アイズの独り言

2022.10.01

深夜の温見峠を越える~BRM924近畿600㎞茨木~

こんにちは、前野です。
猛烈に暑かった気温も落ち着いて過ごしやすくなりました。
今回はオダックス近畿主催のブルべ、BRM924近畿600km茨木を走ってきたので紹介します。

スタートとゴールは茨木市。亀岡や美山、小浜など走り慣れた地域も含まれていますが、越前海岸や福井と岐阜の山奥へ行くのは久しぶりです。

ちなみにブルべのサブタイトルは「夢はでっかく琵琶湖一周」。
琵琶湖沿いは走りませんが一応ビワイチしてますね??

福井と岐阜の県境に位置する温見峠を夜間に越えることがこのブルべ最大の醍醐味でしょうか。
国道157号線の福井と岐阜の県境に位置する温見峠。特に岐阜県側は洗い越し区間が連続するほか、切り立った渓谷沿いに道を通しているのでハンドル操作を誤れば100m近い谷底に一直線…
酷い道、通称「酷道」として有名です。

2018年に初めて訪れたときは、道の険しさもさることながら大野市から本巣市まで約90㎞コンビニはおろか自動販売機も無く、補給できる場所が無いことが過酷さを際立たせていました。

その時の様子はこちらに書いています。

 

今年は600㎞と200㎞を1本ずつ完走しているので、この茨木600㎞と来月の守山300mを完走すれば2019年ぶりのSR(スーパーランドナー)を獲ることが出来ます。
そんな理由もあって何としても完走したいのです。

今回も友人のSと一緒に走ります。前回の米原600㎞は彼にとって初めての600㎞完走が懸かっていたので慎重にプランを練って走りましたが、今回は宿を取らずに仮眠のみで走る計画です。(前回は自分も久々の600㎞だったので夜間走行に自信がありませんでした…!)

 

茨木駅を8時スタート。制限時間は40時間ですが余裕を持って翌日の19時、35時間のゴールを目安に走ります。京都から茨木まで輪行なので、帰りの電車を考えると遅くても22時台に戻りたいところです。
ブリーフィングでは深夜の温見峠で主催者の方が待機してくれるという、頼もしいお知らせがありました。車検もクリアしていざスタートです。

 

8:00 スタート 茨木市中央公園

11:22 77km フォトコントロール1 美山かやぶきの里

8時スタートに集まった参加者は5人。2013年からブルべに参加してきましたが、これだけ少ない人数のスタートは初めてです。ちなみに1時間前の7時スタートは13人。
スタートすると茨木から亀岡、日吉ダムを経由して美山かやぶきの里へ。走り慣れた道と見慣れた景色なので僕たち二人は日帰りサイクリングに行くような感覚が抜けず緊張感がありません。亀岡は彼岸花が綺麗に咲いていました。

2時間ほど走って美山の山崎ショップで休憩。茨木のスタートから近い位置を走っていた方と僕たち二人で先頭を回して走ったので楽に距離を稼げました。3人で談笑しつつパンを1個食べて再スタート。
最初のチェックポイント美山かやぶきの里に着くと通過証明のために写真を撮ります。蕎麦の白い花が綺麗でした。

 

12:13 90km 五波峠

かやぶきの里を出て少し走ると林道に入り、福井県へ抜ける五波峠へ。この先まとまった登りは福井から岐阜に抜ける温見峠までありません。
登りも下りも落ち枝や落石があるいつもの五波峠でした。変わった事と言えば、峠に設置されている木製の看板が朽ちて倒れていました。数か月前に来たときはまだ立っていたんですけどね。
福井県側下りの途中では参加者の方がパンクしていました。以前にSと二人で五波峠に行ったときは彼の28Cタイヤが2回もパンクしていたので走り慣れているとはいえ油断できない区間でした。

 

14:05 134.4km フォトコントロール2 福井県海浜自然センター

五波峠から小浜までの道も京都からおにゅう峠を周回する時に使う道なのでこの時点ではまだ非日常感を感じられずにいました。小浜の古い町並みはなんだか地元に帰ってきたような安心感を覚えます。小浜の市街地でゆっくり昼食を摂ることも考えたのですが、決め手に欠けてそのまま通過しました。

小浜から敦賀までは海岸線を走ります。多少のアップダウンはありますが景色も良く順調です。この辺りまで来ると頻繁に走る場所では無いのでフレッシュな感覚が出てきました。三方五湖を通るのも2年ぶりくらい。

 

