6月29日から4日間、機材としての自転車そのものを競うコンクール、”Concours de Machines”に参加してまいりました。
開催地はフランス中央より少し南、クレモンフェランとサンテチェンヌの間に位置するリヴラドワ=フォレ自然公園内の小さな町アンベールです。

アンベールにはフランス国内で唯一の円形の市庁舎があります。そして、その市庁舎はフランス人なら誰もが知っているといわれるLes Copainsという旧い映画の舞台となったことでも有名なのだとか。自転車が印象的に扱われるその映画の影響もあって、この町でこうした自転車のイベントが開催されています。
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さて、まずはコンクールのスケジュールと内容について。
【6月29日 車検+プレゼンテーション】
審判とオーディエンスの前で自転車について説明する時間が設けられます。様々な内容において加点減点があります。(詳細はこちら) これはもちろん親方担当です。
【6月30日 1日目走行テスト】
コースはダートを含む224km。6月26日に一斉配布されたコースがこちら。
基準速度を22.5kmとし、そこから早いと加点、遅いと減点されます。2日間にわたる走行テスト中はパイロットが自らすべて対応しなければなりません。使える工具やスペアパーツもフロントバックに入れて車検のときに申告した物に限られます。そして、1日目のスタートは朝4時から2分おきでタイムトライアル方式。暗い中のスタートはライトの性能テストも兼ねています。
グランボアのパイロットは日頃から長距離ライドが好きなチョコ君です。そして、グランボアの仕事を見届けたいとこのツアーの同行を強く希望されたUさんがチームメイトととして、できたばかりの新車で参加されます。
【7月1日 2日目走行テスト】
翌朝は8時から20kmほどの走行。
その後、同時開催されているイベントと合流する形でベール峠の麓まで皆で行き、9時45分から前日に渡されるマップのみで120kmの競技が始まります。更に、そのルート上で同じく前日に指定されるチェックポイントを回らなくてはなりません。そして、知らされていない1区間で重さ3キロ程度の荷物を運ぶのです。その荷物は予告されません。去年は3キロのA4サイズの雑誌でしたが今年は何が渡されるかわかりません。自転車と装備はそれらを加味して作り上げる必要があるのです。マップですのでこのコースのGPSデーターはありません。
【7月2日 ツーリング】
同時開催されているイベントの指定コース、80kmのグラベルをイベント参加者と一緒に走ります。
最終日はもう競技ではありません。戦い終えて親睦会のようなツーリングです。
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結構シビアな条件なのは伝わったでしょうか。。恐らく、一度読んだくらいではコンクールの全体を把握はむつかしいと思います。私たちも実際に参加するまで解らないことがたくさんありました。ですので少し早めに現地入りし、体を慣らすとともにコースの試走をしたいと考えていました。
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6月26日
1台のミニバンでパリからアンベールまで自転車5台と大人6人が大移動です。


夕方アンベール着
日本から持参した自転車の準備。食料をはじめ身の回りの準備。そして、日本からでは入手できなかった地図を手に入れ、コースのチェックです。これから8泊9日ここで過ごすこととなります。炊飯器とお米はフランス在住のKさんが用意してくださいました。イタリアで作られている日本米だそうですがとてもおいしかったですよ。
6月27日28日
雨の予報が外れ、チョコとUさんは早速試走へ。




その結果予想以上にダートが多く、一部コースが分らないほど荒れていることが判明。急遽、コースの責任者に問い合わせると当日スタッフがチェックするとの返事。
「え、当日ですか?」
チョコとUさんが不安に陥るのも無理はありません。皆さんも今一度上の地図に戻り、38-39キロ地点を見てください。15%以上の勾配のダートの下りが組まれていたのです。。。
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そしてその夜、翌日に控えた親方のプレゼンテーションの準備も必要でした。もちろん日本から原稿を書いてきていたのですが、通訳が間に入ると時間がかかりすぎるとのことで修正と練習が繰り返されました。長年渡仏の際はお世話になっていて私たちがしてきたことをよくご存じの通訳のKさんも大学で教鞭をとられているUさんもグランボアをいかに伝えるか、この自転車をいかに伝えるか、私たちスタッフも加わり皆で考えるとても熱い夜となりました。
さあ、いよいよ本番です。
自転車の部品の中でカセットやチェーンは重い部品の代表ですが、今回、親方が選んだカセットは台湾メーカーのRECON(レーコン)。
「ワンピース アロイ カセットスプロケット」という長い名前のこのカセット、名前がすべてを表すとおりトップ以外の本体がアルミの一体成型となっていて剛性がある上に軽いという今回の目的にピッタリな製品なのです。

裏から見ると良く分かりますね。
東京のライトサイクルさんとお取引があるとの事で浅草の展示会でご一緒したときに今回必要な歯数のものを取り寄せていただきました。表面はゴールドの窒化チタンでコーティングされていて見た目もゴージャス! これまた人目を集めそうです。
で、肝心の重さは、

