GrandBois Easy RINKO
連日、京都でも暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
アイズの店内では今年、開店当初より使用していた店舗内のクーラー(ほぼ30年物!)をようやく新しくできたので実はとても快適です。
でも、明るい天窓を有する二階はと言うと、相変わらず汗だくで通販業務に勤しんでいます。。。
従事しているスタッフは主に専務となっぱ。暑い中、どんな格好で仕事しているかはアイズのトップシークレットですけどね!
それでも暑い夏も盛りが過ぎれば、もう、そこには秋が控えています。
元気に楽しく乗り切られますように。
さて、今日は「ER輪行ってどんなの??」と思っていらっしゃるあなたへ。百聞は一見にしかず。大介店長が実演してくれましたよ。駅に着いて改札を抜けるまで概ね6分。舞台はアイズバイシクル最寄の御室駅です。なっちゃんに固定カメラで撮影してもらい、編集はタイトルのみ入れるにとどめてもらいました。細かな手順の解説はありませんのでぜひ、グランボアのカタログを片手にご覧いただければと思います。
同じERモデルでも皆やり方は少しづつ違っていたりします。
いずれスタッフみんなのビデオができるかも!? 決して「正解」はありませんので参考にしていただければ嬉しいです。
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さて、ただ今夏休み中のチョコ君は北海道で600kmブルベに挑戦していました。先ほど無事ゴールしたとの連絡がありましたよ。なんと、目標タイムを大幅に短縮してのゴールです。コツコツ頑張ってるから年々速くなってるねぇ。それにしても疲労と達成感の混ざった良い顔しています。
昨日の8:10スタート、本日9:59にゴールしました。タイムは25時間49分です!明け方に眠気と寒さで失速しなければ24時間以内も狙えそうなペースで走れました。
応援ありがとうございました。 前野太志
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津軽から江差へ~番外編
今回のツーリングレポートでお客様から感想のほかにいろいろとご質問もいただいたのでちょっと旅のコツ的なものをまとめてみます。
【旅の装備】
5泊6日の荷物をフロントバッグとパニアバッグだけで運ぶとなると結構慎重に持っていくものを選ぶ必要があります。きっと、人それぞれ違うところではありますが、今回の私の荷物の中身を少しご紹介しますと。。。
~フロントバッグ~ 試作品(グランボアフロントバッグ中サイズ相当)
工具一式、応急処置用医薬品、チューブ2本、ウィンドブレーカー長袖、極薄ウィンドブレーカーベストタイプ、タオル、日焼止めクリーム、リップクリーム、予備のサコッシュ、お財布、携帯電話、アイパッドミニ、補給食など。
~パニアバッグ~ ER用試作品(グランボアセパレートトパニアより少し小さめ)
雨具上下、3回分着替え、寝巻き兼寒い時用のアンダーウエア上下、化粧品、常備薬など。
ウェア類は半袖、薄手の長袖、長袖とし、なるべく薄くて軽い、速乾性のあるもの、寒いときには重ね着である程度対応できるものを選びました。そして、それらは下着や靴下などもまとめて、1日分づつジップロックに入れて圧縮。基礎化粧品はボトルではなく、試供品で溜まっていた物を日数分持っていきました。あと、インスタントのドリップコーヒーのパックや自分の好みのティーバッグなども少し。お湯を沸かす道具が無くても、お宿で自分の好きなものがあるとホッとします。それに、辺鄙なお宿ほど湧き水を使っていたりするので、コンビニで買ったドリップコーヒーが驚くほど美味しく入ったりするのです。
持ち運ぶときはこのようになります。
ちなみに親方の装備はこれだけ。
まとめるとこの形。
で、行きは私のパニアバッグと親方のパニアバッグとパニアキャリアは最初のお宿に宅配便で送っておきました。
1日目はフロンドバッグと輪行袋のみでツーリング開始。身軽が一番。
バッグや装備品には宅配便を使うことはありますが、自転車本体を輪行袋に入れた状態で宅配することはお薦めしません。宅配便を利用する場合は箱でシッカリと梱包してお送りください。そうしないと傷や破損など、トラブルが付き物なのです。
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【飛行機輪行】
今回は2人ともERモデルでしたので、親方はロード320で簡単輪行。私はカッチリ纏まるほうが好みなので昔から使っているホィール用ポケットの無いEMUで出かけました。
