アイズの独り言>

親方がタンゲから新しく発売されたBBに珍しく興奮気味です。

私なんかは「きょとーん」の地味なパーツですが、同じように待ち焦がれていた方もいるのかしら。。。親方が早速ショッピングサイトにページを作ってくれましたので是非覗いてください。

 

さて、あっという間に11月が過ぎていこうとしています。今月は17日にシクロジャンブル、23日がタンデム学会となっていて、サイクルモードが終わっても未だなんだか落ち着きません。。今回のシクロジャンブルはスタッフみんなで参加する予定にしています。いろいろこまごましたものたくさんもっい来ますのでお楽しみに!あと、タンデム学会もイロイロ各方面から参加希望をいただいていてワクワクしています。案内を出している方でお返事未だの方はお早めにお願いしますね。ちゃんと人数の把握はしておきたいのです。

つちやはるみ

京王閣のフリーマーケットでは雨にもかかわらずたくさんのご来場者があったとのこと、親方と伊藤も大変満足気に戻ってまいりました。毎回運営事務局の皆様にはお世話になりありがとうございます。

 

さて、JBT車の記事で意外とご要望をいただいたエアロレバー用の溝入ハンドル、FR_フランス型ランドナーバーFM_フランス型マースバーだけですがご用意できました!

価格も従来品から200円アップのみです。お待たせしました!

 

 

 

あと、長らく欠品していましたBINDAの復刻版トーストラップも再入荷しています。今回入荷したのは黒、赤、青、黄色、白。いずれもロゴ色は金色です。特に今回は黄色と青は数ペアのみの入荷ですのでご入用の方はお早めにお買い求めください。

つちやはるみ

 

Concours de Machine=コンクールドマシーン は2016年にフランスで始まった自転車の製造技術を競う大会です。4回目の開催となる今回の大会は日・米・英・独からの海外5チームとフランスのビルダーによる24チームの合計29チームによって競われました。このコンクールで問われるのは競技スピードではなく、自転車の持つ独創性とさまざまな環境に対応するポテンシャル、そして機能美の追求なのです。コンクールはそうした抽象的な課題を具現化して、なおかつ実用性を見せる場となります。

この6月に開催したジャパンバイクテクニークは2017年のコンクールに参加した経験に基づいて、日本でもこんな大会を開催することができたならばという思いから始まりました。

さて今年のテーマはパリブレストパリ。7000人近くのサイクリストがパリから大西洋に面した港町ブレストまでの往復1200kmを昼夜兼行で走り切るという、世界でも最大級のサイクリングイベントです。エントリーした29チームが製作した自転車をこの大舞台で走らせて、その性能をチェックしようという試みなのです。

今回のコンクールはまず今年の1月に審判長から以下のような課題が提示されました。

それはRêveur(仏語で夢想家)氏という架空のお客様の注文に応じて自転車を製作するというものです。以下の10項目がRêveur氏の要望になっています。翻訳ソフトをつかっての翻訳でぎこちない日本語ですが、それなりに意図するところはわかっていただけるかと思います。

1、 この自転車は、1891年に始まったパリブレストパリの歴史に関連する審美的または技術的な証言となるもの。

2、 この自転車が80時間に渡って走りつづける彼の指と手を救いますように、これはパリ・ブレスト・パリによるある種の病気です。Rêveur氏は、それを知っています。2015年PBPの後、多くの参加者と同様に、彼は数週間、小指の感度を失いました。 これを二度と起こさないように。 どうやって? それはあなたの仕事です。 あなたはなんでも再発明することができます

3、 彼のコックピットは、彼を混乱させるケーブルを取り除きます。照明、携帯、およびGPSを充電するためにケーブルを切り替える時間を少なくすること。

4、 彼のブルべカードはすべてのコントロールでチェックで素早く処理できること。それは雨からも守られている-衣服のいくつかの層に覆われているためアクセスできないジャージの後ろポケットからそれを取り出したとき、ふにゃふにゃになったカードにうんざりしています。彼はまた、必須である彼のナンバープレートがうまく取り付けられ、彼を悩ませることがないことを望んでいます。

