Linden BK-02 こんな補助灯が欲しかった!
こんにちは、前野です。
今日は当店で新たに取り扱いを始めた新商品をご紹介します。
こちら、何だかお判りになりますか?
ぱっと見は黒いゴムチューブに半透明のレンズ…?
親指の第一関節くらいのサイズ感です。
これならわかりやすいでしょうか?
赤く点滅するライトです。後方に向けて取り付けるモノですね。でもどこに付けますか…?
答えはベルクロテープを使ってヘルメットの後部に取り付けます。
ライダーの頭部に取り付けることで自転車本体のテールライトよりも高い位置になり、後方から迫る車やトラックのドライバーに視認されやすくなって安全性が高まります。
高い位置に点滅灯があるとトンネルの通過や夜間走行の安全性が高まるはず。
アイズバイシクルのある京都だと、京北に行く国道162号線の笠トンネルをやむを得ず通過する際などに点けておくと安心ですね。
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今回ご紹介するLindenのBK-02はヘルメットなどに装着する超小型充電式自動点滅の後方警告灯です。
小さなテールライトならネットで検索すれば無限に出てきますが、こちらは光センサーとUSB type-C 充電ポートを備えた自動点滅かつ充電式のテールライトになります。重さはなんと5グラム…!
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「こんな補助灯がほしかった!」という記事タイトルにしているのは訳があります。
自分が長年楽しんでいるサイクリングの一つに長距離を走るブルべが有ります。
ブルべのルールの1つとして400km以上ではヘルメット尾灯(点滅でも可)を装着することが定められています。自転車本体にはもちろんテールライトが必要なのですが、夜間走行時の安全性を少しでも高めるための処置として、日本のブルべを走る際はヘルメット後ろのテールライトはほぼ必須装備となっています。
ブルべに参加するためにヘルメットにテールライトを装着していたのですが、正直なところ理想的な製品を見つけられずにいました。
理想のヘルメット用テールライトを探して…
自分がヘルメットに装着するテールライトに求める要素
・頭、首への負担軽減の為なるべく軽量。
・夜間走行中はONにしたままになるので駆動時間は最低でも12時間以上。
・昼間もトンネル通過時などに点灯させたいのでスイッチはなるべく押しやすく。理想はランドナーに 付けているハブダイナモライトと同様に光センサー搭載で自動点灯してくれるもの。
・使い捨てのボタン電池でも良いが、充電式なら尚良い。
・長時間の走行、様々な気象条件に耐えうる耐久性。
・どんな形状のヘルメットにも取り付けられること。ヘルメット以外にも取り付けられたら尚良い。
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全てを満たす製品は存在しない(少なくとも自分は見つけられませんでした)ので上記の要素をなるべく多く満たす物を選んで使ってきました。軽くてコンパクト、作動時間が長いものは存在しましたが、コンパクトかつ充電式で自動点滅機能付きの物はありませんでした。
トンネル通過の際に後頭部に着けたライトのスイッチを操作するのはとても面倒です。それに、後頭部のライトが点いているかどうかは単独行ならヘルメットを外さないと確認できません…
自動点灯の充電式テールライトは存在しますが、自転車に装着することを前提としたデザインなので重量は20g以上(ヘルメット重量250gの1割程度)ありますし、ヘルメットに着けると外観の異物感が半端ないのです。
しっかり光って夜目立つのはいいのですが、明るい場所でも外観で主張するのはイマイチです。あからさまに外観を主張する自転車取り付け用のテールライトをヘルメットに着けるのが嫌だったのです。
そんな感じでどうにか妥協できる製品を使って今までブルべに参加してきたわけですが、ようやく全てを満たす製品に出会えました。
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2022年春にLindenの長さんとのやり取りがスタート。
自分は長さんが作った試作品をお借りして通勤やブルべ、日帰りサイクリングなどで使用してきました。
600kmブルべの夜間走行で視認性の良さを確認
最初の試作品は6月のBRM618米原600㎞で快調に動作してくれました。スイッチの操作感や点灯モードと点滅モードの切り替えには改善できる部分がありましたが、スタート時にスイッチをONにすれば走行中はテールライトの操作を考える必要が無くて快適でした。
豪雨の中走った200kmブルべで試作品は故障
続く7月のBRM709大津200kmでも継続して使用。ただ、このブルべの後半約2時間はゲリラ豪雨の中の走行となり、それ以降試作品の調子が悪くなってしまいました。
