ブルべ:BRM909神戸600km
こんにちは、前野です。
オダックス近畿主催のブルべ「BRM909近畿600km神戸・乙・日本海と瀬戸内海」に参加してきました。
コースは神戸をスタート、三田、丹波篠山経由で北上して堀越峠、石山坂峠を経て日本海へ。
高浜から舞鶴、丹後半島の海岸線を走り、鳥取市へ。そこから一路南下して赤穂市からは瀬戸内海沿いを走って神戸に戻る600kmです。今年最初で最後の600kmブルべ。無事に走り切って今年もSRを確定させようと思っていました。そう思っていたんです…
前日に神戸へ
スタートが4:30と早朝で、京都から神戸まで自走で行くのは流石に遠いのでスタート近くに前泊します。
前日の昼過ぎに輪行して電車移動。帰宅時間帯と被らないよう早めに出たので神戸まで快適に移動できました。
宿の最寄り駅に到着
輪行解除して自転車を組み立てます。フォーク抜き輪行も回数を重ねるごとに手順が定まり、作業時間が短くなってきました。
自転車の準備が整うと、宿にチェックインする前にスタート地点の下見に行きます。
スタート地点近くを散策
輪行解除した駅から10分ほどで明日のスタート地点HATなぎさ公園に到着。港の景色と自転車を写真に収めます。明日のスタートは日の出前なので、明るい時間に神戸の港を見ることが出来て良かったです。
ちなみに、今回は輪行時の着替えなども全て自転車に積んで走ります。
輪行用の服として軽量なTシャツとハーフショーツ、インナーを1セット用意しました。コンパクトな着替えが1セット有れば走行中に運ぶ荷物の嵩を増やさずに、快適に輪行できます。
午前4時過ぎ、ブリーフィングと車検が行われる
早めに夕食を済ませ、20時過ぎに布団に入りましたが思ったほど眠れずに起床しました。
受付でブルべカードを受け取ってブリーフィングを聞き、車検を受けて4:30にスタートです。
4:30 スタート 神戸HATなぎさ公園
昨年から頻繫にブルべを一緒に走っている友人のSと、600kmブルべ初挑戦のH君の3人で走ります。
Sはカーボンディスクロードですが、H君は自分と同じく650Bランドナーで出走です。ただ、今回は600kmと距離が長くブルべまでに3人で一緒に走ることが出来なかったので、あくまでもペースが合えばの話です。
自分の計画は約30時間での完走。途中、ビジネスホテルなどで長い時間の仮眠をとる計画はありません。
SとH君は400km過ぎの鳥取市付近で仮眠場所を確保しています。もし2人と同じペースで走れば400kmくらいまでは話し相手がいて夜間も気が紛れそうです。
5:20 9km 通過チェック1 再度山公園入口
スタートしてさっそくガッツリ登ります。神戸ブルべ定番の再度山です。登りの序盤で装備が重いH君は後方に…
先は長いのでどこかで合流することに期待しつつ、Sと二人で淡々と登って再度公園の看板に到着しました。
ここでは通過証明の写真を撮ります。
7:28 朝霧の中へ
三田、丹波篠山と北上していきます。丹波篠山では霧が発生していました。これから雲海の季節。今年もおにゅう峠の雲海と紅葉を見に行く計画を立てたいところです。
9:33 約110km、南丹市美山
60kmほど走ったコンビニで一息つき、H君にも連絡を入れます。どうやら彼のペースで順調に走っているようです。
京都府南丹市下山から福井県高浜市までの区間は何度も走っています。美山の見慣れた景色の中走っていると、スタートから100km進んでいることに気が付いて驚きました。普段なら100kmも走れば満足ですが、今日参加しているのは600kmブルべ。ゴールまでの距離が長いと100kmも短く感じるものです。
10:11 128km 堀越トンネル
美山から緩やかに上って堀越トンネルに到着。ちなみにここは砂利道の旧道がお勧めです。
トンネルを抜けた先の福井県側はダイナミックな下りで一気に名田庄の道の駅まで下ります。
自分のランドナーのブレーキはグランボア シュエット3642 センタープルブレーキ。
36~42mm幅タイヤとそれに対応した泥除けをカバーするクリアランスを持ちながら絶対的な制動力が高く、ハイスピードな下り坂でもコントロールしやすいです。コーナー手前で一気に減速したり、当て効きによるスピードコントロールなど思いのまま。