5、同様に、彼は、自分が乗る食べ物にアクセスしやすく、リスクなしで走行中の食事をできることを望んでいます。

6、ダウンのシェラフとエアマットそれにビバーグテントを積んで銀行の金庫の中のように静かな夜を過ごせるようにすること。

7、Rêveur氏の自転車は、照明に関してPBPの規則を順守します。Rêveur氏は、自転車から降りることなく、フロントライトとリアライトのオン/オフを切り替えたり、強度やモードを変更したりしたいと考えています。

8、Rêveur氏は、パンクした後、できるだけ簡単に解体し、特に後輪を再組み立てできるようにしたいと考えています。

9、Rêveur氏は、雨が降った時ほかの参加者に水をハネ上げることを嫌います。

10、Rêveur氏は、彼の自転車を折り畳み可能にし、Blablacar*のトランクに入れたいと考えています。

*Blablacar(ブラブラカー)とはお金を支払う自動車の相乗りシステムで、アプリやPCから予約して利用します。長距離移動が非常に安価に行えます。

以上の課題をクリアすることによってポイントが得られます。ただそれらも一部でポイントの全貌が次のように一覧表となっています。

直訳すると

検車によって判定される項目(CT)と審判のジャジによるポイントそれに一般および参加ビルダーの投票による得点の比率が明記されています。検車の部分は標準重量が10kgで250g毎に50ポイントずつ加減されたり、80時間の走行時間で15分短縮するたびに2.5ポイントもらえて15分遅れると7.5ポイントの減点のこと、走行後フレームや部品に問題なければそれぞれの得点がありますよというあたりはわかりやすいのですが、審判に判断される部分のなかには「フォルダー」「人間工学」といったよくわからない項目もあります。

いずれにしてもPBPを完走しなければこれらの得点を結果として残すことはできません。そのためにはパイロットに対しては、絶対に走りきることを第一にアシストしなければなりません。

6月にジャパンバイクテクニーク後にすぐ取り掛かったのは、2ヶ月後に開催されるコンクールマシーンの出品車の製作でした。

今回はパリブレストパリを完走するための自転車を製作するというテーマです。
まずはRêveur氏の依頼に沿って、グランボアなりの解釈で製作することにしました。

1.  まずは「パリブレストパリの歴史に関連付けての審美的であり技術の証言」というかなり抽象的な注文ですが、私の中のパリブレストパリでの自転車はかつてのアルティザンと呼ばれる自転車職人によって輝くばかりに美しく仕上げられたランドナーの姿です。その姿完全に再現して、その美しさを損なうことなく最新の機能を盛り込んだ新しいランドナーを作ることでした。

果てしなく起伏のつづく、但し大きなクライマックスのないブルターニュ地方の田園地帯をいつまでも走り続けるための自転車。

直進性を優先させたジオメトリーの線を引き、細身のスチールパイプを組み合わせ、美しく均整の取れた形にカットされたラグを組み合わせてその骨格を作ります。そしてトゥークロメ(オールメッキ)で仕上げます。

 

2. 1200km80時間にも及ぶ走行中の振動対策ですが、細くしなやかなケージングで作られたグランボアの650×38Bの太いタイヤは路面から際限なく伝わってくる振動を吸収してくれます。タイヤが路面からのストレスを大きく減少してくれるのです。しかも1本230gと700×26cクラスの一般的なロードバイクタイヤよりも軽く作られていることで、走行のための負荷を軽減しています。さらにはソーヨータイヤさんから提供された現在開発中のラテックス製の650B用チューブもとても軽くそしてソフトな乗り心地の一助となっています。

 

3. ハンドル廻りのケーブル類の整理ですが、ワイヤレス電動変速システムSRAM eTap AXSを導入することによって変速ケーブルはなくなります。
ブレーキケーブルは従前のハンドルに沿う形になっていますので、そのためのハンドルにブレーキケーブルのための溝を加工した試作品を用意しました。

そしてライトのためのケーブルですが、国内ではバッテリー式のライトが広く普及していますが、長時間のライドではバッテリーライトは電池の交換を必要となるため、欧米のPBPの参加者の多くがそうであるようにハブダイナモを使って前後のライトに給電する方式を採っています。