これをLindenの長さんに伝えたところ、既に同様の症状を把握されていて改良版の試作品を提供いただきました。回路定数を見直して、さらに防水シール処理もしっかり施し雨対策は万全に。スイッチの操作感も改善して点灯モードは無くし、点滅モードのみのシンプルな構成に。
こうして僕の手元に来た2個目の試作品はLindenのロゴがプリントされた製品版とほぼ同じものとなりました。
10月のBRM1015守山300kmで早速改良版を使用。未明のスタート地点までの自走からブルべ中盤の敦賀半島トンネル、日没後の交通量が多い湖岸道路まで快調に作動してくれました。
敦賀半島トンネルで一緒に走っていた友人が撮影してくれた動画をご覧ください。
どのように見えるか写真よりもわかりやすいと思います。
ちなみに自転車のテールライトはキムラTL-06D。ハブダイナモ給電のフレームに直付けされたテールライトです。
防水性が改善されたほか、使い勝手の面ではスイッチのクリック感なども改良されてオン・オフの切り替えがわかりやすくなりました。
本当に細かい部分ですが、とても使いやすくなりました。点滅パターンも丁度いい感じです。補助灯として割り切っているので点滅モードのみとしたのもシンプルで扱いやすいです。
300kmブルべ後に何度か雨の中も走りましたが問題なし。最近は仕事が終わって店を閉めると真っ暗になっているので帰り道の頼れる小さな相棒として活躍しています。
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と、ここまで自分の使用感などを中心に書いてきましたが、Lindenを立ち上げた長さんから開発経緯などを伺っているので紹介していきます。
所有するアレックスサンジェにBK-02開発のきっかけが
Lindenの長さんがBK-02を作ったきっかけは愛車のサンジェとサイクリングをする環境にありました。
以下、長さんの文章そのままです。
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BK-02を作った経緯はというと~
事の発端はサンジェのリアライトにあります。
私のサンジェはリアライトが左側のチェーンステー下に付いてます。
フランスでは問題ないですが日本の道路を走るときは歩道側となり、走行中の
自動車の陰になっちゃいます。ワゴンとかトラックだと運転席が高いので
さらに見えにくいじゃん! となります。
静岡の梅ヶ島方面のサイクリングでは、トンネルが3か所ありますが、大型バイク、
自家用車のほかに、工事用ダンプやトラックも通ります。
そこを自転車で走る必要があり、後ろから走行音が聞こえるだけで…大丈夫とは
思っていてもかなり怖いもんです。
まして、サンジェのように反対側の下部のライトでは見えてない可能性が限りなく大
です。
まあ、そんな理由から生まれた警告灯なんです。
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「ヴィンテージのサンジェに乗っている人が何故ヘルメット用ライトを作ったのだろう?」と初めてお話を聞いたときは疑問に思いましたが、こんな理由があったのです。それに、BK-02はベルクロテープの貼り付けさえできればヘルメット以外の場所にも取り付け可能なので工夫次第ではサドル下への装着なども可能です。(付属するベルクロテープのシール面はとても強力です)
重いライトは首への負担が増えるのでとにかく軽い部品を使って最小限のサイズ、構造で作られたそう。極めてシンプルなBK-02の外観にも訳があるのです。
そしてヘルメットに取り付けるということで安全性にも配慮されています。
万が一転倒などでライトがつぶれたり変形したりしても発火しないように電源も小型のリチウムイオンキャパシタを選択。リチウムイオン電池などに比べて発火、発煙などに対してはとても安全になっています。
岐阜羽島サイクルフリーマーケットにて長さんと奥様
LindenのBK-02は長さんの手で1つずつ手作りされています。
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Linden BK-02のスペックはこちら。
特徴
①小型軽量(本体5グラム、全長3.5㎝)
②充電時間約10分!(USB-C USB-PD使用可)
③動作時間約24時間(点滅時間)
④光センサーによる自動点滅オンオフ
⑤水没させても動く防水性
Linden BK-02はアイズバイシクル店頭、グランボアオンラインストアとLiden the shopからご購入いただけます。
日照時間の短い季節だからこそ、Linden BK-02を身につけてサイクリングに出かけませんか!
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