コンクールマシン参戦記 各部品に関する報告
Ⅰ.概要
コンクールに参加するにあたって、グランボアでは極限への軽量化に挑戦しました。帰国後出走車を分解し、各部品の状態について調査しましたので、ここでコンクールによって生じた各部品への影響について報告したいと思います。
Ⅱ.異常が生じた部品
表はコンクール出走後の各部品の状態についてまとめたものです。破損した変速機に関しましては、別項にて改めて考察を深めるものとして、その他の部品について報告いたします。
変速機以外では、カセットのセカンドギアに一ヶ所の欠けが発見されました。これはダート走行時での小石等の巻き込みが起因していると考えられます。
マッドガードにつきまして、今回試みました潰し加工によるステーのエンド固定方法には問題はありませんでしたが、ブリッチへの取付金具の固定ボルトが僅かに緩んでいました。
使用ボルトはチタン製M5の皿ネジで、緩み対策として菊座ワッシャーを挟みました。特に振動を受けやすいマッドガード周辺はボルトの選択を含めて緩み止め剤の塗布等、更なる対応が必要であります。
ホイールについては変速機破損時の巻き込みで後輪に多少の振れが生じましたが、その他でのダメージは無く問題はなかったと考えています。
また軽量タイヤ(リエール650×36B EL)と軽量チューブ(レール650×32-42AB)を採用しましたが、パンクは夜間走行での一回のみでした。つまりこのタイヤの組み合わせでは、ライン取り次第でパンクのリスクを減らせることが実証されました。
Ⅲ.グランボアパーツについて
既存のグランボアパーツを加工したものの一つにブレーキがあります。
ギロチン金具とシューを軽量化したシュエットモダンは、マハックブレーキレバーと共に過酷な状況下での使用に耐え抜群の制動力を発揮しました。
また唯一軽量化を無視して製作したスペシャルラージハブも自転車全体のバランスを確保しつつスムースな回転を得ました。カセットハブ仕様のスペシャルラージハブは、今回の研究によって製作技術が確立されましたので、グランボア製品の新たなラインナップに追加されました!注文製作にて受注を承っております。
コンクールの為に特別に製作されたキャリアやハンドル、ステムについても全く問題はありませんでした。
Ⅳ.新たに採用した部品について
フロントシングル構想によってTA CARMINAとチタンシャフトBBが採用されました。組み立て時はチタンBB が従来のスクエアシャフトであることから、チョコ君は剛性に不安があったようですが彼の脚力をもって使用しても問題はありませんでした。 葉っぱのチェーンリングも大好評でしたよ。
べロジカルダイナモと砲弾ライトは出国前に何度か試験走行はしたものの、途中で切れてしまわないか心配していました。幸いトラブルはありませんでしたが暗闇のダート道ではやや光量不足だったようです。最近は大変性能の良いランプが多く登場してますが、軽量でランドナーに似合うものが少なく悩まされた部品の一つでした。
使い慣れたはずの既存の部品であっても改めて吟味することで新しい発見があり、それぞれの部品の特性について考えさせられました。今回異常が生じた部品だけでなく、異常が無かった部品についても更なる研究が必要だと痛感しました。
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