電車での輪行は慣れている方はたくさんおられますが、いざ、飛行機で輪行となると躊躇される方もいらっしゃいます。ですが、旅のプランに飛行機も加える事ができればグッとその幅は広がります。
EMUでの輪行姿。
今回の航空会社は全日空、直行便でしたので輪行方法は列車時とほとんど同じ方法で行いました。少し多めに保護したのは泥除けの先端ぐらいでしょうか。ただし、写真ではフロントのエンド金具が嵌められていませんが、前後のエンド金具は必須です。
飛行機輪行で気を付けている点は次の通り。
1. 預け荷物のチェックの際は必ず係員さんに目視でチェックしてもらいます。エックス線のボックスに無理やり通そうとする係りの方もおられますので、その場合は「壊れる恐れがある」と伝えて、ファスナーを開けて中を見てもらいます。
2. 15センチ以上の細長い金属は機内持ち込みできません。必ずアーレンキーなど工具類は輪行袋などの預け荷物の中に入れて預けるようにします。うっかり持込荷物に紛れていると手荷物チェックの時に止められてしまい、最悪の場合それらの工具をその場で捨てていかなくてはなりません。
3. タイヤの圧は低めにして置かないと気圧の変化でパンクしてしまう恐れがあります。
4. 実際にカウンターで預けるときには必ず天地を変えないよう伝え、天地無用もしくは壊れ物のシールも貼ってもらいます。
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【宿情報】
今回利用したお宿は、石場旅館さん以外は親方がネットで探し出したたもの。結果的にどれも個性的ですが、また行きたい所ばかりとなりました。おススメです!
1日目 石場旅館
ご主人はサイクリストで近隣の林道などにも精通しておられます。また、英語だけでなく、フランス語も堪能で海外の方にもおすすめです。 1泊5,000円程度。朝食800円。夕食は私たちが泊まった時は人手不足とかで提供されていませんでした。でも、近くに繁華街などもあって不自由はありません。それに、登録有形文化財にこのお値段で泊まれるなんて!
2日目 竜泊温泉青岩荘 営業:4月中旬~11月上旬 竜泊ライン通行止めの冬季間閉鎖
1泊2食8,000円から。地元の日本海の魚介に拘ったお料理を出してくださる。調理に利用されている湧き水は食事だけでなく、コンビニで買った一杯分のドリップコーヒーですら美味しくしてしまう魔法のお水。是非、もう一度訪れたいお宿。
3日目 知内温泉ユートピア和楽園 北海道内最古の温泉
1泊2食5,000円台から。お宿としてはごく普通ですが、お風呂場の雰囲気や泉質は他を圧倒している。料金も良心的で家族的なおもてなしも好印象でした。
4日目 民宿宮寿司/上ノ国原歌
1泊2食10,000円弱(税別)。今流行りの民泊といってもよいほどの規模の民宿。夕飯にお寿司かアワビ飯か選べたのですが、私たちはお寿司屋さんを意識しすぎて「お寿司」を選択。今思えばそこは「アワビ飯」だったんだろうな。。。ウニ入り卵焼きや朝ごはんに出されたガゴメ昆布とイクラと和えたものなども大変おいしかったです。お食事も良かったですが、何よりその景色が最高に心に残りました。
5日目 函館グランドホテル
1泊朝食のみ5,000円弱(税別) 函館駅からおよそ2キロ、駅からは少し離れた場所にあるせいか、設備やサービスのわりにお安く泊まれるお宿。朝食はバイキング式ですが、新鮮なお刺身だけでなくウニやイクラなども惜しみなく並べられており、朝から海鮮丼が食べ放題。無料のドリップコーヒーや朝の新聞、レンタサイクルもたくさん用意されていました。
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【試作のERパニア枠付フロントキャリアってどんな感じ?】
こんなかんじです。
試作なのであえて不明瞭な画像でお許しください。でも、大体お分かりいただけると思います。
フロントキャリアはグランボアのバッグサポーターとヴェロドレーヴェさんのEB金具を使うことを前提に背もたれ部分は省かれています。ER輪行に邪魔にならない小ぶりなデザイン、脱着可能なパニア枠はフォークに沿って美しく曲線を描いています。シンプルで機能的で美しい。親方が出発直前で起こしたデザインですのでまだ変更の可能性があります。形が決まるまでしばらくはグランボアの工房内で製作しますのである程度のご要望に応じて変更も可能ですよ。
背もたれのないフロントキャリアがあれほど使いやすいとは。。。お薦めです!
