北山に涼を求めて ~縁坂峠~
こんにちは、伊藤です。暑い日が続く中、本当に滅入ってしまいますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年はお盆の休みがありゆっくり過ごす予定でしたが、せっかくではということで涼を求めて北山に久々に走りに行きました。
行先は縁坂峠。学生時代に数回行ったきりでしばらくの場所です。記憶をたどりに向かいました。
あらかじめルートを準備します。地図は五万図とGPS機能付きのアプリを併用します。
さくっと持越峠を目指します。前日に降った雨のおかげか比較的涼しい日でした。
持越峠を西側(真弓川)にくだると南下して京見峠に行きがちのところを北上します。
真弓八幡町の集落を抜けると林道にさしかかります。 早々に自転車から降りて押しながら進み、大半が担ぎでした。。。 こんなに担ぐコースだっけと首を傾げながら黙々と進みます。
縁坂峠名物、道無き道を行きます。。。 当時も本当にこの道であっているのかしらと不安しかありませんでした。
結論からいいますと、縁坂峠まではたどり着いたのですがその後下りのとき最後の最後のところで道が完全に無くなってしまっていて天気も急変しそうなところも加味し、引き返すことにしました。林道ではおもいがけないトラブルもあると思います。冷静に判断して無理をしないことがいちばん大事!
何事もなかったかのように京見峠を下り、帰路につきました。
この日に乗った自転車は学生時代から乗っている某メーカー車。少しずつパーツを交換しながら楽しんでいる一台です。ああだこうだと妄想するのが楽しく、頭の中のイメージを少しずつ落とし込んでいる最中です。もう少しまとまればそのうち紹介させていただきますね。
次はどこに行きましょうか!
パッケージについて
5月からグランボアのタイヤのパッケージが変わりました。
長らく使ってきたオリジナルパッケージですが、いろいろなご縁がつながり今年から紙の袋に変更することになりました。これまでは紫外線防止の機能を持つオリジナルの袋ではありましたが、やはり素材はビニールですし、比較的であっても環境に優しい素材に変えたいなと思っていたところでした。で、今回、京都の伝統工芸品などの修復を手掛ける大入さんとご縁を結んでいただき、クラフト紙でありながら和紙のような絞り加工を施した専用の紙を作っていただくことができました。これが紙でありながら柔らかくてとても優しい手触りなんです。
一見、コーヒーの袋と見紛う出来上がりですが、まだ最初のロットですのでいくつか修正点もあったりですので、ロットの度にマイナーチェンジが続くと思われます。そして、少しづづまた馴染んでいけばいいなと思っています。
ヨーロッパと取引をしていると彼らからの荷物はビニール系の梱包資材が一切含まれないことに毎回驚き感心していました。これでこちらからタイヤを送るときも安心です。もちろん、これまで通りパッケージ無しでの発送にも同様に対応しますのでそちらもどうぞよろしく。何が一番環境にいいかというと、やはり消費しないことに行きつきます。物を生産し、販売している身としてはジレンマもありますが、お客様にとって本当に必要なものをお届けできれば十分だと思っています。
さて、月曜日にはイデアルからもサドルが届く予定です。
ご予約いただいてる皆様には大変お待ちどうさまでした。検品が済みましたら順次お届けいたしますね。
あと、親方と専務は明日から春のツーリングに出かける予定です。今回は3泊4日で四万十の川下り。テーマはヤイロチョウです。仕事もプライベートもキチキチではあるのですが、いつもの通り、「今」を大切に楽しんできます。
そんなことで、29日が臨時休業となってしまいました。
もしかして予定を組んでおられた方がいらっしゃいましたらゴメンナサイ~!
台湾+あれこれ
台湾のサイクルショー、行ってきました。
親方と専務は去年はこの時期はフランスに行ってましたので2年ぶり、拓未君はコロナの時期を挟んで7年ぶりです。毎度のことながら月日の経つのは早いですね~。2年前の台湾はまだ少しコロナの余韻が残る感じでインスタで少しご紹介する程度でしたが、今回はいろいろ手ごたえを感じるミーティングができました。概ねアシストユニットに関する事なので詳しくはまだ書けないのですが、うちみたいな小さなところが何年もコツコツと取り組んでいる事実と、その結果として内蔵用のユニットを外付け用にするべく知恵を絞り3Dプリンターを駆使して組付けたサンプルを目にしたのとで、台湾メーカーの技術者たちも一気に興味を持ってくれたようです。とても協力的で「この分だと年内に何とかなるんじゃないの!?」と期待してしまうほどでした。
お馴染みの日本メーカーも大忙しのご様子でした。
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今回は北投温泉に宿をとりました。
台北からMRTで1時間もかからない温泉街です。
仕事と温泉旅行が同時にできちゃうなんてなんて合理的!?