今回使用した独・SON社のハブダイナモにはフロントフォークエンド内側に接点を埋め込んで仕様するコネクターレス仕様のSLというモデルがあります。そのための小型専用エンドを製作しているグランボアではこのダイナモからコードは外部には露出させないで、ガードの先端のフロントランプとシートチューブのうしろ側に専用台座で取付けたテールライトを点灯させています。

更に日本の400km以上のブルべではフロント2系統の電装を義務付けられていますので、フロントにはキャットアイの新製品で吊り下げ式のライトGVolt70をキャリアサイドに用意しています。このVolt70は本体後方上部にスイッチが設けられていて、こうしたキャリア取付に適した形になっています。

テールにはこのコンクール用にキムラ製TL07の軽量バージョンを製作して左チェンステーに直付けしました。CR2のバッテリーでも80時間は点灯する計算でした。ところがこのテールは現地で組み立てみると分解梱包した段ボールで見つけることができず、京都の店にも電話して積み残してないかどうか問い合わせてみたのですが、結局のところ最後まで見つけることができませんでした。

4. ブルべカードの出し入れは普通のランドナーであればフロントバッグをしているのでのバッグの上面のマップケースで事足ります。でもマップケースのない、フロントバッグのない、GPSをハンドルにマウントしている今のロードバイクにとってはちょっと不便な点なのです。

ゼッケンプレートもトラディショナルなた専用ダボを付けることで解決です。ただし取り付け位置はボトルの出し入れを考慮する必要があります。

 

5. 補給食へのアプローチの課題。これは新たなフロントバッグの製作が必要でした。バッグの軽量化が必要と考え素材を軽量なものに置き換えることはもちろんのこと、構造についても充分に吟味して扱い易さを追求したものになっています。パイロットの意見は、普通のフロントバッグでは走行中の振動によりメインコンパートメントの中で食料のような重いものはバッグの下方へ、軽い衣類等はバッグの中で上の方に移動してしまい、走行中に食べたいものを捜すのが大変とのことです。これを解決するためにマップケースの裏に厚みのあるポケットを設けて走行中の補給食はそこから供給して、そこが空になれば休憩ポイントでメインコンバートメントから移動させて補填するということにしました。

 

6. パリブレストのコントロールポイントには仮眠の施設が併設されていて、有料ですがちょっとした休憩をとることができます。また多くのライダーがコントロールポイントのレストランの隅で横になっていました。また車でのサポートには多くのキャンピング車が使われていて車の中で寝ることもできます。中にはコントロールポイントの敷地にある芝生にテントを張っている人もいました。かなり気持ちよく寝られそうでした。今回はそうしたサポートの無いことを前提としているので自らがそのシェラフなどを持って走ることを課題にしているのです。
今回はパイロットの前野が普段使っている軽量シェラフとネット検索によって調べた超軽量のエアマットを用意してそれを入れるための専用のサドルバッグを製作しました。それで使う予定のないシェラフとマットを1200km運んでもらいました。

 

 

7. ライト類のスイッチの設定は最も悩んだところです。PBPの規則では前後それぞれの明るさの規定があり、点滅を禁止しています。

まずフロントライトですが、街路灯の全くない真っ暗なフランスの田園地帯を夜間走行するためには、可能な限り明るさを確保しなければと考えました。キャリアサイドのマウントではホイールによって光の一部がケラレてしまって、前方への照射面積が減ってしまいます。グランボアではドロヨケの先端に取り付けることによってすべての光で前方を照射することが必要と判断しました。そしてそのスタイルを第一の課題の歴史的な美しさを兼ね備えたものにするために、1950年代の仏・シビエの小型砲弾型ライトのボディに、最新のシマノの高輝度LEDライトのユニットを埋め込むことにしました。このシマノのユニットは必要充分以上に明るいことをJBTによって確認済みです。