津軽から江差へ~その3
4日目。距離91.4km/獲得標高868m
知内温泉(自転車) — 福島 — 白神岬 — 松前城 — 上ノ国 — 民宿宮寿司/上ノ国原歌
朝、6時過ぎに「風呂に行こう。」と起こされる。
少し体は重かったのですが、折角なので朝風呂へ。北海道最古の温泉といわれる知内温泉は自然湧出の源泉かけ流し、浴室は絶えず流れ続ける硫黄泉で独特の雰囲気を作り出しています。朝の気温7度。路面は全体的に濡れており、霧雨がまだ残っていました。
出発してすぐは新芽が出始めたばかりの産毛に包まれたかのような森の中を上ってゆきます。昨日までのことを思うと少し気温は低いものの、風が無く、体が軽い。あっと言う間に最初の峠を越え、再び海辺へと向かいます。気付くとすっかり雨は止み、晴れ間も見えてきました。ところが、海岸線では再び強風との戦いが。。。千代の富士のふるさと福島町、北海道最南端の白神岬、桜がまだ残る松前城下の松前を越え、さぁ、その後はただひたすらに海岸線を北上です。目指すは江差の少し手前、上ノ国の民宿です。
森からはいろんな鳥の声が競うように聞こえてきます。
誰もいないのでこちらも大きく「ピロピロピロピローッ!」なんて鳴き真似てみたり。
福島町を出たところ。
小舟の傍で細かく水面が揺らいでいます。その上空には無数のカモメ。
白神岬。
かなりの強風でしたが、前日の風を思えば余裕です。だって、立って歩けましたから!
ゴツゴツとした海岸線。好奇心旺盛なカモメが私たちを偵察に来ました。
松前城。
あれに見えるは大島。
【追分ソーランライン】
函館から小樽まで日本海側の約500㌔を結ぶ、国道228号、国道229号、国道5号の愛称だそう。
私たちが走った福島から上ノ国までは国道228号線。今も点在する小さな漁村の傍らを大小の橋で結び、ほぼ一直線の道でした。ふと、見下ろした立派な橋の下には昔の道の名残が。かつての若者はあの路で旅をしたのでしょうか。。
国道を外れて集落の中を通ったほうがこの日は風がましでした。だけど、行けども行けども、上ったり下りたりの繰り返し。一日中です。
風に押し返されながら、坂道を繰り返し上りながら、一つの思いが自然と浮かんできます。
「これは、現実?」
毎日毎日、寸暇を惜しんで「何かしら」に追われていた自分の生活とはあまりにかけ離れたここ数日の時間の使い方に、ふと、我に返り、ただただ自転車を漕いでいる自分が幻のように感じられて仕方がありません。
「これは、実際に私の人生で起こっていることなのだろうか。。」
「なぜ、私はここで、こんなにも自転車を漕いでいるの!?」
目指すお宿はあの岬の先端。
海岸線の風景も優しいものへと変わったころ、あれだけ苦しんだ風も凪いでいました。
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5日目。距離48.9km/獲得標高415m
民宿宮寿司/上ノ国原歌(自転車) — 夜明けの塔展望台/夷王山 — 道道5号線 — 木古内(輪行) — 函館(自転車) — 函館グランドホテル/函館
やっと、文句なしの晴天。だけど体がずっしりと重い。。。
朝食を終えて宿の庭に出ると、奥尻島がクッキリと見て取れました。風もなく、この旅一番のサイクリング日和です。宿のおかみの勧めもあって、まずはすぐ近くの夷王山に登ってみることに。最初は勧められた神社までのつもりでしたが更に上がある事に気づきました。上ってみると素晴らしい絶景が ここを素通りしなくて本当によかった。いつまでいても立ち去りがたい程の場所でしたが、しぶしぶほどほどで下山し、道道5号線(江差木古内線)を進みます。あまり期待していなかった道だったのですが、走ってみると勾配もそれほどきつくなく、とても走りやすい。それに、かつてのJR江差線に沿うように作られた道で、ところどころ廃線後の趣ある風景に出会えました。更に、道端には水芭蕉の群生箇所があちこちに!