15:57 162km 敦賀で遅めの昼食

昼食か夕食なのか分からない時間ですが、敦賀の市街地で食事を摂ることにしました。

敦賀と言えばソースカツ丼のヨーロッパ軒。ルート沿いにあるので覗いてみましたが、ランチとディナー間の休憩時間でした。残念!!
ヨーロッパ軒のすぐ近くにとんかつ屋さんがあったので入店。僕はヨーロッパ軒を諦めきれずソースカツ丼を注文。ご飯大盛、キャベツとあさりの味噌汁はお代わりしました。この先の越前海岸も頑張れそうです。

 

17:10 180km 夕暮れの越前海岸を先頭交代しながら進む

新日本海フェリーの乗り場を通り過ぎると越前海岸を北上していきます。少し肌寒く感じてきたのでメリノウールのアームカバーを付けて早めの防寒対策。
スタート前の想定通り、越前海岸走行中に日没を迎えることになりました。夕暮れの日本海は美しく、日が沈んだ後は漁船の灯りが空を照らしていました。

 

18:51 212km トイレ休憩

越前海岸の道路は所々に公衆トイレがあるのでPC1までもう少しという所ですが休憩を挟みます。Sは膝が少し痛むと言っているので適度に休んで無理のないペースで進むことにしました。休憩を挟むと調子が戻るのでどうにかなりそうです。

 

20:07 236.4km PC1 ファミリーマート川尻店

スタートからちょうど12時間、PC1のファミリーマートに到着しました。ここで越前海岸と別れて大野市方面へ進んでいきます。
豚まんを食べた後、カップ焼きそばを追加しました。食べ過ぎな気もしますが、今回のような長いブルべ中はこれだけ食べても2、3時間経つとまたお腹が減ってきます。

 

22:17 約270km 徐々に気温が下がる

福井市を抜けると気温が下がり始め、標高が上がると霧も出てきました。
アームウォーマーだけでは寒くなってきたのでベストを着て、足にはレッグウォーマーを装着。少し暑いくらいの方が調子よく走れるので寒さ対策は早めに行います。

 

22:54 286km 越前大野駅

大野市の市街地に到着しました。さすがに時間が遅いので閑散としていますが、4年ぶりに訪れたので感慨深いものがあります。前回大野市に来たときは、冠山峠から降りてきた後に宿探しを始めてギリギリのところで見つけた古い旅館に素泊まりしました。
夕食は近くの居酒屋で。その時の思い出をSと話しながら市街地を抜けていきます。

大野の市街地を出ると約90㎞補給できる場所が有りません。主催者の方が峠の上で休憩できるスペースを用意してくれているはずですが、それだけを頼りにはできません。4年前と同じように大野市の市街地の端にあるローソンで温見峠前最後の補給。おにぎりとコーヒー、飲み物を買いました。甘い飲み物は飽きてきたのでボトルの片方にはお茶を入れます。フロントバッグにはスタートから携帯しているクリーム玄米ブランと途中で買ったパンが残っているので食べ物は充分でしょう。

ヘルメットにヘッドライトを装着してコンビニを出発。1キロくらい走ったところで、二人とも寒くてレインジャケットを着こみました。登りが始まれば身体が温まるのでそれまでの辛抱です。

 

23:51 大型車通行不能を警告する看板が何度も現れる

福県側から温見峠に向かうと、しばらく綺麗な2車線道路が続くので「酷道」を期待していると拍子抜けするかもしれません。でも、道沿いに時々現れる「大型車通行不能」の看板がこの先の険しさを物語っています。

 

日付は変わり9月25日

 

0:10 313km 温見峠区間はヘッドライトを装備

摩耶姫ダムを抜けるまでは綺麗な道が続き、トンネルもあるので人工物に守られている安心感があります。今まで600㎞ブルべでヘルメットに道を照らす為のヘッドライトを付けることはあまりなかったのですが、温見峠の下り対策でヘッドライトを新調しました。通常時は暖色LEDで手元を照らし、下りや曲がりくねった登坂では白色LEDの明るい光で遠くまで照らせます。ずっと古いものを使っていたので新しいライトの性能には驚きました。今後は夜間走行用装備としてスタメン入りするかもしれません。手元が明るいとキューシートを読むのに便利でオレンジ色の光はなんだか心が落ち着きます。

そういえば、大野市のコンビニを出た直後に羽織ったレインジャケットは身体が温まったので登りの序盤で脱ぎました。

 

0:27 他の参加者に会えると嬉しい

ダム沿いの道で他の参加者の方に追いつきました。今回のブルべは出走者が20名に満たないので誰かに会えると嬉しくなります。「こんばんは~」と声をかけて先へ進みます。

 

