つちやはるみの投稿記事一覧

2017.07.13

キャリア・バック・ツール

2日目のレースのお話の前に少しできていなかった自転車のお話を。スミマセン。レースの話を早く知りたいですよね。ですが、今回のグランボアのコンクールマシンの軽さの秘密は自転車だけではありませんから。それにバッグやツールも重要な役割を持っています。

 

 

【フロントキャリア】

形は丸みを帯びたデザインがかわいいグランボアのTypeER用と一緒です。6mmのパイプを使った小さめデザインのERキャリアはそれだけでも軽量なのですが、今回作ってもらったコンクール用は特別にパイプの厚みを通常の1mm厚のものから0.8mmと薄いもので作ってもらいました。昔の蔵王用のパイプがわずかに残っていたのですね。
ちなみにERキャリアのこの形状はER輪行(フォークを抜かずに輪行)をするとき邪魔にならない、だけどバッグはシッカリ支える絶妙な大きさなのです。

 

 

 

【フロントバッグ】

コンクールでは、自転車の重量だけではなく、バック+工具・スペアパーツを含む総重量が10.5kgを基準にして、重いか軽いかという点でポイントの加点・減点があります。さらに、それだけではなく、コンクールのレース2日目では、事前に知らされていないコントロールポイント間を主催者から渡される荷物(3.3kg)を運ぶというルールがあるのです。昨年の荷物は3.3kgの雑誌だったそうです。今年はどんな形の荷物を運ぶことになるのかはその場ではじめて知らされる仕組みになっています。昨年同様雑誌サイズの荷物を運ぶことも想定してバッグも自転車同様デザインしなければなりません。グランボアのこだわりは全体の雰囲気を壊さないデザインと重量です。

 

今回、どこで作ってもらうかいろいろ考えましたが、日頃グランボアのカスタムバッグを作ってもらっているBACCHAUS(バコーズ)さんにお願いすることとなりました。自転車のことでかかりきりでバッグの事に取り掛かれたのはコンクール1か月前を切っていました。こちらの趣旨をよく理解してくださり、すごく短期間で親方の考えるバッグを具現化してくださったのがバコーズさんだったのです。最初の試作に、手直しに、更にもうひとつ本番用と、何度も快く対応してくださいました。しかもわざわざ東京から状況確認のためにお店まで来てくださったんですよ。ありがとうございます。

最終的に採用が決まったバッグがこちら。一見普通ですよね。


クラシカルな雰囲気。コンクール用にサイドポケットやキャリー用のD環などは省いていてすっきりしています。でも、帆布×レザーだとナイロンのバックに比べて重たくなるのでは・・・?

気になる重量はというと・・・

289g!!!

従来のジルベルトゥ製のグランボアのフロントバックの800gと較べますとかなり軽く仕上がりましたね。帆布、ハンドルに固定するベルト、縁取りのレザー、内側の補強などすべての素材、サイズなどを見直してこんなに軽いフロントバックが出来上がりました。

 

そして、3.3kgの雑誌をどうやって積むのかというと・・・

なんと上蓋がストレッチするんです!!!
引っ掛けるゴムを出す位置が2か所設けられていて、たくさんの荷物でバックが膨らんでしまったときは下側からゴムを引っ張る(上の写真の状態)と上蓋の面積が広がる仕組みです。親方が思いついたこのゴムの掛け方は最小限の工夫で大きな効果を生み出すこととなりました。使い方は是非実物をご覧いただきたいと思います。簡単な仕組みですが画像や言葉で説明するのは少々野暮な感じです。

 

強度も充分。

試走でチョコに3.3kgの荷物を入れて走ってもらいましたがとても安定していたそうです。

 

【工具/補修パーツ】

これらもグランボアは手を抜きません。レースだけを取れば必要ないものもあるかもしれません。ですが、ツーリングの際は必ず必要です。そして、何のためのコンクールかと考えればここでも手を尽くす必要があると考えます。

チューブとニップル回しは普段からグランボアで使用しているものです。

ポンプはチョコがネットで探してきたものですが、国産で非常に軽量で良くできています。

チタンのキーセットは今回RUNWELLさんでお世話になりました。通常、3/4/5/6mmのセットのところ、グランボアでは3mmを2.5mmに代えて貰いました。チドリがちょうどそのサイズなのです。

 

つちやはるみ


2017.07.11

コンクールマシン参戦記 車検/プレゼンテ...

