アイズの独り言

2022.06.05

Japan Bike Technique 2022

 

あと一週間。3年ぶりのJBTの開催です。

今回は有志による実行委員会の尽力で、私は正式にエントリーすることが出来ます。さらにebike部門へのエントリーバイクも用意することが出来て、自らライダーを務めることにもなりました。

スタッフ前野君が乗るステンレスパイプのグランボアはフレームの製作を先週末にようやく終えて、前野君によりフレームの仕上げ作業の真っ最中です。ステンレス製のフロントキャリアももう一人のスタッフ伊藤君が同時並行で製作しています。ぎりぎり試走ができるのかということろです。

私が自ら走るebikeは前回大会にオープン参加として出走した車両を用いて、香港のCYCMOTOR社の電動アシストユニットX1 STEALTHを組付けた自転車を用意しました。

このユニットの存在を知ったのはわずか2ヶ月前の4月の中旬でした。4月2・3日に開催されたCycleModeの出展社を紹介したテレビ大阪さんのYoutubeにビンテージショップとしてギャラリーグランボアが紹介されていたのですが、その中でMTB用として作られたこのユニットを販売するOLDSCHOOLMTB.JPさんが出ていたのです。早速にコンタクトを取って一式をお願いしました。

このユニットが届いたのはゴールデンウィーク直前の4月も末でした。これをまず自身の製作したOyakata1号車に組付けての最初の試乗は自宅から京都市内の店までの峠5ツのコースです。結果は距離53.6km獲得標高569mの道のりをほぼ2時間で完走しました。バッテリーは日本の代理店の用意しているボトル型の小ぶりなもので最後の峠のピークの50m手前でコントローラーがシャットダウンしました。バッテリーは1つが1.2kgほどですのでこれを2つにすればかなりの距離をこなせそうです。

 

即もう一つのバッテリーを発注、2個目のバッテリーが用意できたところで今度はヒルクライムテストです。今度は2019年のJBT号にユニットを乗せ換えます。これで車体がかなり軽量になります。これで由良川の源流部になる佐々里峠へ登ってみます。峠まで40km800mの登りを2時間かかりましたが、たいした汗をかくこともなくバッテリー1個で登り切りました。これなら本戦の2666mアップもバッテリー3個で何とかなりそうです。このテストで判ったのが、コントローラーのアシストレベルの5段階の切り替えでほぼ変速機と同様の変速感があるということ、フロントシングルでリア10速仕様のこのJBT号の場合は5×10=50段仕様車になっていると思います。ただ実際の走行で11-42の10段の内28以上を使うことはありませんでした。必要トルクに対するアシスト設定も調整できるのですが、初期設定でももともとMTB用にセットされているようで十分なアシストをしてくれています。少しでも車体重量を軽くしてバッテリーのロスを減らすことを考え、次は車体重量をさらに減らすべくリアスプロケットももっと小さくしてみることにします。

 

カセットはレーコンのアルミ10速11-30を用意することが出来ました。もしバッテリー切れを起こしたらとちょっと不安なりますが、38×30にいざとなれば押すのもありと考えます。リアメカは42T用につけていたキャパの大きなディオーレから軽量なデュラエースに変更します。25年ぶりのデュラエース、デュラルミンではなくカーボンが使われていてびっくり。初代のデュラエースを使っていた者としてはデュラだけはアルミにこだわって欲しかった・・・いかんいかん話が横道にそれた。

さてこのアルミのカセットにRメカだけデュラ仕様になったグランボアでダート走行もテストしたのが堀越旧峠と五波峠をまわるコースです。堀越峠は国道162号線の京都から福井県小浜へ抜ける道で初めて走ったのは40年以上前のこと、当時すでに堀越トンネルが一般的なルートで旧道は単なる山道、峠周辺は木々が伐採されたばかりでかなり広々していたことを覚えています。その後も数回超えていますが、今回しばらくぶりに走ってみると数年前の台風でなぎ倒された倒木が行く手を阻み、かろうじて自転車が通れるスペースが確保されていました。旧道入口から国道から外れるとすぐに荒いダートですが、電動アシストのおかげでスイスイと倒木をよけながら登ってゆくことが出来ます。峠まで20km標高360m程をあっさりと登り切ってしまいました。今の峠は落ち葉に覆われ木立に囲まれています。

 

下りダートは本当にしばらくぶりで、かなり背骨をゆすられました。たった4kmに30分もかかってしまいました。舗装の国道に出て下りきったところに名田庄の道の駅があります。昼食を済ませて五波峠へ向かいます。15kmほどの緩い下りの後に五波の峠道です。12%の上り11kmですが、ここでも電気の力でスイスイのぼってゆきます。のぼり始めて7km30分ほどで一つ目のバッテリーがなくなってしまい、ヨシヨシと予備バッテリーに交換しました。が、コントローラーのスイッチが入りません。これは未充電のバッテリーを持ってきてしまったかと思い真っ青になりましたが、バッテリーのコネクターがシッカリ嵌っていなかっただけ、つなぎ直して無事峠まで到着しました。ふもとから40分ほどでのぼり切りました。まだバッテリーは半分以上残っているようです。

 

これで3つバッテリーを用意すればJBTでタイムトライアルポイントのトップを取ることも夢ではないと欲が出てきます。もちろんTTは最初に行われますので、そのあとのダートの上り区間を含めた毛無峠までの上り区間も完走しなければなりません。電動アシストはまさに機械によるドーピングです。でも身体を痛めるドラッグではなく、衰えた身体機能を補助して自転車を乗り続けることを応援してくれます。とにかくペダルは回さないことには1mmも進んでくれないのですから。しばらくこれで乗り続けているとある程度まで筋肉をつけてくれ、もしかしたらアシストなしで走ることが出来るようになると思います。ミキストにつけて奥様と走るとか、大病の後のリハビリにといろいろな使い方もできると思います。そして何よりも自転車に乗りつづけられる喜びをもたらしてくれます。

 

 

このユニットの性能はほぼ申し分ないところに来ています。最大の問題はフロントチェンホイールを専用品に交換する必要があるということです。チェンホイールは自転車の顔です。それを無粋な真っ黒な顔にすることはかなり抵抗があります。私の次の課題はそこをなんとかすることです。

 

親方

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