「ランドナーで峠へ」~温見峠~
こんにちは前野です。
雨が続いたかと思えば猛暑日の連続。そんな夏でしたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回の「ランドナーで峠へ」は7月末にアップした岐阜福井ツーリング 冠山峠編の続きとして温見峠を紹介します。
※今回紹介するのは3年前の2018年来訪時のものです。
温見峠は酷道として有名な国道157号線の福井県大野市と岐阜県本巣市根尾の境に位置する標高1020mの舗装路の峠です。
下のルートの最高地点が温見峠でとても山深い場所に峠はあります。(右上のタブで地図の表記をMapに切り替えるとわかりやすいです)
温見峠が含まれる国道157号線は石川県金沢市を起点に福井県大野市を経由して岐阜市に至る道で、今回取り上げるのは大野市から本巣市の山深い区間になります。
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2018年9月
2日目のスタートは大野駅近くの旅館から
前日寝るのが遅かったので2日目もスロースタート。冠山峠を越えてたどり着いた大野の街で友人と飲みすぎてしまいました…
宿の朝食をいただいて8時過ぎに出発。
自転車で旅をするときはこういうこじんまりした宿が落ち着きます。
補給は多めに
大野市の市街地を外れると本巣市の市街地まで補給できる場所が無いので初日以上に食料を充実させて町の外へ出て行きます。行動食としてスニッカーズミニとチョコパン。軽い昼食用におにぎりを数個。
一泊二日なのでグランボアフロントバッグの中は最小限の着替えにレインジャケットと携帯工具、予備チューブなどが入っています。これに現地で買った補給食などを加えるとぱんぱんになりますが蓋がゴム紐式なので多少溢れてもふたは締まります。
3年経った今見返すと気温の高い9月に溶けやすいチョコレートを選んだのか疑問です。最近はゼリー食やグミを補給食として持つことが多いです。
真名川ダムへの登り
大野市の市街地がある盆地を出るとすぐに上り始めます。写真のように真名川ダムまでは短い距離で標高を稼ぐので登りごたえがありました。ダイナミックな渓谷の景色は普段走る京都の山では見られないものです。
真名川ダム
冠山峠に行く途中に見た徳山ダムはロックフィル式ダムでしたが、真名川ダムはその巨大さが分かりやすいアーチ式コンクリートダムです。今でこそダムが出来て2車線の広い道路が整備され簡単に足を運ぶことが出来ますが、ダムが建設される前は本当に山深い場所だったのでしょう。
麻邪姫湖沿いを走る
真名川ダムをすぎるとダムによってできた湖沿いを国道157号線は走ります。平坦基調になるので脚を休めながら景色を楽しみます。
県道239号線との分岐、温見峠への看板
ここまでは乗用車やダンプの往来がありましたが、この分岐を直進すると道は細くなり車とすれ違うことは殆ど無くなりました。
河原を逃げていく大きな鹿
自動車の往来が無くなった国道157号線を進んでいくと道の先に大きな鹿が歩いていました。僕たちに気が付くとさっさと河原を走って森の中に姿を消しましたがとても体格のいい立派な鹿でした。熊は見ませんでしたがサイクリング中に遭遇する可能性は高そうです。
背の低い国道標識
温見峠福井県側には峠の由来にもなった温見の集落(廃村)があります。この背の低い標識は温見集落の手前にありました。冬期は雪が積もるのに何故こんなに背が低いのでしょうか…
山道では異様な温見のロングストレート
温見の集落跡を直線路が貫いています。山奥の道はカーブが多く、遠くまで見渡せることは珍しいのでこのロングストレートは印象的でした。
温見集落跡を抜ける
石畳のように割れたアスファルト
冬期の雪と低温で荒れてしまうのでしょうか。温見の集落跡を過ぎて本格的に上り始めるとひび割れて石畳のように荒れた舗装が数か所ありました。
コンクリート舗装も割れている
峠近くから福井県側の眺め
峠が近くなるとつづらおれが続き、今まで登ってきた道を眺めることが出来ます。
標高1020m 温見峠
切通しになっている峠に到着。峠には比較的新しい石碑が置いてあります。最近(2018年当時)改良工事が行われたようで、峠付近の路面は綺麗でした。
冠山峠と同様、温見峠と能郷白山の登山口になっているため車が数台駐車していました。人の気配はなく昼間なのにどこか物寂しい雰囲気でした。
温見峠を岐阜県側に下る
国道157号線名物「洗い越し」
国道157号線温見峠岐阜県側を特徴づけているのがこの洗い越し。水路と道路の交差部分に橋を渡すのではなく、道路上にそのまま流しています。温見峠の岐阜県側はこの洗い越しが連続して現れます。
水しぶきを上げながら洗い越しを突っ切る! 最高!!
