峠ではオリビエが首を長ーくして待っていました。
峠は広ーく開けており、あちこちで家族連れやバイカー、サイクリストたちが思い思いくつろいだり遊んだりしています。いやー、ガリビエとはぜんぜん違いますね。何よりも最後の1kmがまったく正反対な感じ。ガリビエ峠は「来れるものなら来てみろ。」ってな感じですが、マドレーヌ峠は「ようこそ、いらっしゃいました。」と手を差し伸べてもらったような優しさでした。日本に戻ってから反芻してもマドレーヌ峠なら又上ってみたいと思っています。
日本なら「峠の茶屋」といった所なんでしょうが、オリビエが前日から予約を入れて席を押さえていてくれました。でも、彼曰く、「フランスも景気が悪く、いつもならここも一杯なのに今年は少ないよ。」とのこと。そうだね。フランスはホテルは日本と比べればそう高くは無いけど、外食はどんな店に入っても高いものね。。。
この日はエルネストも車で峠まで来てくれていました。「マドレーヌ峠開通40周年記念」。そして、この峠は彼のお気に入り。エルネストは開通した当時に最初に峠を自転車で越えた1人だそうです。すごい!というと「今までで100回は上ったよ」とニッコリされました。
「いいか、下りで口を開けていてはいけないよ。なぜなら、牛がいるところにはハエが大量にいるから開けているだけで口の中がハエだらけになるよ。」
オリビエが下りの前に教えてくれました。うん、確かに牛が放牧されていた所の路上には糞が散乱しており、ハエがおりました。鼻の穴を大きくして「わかった」と頷きました。
この話を聞いて、最初の日にバルモレルの周辺を軽く走ったときのことを思い出しました。ヤギやポニーがいたところで路上にそれらの糞が散乱しており、私たちを追い越した車がそれらの混じった砂埃を巻き上げていくのです。上りの苦しい中、息が出来なくなりちょっとパニックになりましたよ。おまけにその車がすこしもたたないうちにもどってきて「その自転車すごく良いね」なんて声を掛けていくのですからクラクラしました。