1:14 315km この先道幅狭し。酷道の本領発揮

2車線の快走路だったはずが急に林道のような狭い道に切り替わりました。これでも地図上は同じ国道です。
ここから先が酷道157号線温見峠越えの醍醐味が詰まった区間になります。わくわくしてきました。

ちなみに道路を照らしているのはSON Edelux2ヘッドライト。ハブダイナモ給電のライトですが配光が秀逸で写真の通り非常に遠くまで広く均一に照らしてくれます。
バッテリー残量を気にする必要もないので、今回のように徹夜で走る場合に最適です。

 

1:17 316km 背の低いおにぎり

前回訪れた時も写真を撮った背の低いおにぎり。4年経って劣化が進んでいますが健在でした。このおにぎりのところで道は左に曲がり、橋を渡って温見廃村跡を抜けていきます。

 

1:30 320km 温見ストレート

1km以上続くロングストレートが現れます。ヘルメットに着けたヘッドライトで林の中を照らすと無数の光る眼が。鹿がそこら中にいました。ふと左側を照らしたら大きな角を生やした鹿が近くいたときは悲鳴をあげてしまいました。暗闇に光る眼と大きな角。それが藪の中数メートル先にいたらびっくりしますよね?

 

1:42 324km 路面には砂利や枝葉が散らばっている

温見ストレートを抜けると勾配が厳しくなり、本格的な登り区間に入っていきます。この辺りに来ると鹿の気配は無くなりましたが、今度は坂との戦いです。時間を忘れ夢中で走っていますがこの時深夜2時前。こんな事普通のツーリングなら絶対やりません。深夜走行はブルべを走るうえで最高の贅沢です。

 

1:55 相変わらず福井県側の路面は荒れている

急勾配と石畳のように割れたコンクリート舗装。650×42Bタイヤでも快適と言い難い道の荒れ様です。

 

1:55 325km 戦略的押し歩き

脚に負荷をかけすぎないように路面が荒れて勾配が厳しい区間は二人とも押し歩きました。限界まで坂と戦って足を着くのではなく、明日に響かないように脚の限界が来る前に歩くのです。制限時間には充分余裕があり、まだゴールまで300㎞残っているので登りの数十秒のために頑張る必要はありません。

それに歩くとストレッチが出来て脚がスッキリします。

 

2:17 327.2km フォトコントロール3 温見峠(標高1020m)

無事に温見峠に到着。前回来た時もその秘境ぶりに驚きましたが、まさか深夜に来るとは思いもよりませんでした。峠は風の通り道になっていて途端に寒く感じたので、レインジャケットを羽織り急いで通過証明用の写真を撮影。
茨木のスタートから少しずつ積み重ねてここまで来ることが出来ました。温見峠を登り切ったので余程のことが無い限り完走出来そうです。

 

峠の簡易休憩所

峠の岐阜県側に主催者の方が車とブルーシートを使って休憩所を用意してくれていました。ブルーシートの中でコーラとチョコレート、クッキーをいただいてほっと一息。主催者の方曰くほとんどの参加者が深夜の内に温見峠を越えているようです。

暖かい簡易テントの中で一休みできたので僕たちも下り始めます。ネックウォーマーと長指のグローブを着けて最大限の防寒対策。Sはおなかにあたる風を防ぐためにジャージの中にビニール袋を入れていました。

 

2:46 333km 温見峠名物「洗い越し」

岐阜県側にしばらく下っていくと水が流れる音と共に洗い越しが出現しました。連続して洗い越しを通過できるのは近畿ではここだけではないでしょうか。

 

水しぶきを上げて通過するのが楽しい!

夜中の山奥なのであくまでも安全第一ですが、この洗い越しを豪快に横切るのが温見峠の岐阜県側に遊園地のアトラクション的な楽しさを加えています。水の勢いがあるので少し横に流される感覚が有りますが転びそうになるほどではありません。
それと、泥除けが無い自転車でスピードを出して通過するとびしょびしょになります。Sはここで濡らした足が下りで冷え、山を抜けた最初のコンビニで靴下を買って履き替えるほどでした。

 

3:16 344km 左側は断崖絶壁

洗い越し区間を通過すると次は転落事故多発区間になります。渓谷沿いの曲がりくねった狭路でガードレールの無い場所が殆ど。深夜なので左側を流れる川は道路から全く見えませんが、落ちたら闇に吸い込まれるような落差があります。

 

3:34 350km 例の看板はもう無い

無事に温見峠区間を抜けました。楽しみだけど怖い区間でもあったので通過してほっと一息。4年前に来たときはここに「落ちたら死ぬ!」という看板があったのですが現在は撤去されています。

