アイズの独り言

2021.11.06

「ランドナーで峠へ」~おにゅう峠~

こんにちは、前野です。

今回の「ランドナーで峠へ」は滋賀県と福井県の県境に位置するおにゅう峠を紹介します。

おにゅう峠は滋賀県高島市と福井県小浜市の境にある標高830mの峠で滋賀県側からは林道小入谷線、福井県側は林道上根来線として管理されています。

 

おにゅう峠は京都から行ける峠の中では展望がよく、積雪で通れない冬期を除いていつ行っても気分良く走れる峠なのですが、今回紹介するのはとりわけ良い景色を楽しめる紅葉シーズンの早朝に現れるおにゅう峠の雲海をピックアップしていきます。

 

おにゅう峠の雲海が現れるのは紅葉が深まる時期のよく冷えた早朝で、気温が上がる昼間には見ることが出来ません。雲海と紅葉のコラボレーションを見るには前日からおにゅう峠付近に宿泊するか、早朝に到着するように深夜出発で自走する必要があります。

おにゅう峠の紅葉と雲海はここ数年で一気に有名になった感があり、高島市の観光案内にも掲載されているほどです。

 

そんなおにゅう峠の紅葉と雲海を目当てに京都を早朝(深夜?)に出発してサイクリングに行ってきました。

 

【2020年11月5日】

 

午前3時4分 気温2℃、冷え込む左京区大原

宝ヶ池近くのコンビニに午前2時半に集合した井越君と僕は国道367号線経由でおにゅう峠へ向かいます。走り始める時間が早いので前日の夜は早めに布団に入りました。睡眠はたっぷりとってから走りましょう。

午前3時29分 国道367号線花折トンネル付近

時々道路わきの茂みからガサガサと鹿の動く音が聞こえる中、花折れトンネルへの登りに取り掛かります。今回のルートは雲海を見るのが目的で、極力登りを排除しているのでここを過ぎればおにゅう峠まで長い登りはありません。

心なしかホッとする明るいトンネル内

花折トンネルを過ぎるとしばらく道なりに国道367号線を走り、県道781号線を久多方面へ左折します。

 

午前4時46分 霧の麻生古屋梅ノ木線 雲海の気配

過去に何度かおにゅう峠の雲海を見に同じルート、同じ時間帯に走ったことがあるのですが、県道781号線を通る久多から針畑間で濃い霧が出ていれば高確率で雲海を見ることが出来ます。逆にこの区間の空気がカラッと乾いていると雲海を見ることは難しいでしょう。

 

午前5時8分 滋賀県高島市朽木針畑付近 おにゅう峠雲海の看板

宝ヶ池を出発して2時間半、おにゅう峠の入り口ともいえる針畑の集落に到着しました。

峠に上る前に針畑観光公衆トイレに寄って一休み。ちなみに国道367号線を離れると小浜まで補給できる場所はありません。自動販売機も無く、寒い中走るのは通常より消耗するのでエネルギー切れには注意が必要です。

 

午前5時26分 林道小入谷線入り口

林道の入り口に到着しました。ここから展望ポイントまではそんなにかからないので夜明けに間に合いそうです。

SONのハブダイナモとヘッドライトは電池切れの心配がなく、優れた配光のおかげで安心して走ることが出来ます。優れたライトは行動範囲を広げてくれますよ。

 

午前5時42分 おにゅう峠の登り

徐々に空が青くなってきました。日の出まで30分ほどでしょうか。

 

午前5時48分 眼下に雲海が見える

 

定番の撮影スポット近くは車の列

 

午前5時58分 東の空が明るくなってきた

 

午前6時 ベストショットを狙うなら泊まり込みは必須?

 

紅葉と雲海のおにゅう峠は寒い

気温は市内でも一桁、少し山の方へ行くと0℃近くまで冷え込みます。まだ冬装備を使うか迷う時期ではありますが早朝の峠で雲海を見るために待機することも踏まえて重ね着をして冬の装いです。

日の出前から待機する場合はコンパクトなダウンジャケットを持っていくことをお勧めします。

 

午前6時33分 紅葉と雲海とランドナーを太陽の光が照らす

 

おにゅう峠の雲海は今回で3回目ですが、過去最高の雲海と紅葉です

 

美しい雲海と紅葉

井越君が峠の下にある観光トイレに忘れ物をして取りに戻っている間、僕は雲海を撮り続けました。自転車を漕いでいる間は寒さも気にならないのですが、一か所でじっとしていると着込んでいても寒さで震えていきます。

 

紅葉の中、峠道を登る

標高830m 滋賀と福井の県境 おにゅう峠

峠まで来ると先程の人だかりは嘘のような静けさです。この数か月前まではこの石碑近くまで福井県側から砂利道が延びていました。

おにゅう峠がひらがな表記なのは滋賀県側は「小入」、福井県側は「遠敷」という同じ読みの地名があるからひらがな表記になったのだと思います。

福井県側は天気が良ければ日本海まで一望できます。

 

 

小浜に向けておにゅう峠を下る

寒いので峠にいるのは程々にして小浜へ向けて下り始めます。福井県側の展望もなかなかのものです。

 