昼過ぎには木古内駅に到着し、昼食を近辺で済ませた後、函館まで輪行。函館駅から再び自転車を組み上げて駅から2キロほどの最後の宿へ向かいました。
お宿の庭からの絶景。あれに見えるは奥尻島。
手前が江差。奥は松倉山でしょうか。
絶好のロケーションの民宿「宮寿司」
下りてきたところで見つけた看板にうなずく。道立自然公園の一部だったんですね。
道道5号線(江差木古内線)
再び木古内駅。輪行しようと思ったら、こんなとこや、
こんなとこが錆びていて、折り畳み工具では往生しました。親方が持参していた工具でなんとかなりましたが、やっぱり、ちゃんとした工具が必要なんですね。。
函館までおおよ1時間。
旅もそろそろ終わりです。
津軽から江差へ~その2
3日目。距離30.6km+20.7km/獲得標高591m+6m(車移動含)
竜泊温泉青岩荘(自転車) — 7km地点(軽トラ) — 龍飛道の駅みんまや(自転車) — 三厩駅/JR津軽線(輪行) — 奥津軽いまべつ駅/北海道新幹線(輪行) — 北海道木古内駅(自転車) — 知内温泉
前夜から本降りとなった雨は朝になっても降り続いていました。
ただ、雨の量は多くはありません。ネットで天気予報を調べても「小雨」と出るだけです。それよりもひどかったのは「やませ」と呼ばれるこの時期特有の山から吹き下ろしてくる冷たい風でした。夜中もずっと不気味な音を立てながら吹き続け、出発時間になっても止む気配はありません。海では波が浜に向かうのではなく、不規則に沖に引きずられて行くのが見え、そして、常に聞こえる風の声はまるでその悲鳴のようです。なんだか関節があらぬ方向に曲がる瞬間を目撃したような、気持ちの悪さ、不気味さ。。。
宿のご主人 「こんな山背は1年に2回あるかないかだ。。。」
私 「行って大丈夫ですかね。。。」
宿のご主人 「風が強いのは海岸線だけだ。上り口に入ったら治まるはずだから、ちょっと早めに出て観光名所もあるからゆっくり行けばいい。」
なるほど、確かに海岸線から一つ内陸の道は風が弱まるのを私たちも経験していました。
このやり取りに少しホッとして7時半に宿を出発。できれば三厩駅12時50分発の青森行きに乗りたい。それを逃すと2時間後になってしまいます。。 距離は30キロ、標高差500メートル弱。普通なら多く見積もっても3時間もかからないはずなのですが。
乗ったり、降りたりを繰り返しながら吹き荒れる海岸線を進みむこと2kmほど、途中七つ滝と呼ばれる名所があり、親方が写真を撮るというのですが。。。
こちらはそれどころではありません。風だけではなく、長年愛用していたゴアの雨具がどうも浸みているのに気が付いたのです。ずっと向かい風なので意外と背中は大丈夫なのですが、両腕がじんわり重くなっています。。>_<。。。「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」これは急がなくては!時間がかかればかかるほどずぶ濡れになってしまう!
晴れて、風も穏やかならさぞかし良いロケーションなのでしょう。だけど、この日は早く上り口に着きたい一心でした。車線の左側は突風で怖いので右寄りを走っています。
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七つ滝から更に2.5kmほど進むとようやく内陸へと上り始めます。「あれ?思っていたより道幅があるぞ。。。それに、開けてる。」要するに風を遮ってくれるはずの山が遠いなと。。。それでも、もうすぐこの苦しめられた風から解放される事を信じて上ってゆきました。ところが、行けども行けども弱まる気配がありません。あのカーブを超えれば。。次こそは。。そうして更に2km、それは山に面する直線の道に入った途端でした。一歩も足が出せないほどの強風に面してしまったのです。顔を上げていたのでは呼吸すらままならず、気を抜くとパニアバックとフロントバックを装着した前輪が浮いてしまいます。親方は5m先で同じく風と対峙しており、風が一瞬でも弱まるのを待っています。ところが、この風はその威力のまま力を抜く気配がありません。おそらく1-2分でしょうか。。その硬直状態を崩せずに立ち往生している私の元へ親方が自転車を置いて降りてきました。
親方 「ちょっと、自転車置いて少し休もう。」
自転車で支えていた自分の体は自転車無くしては風の威力で立っているのもままならず、しゃがみ込むしかありません。これでは下りるほうが大変です。横では親方が宿に電話してタクシーを手配してもらおうとしていますが、風の叫ぶような音で相手の言うことも聞き取れない様子。