しかも、日本の有名温泉地を一挙に集めた街の作りになっています。
これはオモシロい!
町を流れる川から湯気が立つほど熱く、湯量もあり、とっても良いお湯でした。
町中に温泉ミストが満ちていてまるで町全体が低温サウナ状態。
それに、街には殺菌効果の高いフトモモ科の植物のティートリーやカユプテの古い木が何本もあり一気に浄化されます。実際に花粉症で鼻やのどの調子が今一つだったのですが、滞在期間中はすっきりしていました。
鳥もたくさんいましたよ。
日本にもよく似た鳥はいるのですが、戻ってじっくり見てみると台湾固有のものも何羽も居ました。
これは、ちょっと写りが悪いのですが、タイワンゴシキチョウ。
鮮やかな色がわかりますか?
ひと際きれいな声で鳴いていました。
これはタイワンオナガドリ。
マンションのベランダの柵に止まっています。
こちらは日本でもおなじみのメジロ。
でも、台湾あたりにいるのはミナミメジロと呼ばれて区別されています。
どこが違うのかな。
こちらはクロヒヨドリ。
黒と赤のコーディネイト、かわいいですね。
日本にやってくるヒヨドリと姿もよく似ていて同じ飛び方をしますが、鳴き方はちがいました。
自転車じゃない話ばかり。
すみませんねー、でも、ときどき「鳥の話もまた書いてね。」なんて言われることもあるのです。
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ここからは自転車道の話。
北投から南港の会場までは台湾のレンタサイクル「You Bike ユーバイク」で約25kmでした。
利用する方法はクレジットカードで借りる方法と、台湾の交通系カードで借りる方法がありますが、私たちは毎年のように台湾に行くのですでに持っていた台湾の交通系電子マネーの悠遊カードで利用しました。レンタサイクルで利用するには台湾での電話番号が必要なのですが、登録してしまえばとても便利です。
北投駅前でYouBikeを借りて出発。
自転車は3段変速でサドルの高さの調整もとても簡単にできます。
前には小さいながらも籠が付いていて鍵もついています。
台湾では自転車は右側通行です。
すぐに淡水河沿いのサイクリングロードに入れます。
完全に車両進入禁止ですので安心して走れますが、日中日差しを遮る場所や自販機などはありません。帽子や飲用水など暑さ対策は必要です。それに乗車姿勢はいわゆるママチャリポジションですし、タイヤもパンクの心配はありませんが、めっちゃ硬いので25kmも走り続けるとハンドルを持つ手がしびれてきました。ゆっくり走行だとしても路面の振動をダイレクトに体が受け止めていると結構疲れるもんです。やっぱりしなやかでエアーボリュームのあるグランボアのタイヤや、適度にしなるハンドルは良いなぁ、と改めて実感したのでした。
この日はあまりサイクリストは見かけませんでしたが、自転車に乗り始めたばかりの子供たちのグループに出会いました。
台湾の食事情も少しご紹介。
イベント会場やレストランはたいてい英語、もしくは日本語のメニューがあったりしますが、街の小さな屋台ではそうもいきません。でもそういうところの方が安くて美味しいのよね。メニューも多くはないし、オーダーのやり方はすぐに慣れちゃいます。
下の写真はSNSのストーリーズに流したクイズの画像ですが、小さな屋台で注文しているところです。
テーブルに着くと注文用紙を渡されるので数量を入れていくだけなんですが、最初はメニューがちんぷんかんぷんだったりします。そんな時はグーグルの画像翻訳でメニューを日本語に変換してもらいましょう。もう、一目瞭然で安心して注文できますよ。
ここは会場近くの山東餃子店さん。早めに行かないとすぐに地元の方で一杯になってしまいます。
こちらは古い付き合いになるBambino Villageの李さんが連れて行ってくれた牛肉麺のお店。
なんと24時間営業だそうで、いつも満席なんですって。
確かに美味しかったです。
こちらはすごい行列。左端の角を曲がってまだ延々と列は続いていました。
こちらも小さな屋台式の豚の角煮で有名なお店だそう。
70年続く老舗なんですって。
台湾、身近でいて、とても面白い異文化の国。
またゆっくり旅してみたいです。
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最後に業務連絡をひとつ。
間もなくパセンティのブルべリムも入荷する予定となりました。
値段はまた大きく上がりますが、半分あきらめていてだけに嬉しいです。
検品でき次第、ショッピングサイトにアップしますね。
もうすぐハブとリムのラインナップが久しぶりにそろいますよ!