この後、しばらく下って90㎞ぶりのコンビニで休憩。この時午前4:45。さすがに二人とも眠たくなってきたので食事を済ませた後、近くの道の駅に行って仮眠を取ることにしました。1時間ほどベンチに座って目を瞑り眠気を解消します。

 

 

6:24 385km 朝焼けの中海を目指して南下する

1時間の休憩でだいぶすっきりしたので走行を再開しました。肌寒かった気温も上がり始め、この日の最高気温は30℃の予報です。海までひたすら堤防沿いを走って南下していきます。暑くなってくるのでまずはレインジャケット、お次はベスト、さらにレッグウォーマーとアームウォーマーを外して昼間装備に戻していきます。そして日焼け止めも忘れずに。今回のブルべは念入りに日焼け止めを塗りなおしたので殆ど焼けず、疲労感の軽減につながりました。

 

9:09 439.8km PC2 湾岸長島PA

ひたすら堤防道路を走り続けて三重県の湾岸長島PAに到着。ブルべのコントロールポイントにパーキングエリアが選ばれているのは初めてです。裏手に一般お客様入口があって入ることが出来ます。

ジャージとビンディングシューズでパーキングエリアを歩くのは不思議な体験でした。フードコートでカツカレーを食べ、売店で通過証明の為のレシートを取得。グァバジュースなるものがあったので買ってみました。

 

9:19 PAの足湯で回復

湾岸長島PAには無料の足湯があるので食後に入らせてもらいます。いいリフレッシュになりました。

 

10:30 約460㎞ 四日市で交通量の多さに疲弊する

湾岸長島PAを出発すると交通量の多い道が続きます。特に四日市付近は信号も車も多くて疲れました。無事に温見峠を下りてきたのにこんなところで車に引っ掛けられるわけにはいきません。自転車歩道通行可の区間は歩道も積極的に利用します。

 

11:13 471km 堤防道路が続く

四日市を抜けると、亀山まで鈴鹿川沿いの堤防道路を走ります。ようやく交通量が減って少し安心して走れます。次のPC3まで距離があるので湾岸長島PAで買ったパンを食べてエネルギー補給。堤防道路は交通量は少ないのですが、補給場所が無いのでフロントバッグに入れた食べ物が役立ちます。

 

11:31 474km Sは睡眠不足でDNFがよぎる

堤防道路の途中でSが遅れがちになりました。眠気でしんどいと言うので堤防道路を少し外れてイートインの有るコンビニで長めの休憩を取ることにしました。自分も一人で夜通し走ると猛烈な睡魔に襲われることがあるので辛さはよくわかります。こういう時は10分でも目を閉じるだけでマシになるので休むことが一番です。それに僕もボトルの中身が少なくなっていたのでちょうどいいタイミングでした。

30分ほど休憩、Sはロックアイスを背中に入れたり色々と対策をして出発しました。

ちなみに彼はフルマラソンは数えきれないほど(僕は1度だけヘロヘロになって完走しました…)、100kmウルトラマラソンも完走している程の体力の持ち主ですが、このブルべが今までの中で一番過酷だったと語っています。

 

13:31 506.5km PC3セブン-イレブン 津市白山町店

堤防道路を離れてからは広域農道特有の直線的なアップダウンが続きました。Sはまだ眠気から完全に開放されていないようですが、走行距離は500kmを越えてPC3に無事到着しました。

おにぎりが売り切れていたのでいなり寿司を購入。甘い炭酸が飲みたくなったので飲み物はファンタグレープ。日差しが強く照り付けているのでコンビニの陰で休憩しました。

実はこの時、重大な出来事が起きていました…

 

 

14:28 514km 青山峠を登る

青山峠を越えると伊賀コリドールロードの強烈なアップダウンをこなします。伊賀コリドールロードは何度走っても好きになれません。バイクや車で走るにはいいのかもしれませんが、自転車だとひたすらアップダウンを繰り返すだけで景色は風情に欠けます…

伊賀コリドールロードへの文句を言いつつ伊賀上野に到着しました。駅の近くのコンビニで最終休憩の為停車。この時、Sが急に焦り始めました。

「レシート貰ってなかった…!」

先程のPC3でSも買い物をしたのですが、眠気のせいかレシートを貰わずそのまま出発してしまったのです。通過証明になるPCのレシートが無いとゴールまで走り切っても認定を貰えません。ここでSの心は折れかけてDNF宣言をしそうになりました。ただ、冷静に考えるとPC3では僕が一緒にいてSが写った写真も撮影しています。(写真には日時が記録されています)さらに、レジでの決済を電子マネーで行っていたのでレシートは無くても電子マネーの決済情報で店舗名と日時がわかります。この2点が有ったので、伊賀上野でDNFするのではなく、ゴールまで走り切って後は主催者の方に委ねることにしました。

17:47 581km ゴールが見えてきた

交通量が増えてきたのでかなり気を使いますがゴールは確実に近づいています。丘を越えて枚方に入ればあと少し!