親方 「え?スミマセン。聞こえないんです。もう一度。。え?。。」
仕方がない、何でも良いから止まってもらおう。そう決意して手を挙げた1台目の車が荷台にシートがかけてある小泊の電気屋さんの軽トラックでした。
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あとから思えばこれ以上ない車が通りかかったものでした。2台の自転車は荷台に重ねて積んでシートをかけてもらい、ずぶ濡れの大人二人は助手席に重なって座らせてもらいました。三厩までお仕事で向かう途中だったとのことで、峠を越えた、龍飛の道の駅まで快く運んでくださいました。
電気屋さん 「こんな山背はそんなにあるもんじゃねぇ。」
ふと、ここで気が付きました。結局この日の風は地元の方もほとんど経験がないほどの物だったんじゃないかな。そして、もう一つ、宿のご主人が前夜の夕食の折に話しておられたこと。「地元のモンは龍飛崎なんて行かないもんな。京都だってそうだろ?地元のモンほど地元のこと知らない事あんだよ。」
風が写真に写っていないことが残念です。。。。
道の駅では青函トンネルの博物館も兼ねていて幾人かの年配の観光客がいるだけでした。ずぶ濡れのインナーを着替えて、30分ほど休憩し、また小雨の中を出発です。三厩の駅までは概ね下り。13kmほど。相変わらず風強し。
三厩駅。やっと一安心。
出発まで1時間半あり、再びずぶ濡れになったインナーは駅の待合のストーブで乾かすことができました。このとき着ていたのはボベの長袖。すぐに乾いてくれて助かりました。
津軽いまべつ駅構内。さあ、いよいよ「はやぶさ」です!
新幹線はほんの40分ほどで私たちを北海道まで運んでくれました。北海道もこの日は雨。ですが、木古内の駅にはこのようなスペースがあるので自転車を組み上げるのも濡れずにできました。
立派な木古内駅。三厩駅との落差に驚いてしまう。。。
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北海道はこんな端っこでもしっかり北海道なんですね。
駅からこの日の宿の「知内温泉」までおおよそ20km。こちらも海岸線は恐ろしく風が強かったので一つ内陸の道を行きました。するとなんと風は追い風に! 4時半にチェックインしてゆっくり道内最古の温泉でこの日の疲れを癒すことができたのでした。
あー。なんて1日。
【おまけ】
京都に戻ってからこの話をスタッフにすると、綿貫氏の例の本を読んでいる最中のなっぱが「あの本と同じですね。本では龍飛の海岸線の岩場で小舟に助けられてましたよ。」と。
当時は竜泊ラインは存在していません。十三湖から先、北海道を目指した時、他にどんな選択肢があったのか。。。村の人々に小泊から先は自転車では無理だといわれながらも、氏は自転車を担ぎながら海岸線から龍飛崎を目指し、ホトホト疲れ果て、行くも帰るもむつかしい時に通りかかった小舟に助けられたのでした。
ちなみに若かりし親方は37年前の一人旅で、まだ新しい林道を使って小泊から増泊峠を越えて三厩へ、その後岩手へ向かったそうです。
津軽から江差へ~その1
フェイスブックで先行してツーリングレポートをしていました先日のロングツーリング、プランのきっかけはテレビで北海道新幹線開通のニュースを見たことでした。
【序章】
「とうとう、北海道にまで新幹線が開通したんだって。乗ってみたいな。」
親方はツーリングプランを立てるのが大好き。なのでその言葉を聞いた途端すぐにプランを練り始め、できたと思ったらさっさと飛行機の手配をしてしまいました。今まで私にとって最長のロングツーリングは海外を除けば4泊5日。今回はなんとそれを超える5泊6日のロングプランとなっていました。ここのところ諸事情でヨーロッパ出張は自粛していて、少しエネルギーがたまっていました。それに、2人とも50代に入り、少々体力の衰えも実感してきています。「俺はあと何回、春のツーリングが楽しめるんだ?」と指折り数える昨今。そのフラストレーションと焦りが今回のツーリングを実現できた大きな要因となりました。だって、いろんなことを考えていたら結局、「やっぱり、無理だよね。。せいぜいが2泊3日だよね。」というのがいつものパターンだったのですから。。。
親方が「行くまでに読んでおくと良いよ。」と言って私に渡した一冊の本。