テールライトも以前からグランボアのカスタムオーダー用に用意していたダイナモ給電のキムラ製小型LEDテールを使用しています。

スイッチは操作性を考えステムトップに埋め込むことにしました。アメリカにはステムトップの回転式のサイクルスイッチがいくつか存在します。今回グランボアが使用したスイッチは乗用車用のライトスイッチです。点灯中はスイッチ自体が青色に点灯してくれます。プッシュ式ですので、PBPのように極限まで疲労していても走り続けなければならない状況でも確実にオンオフを決めることができます。

ただスイッチをステムトップに設定するためには通常のステム引上げボルトは使えません。引上げボルトはまたかなりの重量がありますのでこれを省略することは軽量化につながります。そこで採ったのがステムをフォークコラムで固定する方式です。これは戦前のイタリアのロッド式ブレーキが内蔵された旧い街乗自転車によくみられる方式で、日本では神田のアルプスさんのクイックエースの特徴的な仕様だった仕掛けです。これによってステムのコラム内部を空洞化してスイッチと配線を収納することができました。

 

8. ホイール着脱については最近のディスクブレーキの普及に伴ってスルーアクスルのエンドが採用されるようになり、ホイールの着脱がクイックレリーズより手間が掛かってしまい、クイックではなくなったことが問題視されていると思います。昔ながらエンドで軽量化のため4mmの六角レンチで着脱できるTririg Styx Areo Skewersという米国製のチタン芯を採用しました。ブラックアルマイト仕上げを研磨して使用しています。

9.ランドナーにかかせないのがドロヨケです。十二分にタイヤをカバーしてほかのライダーに水滴を浴びせることのないものを取り付けるのはあたりまえのこと、特にPBPのような幾日も走るライドでは途中で雨が降ることも充分に考えられます。今回使用したのは本所工研のH50という丸型の普通のモデル。ただしアクセントとしてフレームに入れる線引きの緑を中央に8mm幅で入れて金線囲いをして引き締めています。これもフランス車の典型的な手法です。

10.ここは小型乗用車でも分解して乗せることができる、つまり輪行できるかという課題です。

もちろん輪行できるのは当たり前なのですが、グランボアではドロヨケの着脱方式に工夫をして、より簡易な輪行ができますということでER輪行を提唱しています。クラウン・フロントキャリアリアブリッジ部分ではドロヨケに雌ネジを埋め込み、ドロヨケの外側から取り外しが可能になっています。ただドロヨケの先端にランプを取り付けていますのでコードの処理を簡便にする必要がありました。そこでクラウン裏に接点を設けてコードに触ることなくドロヨケを取り付けるだけで大丈夫な仕掛けを組み込んでいます。

もちろんそれでも車が小さいと乗せられないこともあります。さらにハンドルを外してフォークも抜けるようになります。

電動ワイヤレスの変速システムのため変速ケーブルはありませんので、ブレーキケーブルをアーチ側から外せるようにフレームのアウター受には割加工をしてあります。あとはステムのスイッチとフレーム側のコードの抜き差しを可能にさせるだけです。

以上のようにRêveur氏のご要望をいかにクリアしていくかを検討して、グランボアからの提案ができたと思います。

あとはそれをRêveur氏つまり審判の方々がどう判断するかになります。

実際の審判によるの審査風景です。

そしてこちらは審査前の車検です。

その重さはというと

重量ランキングは見事1位となりました。

 

マシンのディテールの解説に続きます。

親方

親方と2人で11月23日に予定しています秋のタンデム学会の予定コースの試走に出かけてきました。

今回は甲賀を検討していますが、これといった決め手が無く、未だ模索しています。それにしても、秋らしいさわやかな気候になってきました。サイクリングには良い季節になりましたね。

 

 

 

今回のコースの下見はコンクールマシンの親方自身のテストライドも兼ねていました。コンクールでライダーを務めた前野と親方はほぼ同じサイズで自転車を共有できるのです。前野からは良い報告を受けていましたが、実際に距離を乗ってみたのは今回が初めてです。結果は想像以上!