新しい自転車の機敏なハンドリング、ハイグリップな650×42Bタイヤと相まって下りがとても楽しいです。
11:03 146km 石山坂峠を下る
堀越峠を名田庄まで下った後、緩やかに登り続けて石山坂峠(トンネル)に到着。
堀越峠と同じく、北側はダイナミックな下りでループ橋もあります。
気持ちのいい下りの途中には決まっていい景色があるのは何故でしょうか。
止まって写真を撮りたいけど、気持ちよく下り続けたい。そんなジレンマが有ります。
11:11 153.7km PC1 ファミリーマート高浜国道店
最初のコントロールポイントに到着。ここでは買い物をしたレシートの時刻が通過証明になります。
コーラと梅おにぎりで早めの昼ごはん。普段なら選ばない食べ合わせですがブルべ中だと最高です。フロントバッグに行動食を補充し、2本のボトルを満タンにして出発します。
13:07 190km 由良川橋梁
舞鶴の市街地を抜けて宮津を目指して走っていると由良川の河口にかかる由良川橋梁が見えてきました。
残念ながら電車が通る瞬間は見れませんでしたが、青空と日本海に映えるレンガ色の橋は一見の価値があります。電車を待ってカメラを構えている人もいました。
13:59 206km 天橋立
天橋立手前でアイス休憩をして、天橋立の砂利道区間を走ります。
土曜日で混み合っているので僕たちも観光気分でのんびりと進みます。
リフレッシュするために手袋を外して走る
トイレに寄った後、しばらくグローブを外して走ることにしました。
基本的にグローブは装着していますが、長時間走るときは手のひらをリフレッシュさせるために一時的に外すことが有ります。
日差し除けと汗留めを兼ねてサイクルキャップを着用
晴天で気温も高かったので縁のサイクルキャップをヘルメットの下に被りました。日差しを緩和し、汗を吸収してくれるので暑い日も快適です。
それに薄手のコットン生地なので通風性が有り、ヘルメットの中を流れる風を感じられます。
そして、僕とSのヘルメットの後部にはLinden BK-02が付いています。
5gと超軽量、超小型ながら充電式で光センサーによる自動点滅機能を備えたテールライトです。
綺麗な景色、経過は順調。完走は確実と思いきや…
天橋立を抜けると、舟屋で有名な伊根に向けて丹後半島の海岸線を進んでいきます。
きれいな空と海、普段とは違う景色が見れて「今日は最高の1日だ」と思いました。
平坦な道で交通量はそこそこありましたが舗装は整い、物を落とすような要因はありませんでした。
自分の失敗は天橋立で外したグローブです。
外したグローブを普段はスマートフォンを収納するジャージの背中ポケットに入れていました。グローブが詰まったポケットにスマートフォンを差し込んだところ、入りが甘く、スマホはポロっと落下しました。
後方を確認してすぐに停車。探しに戻ると当たり所が悪かったのかスマートフォンの画面はヒビだらけでまったく表示が出来ません。おまけに道路に落ちた後、さらに脇の水路に落ちて水に浸かっていました。
今回のブルべはレシート取得のコントロールよりも通過証明の写真を撮影する通過チェックが多く、写真は全てスマートフォンで撮影しています。
ここ数年はスマホのカメラの性能が良いのでデジタルカメラを持ってブルべに参加することは無くなりました。スマホが唯一のカメラでもあるので破損してしまうと致命的です。
SNSにバックアップを兼ねて通過チェック写真をアップしていたので、スタートからここまで一緒に走ってきたSとゴールまで共にすればどうにかなるかもしれません。ただ、もしSと離れてしまうと京都で待っている家族への連絡手段は公衆電話しかありません。それに明日ゴールできたとしても、明後日から日常に戻るのに電話が使えない状況はちょっと困ります。
理性的な選択は、ここでDNFして宮津に戻り今日の内に輪行で京都に帰ること。
わかってはいましたが、この時はまだ受け入れられませんでした。
14:50 224km 通過チェック2 伊根の舟屋
「スマホは壊れたけど完走目指して走り続ける」と、Sに言ってコースをそのまま進み、伊根の舟屋に到着。周辺は観光バスが多く停まり、一大観光地になっていました。
この写真は自分のスマホで撮影しました。壊れたはずなのに何故?