フラミンゴを見に行く旅 第4日
Le Somail(ルソマイユ)の朝7時。宿の前の小さな公園で自転車の手入れをする。おととい昨日と結構な泥道の箇所があったので、タイヤを外して泥除けの内側にこびりついた泥も落としておく。今朝の天気予報は下り坂である。今日一日はなんとか持ちそうだが明日からは雨と強風の予報が出ている。フランスでの天気予報はMeteoFrance(フランス気象局)のアプリでチェックする。
朝食をいただき、宿の玄関で出発前の記念撮影。フランスの典型的なB&Bで隣家が宿主のご自宅。綺麗なお部屋でゆっり食事をいただいた。
再び運河沿いのサイクリングロードを走り始める。ここには珍しい松並木が続くところがある。少しは海が近づいてきたのだろうか。
運河から南へ20kmほどのところにある街Narbonne(ナルボンヌ)へ通じる支線運河Canal de la Robine(ロビーヌ運河)。今回のコースではないがこのルートも良さげではある。時間があればピストンで走ってみたい。
菜の花の畑ではない、ブドウ畑を埋め尽くしている菜の花なのだ。
運河沿いの道が極端に狭くなっている箇所がある。そのまま運河に滑り落ちそうである。
通行止めの迂回路を走っていると雲が下がってきた。パラバラと雨粒も感じらる。もう正午になろうかという時間、レストランのありそうな街を目指して走る。
このあたりで昼食をとるにはÉtang de Montady(モンタディ池)というかなり変わった名所のあたりにありそうである。このモンタディ池はGoogleMapで見ると円形の中に放射線状に筋の入った独特の幾何模様の大規模な畑のようで、ローマ時代の遺跡とのことである。トイレ休憩で立ち寄ったOffice de Tourism(観光案内所)でレストランを尋ねるとこの先の街にあるとのこと。急いで走り出した。でも先を急ぎすぎてしまいTunnel du Malpas(マルパストンネル)を見落としてしまった。運河のための全長176mのこのトンネルの下にはモンタディ池からの水路とSNCF(フランス国鉄)の鉄道の2つのトンネルが交差している。とりあえず昼食は取れたがこのあたりの写真がない。
遠くに大きな教会の塔らしきものが見えてきた。あれがBéziers(ベジエ)の街。このカナルドゥミディを建設したPierre-Paul Riquet(ピエールポール=リケ)の街である。
ベジエの街の手前にあるLes 9 Écluses de Fonseranes(フォンセランヌ水門)。9つの水門によって20m以上の高低差をクリアさせている。Canal du Midi最大の見せ場的なスポットである。
ベジエの街を流れるOlb(オルブ川)の河川敷に出るとロードにMer Méditerranée(地中海)への標識が埋め込まれていた。
ベジエのすぐ隣り町Villeneuve‐les‐Beziers(ヴィルヌーブベジエ)の観光案内所は小さなボートである。その廻りにはカモが集まっていた。鳥語を解する専務は何か訊ねているようである。
まじかにプラムの花が咲いていた。
何やらレールと車輪がたくさん並んだ複雑な構造物に出くわした。眺めているだけでは何のための設備なのか全く分からない。調べてみると川の増水時に運河の上を川を通すための設備とのこと。これまでは運河の下を川が流れていたのだがここは逆に必要に応じて運河の上に川を流すための仕掛けなのだ。
Agde(アグド)の街を過ぎると道はほぼシングルトラックの様相を呈してくる。新緑も見え水仙や桜の花が咲いていた。もうすぐ海のはずである。
運河沿いのロードからはずれ、海だ。海だ。と思って走っているとフェンスの向こうの池に何やら薄ピンクの鳥らしき姿が見えた。
フラミンゴである。今回の旅の目的である野生のフラミンゴを発見。日本では動物園でしか見られないフラミンゴが普通に池にいるのである。それもあちこちの池にいる。
こんな大型の鳥が身近に生息しているなんて。しばし感動。
この時点ですでに午後5時を廻っている。本日の宿泊地Sète(セート)まではまだ20kmもある。もう海はすぐそこ。道端にはモーターボートがたくさん並んでいる。
さうしてついに地中海。風が強い。
あとは海沿いの別荘と砂丘の間のまっすぐな道をひたすらこぐ。
18時25分。あと宿まで2kmというところでついに陽が沈む。
セートの街は賑わっている。ここはマルセイユに次ぐ港でモロッコへのフェリーも出ている。
港のホテルで今夜は泊まる。