「走り始めがアシストが付いているみたいに軽い。」ですって。その軽さの秘密はイロイロあるようですが、その日は確かにずっと私は親方を追いかけている感じでしたよ。。。しんどかった。。

 

 

*****

さて、今回のコンクール用に試作していた様々なパーツの中からテールライトの市販モデルが早くも入荷してまいりました。国内でライトを手作りされているキムラ製作所さんの人気のテールライト、TL07を親方好みのレンズに変えてもらって一回り小さなモデルを作ってもらいました。

LEDでバッテリー式です(CR2)。

 

 

 

重さは約20%減!

 

レンズはシートチューブ直付けのテールライト、TL06Aと同じサイズになります。

 

 

TL06Aは以前からグランボアの完成車用に用意してあったものですが、今回を機にショッピングサイトからもお求めいただけるようになりました。

 

 

 

あと、親方がはいている今年の夏のニッカー、売りそびれてました。。。来年用にいかがでしょうか?各サイズ1枚づつあります。ウェア類値下げしています。ここから29日までは更に5パーセント引きです。是非ご検討ください。

つちやはるみ

【コンクール走行会=パリブレストパリ】

7月18日(日)

7000人近い人数のライダーたちをスムーズにスタートさせるのはなかなか大変です。どのようにしているかというと実績と完走目標タイムと申し込み順で細かくグループに分けられて時間差でスタートしていくのです。ですが、7,000人ともなると200-300人づつに分けたとしても20-30以上のグループになります。実績のあるライダーたちが集まるAチームが最初で午後4時スタート。それから15分おきにアルファベット順のグループに分けられて流れるようにスタートして行きます。夜間は無いとしてもそのスタートは翌日まで続きます。

グランボアのスタート時間はEグループで午後5時。これは事前に打合せがあって「コンクール参加チームは5時スタートで一緒にしましょう」と聞いていたのですが、実際は5時15分スタートに変更になっていました。私たちは既に5時で登録を済ませていたのでそのまま一足早くスタートすることとしました。

Eチームの集合場所。

 

そこにはすでにGPSをスタートさせるためにコンクールのスタッフが待機していました。

JBTで使ったものに比べると少し大きいですが、フレームに固定してしまえば邪魔にはなりません。これがあったおかげでサポートもライダーの位置を常に把握できるので大変助かりました。JBTの時は回線が早々にパンクしてしまいましたが、今回のコンクールではそういったことはありませんでした。ただ、やはりそれぞれの更新時期がまちまちで順位を正確に把握するのは難しかったです。グランボアではこのGPSとグーグルの位置情報サービスをライダーと共有して2重で位置確認をしながらサポートしていました。

 

スタート

いってらっしゃーい!

 

 

【サポート】

事前に打ち合わせた予定では前野の目標タイムは60時間。だとすると18日午後5時にスタートすると予想ゴール時間は21日の未明ということになる。これは大変!それにペッタリくっついてサポートしていたのではこちらが参ってしまう。ライダーが疲れる後半のサポートに重点を置くためにも、私たちは午後5時のスタートを見送ってからいったん宿泊地に戻って仮眠をとってから約360キロ地点にあるコントロールポイント(Tinteniac)で最初のサポートをすることとしました。その次はドライバーをもう一人確保するべくルートをそれてサポートに合流してくれるJPを迎えになんと160キロ先のAnjouへ南下。それから300キロ先の次のサポート予定地(CARHAIX-PLOUGUER)へ向かったのでした。今回のサポートで車は恐らくトータルで2000キロ近く走りましたよ。。。

 

 

-360km TINTENIAC- 19日の未明から朝にかけて待機したタンテニアックコントロール。

 

日本ではほとんど見かけることのないベロモービルが結構PBPを走っていました。しかも速いんですよ。ビックリしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-521km CARHAIX-PLOUGUER- 19日の夕方、カレ・プルージェコントロール。

車を飛ばして何とか一足先にコントロールに到着していた前野に会うことができました。

 

 

 

 

 

そて、次はいよいよ折り返し地点のブレストですが、町が大きく複雑なこともあり、フランス人の友人のアドバイスからブレストでのサポートはせず、次のサポートは再びこのカレ・プルージェですることとしていました。ですが、一応念のためブレストでもホテルを確保していたのでサポートもブレストに向かい、夕食と3時間ほどの仮眠をとることとしました。