さて、気負って準備した翌日、スケジュールは8時から組まれています。

参加チームは30チーム。サイクルグランボアは午前中の部に名前があります。

ですが。。。なんと、すでにイタリアやスペイン、ドイツからの6チームがすでにキャンセルになっていました。。。

 

 

 

 

さて、プレゼン会場は??

ですが、会場近くに止められていた自転車にくぎ付け。

1949年のコンクール出品車だそうです。

やはりこんなすごい自転車が母国フランスには残っています。審査員の一人、フランスのシクロツーリズムの生き字引Raymond HenryさんのBARRA製のPITARDでした。すごいですね。。アンリさんとは何度かお目にかかり、お宅までお邪魔したこともあるので良く覚えていてくださいました。お元気そうで何よりです。

親方の隣で一緒に話を聞いているのが今回のコンクールの目玉であり、最有力候補のウィーグルさんです。小柄で優しそうな方でした。

 

 

小雨が降り出す中、自転車も人も続々と集まってきました。

さて、そろそろ私たちの番。ですが、会場は倉庫のようですね。。。ちょっと想像していたのと大きく違いました。

 

 

呼ばれるまま屋内に入ると、若いスタッフでいっぱいです。

まずは計量から。

「サンク、サンク、サンク!!」 数字を読み上げる声に室内全体がどよめきました。

アイズの工房内では9.57kgでしたが、こちらのデジタル計では9.555kg。一瞬何か入れ忘れてないか心配になりました。

 

そして、オリジナルパーツの確認もここでするのですが、”オリジナル”の基準があくまでも自身の工房内で加工、もしくは製作したもの、とのことで、私たちのように道具を持たない小さな店がアイデアをもとに外注したものは含まれないとのこと。ですのでタイヤもリムもチェンリングも認めてもらえませんでした。

 

*****

今回のコンクール用にグランボアでは同じスペックで2台用意しました。フレーム作りは何といってもスタートしたばかりでしたので、思い切ったことをするためには予備が必要でした。コンクール用に作ったフレームは3号車と4号車。まったく同じ内容で作っていたのですが、親方的に気持ちよく芯が決まった3号車を本戦用としました。

今回用意した英語版パンフレットに掲載した3号車での仮組み完成車重量は9.2kg、本戦用は9.07kgまで絞れていました。

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そして、その建屋の2階でプレゼンです。

て、あれ?

こんな感じですか???

審査員のすぐ目の前。いきなり質疑応答風に始まってしまいました。

親方とKさんが夜中までかかって用意したものはほとんど必要ありませんでした。。。フランス語の挨拶も練習していたのにね。でも、熱心に隅々まで見てくださいましたよ。

 

プレゼンの後は撮影。

カメラマンの方が「軽い!」 とびっくりされてました。

 

 

そして、プレゼン用に急遽用意した資料はこちら。

6月22日の0時が資料提出の締め切りなのに、やっと自転車が完成したのがその2日前。親方がスペック表を私に渡してくれたのがほぼ1日前でした。もっと技術的な資料を添付したり、フランス語で書き上げることができればポイントも高かったんですけどね。。。

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良かれ悪かれ、初日が終わり、緊張がほぐれてサッサと自転車積んで帰ろうとしたところ、スタッフの一人が慌てて追いかけてきます。そうです。車検が終わった自転車は本部に預けておかなくてはならなかったのです。もう、パイロットであるチョコしかあの自転車には触る事はできません。。

