が事前に決めたルートはベール峠から稜線沿いに最短で2番に向かう、ダートを含むルート(ピンクの線)でした。
スタートは予定通り9時45分。
一般の参加者と一緒に本部前からスタート。
この日、親方とKさんは同時に申し込んでいたブースに立つべく、本部で待つことになりました。私と大介店長は金曜日の晩から合流したフランスの友人ジャンフィリップの車でチョコを追いかけ、写真を撮る算段です。今日はそれほど距離も長くないし、ダート区間も少ないはず。前日の走行後、リアメカの交換も含め、最低限の整備はできていたので自転車自体も万全です。
誰もが楽しい一日となることを信じてワクワクしていました。
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ライダーたちのスタートを見送ってから、しばらくしてから車で追いかけます。
あ、チョコ発見。
良い顔してます。
中腹あたりはまだ下の景色もきれいに見えていました。。。
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標高を上げるにつれ、だんだんと雲の中へ。冷たい雨も降ってきました。
登りの途中にもかかわらず寒く感じるのか、上着を羽織ろうとするライダーもいます。峠まではあと少しです。
すっかり雲の中のベール峠。
峠で待つコンクールのスタッフも寒そうです。
ん、あれに見えるのは。。。
本日の課題の荷物!
薪ですか。。レンガもあります。
早く着いたライダーにはどちらか選択できるようです。この2つだと当然レンガのほうが積みやすそうです。薪は形も重心も均一ではないですからね。
さて、元気に峠に着いたチョコ君は、
え、薪ですか???
これは写真のみ。このあと、レンガに変えてもらいましたよ。
そして、その後、予定通り稜線を行く最短コースに向かいました。少し前に同じ道に向かうライダーを確認していたチョコは何のためらいもなくその道に入っていきました。
チョコが峠を後にしてからも続々とライダーたちがやってきます。
そう、チョコはここまではとても速いペースで来ていたのです。
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そして、私たちは2番のチェックポイント付近のダートの出口でチョコを待つことにしました。う回路と合流するポイントでもありました。
ところが待っても待ってもチョコがやってきません。多くの地元のライダーたちが距離が延びるう回路を選択しており、時折目の前を通り過ぎていきます。。。
大介店長は「1時間から1時間半くらいで来るはずです。」と言うのですが。。
気温は7℃。峠では6℃を指していたのを記憶しています。
そうこうしているうちにチョコより先に最短コースに向かったライダーが目の前を通り過ぎてゆきました!
よし! もうすぐだ!
だけど、チョコの姿は見えません。
小雨降る中、コースを辿り撮影ポイントを探したりしていましたが。。。
「これは、おかしい。」
先に出てきたライダーから3分も経たずしてチョコもスタートしています。こんなに遅れるのは何かあったんだ。
親方に電話を入れ、状況を確認してもらうよう伝えました。
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ほどなく、親方から電話があり、チョコがすでにリタイアした件が伝えられました。
「もう、チョコはバスに乗ったから。まっすぐこっちに戻ってきて。」
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2日目のリタイアは誰も想定しておらず、呆然としてしまいました。この日の途中リタイアは間違いなく総合順位から外れることを意味します。
何があったのでしょう。
転んだのでしょうか。。
自転車のトラブルでしょうか。。
結局、チョコが向かったルートの先にはレーダ基地があり、道はその中へと続いていて閉ざされた門扉で行き止まりとなっていたそうです。右に迂回すればルートはあったはずなのですが、雲の中、チョコはその道が見つけられず、いったん峠まで引き返してしまいました。いったん上った稜線の道を下ってくる間、遮るもののない風と雨で体が芯まで冷え切ってしまったようです。それでも峠の茶屋で温かい飲み物をもらい、新聞紙などで濡れた体をふいて、小さな集団について再度同じルートに向かったそうなのですがその集団にも遅れるほど体が動かなくなっていたそうです。親方に電話を入れようにも電波はなく、自身の判断でリタイアを決め、回収車で本部まで戻ることとなりました。
この日に関しては私たちが皆がそれぞれの立場で反省すべき点があり、チョコはもちろん、親方も私たちもみなそれぞれで悔やんでいました。
「もっと前の日にちゃんと一緒に地図を見てやればよかった。。。」
「温かいものでも用意しておけば良かった。。」
「峠の状況でルートの変更も考えるべきだった。。」
「もっと、緊張して、いろんなことを想定して準備しておくべきだった。。」
ちょっとしたことでクリアできた事なだけに残念ですが、仕方ありません。唯一良かった点はチョコが無事に戻ってきたこと。それが何よりなんですけどね。良い経験となりました。
#concoursdemachines2017
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