留萌から宗谷 ~サロベツ原野~
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9月8日
羽幌から天売島へ渡るつもりが船の欠航で渡ることができず、急遽、遠別に宿をとったわけですが、次の目的地の天塩の宿までほんの20kmしかありません。いくら熟年夫婦ののんびりツーリングと言ってもさすがに時間を持て余します。で、今回のプランから外していた「オトンルイ風力発電所」へ足を延ばしてみることにしました。本来なら通り過ぎるだけの場所でしたが、周回することによってまた違ったオトンルイを見ることができましたよ。
遠別~天塩~オトンルイ~下サロベツ~天塩 約78km
まず、この日は国道を行かず、親方が5万図を眺めていて見つけた海沿いの農道を行くことにしました。すると、これが大正解。
車も少ないうえ、海も近く、まさしく自転車の為の道が12kmほど続きます。
電柱もしばらくは視界から消え、遠くにうっすら利尻も見えました!
ただ、12kmなんてあっという間。お昼前には天塩の宿についてしまいそう。そこで、またもや親方が近くに宇野牧場という牧場が営むカフェがあることを発見。
向かい風の中ソフトクリーム目指して方向転換。
ところが、開店時間前で泣く泣くホテルへ。。。
でも、その先に立ち寄った道の駅てしおでも宇野牧場の乳製品は買えたので焦らなくても大丈夫! もっと言えば、利尻島のホテルの売店でもここのアイスは売ってたりしますよ。
有名なんですね。
さて、ホテルでパニアバッグなどの余分な荷物を預かってもらって再出発。
昼食をとれる食堂なども無さそうなのでセイコーマートでおにぎりなどを補充してから道道106稚内天塩線(日本海オロロンライン)へ。
お、見えてきました。左に利尻、右にオトンルイ。
利尻山もようやくはっきりと見えました。
この道はやはり車やバイクが多い。
でも、確かにこれだけ並んでいると壮観ですね。
目立つものがほとんどない原野の地で利尻山と並ぶランドマークになるのも頷けます。ただ、このオトンルイ風力発電所も稼働から20年がたち、来年春から順次取り壊し、新しい大きなものへと建て替えていくのだそう。この景観を楽しめるのもあとわずかだと考えると良いタイミングでした。
お昼はサロベツ原野駐車公園で食べて、せっかくだから幌延ビジターセンターにも立ち寄って、国道232へと戻るわけですが、途中またもや農道を発見。
私たちはこっちのオトンルイの方が好みかな。
※私たちが走ったルートはサイクルグランボアのRideWithGPSでも公開しています。
良かったらご覧ください。
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9月9日
前日にこの地を旅する人たちのメインルートをすでに走っていたのでこの日は内陸へと向かうことにしました。そして選んだ道は前の日に目星をつけておいた天塩川左岸堤防のダート道。これがまた素晴らしかった。ランドナーだからいける道。それに、なだらかなアップダウンが連なる大規模草地育成牧場もホント気持ちの良い場所でした。
寄り道はトナカイ牧場、幌延深地層研究センター、工房レティエ、宮の台展望台など。
下サロベツ(幌延)~豊富町大規模草地育成牧場~上サロベツ(豊富) 約73km
このコース、おススメです!
まずは天塩川を渡る「天塩河口大橋」の手前の道を入ります。
この日の利尻は雲が全くかかってなく美しかった。オトンルイもその先にすっきり見えています。
このダートは天塩川に沿って14kmほど。
釧路湿原の新釧路川右岸堤防を思い出しますが、オトンルイが常に見えているのでまだ人間界とのつながりを感じることができます。
今なら新旧の風車を見渡せますね。
ご存じですか。トビは背中が美しいんですよ。
ダートを離れて国道232から国道40号へ。そのあと、道道256から道道121をを進みトナカイ牧場へ。これもオロロンルートと呼ぶそうな。
トナカイの餌200円。柔らかいお口でした。
お昼ご飯もここでいただいたのですが、まあ、ラーメンが驚くほど美味しかった。
合鴨100%で出汁を取るという白湯塩ラーメン。チャーシューもアイガモなんです。絶品でした。また食べたい。
そして、この施設のお隣には幌延深地層研究センターがあって、施設の一部が見学可とのことで見学させていただきました。こんなところでこんな社会見学ができるとは思っていませんでしたが、日本が抱えている大きな問題の一つの研究がこんなところでされているんですね。核廃棄物の処理の大変さをあらためて感じることができました。
時間に余裕があれば是非寄ってみるのも良いですよ。
オロロンルートからサロベツリフレッシュロードへと進むと広大な大規模草地育成牧場へと誘われます。
今回の旅の最中、ここだけ雨に降られました。雨具も要らない少しだけですけど。
それでもこの景色は素晴らしかった。
余談ですが、この牧場は吉永小百合が主演を務めた映画「北の・・・」シリーズのひとつ、「北の桜守」の空襲の場面や「坂の上の雲」のロケ地だったとのこと。
牧場を降りて今度は上り返しがありましたが、その途中に牧場が営むアイスクリームとチーズのお店があるのを親方がリサーチ済みでした。ただし、営業時間が15時までとのことでいつになくハイペースで走ることに。
親方、こんな時、めっちゃ速いんですよ。。
最後は宮の台展望台へと上り返し。
ここも上り返しになるので悩むところですが、とっても良い展望台でした。
で、サロベツ原野を突っ切るように走り、ようやくお宿にチェックイン。
17:30。
そして月も美しく。この日の翌日が十五夜でした。
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9月10日
この日でサロベツ原野は最後。もういちど上サロベツから下サロベツへ回りながらパンケ沼にも立ち寄りました。そのあと再び海沿いの道を北上し抜海を目指しました。
寄り道は豊富町のアイスクリーム屋「フェルム」、こうほねの家など。
天塩~抜海 サロベツ湿原センター、パンケ沼、幌延ビジターセンター経由 約76km
朝、4時に目が覚め、そっと宿のリビングへ。
夜明け前でしたが空は明るくなり始めていて湿原はすっぽりと霧でおおわれていました。宿の窓からこれが見れるのですから「あしたの城」素晴らしいです。
宿のお庭。
望遠で撮影するとこんな感じ。
さて、のんびりとスタート。
サロベツ湿原センターの木道散策。すっかり秋。
すばしっこい小鳥。産毛フワフワの幼鳥のようですが何かな。。。ベニマシコ?
パンケ沼
幌延ビジターセンター展望台
で、あっという間に再び道道106オロロンラインへ。
北緯45度のモニュメント。
振り返れば道はまっすぐ。
行く道もまっすぐ。。。海と空に消えていくよう。
お山もキレイ。
でも、こーゆー道はちょっと苦手かも。。。
次はいよいよ島に渡ります。
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