画面は写らなくなりましたが内部は無事でした。
音量調整ボタンと電源ボタンを利用した写真撮影を行うとシャッター音が鳴ります。画面が映らないのでその場で写真の確認は出来ませんが、後日確認すると写真は撮れていてクラウドに保存されていました。
Sに電話を借り、京都の妻にスマホが壊れたが明日のゴールまで走り続けることを伝えました。
幸い、財布に何かあった場合の緊急連絡先として電話番号を入れていたので連絡が出来て助かりました。スマートフォンに電話、カメラ、財布の機能を集約させていますが、アナログなバックアップは必要です。
丹後半島を走るのは楽しい。でも…
次の通過チェック経ヶ岬の標識を目指して丹後半島の海岸線を進んでいきます。
普段なかなか来られない場所なので走れる嬉しさ半分、このまま続けていいのかと悩む気持ち半分と言った具合です。身体の調子はいいので完走は問題ないと思いますが、いろいろなリスクを考えると頭の中はスッキリしません。
通過チェックを前にSがパンク
経ヶ岬の入り口までもう少しという所でSの前輪がパンク。何か異物が刺さったようです。
リムとタイヤの嵌め合わせが固いというのでタイヤの脱着を手伝い、素早く復旧。
16:00 241km 通過チェック3 経ヶ岬標識
パンク修理の場所から2~300mで通過チェックに到着。
経ヶ岬灯台の標識と自転車を写真に収めます。自分のスマホでは写真が撮れているかわからなかったので、Sに撮影してもらいました。
「このまま続けていいものか…」
明るいうちにDNFするべきではないかと何度も考えます。
19:00 296km 城崎温泉
琴引浜を通過し、丹後半島の海岸線が終わると暗闇の中峠越えをして城崎温泉に到着。
約300kmを14時間半なので、ここまでのトラブルや天橋立でのんびりしたことを考えると順調に進んでいます。
ちなみに城崎温泉でDNFすれば京都まで特急1本で帰れます。それにこの時間なら、普通電車で帰ることもできるでしょう。スマホが壊れたことを除けば快調に走れているので、この時は駅に向かおうとは思いませんでした。
20:56 324km DNF PC2ローソン香住バイパス店
城崎温泉を出発した後も淡々と走り続けましたが、PC2手前の海岸線で自分の自転車のチェーンが切れてしまいました。
正確には、チェーンが切れたのではなく、フロント変速の際にチェーンを詰まらせ、チェーンからテンションが抜けた拍子にミッシングリンクというチェーン簡易着脱用のコマが外れてしまいました。登り初めで少しトルクがかかった状態で変速を行った自分のミスが原因です。普段なら変速時はトルクをかけないようにするのですが、気が散っていたのでしょう。
このアクシデントで諦めが付きました。通信手段が無く、これから本格的な夜間走行なのにメカトラブル。晴れない気持ちのまま走り続けるのはさらに重大なトラブルを起こしかねません。
外れたミッシングリンクはどこかに飛んでいったので見つからず、いつも携行しているトピーク ラチェットロケットライトDX+のチェーンツールでチェーンを繋ぎなおして復旧しました。ちなみに、この工具はフルセットでは持たず、ラチェットハンドル本体、エクステンションバー、チェーンツールと自分の自転車に必要なビットのみ携行しています。
少し走れば香美町のPC2に到着です。DNFすることを決心したので足取りは重く、僅か数キロがとても遠く感じました。
PC2のローソンに到着すると、ここまで一緒に走ってきたSにDNFすることを伝え、電話を借りて宿の手配と妻に連絡をしました。宿が懸念事項でしたが何件か電話したところ、素泊まりが出来て22時までチェックイン可能な宿が駅の近くで見つかりました。
夕飯を済ませて出発するSにお礼を言って、自分は紙に写した道順を頼りにゆっくりと宿へ向かいました。DNFしましたが身体は元気で、自転車はチェーンを短く切り詰めたのでアウターローが使えないことを除けば快調です。
そんな状況で宿に入るとDNFでは無く仮眠休憩の為に入ったようですが、明日はもう走らないので時間を気にせず眠れます。風呂に入り、コンビニで買った夕飯を食べて、テレビを見て24時過ぎにようやく眠りました。
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翌朝は早めにチェックアウトして、昨夜は暗くて見えなかった香美町の港を眺めてからJR香住駅へ向かいました。
駅前の公衆電話から主催者の方にDNFの連絡、妻にこれから帰ること伝え、約4時間のんびりと電車に揺られて京都に帰りました。
香美町まで一緒に走ったSは翌日にトラブルもあったようですが完走。序盤の再度山で分かれたH君は500km付近でPCの制限時間に間に合わずタイムアウト、DNFとなりました。
H君からブルべ後にホイールの相談を受けました。相談の結果、今後のブルべで余裕を持って走れるように軽やかに走れるホイールとエキストラレジェタイヤの組み合わせに新調してくれました。
10月末の姫路からしまなみ海道を往復する600kmに挑戦するそうです。頑張れ!!
今回は思わぬトラブルでDNF、2023年のSRを取り逃した形になりました。ブルべを完走出来なかったのは残念ですが、普段走らない丹後半島を満喫できたので悪いことばかりではありません。
来年も200~600kmのブルべを各1本ずつと、SR600を走りたいと思っています。いまは子供が小さく、家を空けるのが難しいのでなかなかブルべに出走が出来ませんが、長距離を走るのは楽しいので走力を落とさないように続けていきたいです。
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【アイズラリーのお知らせ】
11月23日(木)にアイズラリーを企画しています。
京都市北部の京北と南丹市美山町の間にある未舗装林道を含んだ約50kmをみんなで走る予定です。
近日中に試走を行い、詳細はまた後日お知らせします!
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