184グラム!
昔ながらのフリーだと500グラム近くあるのもざらではないでしょうか。。。
ちなみに親方が使っている同じ歯数のシマノの物は。。

330.5グラム。倍近い重さですね。
では、シマノのチェーン。

今回選んだチェーン。

少し軽いです。アイズでは自転車の変速性能は変速機本体よりもチェーンが重要だと考えています。カセットとチェーンの相性は特に重要ですので今回はカセットに合わせて台湾メーカーのチェーンを選びました。それに色味も合いますね。これが全体の中でいい味出してるんですよ。
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さて、ご予約注文をお受けしてましたルイゾンボベ×グランボアジャージの締切日が近づいて参りました。大変たくさんの方にご注文いただきましたのでXLは完売となっていますが、後のサイズは未だ少し在庫がございます。30周年記念の30%オフもこの期間のみです。よろしくお願いします!
だけど、まだ出来上がってこないんですよね。。。間に合うのかな。。
アイズでは標準仕様の変速機、マイクロシフトのR47。シルバーで10段までカバーできる数少ない変速機のひとつです。


227グラム。
この変速機を今回のコンクールでも使うこととなったのですが、ちょっと重いですね。。。軽さも重要なポイントとなりますので軽量加工が必要です。
先日、少し加工途中の写真をお見せしましたが、

大介店長がカシメを外してバラバラにし、各パートに強度ギリギリと思われるところまで穴を開けたり、細く削ったりしていきます。もちろん、大介店長ともなると親方から「これ、削ろか。」と言われれば、独自で作業始めます。そして、加工しては親方と週末に来てくださる昔からのアイズの技術顧問のTさんと「次はここ、ここもいらんで。」「ここはもっと削ってええで。」などと話し合い慎重に作業を進めていきます。また、時には「大介、こんなとこまでバラシたんか。」ということもしばしば。もう、店長もアイズで仕事をするようになって10年。頼りになります。
それに、もちろん親方仕込みの美意識が雑な仕事はさせませんよ。

元々こんな風に作られていたかのような美しい仕上がりです。
そして、肝心の重さは。。。

155グラム。
カーボン製のカンパのスーパーレコードが166グラム、レコードが170グラム、コーラスで183グラム。シマノのデュラエースが158グラム、アルテグラは196グラム。
グッジョブでしょ。
来週の日曜日は朝サイクリング。
初夏の気持ちの良い季節ですね。どこに行こうかな。
今回リーダーはチョコ君の予定ですので、ちょっとベテラン向けにコースを設定しました。
水尾から細野に抜ける52キロほどのコースをいつも通りの9時-12時の3時間で走る予定です。
ちょっといつもよりハイペースになりますが、宜しければご参加ください。
参加表明、お待ちしています。
今年の夏、久しぶりにフランスへ出かける予定です。
もちろん仕事です。(ほんとうです!)
昨年末から「親方フレーム工房(仮称)」が本格稼動し始めてまる5ヶ月、ようやく4本目が完成しようとしています。最初ですのでいろいろ模索しながら、作っては修正し、足りないジグや道具を補い、「感」や「熟練の技」に頼らずとも良いものが作れる環境を整えながらの作業を一人繰り返しています。そして、本数を重ねるにつれ、当然ながら出来上がるのも早くなり、芯のシッカリ出た良いものができるようになってきています。
実際にはこの4本目フレームはフランスはアンベールで開催される”Conours de Machines“でチョコが乗る予備車となります。次の5本目は当然本戦用としてこれから作るわけです。出発まであと27日。店長は軽量化を進めるためのパーツの吟味と加工、チョコは昨日も300キロブルベに参加するなどしながら、パイロットとしての体の調整を進めています。店一体となってのアイズのチャレンジは日々の仕事をこなしながら進んでいますよ!
手の内を今明かすわけにはいかないのですが、いろいろしているうちのほんの少しお見せしますと。。。穴を開けるのは軽量化の基本。元が何か分かりますか?


「それは生爪がいるなぁ。」
「生爪を締め上げてやるんや。」
「!!!」
物騒な会話を耳にした後、納品された道具が上の写真。
「三角もあれば四角もあんねんで。」と更に教えてもらいました。
実際に何をしているんでしょうね。。私たちも出来上がりが楽しみです。
【コンクールマシーン~Concours de Machines~】
第2次世界大戦前後、フランスでたった5回のみ開催された自転車そのものを競うコンクール。あのサンジェやエルスも参加し、フランスの自転車産業における技術の革新をもたらした伝説のコンクールです。
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そして、ラリーグランボアにご参加くださった方々は既にご存知ですが、グランボアのジャージがあのルイゾンボベとのコラボで実現します。今回のコンクールに間に合わせるべく作業を進めてもらっていますのでもう間も無く出来上がる予定です。そこで本日より30周年特別価格にてご予約を承ります。ラリーにご参加下さった方々もご希望の方はサイズと枚数をこの期間にお知らせください。当然ながら枚数には限りがございます。また特別価格はご予約のみとさせていただきますのでよろしくお願いします。ご予約はこちらから。

あと、長らく欠品していました23Cタイヤ、コルデマドレーヌが入荷しています。お待たせしました。





