「ランドナーで峠へ」~京都 愛宕山の峠~
こんにちは前野です!
今年最後の「ランドナーで峠へ」は京都に戻りまして、愛宕山に点在する峠を取り上げます。
愛宕山は京都市の西北部に位置し標高924mの山頂には愛宕神社があります。市内からアクセスが容易で京都の人にとって親しみのある山の一つではないでしょうか。
山頂の愛宕神社は古くより火伏・防火に霊験のある神社として知られ、全国に約900ある愛宕神社の本社でもあります。記事の後半で愛宕神社の祭事にも触れてみました。
いつものようにサイクリングレポートを兼ねつつ愛宕山の峠を紹介していきます。
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【林道谷山線】
まず、愛宕山へサイクリングに行くなら外せないのは林道谷山線でしょう。京都市内からウォーミングアップがてら御経坂峠を越え、高雄に向けて下る途中にその入り口はあります。
(記事内の地図は移動、拡大縮小、地図の切り替えが可能です。右上のタブをMapに切り替えるとグーグルマップの表示になります)
林道谷山線の入り口
国道162号線を高雄へ向けて下る途中に神護寺、西明寺へ向かう分岐があります。分岐を左折して清滝川沿いを少し走ると林道の入り口になります。ここで林道の開通状況などを確認できるので立ち入り禁止などの表示がある場合は諦めましょう。
序盤は緩やかな勾配の舗装路を登っていく
林道谷山線の序盤は緩やかな勾配と比較的綺麗なコンクリート舗装が続きます。この辺りは木々が生い茂り標高も低いので展望はありません。
谷山線の序盤に現れる巨大な岩
コンクリート舗装は荒れている
巨大な岩を過ぎたあたりから林道の勾配はきつくなり、コンクリート舗装は荒れた箇所が目立ち始めます。タイヤが細い場合はリム打ちに注意!
すでにチェーンはインナーローに入りこれ以上軽くできない状態で登っています。
木立の中と展望を繰り返す
しばらく登ると勾配は少しだけ緩やかになり眺めも良くなっていきます。
視界が開けてきたら林道の頂上までもう少し
今回のサイクリングはアイズバイシクルで今年の春までバイトをしてくれていた井越君とその後継者の鈴木君が付き合ってくれました。このサイクリングに行ったのは9月なので半袖です。
砂利の広場で登りは終わる
砂利の広場に到着すると登りは一旦終了です。この広場で一息ついてウジウジ峠方面へ走っていくのが定番ですが、この日は首無し地蔵へ寄り道することにしました。
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【首無し地蔵/サカサマ峠】
愛宕神社参道入り口
先程の砂利の広場から50mほどの距離にあるY字路を左に行くと首無し地蔵があります。ここは愛宕神社の参道入り口で案内標識も立っています。神社の参道になるので自転車はここに置いて首無し地蔵まで歩きます。ちなみにこの参道入り口まではタクシーでも行けます…
林道谷山線の登りで愛宕神社参道入り口から降りて来たタクシーとすれ違う(2021年11月)
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愛宕山の首無し地蔵
参道入り口から少し歩いて首無し地蔵に到着しました。名前の通り首がありません。周囲は綺麗に手入れされています
サカサマ峠から京都市を望む
首無し地蔵の位置する場所はサカサマ峠という峠になります。展望が開けているので京都の市街地や桂川を一望できます。サカサマ峠という名前はありますが残念ながら自転車乗りが期待する峠感はありません…
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【ダルマ峠】
ダルマ峠への分岐
愛宕神社参道入り口から少し走ると写真のような分岐が現れます。左へ登っていくとダルマ峠、右はウジウジ峠を経て雲心寺谷林道の下りに繋がります。
ダルマ峠
分岐からダート道を少し登るとダルマ峠に到着します。こちらも峠感はありません。
ダルマ峠のすぐ近くにある展望ポイント
ダルマ峠の手前にさらに登っていく支線があります。この支線を登ると開けた展望ポイントに到着します。おにぎりや弁当を持って来てここでのんびり昼食をとるのもいいですね。
滑りやすい斜面をビンディングシューズで登る
展望ポイントへの登りは急坂です。滑りやすいビンディングシューズで登り切れるか?
もう少し……
もう少しのところで靴が滑って自転車を押し上げられず鈴木君がサポートして登り切りました。
僕は後ろで笑いながら写真を撮っていました。井越ごめんよ~(笑)!
ちなみに僕らが苦労して登った急坂の横に乗車したまま登れる迂回路がありました。
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【ウジウジ峠】
ウジウジ峠手前からの景色
ダルマ峠から林道に戻り、砂利道を下るとウジウジ峠に到着します。峠の名前はあるのですが現地にそれらしい立て札などは無く、こちらも峠感はありません…
走りに夢中だと下りの途中なのであっという間に通過してしまいます。
ウジウジ峠と林道の分岐
この分岐付近がウジウジ峠です。右の松尾白峯線を下っていくと松尾峠に繋がります。(今回は取り上げていません)左が雲心寺谷林道です。
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【林道雲心寺谷線】
ほどよい砂利道の雲心寺谷林道を下る
愛宕山サイクリングの一番楽しい区間は雲心寺谷林道の下りでしょう。この砂利道を下るために林道谷山線を登ってきたようなものです。
ランドナーでも楽しいガレ具合
グループで走っているので先頭に出たときは後続の安全確認と撮影の為時々止まりながら走ります。
道は少々荒れているのでタイヤはエアボリュームに余裕のある650x42Bエートルがおすすめです。
思わず笑みがこぼれる雲心寺谷林道の下り
しばらく下ると舗装に切り替わり、そのまま下り続けるとペンション愛宕道を通り過ぎて府道363号線に接続します。
北側の目印は「ペンション愛宕道」の青い看板
府道363号線側から雲心寺谷林道を登る際の目印はペンション愛宕道の青い看板です。ダートの下りが苦手な方は今回のルートを逆回りで走れば楽しめるはずです。逆回りで走る際は登りダートで時間が余計にかかることを考慮してプランを立ててください。
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【田尻廃村跡】
雲心寺谷林道から延びる支線の先に田尻廃村跡というかつての集落跡があります。今回のサイクリングで初めて訪れました。峠ではありませんがこちらも紹介します。
雲心寺谷林道のペンション愛宕道の南側にY字の分岐があります。この分岐が林道田尻谷線の入り口で田尻廃村跡まで続いています。
ぬかるんだ地道を走る
林道田尻谷線は比較的整った林道で轍も踏み固められています。
田尻廃村跡の手前は開けている
田尻廃村跡の手前は木が少なく開けています。このあたりも走りやすい砂利道で楽しいです。
突如森の中に現れる石垣が廃村跡の目印
先程の開けたエリアを抜けると田尻廃村跡に到着します。
当時物……?