 

コンクール2日目は4時スタート。2時には起きて準備をしなければ。。

つちやはるみ


2017.07.09

コンクールマシン参戦記 プロローグ

6月29日から4日間、機材としての自転車そのものを競うコンクール、”Concours de Machines”に参加してまいりました。

 

開催地はフランス中央より少し南、クレモンフェランとサンテチェンヌの間に位置するリヴラドワ=フォレ自然公園内の小さな町アンベールです。

アンベールにはフランス国内で唯一の円形の市庁舎があります。そして、その市庁舎はフランス人なら誰もが知っているといわれるLes Copainsという旧い映画の舞台となったことでも有名なのだとか。自転車が印象的に扱われるその映画の影響もあって、この町でこうした自転車のイベントが開催されています。

 

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さて、まずはコンクールのスケジュールと内容について。

【6月29日 車検+プレゼンテーション】

審判とオーディエンスの前で自転車について説明する時間が設けられます。様々な内容において加点減点があります。(詳細はこちら) これはもちろん親方担当です。

【6月30日 1日目走行テスト】

コースはダートを含む224km。6月26日に一斉配布されたコースがこちら。

基準速度を22.5kmとし、そこから早いと加点、遅いと減点されます。2日間にわたる走行テスト中はパイロットが自らすべて対応しなければなりません。使える工具やスペアパーツもフロントバックに入れて車検のときに申告した物に限られます。そして、1日目のスタートは朝4時から2分おきでタイムトライアル方式。暗い中のスタートはライトの性能テストも兼ねています。

グランボアのパイロットは日頃から長距離ライドが好きなチョコ君です。そして、グランボアの仕事を見届けたいとこのツアーの同行を強く希望されたUさんがチームメイトととして、できたばかりの新車で参加されます。

【7月1日 2日目走行テスト】

翌朝は8時から20kmほどの走行。

その後、同時開催されているイベントと合流する形でベール峠の麓まで皆で行き、9時45分から前日に渡されるマップのみで120kmの競技が始まります。更に、そのルート上で同じく前日に指定されるチェックポイントを回らなくてはなりません。そして、知らされていない1区間で重さ3キロ程度の荷物を運ぶのです。その荷物は予告されません。去年は3キロのA4サイズの雑誌でしたが今年は何が渡されるかわかりません。自転車と装備はそれらを加味して作り上げる必要があるのです。マップですのでこのコースのGPSデーターはありません。

【7月2日 ツーリング】

同時開催されているイベントの指定コース、80kmのグラベルをイベント参加者と一緒に走ります。

最終日はもう競技ではありません。戦い終えて親睦会のようなツーリングです。

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結構シビアな条件なのは伝わったでしょうか。。恐らく、一度読んだくらいではコンクールの全体を把握はむつかしいと思います。私たちも実際に参加するまで解らないことがたくさんありました。ですので少し早めに現地入りし、体を慣らすとともにコースの試走をしたいと考えていました。

 

 

 

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6月26日

1台のミニバンでパリからアンベールまで自転車5台と大人6人が大移動です。

夕方アンベール着

日本から持参した自転車の準備。食料をはじめ身の回りの準備。そして、日本からでは入手できなかった地図を手に入れ、コースのチェックです。これから8泊9日ここで過ごすこととなります。炊飯器とお米はフランス在住のKさんが用意してくださいました。イタリアで作られている日本米だそうですがとてもおいしかったですよ。

 

 

6月27日28日

雨の予報が外れ、チョコとUさんは早速試走へ。

その結果予想以上にダートが多く、一部コースが分らないほど荒れていることが判明。急遽、コースの責任者に問い合わせると当日スタッフがチェックするとの返事。

「え、当日ですか?」

チョコとUさんが不安に陥るのも無理はありません。皆さんも今一度上の地図に戻り、38-39キロ地点を見てください。15%以上の勾配のダートの下りが組まれていたのです。。。