切り立った渓谷沿いを走る
洗い越し区間を過ぎると渓谷沿いの狭い道を進んでいきます。この区間、ガードレールに突っ込んだら眼下の川に真っ逆さま。そうそう、この157号線を走る前に調べた情報では「落ちたら死ぬ!」という看板がこの辺りにあるそうです。なかなか目にしないストレートな表現の看板なので是非とも見ておきたいところです。
道幅車1台分ほどの区間が続く
例の看板を見る前に道を外れて落ちないように注意を払いながら狭路を下っていきます。
「落ちたら死ぬ‼」に偽りなし?!
無事に渓谷沿いを抜けると噂の看板はありました。本巣市側から温見峠方面へ向かう車に向けてこの看板は立っていたのです。
国道157号線の名物でもあったこの「落ちたら死ぬ!」看板はどうやら来訪した2018年9月以降に撤去された模様です。今回の名物看板もそうですが、酷道や未舗装林道は行ける時に走っておかないと整備されて普通の道になってしまうのでフットワーク軽くいたいものです。
越前大野を出て最初の飲食店
目当ての「落ちたら死ぬ!」看板を写真に収めた後、頭の中を巡っていたのは食事のこと。酷道区間を
抜けたことで緊張が解け、急にお腹がすいてきました。
「早く食事をしたい…」そう思いながら走っていると大野市の市街地以来となる飲食店を発見。2人で店に吸い込まれるように入っていきました。
遅めの昼食は鮎の定食
入ったお店は源屋という鮎やアマゴなどの川魚料理の専門店。14時を回っていたので昼の営業が終わっていないか心配でしたが無事席に着くことが出来ました。
お店の名物鮎の定食を注文。鮎の塩焼き、甘露煮、天ぷらと山菜を味わいました。
自転車で走ることに焦点を当てすぎるとコンビニ飯になりがちですが、せっかく遠くに来たのなら地の食材を味わうのが一番。
コンビニなどで済ませるのはただの補給ですが、土地のものを味わうと食事として記憶に残りますね。
山の上に見えるは岐阜城
昼食後は本巣市と岐阜市の市街地を走って岐阜駅で輪行して帰りました。本巣の市街地から岐阜駅までの交通の多さには辟易しましたが2日間大きなトラブルも無く楽しくツーリングを締めくくることが出来ました。
交通量が少ないうちにツーリングを締めくくるなら風情溢れる樽見鉄道の樽水駅から輪行するのがいいと思います。(電車の本数は少ないですが)
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岐阜福井ツーリング2日目
越前大野-温見峠-岐阜
越前大野の市街地を抜けると補給は出来ないので、補給食の他に昼食を携行して走るのがおすすめです。
全行程110㎞とそんなに長くはないのですが、写真を撮ったり景色を楽しみながらツーリングペースで走るのなら岐阜に到着するのは夕方になると思います。
また、国道157号線は携帯電話が圏外になる場所が多く野生動物も多いエリアなので走りに行く際は十分に準備をして向かってください。また災害通行止めの多発区間でもあるので道路情報は事前にチェックしてください!
冠山峠と温見峠結ぶ今回のコースは京都・大阪近辺からのアクセスも良く、秘境感溢れる山奥を楽しめておすすめです。洗い越しを突っ切るなんてなかなかありません!
少し寒いかもしれませんが10月~11月なら紅葉も楽しめるはずです。秋の輪行サイクリングにいいと思いますよ~
前回の冠山峠から始まり、1泊2日で岐阜、福井の山奥を巡るサイクリングレポートはいかがでしたか?
次回の「ランドナーで峠へ」は京都近辺の峠にスポットを当てようと思います。
皆様のおすすめの峠などありましたら教えてください!
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ランドナーに乗ってサイクリングに出かけたい方、ランドナーに興味があるけど何から始めていいかわからない方、お気軽にアイズバイシクルまでご相談ください!
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