更に南へ進むと松尾峠に至る
田尻廃村跡からさらに奥へ進むと松尾峠を経てウジウジ峠の方へ抜けることもできるのですがサイクリングとして楽しむなら廃村跡までにしておくのが良いでしょう。この先はパスハンティングの世界です。僕は自転車を担いで歩くのは苦手です…
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【今回のサイクリングルート】
アイズバイシクルー御経坂峠ー谷山林道ー首無し地蔵ーダルマ峠ーウジウジ峠ー雲心寺林道ー廃村田尻跡ー林道出口(ペンション愛宕道看板)
アイズバイシクルをスタートして愛宕山の林道を楽しむコースです。今回レポートした場所は全て網羅しています。林道を出た後は国道162号線で市内に戻るのも良いですし、京北に降りて昼食休憩して国道477号線で花背の方へ移動すれば旧花背峠のダート道を通って鞍馬経由で市内に戻ることもできます。
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番外【愛宕神社千日詣り】
愛宕山山頂の愛宕神社に7月31日夜から8月1日早朝にかけて参拝すると千日分の火伏・防火の御利益があるといわれ、毎年多くの参拝者で夜の愛宕山が賑わいます。
自転車無しで愛宕山へ!
愛宕神社の階段
今年は数年ぶりに千日詣りに参加してきました。
密を避けるために7月31日夜から8月1日早朝ではなく約1週間の間に設定され、夜間参拝は禁止されていたので明るい時間帯に登りました。
清滝から愛宕神社までは片道約4㎞の山道を歩きます。登りではすれ違う他の参拝者に「おくだりやす~」、下りでは「おのぼりやす~」と声をかけながら歩くのはここでしか出来ない体験です。
自転車で登るのも楽しいですが、自分の足で歩いて愛宕神社の行事に参加してみると新しい発見があり、山への理解が深まる気がしました。
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~温見峠の記事にいただいたコメントのお返事~
ブログのシステム上コメントは公開されませんが読ませていただいています!
・「40年近く前に一度通ったことがあり、ものすごい道だと思ったものです」
当時は未舗装路だったのでしょうか。現在は酷道といっても舗装され整備されているので当時の状況を想像すると羨ましくて仕方がありません…!
・「39年前に岐阜側から走りましたが、食料調達ができずに、餓死しそうになりました。そういう点では根尾村の和食屋さんは貴重ですね」
上のコメントの方と同じ頃に走られたのですね。僕らは酷道区間を抜けてすぐに食事が出来たので助かりました。
・「良い景色が堪能できました。ランドナーでの峠越えはしてみたい目標ですが、フリーなどのギヤ構成はどのようなものでしょうか?」
温見峠を走った際に使っていたギア構成はフロント42T、リア11速11-42Tです。
SRAMのFORCE1をメインコンポーネントとし、クランクはサンエクシード170mm、チェーンリングはグランボアサンクフィーユ ナローワイドの試作品です。リアスプロケットはシマノXT CS-M8000です。
3年経った現在は製品版として発売したサンクフィーユナローワイド40Tを使っています。それに合わせてリアスプロケットも11-40Tに変更しています。
ちなみに今回の記事で愛宕山を走ったブリヂストンユーラシアはサンエクシード/TAダブルの46-30T、リア6sの13-28Tです。
ギア構成の選び方としては最低ギア比1を目安とし、下りで使うギア比はあまり重視していません。
ロードバイクの一般的なギア構成:フロント50-34T/リア11-28Tなどに比べると最大ギア比はかなり小さくなりますが、下り坂の場合はクランクを回すよりも自身の乗車姿勢で速度が大きく変わるのであまり不便は感じません。
ランドナーのような競わない自転車は下りの数秒だけ使うギア比にこだわるよりも峠道で疲れた状態で回せるギア比を優先する方がいいと思います。
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11月下旬に一人で
愛宕山の峠ということで色々盛り込んだのですがいかがでしたか。
今回のルートを走る際は 山と高原地図 京都北山 などの紙の地図を持参することを強くお勧めします。普段走る時はGPS端末のみですが、愛宕山のように支線が入り組んだ場所では判断が難しくなる場合があるので山歩き用の地図があると安心です。愛宕山は低山ですが、毎年のように遭難の事例があるのでサイクリングだからと油断していると危険です。
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実は今回の記事はおにゅう峠よりも先に書いていたのですが、紅葉の時期を逃しそうだったので前後してブログを更新しました。
次回の「ランドナーで峠へ」は京都近辺の冬場でも楽しめる峠を紹介できたらと思っています。
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