車でもこの海が見えたときは感動です。自転車ならなおさらでしょうね。

*

*

*

 

 

-693.5km CARHAIX-PLOUGUER- 復路のカレ・プルージェコントロール。

夜明け前の4時前から前野の到着を待っていましたが、予定より少し遅れ始めていました。ブレストへ向かう人、パリへ戻る人、いろんな自転車、様々な国籍の方、老若男女、絶え間なく行きかう交差点に立っているとちょっと不思議な感覚。あれ?ここってどこだっけ。。

 

 

-783km LOUDEAC- ルディアック、町が動き出す前。

 

カレ・プルージェからルディアックまで90キロほど。自転車だと4-5時間ほどかかりますが、車だと1時間で移動できます。ですのでルディアックには早めに入って車で仮眠をとりながら前野を待っていました。ブレストへ向かう人、パリへ戻る人、ここでリタイアしてしまう人。ずっと、夜明け前の街を眺めていると自転車だけでなくこのような2台ペアのバイクを時々見かけるのに気が付きました。自転車の小さなグループを見つけてはそれらを守るように追走するそうです。他にも間違いやすい交差点などにも始終ボランティアが立って道案内しています。参加人数も桁外れですが、このボランティアの数もすごい数なんでしょうね。

 

 

 

 

-869.5km TINTENIAC- ライダーと会えなかった復路のタンテニアック。

明るくなって調子が上がった前野はサポートが昼食をとっている間に先に行ってしまいました。

 

 

 

-923.5km FOUGERES- 美しい古都、フージェール。

ALOUETA(FR)

 

 

ROSSEMAN CYCLES(USA)

 

 

 

 

 

CYCLES GRANDBOIS(JP)

昼間は前野の走りはとても良い。夜間に先んじていた他チームに追い付く勢いです。食欲もあり、トラブルもなく順調に距離を伸ばしていました。

 

 

 

-1012km- VILLAINES-LA-JUHEL ここから先は未知の領域。ヴィラネラジュエル。

 

 

ROSSEMAN CYCLES(USA)とCYCLES GRANDBOIS(JP)一緒にコントロールにやってきました。

18日にランブイエを発ち、1000キロを51時間ほどで走ってきました。ここから先は前野にとっても初めての距離になります。しかも3回目の夜が迫っていました。あと200キロ。これまでのペースだとほぼ目標通りの61時間でゴールできるはず!一緒にコントロールにやって来たロッスマンサイクルのハーンが早々にこのコントロールをスタートするのを見送りながら、夜に向けて少し長めの休憩(1時間ほど)を取り、日が沈んだころ次のコントロールに向けてスタートして行きました。ただ、スタートする前にトイレに行った前野が30分経っても戻ってこない、アタフタと戻ってきた彼に聞くとトイレで寝てしまったとの事。後から思えばここでもう少し、数時間でも仮眠をとるべきでした。目標タイムに届く走りができていただけにライダーもサポートも無理を選んでしまいました。よーく考えれば3日間も寝ずに走りとおせるわけが無いのですから。

 

***

このコントロールではAグループでスタートしたCYCLES VICTORにも会うことができました。今回はそれほど飛ばしてはいないようでしたが、2015年のPBPでは1200キロを50時間以内で走り切った実績を持っています。今回、彼からサポートのコツなどをイロイロ教えてもらいました。彼らはまだまだ元気でまだ明るいうちに次のコントロールに向けてスタートして行きました。

目を引く華やかなウェアと自転車のコーディネイトがとても素敵でした。

 

ウェアといえば。。。

Rossman Cycles のハーンが着ているこのウェアのモチーフは自国のアメリカの国旗とパリブレストパリが開かれるブルターニュ地方の紋章のミックスになっているパリブレストパリの特別デザインです。そして、その一部に来日した時の日本の思い出が盛り込まれているというとても複雑で面白いデザインになってるんですよ。写真?その部分撮れてないんだよね。。。答えは熊。ブルターニュの紋章とアメリカ国旗、そして熊。あー、、ますます見たいよね。スミマセン。