とても静かな福井県側

有名になりすぎた滋賀県側と違って福井県側は交通量も少なくとても静か。このあと東小浜駅まで行って輪行してきた友人と合流し、若狭基幹林道を走りました。

【今回のコース】


宝ヶ池-途中越え―花折トンネル―久多-朽木針畑-おにゅう峠-JR東小浜

おにゅう峠の雲海を京都市内から自走して見に行こうとすると、峠まで約60㎞あるので日の出時刻から走行ペースで逆算して計画します。
今回は午前2時半にスタートして峠まで3時間半で計画し、途中ゆっくり休憩もしたので少し余裕があるくらいの時間配分でした。
京都市内からおにゅう峠までの間でしっかり補給が出来るのは左京区大原にあるファミリーマートが最後になります。そこから先、国道367号線沿いは自動販売機が数か所、県道781号線に入ると自動販売機すらないので準備は入念に。
また、夜間走行は野生動物との遭遇など、昼間のサイクリングに比べてリスクが大きくなります。強力なフロントライトと後方のドライバーにアピールするためのリアライトは最低限備えて走りましょう。ブルべの際に着用する反射ベストなども有効です。

 

おにゅう峠で雲海を見た後は小浜の方へ下り、JR東小浜駅から輪行して帰るのがお手軽です。東小浜から京都まで約3時間の電車旅になりますが、深夜から走ってきた人には電車内は心地よい眠りにつける空間になるはずです。

せっかく小浜まで来たのだからすぐに帰るのは惜しいという方は小浜港近くでグルメを楽しむのも良し、若狭基幹林道まで足を延ばして砂利道を走るのも最高です。

おにゅう峠に僕が初めて訪れたのは2016年。この5年の間に峠の景色も少しずつ変化していきました。

たった5年ですがおにゅう峠の景色を紹介します。

 

【2016年5月】 初めて訪れた時のおにゅう峠

 

雨の中登った滋賀県側

 

おにゅう峠の定番撮影スポットから

 

福井県側のダート

ガードレールがグニャグニャに曲がっているのは冬期の積雪に押しつぶされた為。

福井県側舗装区間

この時すでにおにゅう峠福井県側の舗装化は進んでいました。急こう配区間などが優先的に舗装されていたはずです。

 

福井県側極上のダート

 

荒々しい雰囲気の福井県側

 

福井県側の整った砂利道

 

初めておにゅう峠を走った僕は滋賀県側の景色もさることながら、福井県側のダートに魅せられておにゅう峠に通うことになります。

【2017年4月】 林道小入谷線入り口

残雪に閉ざされた林道小入谷線

4月に訪れた際は雪が残り走ることは出来ませんでした。京都市内から国道367号線ではなく、花背峠と能見峠を越えてここまで来たのですが北に行くにつれて残雪が目立ち始め、目当ての林道はこのとおり…

【2018年5月】 福井県側は程よい砂利道が残っている

県境で舗装と砂利がはっきり分かれる

滋賀県側が舗装路、福井県側は砂利道です。峠の石碑は福井県側に立っていることがわかります。

福井県側の砂利道を下る

この時は学生時代の友人と二人で走りました。京都市内からおにゅう峠を目指し小浜で昼休憩。敦賀まで国道で移動し林道黒河マキノ線で砂利道の峠越えをしてマキノのメタセコイア並木を通って近江今津駅から輪行して帰りました。

ランドナーで走りやすいダート

 

福井県側砂利のコーナー

 

走りごたえのあった福井県側

【2020年6月】 福井県側舗装工事の直前

2020年6月ごろまでは福井県側は未舗装区間が残っていたのですが工事は進行し、とうとう完全に舗装化されてしまいました。

かつては走りやすいダートも楽しめる峠でしたが現在はタイヤ幅の細い自転車でも滋賀から福井側へ通り抜けができる道になっています。

この時のレポート

【2021年6月】舗装化が完了したおにゅう峠福井県側

林道の手前、下根来集落

 

一帯はクマ出没注意の看板が多数

 

真新しい舗装が目立つ福井県側

 

峠の手前も綺麗に舗装されている

 

ロードバイクで楽々通れる峠になりました

 

福井県側が完全に舗装化されたことでタイヤ幅問わず峠を通り抜けられるようになりました。ランドナーに乗って砂利道を楽しみに走っていたので正直舗装路になってしまったのは残念なのですが、峠道が持つ景色の良さや人里離れた静けさは変わらないので大好きな峠道です。

 

 

【京都市内からおにゅう峠を回るルート】

京都-京北-美山-堀越峠-小浜-おにゅう峠-能見峠-花背峠-京都

京都スタートのおにゅう峠を回るルートです。以前紹介した堀越峠や花背峠も通過します。1日で走るのも楽しいのですが、小浜に宿を取って一泊二日でじっくり走るのもおすすめです。

いかがでしたでしょうか。おにゅう峠は紅葉と雲海を見るのもいいのですが、人がいないオフシーズンの静かなおにゅう峠にも1度行ってみてください。

次回の「ランドナーで峠へ」は愛宕山の峠を紹介します。

 

 

まえの

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