ブログの題名を見てピーンと来た方はきっとこの本をご存じのはず。1978年初版のこの紀行書は当時のサイクリストにとってのバイブル的雑誌「ニューサイクリング」に連載されていた綿貫氏のツーリングエッセイを1冊にまとめたものです。当時から氏の紀行文のファンだった親方はいくつか同じルートをたどった事もあるようです。発行から40年近くもたって、すっかり書棚の奥に追いやられていたその本は、今回のツーリングプランをきっかけに再びページをめくられることとなりました。
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【平成の津軽から江差へ】
1日目。距離33km/獲得標高69m
自宅(車) — 伊丹空港(飛行機) — 青森空港(自転車) — 石場旅館/弘前城傍
桜で有名な弘前城のソメイヨシノはすっかり葉桜でしたが、いくつかの八重桜や山桜が見ごろを迎えていました。何よりリンゴの郷のリンゴの花が満開、出発時は雨だったのに青森では雲一つない晴天、初日から気持ちグっとが上がりました。桜は日本国中どこにも名所はあるけれど、リンゴの花はそうそう見られませんから!それに石垣を修復中の弘前城はなんと津軽富士と呼ばれる岩木山とのツーショットが可能な位置にお引越ししていました。夕日も美しく、桜が終わった観光名所は人気もまばらで、贅沢にも貸し切り状態でした。
因みにこちらは、元々あるべきお城の場所。(37年前の親方のアルバムより。)
今。石垣が途中で膨らんでしまっているのがわかります。
お宿は弘前城すぐ近くの石場旅館。
ご主人はサイクリストで近隣の林道などにも精通しておられます。また、英語だけでなく、フランス語も堪能で海外の方にもおすすめです。 1泊5,000円程度。朝食800円。夕食は私たちが泊まった時は人手不足とかで提供されていませんでした。でも、近くに繁華街などもあって不自由はありませんよ。
The owner of ISHIBA Ryokan can speak not only English but also French. Also he is a cyclist and knowing RINDO nearby very well. Try Japanese traditional and RINDO cycling!
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2日目。距離85.5km/獲得標高766m
石場旅館/弘前城傍(自転車) — 日本最古のリンゴの木/柏桑野 — 亀ヶ岡石器時代遺跡/木造 — 十三湖 — 小泊 — 竜泊温泉青岩荘
距離もあり、天気も午後から崩れるとのことで、朝8時過ぎに出発。前半は岩木川沿いの土手道を進みました。車通りも少なく、あたりはリンゴ畑が一面に広がる素晴らしい道。パッとしないお天気ではありましたが、山も花も美しく、広々とした津軽平野は盆地の京都に住むものからするととても新鮮で、ついつい立ち止まっては写真に収めたり、見惚れてみたり。途中、「日本最古のリンゴの木」の看板を見つけ、立ち寄ったりしていました。ところが、周りの景色がリンゴ畑から田畑に変わったあたりから、遮る物のない風に悩まされることに。。。当初、平野の真ん中を北上する予定でしたが、あまりの風の強さに山際の道に変更してすすみました。それでも強弱のある風で、時折自転車から降りなければならないほど。十三湖の畔でしじみラーメンにありつけたときにはすっかり草臥れてしまい、「平野はもういい!」と愚痴をこぼしておりました。。「ここまで来たら着いたも同然だから。」との言葉に少し笑顔を取り戻したものの、実際は津軽平野を抜けると宿までいくつか上りが待っていたのです!「うそつき!」「全然着く気がしない!」と、悪態やら泣き言やらをブツブツ言いながら残りの約20kmを何とか走破。雨がポツポツ降り出した4時前には宿泊予定のお宿に到着できました。
そしてその後、雨は本降りに。
日本最古のリンゴの木は137歳。
水を張り、起こしたばかりの田圃にはカモメ。海が近い。
田畑だった所にいつの間にか湖が広がっていた。少しゾッとした。
風が強くて歩いて渡った十三湖橋。
こちらは37年前の十三湖橋。木造だったんですね。お天気よさそう。。。
後半のピークで。
小泊港。あぁ、海の向こうに明日の道が見えています。。。
とりあえず、今日はここまで。続きはまた明日。