 

18:44 598km 安全第一で残りの距離を消化

昨日の同時刻には越前海岸を走っていたことを思うと不思議な風景です。完走は確定しました。

 

19:30 603.5km この和室に入った時刻がゴールタイムになる

駐輪場所に迷いつつ、ゴールの茨木市福祉文化会館(オークシアター)和室に到着しました。入室した時刻は19:30。そして懸案事項だったSのPC3のレシートですが、僕が行動を共にしていたのでそれが証明になるのと、電子マネー決済の記録などもあったのであっさりとOKを貰えました。

無事に二人とも35時間30分で完走!目安のゴールタイムにしていた19時から大きく遅れなかったのも良かったです。

今回は久々に徹夜で走るブルべでしたが、一緒に走った友人Sのおかげで楽しく最後まで走り続けることが出来ました。これが一人だと深夜早朝の走行は眠気との戦いになるので本当に助かりました。

 

 


今回もグランボア650Bランドナーで完走

ランドナーはのんびりと走る自転車。スピードを求めない人が乗る自転車。ランドナーに対してそんなイメージを持たれている気がするのですが、僕が600㎞ブルべにランドナーを使うのはこの自転車で走る方がタイヤの細いロードバイクで走るより快適で速いからです。

ブルべ用に吟味されたフルオーダーフレーム、転がりの軽いエートルエキストラレジェ650×42Bタイヤ、ハブダイナモ給電の明るい前後ライト、手が痺れないグランボアフランス型ランドナーバーと身体に馴染んだイデアル#90サドル、荷物に簡単にアクセスできるフロントバッグ、足元が濡れることを防ぐマッドガード。

ランドナーに付いているこれらの部品はクラシックな雰囲気を出す為の飾りではなく、長距離を快適に速く走るための道具なのです。

 

フロントライトはキャリア右側にSON Edelux2、左側にサブライトとしてキャットアイVOLT800の2灯体制。VOLT800は温見峠の下りで念のため点灯しましたがそれ以外ではほぼ使わず、Edelux2のみで充分な視界を得ることが出来ます。
テールライトはシートチューブに直付けされたキムラTL-06D。こちらもSON28ハブダイナモからの給電で点灯し、フロントライトのEdelux2と連動しています。前後ライトは停車後も本体内蔵のコンデンサーに蓄えた電力で光り続けます。

荷物は全てグランボアフロントバッグに集約しています。サドルに跨ったままアクセスできる帆布のフロントバッグは古臭いようでとても合理的です。一緒に走ったSは現在主流の大型防水サドルバッグに荷物をまとめていましたが、荷物の出し入れをするのに時間がかかりブルべの後半はフロントバッグを使いたいと言うほどでした。もちろん完全防水のバイクパッキング用サドルバッグが活躍するシーンもあると思いますが、荷物の取り出しやすさではフロントバッグに敵いません。レインジャケットを取り出したりネックウォーマーやアームウォーマーをしまったり、ブルべ中にバッグを開け閉めする回数は意外と多いのです。
帆布もただのコットン生地ではありません。意外と防水性が高く、土砂降りを長時間走らなければ中の荷物が濡れることは稀です。
バッグの帆布にはグリーンランドワックスという蜜蝋とパラフィンを混ぜたものを年に一回、生地全体に塗布、浸透させるメンテナンスをしています。雨に降られても濡れるのは表面だけで、バッグの内側は殆ど浸水しません。風合いが味わい深く変化するのも帆布フロントバッグの良い所です。

 

前回の米原600と異なる装備としては、後ろ泥除けにマッドフラップを追加しています。フロントのマッドフラップは常時装着しているのですが、今回は友人と先頭交代しながら走る計画だったので後ろの人が快適に走れるよう装備しました。厚さ2mmのゴムシートからフロント用よりも長めに切り出しています。

この装備、親方にはちょっと不評でしたが(汗)、形状や取り付け方法などを改良して今後もブルべ専用装備として使おうと思います。

 

ランドナーでブルべを走ってみようという方、是非アイズバイシクルまでご相談ください。ランドナーのオーダーはもちろん、走り方や装備面などでもお力になれると思いますのでお気軽にお声がけください。

そしてブルべでお会いしたときはよろしくお願いします!

まえの

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