***

 

 

 

 

-1097km- MORTAGNE-AU-PERCHE 待ち続けた10時間。モンタンオーペシェ。

ヴィラネラジュエルからモンタンオーペシェまで85キロ。普通だったら5時間もかからないはずなのですが、サポートにとってもライダーにとってもこの区間が最も辛い区間となりました。車での移動は1時間ほどですのでずっと車内やコントロールの中の休憩所で待っていたのですが、GPSを見ていると40-50キロほど進んだところでパッタリと動かなくなってしまったのです。夜中の気温は数字は確認していませんが、持っていたダウンのジャケットを着ていてもまだ寒いくらい。「まずいなぁ。」と親方と話してリタイア覚悟で迎えに行ってみるか、と思った矢先にGPSが動き出す。そして、また止まる。そうかと思えば、「あ、道が違う。間違ってる。」と親方。なかなか近づいてこないその点をただただ祈るような気持ちで夜通し見つめていました。先にも少し書きましたが、サポートカーとして登録した車はコントロールポイント周囲5キロまでしかコース上に入ることはできません。やっとその点がコントロールまで2.4キロとなった時、また動きを止めたので車で見に行きました。ですが、草むらや人家の庭先などをのぞいてみましたが姿はなく、そうこうしている内に夜明けを迎え、前野は私たちが探しに出ている間にコントロールにたどり着いていました。ホッとしました。やっと会えた時、ちょっとボーとした様子でしたが、怪我も無く、しっかり食事もとれました。ですが、この区間のことはほとんど覚えていない、断片的なシーンしか覚えていないと彼は言いました。

 

 

 

 

-1174.5km- DREUX ここを過ぎればゴールまで45キロ!

前の区間で意図せず眠ることができたおかげですっかり調子を取り戻しました。それ以上にこれまでで一番足が回ったとのこと。驚きます。26歳の回復力はすごいですよね。。あとはゴールのランブイエ迄45キロ。油断せずに走るだけです。

 

 

 

-1219km- Rambouillet ゴール 69時間16分

やったー。

 

 

 

 

 

【走行後車検】

ゴールして間髪いれずにコンクールの最後の課題です。1200キロ走り終えて、手がしびれたりしていないかをチェックするために新品のピクルスの蓋を開けるよう指示されます。

問題なし。

 

さらに硬いサラミを薄ーく切るよう命じられます。

もちろん問題なし。しかも、前野は手がしびれないことをアピールするためにゴール100キロ手前から手袋を外していたそうです。グランボアに乗っていて「手なんかしびれた事は無い」ですって。フランスならではのチェックで楽しかったです。

 

 

 

そして、車検。

まずは、GPSをはずして。。。

 

 

 

ちゃんと変速するか、ライトはつくか、ブレーキは利くか、各所にガタはないか、タイヤに問題は無いか、ひやひやするほど念入りにチェックしていただきました。

結果はペダルに少しガタがある程度との事で問題無しでした。すごいですよね。走行中も自転車はパンクも無ければトラブル無し。全くノーメンテナンスで走りきったのですから。

ところで、この車検係の方たちも各チームが走っている間は同じようにコースに出て、撮影したりして、同じように大変だったはず。お疲れさま!

 

 

さて、翌日に発表されたそのコンクール結果は。。。

 

1位 VICTOIRE CYCLES(FR)

2位 PECHTRAGON(FR)

3位 ROSSEMAN CYCLES(USA)/CYCLES GRANDBOIS(JP)

 

めでたくロッスマンサイクルとシェアする形で総合3位を頂きました。ただ、得点などは公表されませんので詳細は不明です。親方が後ほど解説してくれるはずですのでそちらをお楽しみに!

 

 

 

 

 

****

こちらはコンクール終了後に製作されたショートムービーです。残念ながらグランボアは最後の0.1秒くらいのカットに入ってるか入ってないかというくらいしか登場していませんが、6分ほどでとても良くできていますのでぜひご覧下さい。

 

 

 

 

つちやはるみ

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