*

そしてその夜、翌日に控えた親方のプレゼンテーションの準備も必要でした。もちろん日本から原稿を書いてきていたのですが、通訳が間に入ると時間がかかりすぎるとのことで修正と練習が繰り返されました。長年渡仏の際はお世話になっていて私たちがしてきたことをよくご存じの通訳のKさんも大学で教鞭をとられているUさんもグランボアをいかに伝えるか、この自転車をいかに伝えるか、私たちスタッフも加わり皆で考えるとても熱い夜となりました。

さあ、いよいよ本番です。

 

つちやはるみ


2017.06.19

カセット~10 DAYS before Concours de Ma...

自転車の部品の中でカセットやチェーンは重い部品の代表ですが、今回、親方が選んだカセットは台湾メーカーのRECON(レーコン)

「ワンピース アロイ カセットスプロケット」という長い名前のこのカセット、名前がすべてを表すとおりトップ以外の本体がアルミの一体成型となっていて剛性がある上に軽いという今回の目的にピッタリな製品なのです。

裏から見ると良く分かりますね。

東京のライトサイクルさんとお取引があるとの事で浅草の展示会でご一緒したときに今回必要な歯数のものを取り寄せていただきました。表面はゴールドの窒化チタンでコーティングされていて見た目もゴージャス! これまた人目を集めそうです。

 

で、肝心の重さは、

184グラム!

昔ながらのフリーだと500グラム近くあるのもざらではないでしょうか。。。

 

ちなみに親方が使っている同じ歯数のシマノの物は。。

330.5グラム。倍近い重さですね。

 

 

では、シマノのチェーン。

 

 

今回選んだチェーン。

 

少し軽いです。アイズでは自転車の変速性能は変速機本体よりもチェーンが重要だと考えています。カセットとチェーンの相性は特に重要ですので今回はカセットに合わせて台湾メーカーのチェーンを選びました。それに色味も合いますね。これが全体の中でいい味出してるんですよ。

 

 

 

*****

さて、ご予約注文をお受けしてましたルイゾンボベ×グランボアジャージの締切日が近づいて参りました。大変たくさんの方にご注文いただきましたのでXLは完売となっていますが、後のサイズは未だ少し在庫がございます。30周年記念の30%オフもこの期間のみです。よろしくお願いします!

だけど、まだ出来上がってこないんですよね。。。間に合うのかな。。

つちやはるみ


2017.06.18

Rメカ~11 DAYS before Concours de Machi...

アイズでは標準仕様の変速機、マイクロシフトのR47。シルバーで10段までカバーできる数少ない変速機のひとつです。

227グラム。

この変速機を今回のコンクールでも使うこととなったのですが、ちょっと重いですね。。。軽さも重要なポイントとなりますので軽量加工が必要です。

 

 

 

先日、少し加工途中の写真をお見せしましたが、

大介店長がカシメを外してバラバラにし、各パートに強度ギリギリと思われるところまで穴を開けたり、細く削ったりしていきます。もちろん、大介店長ともなると親方から「これ、削ろか。」と言われれば、独自で作業始めます。そして、加工しては親方と週末に来てくださる昔からのアイズの技術顧問のTさんと「次はここ、ここもいらんで。」「ここはもっと削ってええで。」などと話し合い慎重に作業を進めていきます。また、時には「大介、こんなとこまでバラシたんか。」ということもしばしば。もう、店長もアイズで仕事をするようになって10年。頼りになります。

 

それに、もちろん親方仕込みの美意識が雑な仕事はさせませんよ。

元々こんな風に作られていたかのような美しい仕上がりです。

 

そして、肝心の重さは。。。

155グラム。

カーボン製のカンパのスーパーレコードが166グラム、レコードが170グラム、コーラスで183グラム。シマノのデュラエースが158グラム、アルテグラは196グラム。

 

 

グッジョブでしょ。

つちやはるみ


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