アイズの独り言

2017.06.16

チェンホィール~13 DAYS before Concours de Machines~

先日の記事でたくさんの方からエールをいただきました。皆様ありがとうございます!また、グランボアの新しいオリジナルパーツ、葉っぱモチーフのチェンリングについても反響をいただきました。チェンリングは自転車の顔になる大事な部分。多くの方に関心を持っていただき、とても嬉しいです。

 

グランボアでオリジナルのチェンリングを作りたいという思いは、長い間ずっと温めてきたことでした。デザインを担当するのははるみさんです。グランボアのオリジナルパーツのほとんどは、杉・ブナ・鹿・フクロウなど自然のものの名前をフランス語で付けています。今回もグランボアらしいモチーフをと考え、木や花など自然のものからデザインを起こそうと考えていたところ、「一定の方向に回転する」というチェンリング特有の動き方に合うのでは!とひらめいたモチーフが葉っぱだったそうです。

風にのって揺れたり、飛んでいったりする葉っぱ。いつも遊んでいるみたいに見えますもんね。(イラストは3アーム用にと意識して書いたもので、大小の葉っぱ6枚で構成されています。)

はるみさんが起こしたデザインを専門家の方にお願いして型を抜いてもらいました。出来上がってきたものを見たときは、こんなチェンリング見たことない!とスタッフ全員でびっくりしました。

 

なぜなら・・・

・・・・・!!!


葉っぱがレリーフ(浮き彫り)になっていたからです・・・・!!!

 
これは、専門家の方が、平面だと網目のように見えてしまうので、こんなふうに立体にしてはどうでしょうか?と提案してくださったとのことです。素晴らしいアイデアを本当にありがとうございます!本当に惚れ惚れするチェンリングです。。

 

 

 

***

さて、コンクールに向けて自転車の構想を練っていた親方は当初からフロントシングルで自転車を作っていくという考えがありました。フロントシングルというとツーリングの世界では少し驚かれますが、親方は40年前(!)からすでに自分の自転車にフロントシングルを採用していて、実際にあちこちツーリングに出られていたそうです。そうした経験から、峠越えやダウンヒルを含むコンクールのレースを走るのにもフロントシングルというスペックで臨むことに決めました。

 

 

グランボアのTypeER、650B仕様の平均的な重さはおよそ11kg前後です。車体重量9kgを目指すには2kgの軽量化が必要です。これを実現するためには、あらゆるパーツでg単位での軽量化を追求していかねばなりません。ランドナーのチェンホィールは5vis仕様が一般的です。フロントシングルとしたことで、この5visを使わずに、クランクも根元の裏側をロックリングで留めるだけで固定ができるものを選びました。

ダイレクトマウントというこの方法は、現在フロントシングルが主流のMTB用のクランクではすでに一般的に使われているそうです。

 

 

また、BBもチタン製のものを取り寄せて搭載しました。

 
自転車の組立は大介店長が行います。パッと見た目には分かりませんが、BBのワンを削っています。このように、組立をしながらその都度いかに軽量化できるかを考え、実践しながら仕上げていきます。

左がもともとのワン、右が削って高さが低くなったワンです。いつも使っている鉄製のBBは234gなので、これで84gの軽量化です。

 

また、クランクボルトは25年前のMTB用クランクに付属していたチタン製ボルトを使うことで軽量化を図っています。このように、何グラムという単位の小さな軽量化ですが、一つ一つパーツを吟味して選び、その上でさらに耐久性とのバランスを保ちながら軽量化を図るにはどうすればよいかを親方と店長が研究し、車体全体で9キロを目指していきます。

 

 

ちなみに・・・
コンクールのための自転車にこの葉っぱのチェンリングを搭載するにあたり、デザイン段階ではクランクを何にするかということが全く決まっていませんでした。今回コンクールではロックリング仕様のクランクと組み合わせて使いますが、一般的な5vis仕様で使えるように、葉っぱのデザインを邪魔しない場所にピンの位置を確保することができるんですよ。

自転車に組んだときのさりげない華やかさが絶妙なんです。はやく皆様に全体像をお見せしたいです!

なっぱ (2021年退職)

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