本日の走行ルート
フラミンゴを見に行く旅 第3日
3月6日。宿には有料ながら石造りの広い自転車置き場があった。カードのルームキーを使って頑丈な戸を開け閉めすることができる。自転車を取り出して準備する。8時30分カステルノーダリを出発。
お宿は運河の畔に立っているのですぐに走り出すことになる。街の南を通る運河に沿って走る。
この街には大きな船溜まりというか港があり、シーズンには多くのバカンス客で賑わうのだろうクルージング船が何艘も係留されている。永延とつづく大木の並木の木陰の運河をゆったりと進むクルージング船での食事を楽しむだろうか。でも今は閑散としている。
船溜りのを過ぎて直ぐにSaint-Roch「サンロック」水門がある。ここは4段になった水門でかなりの高低差がある。ポプラの大木に両側を挟まれていて緑の季節にはさぞ美しかろうという場所である。下った一番下の水門直下の水たまりにカモが3羽浮かんでいた。そこから街を離れ郊外へ出る。
郊外の運河はあちこちで水が抜かれて護岸工事をしている。
対岸では重機を持ち込んでの工事のようである。場所によっては草ボウボウの道を行かなければならない。
最近工事が終わったと思われる個所はまだ支柱に守られた並木の若木が並んでいる。快適なダートが続く。
カステルノーダリから30~40分ほどの走ったあたり、耕されたばかりの畑が広がりその向こうの丘の上に白く輝くピレネーの山々を望むことができる。
途中にしばしば現れる石造りの橋も運河の水面に美しく映える。その向こうは水門である。
運河のわきの休憩所には自転車使って運河を楽しむ人たちのための設備も用意されていて工具やポンプが使える。
ここはCanal du Midiのサイクリングロードなのだ。
まもなくお昼という頃にCarcassonne「カルカソンヌ」の街に入った。レストランを捜す。
街の中心まで来てようやく自転車をそばに置いて食事できそうなレストランを捜し当てた。やれやれ。
カルカソンヌはお城で有名な観光地である。30年ちかく前に車でフランス一周ビンテージパーツ捜しの旅をしていて高速道路から見えた大きなお城の姿に引き寄せられて立ち寄ったことがある。今度は自転車に乗ってまじかにその姿に接することができた。3kmの城壁に囲まれたこの城はその内部に領主の館と教会そして多くの民家を復元し保存している。城壁と館の尖塔がいくつも立ち並ぶその威容はヨーロッパ中世のお城はかくあらんと示している。前回内部をじっくりと見学していたので今回は遠くから眺めるだけである。
ここでカルカソンヌまでは40kmほどしか走っていないことに気が付いた。今日の予定はLe Somailという小さな町の宿である。そこまでまだ60km以上を残している。午後はしっかりと走っていかなければならないと決心して走りだす。
フランスはやっぱり大陸である。大きくうねった地層が露出した山がしっかりとした鉄と石で作られた橋の向こうに見える。
ブドウ畑に挟まれた運河の道をひたすら走る。この辺はブドウ畑だらけで、どうやらワインの一大生産地のようだ。私は下戸で全くワインの知識はないのだが、Languedoc「ラングドッグ」というこの地域はお手軽なワインの産地として有名なのだそうだ。
とにかく広い。これだけ長いこと走っていると当然生理現象も起きる。でもトイレがない。シーズンオフの今は運河沿いに設けられた施設のトイレはほぼ閉まっていてなかなか用を足すことができない。休憩できそうなレストランも営業していないのだ。カルカソンヌから40kmほどのところにちょっとした湖があるのでそこまで行けばと頑張って走って湖畔を捜すがトイレはない。ここでGoogleMapが役に立つ、「Toilettes publiques」を検索する。その湖から運河を挟んだすぐそばの街の中の公衆トイレをたちどころに示してくれた。
日が暮れてきた。途中に長めの迂回路がありワイン畑の中を走らせるのだか、長く伸びた自分の影を追ってせっせと走らなければならない。運河沿いの小さな町のシャトーの尖塔が夕日に染まっている。
宿まであと1kmというところで日没した。
18時40分。なにはともあれ到着である。あ~疲れた。宿の近所で唯一営業していたレストランで食事して就寝。
本日のコースほぼ全線ダートであった。


























































































