Le Somail(ルソマイユ)の朝7時。宿の前の小さな公園で自転車の手入れをする。おととい昨日と結構な泥道の箇所があったので、タイヤを外して泥除けの内側にこびりついた泥も落としておく。今朝の天気予報は下り坂である。今日一日はなんとか持ちそうだが明日からは雨と強風の予報が出ている。フランスでの天気予報はMeteoFrance(フランス気象局)のアプリでチェックする。
朝食をいただき、宿の玄関で出発前の記念撮影。フランスの典型的なB&Bで隣家が宿主のご自宅。綺麗なお部屋でゆっり食事をいただいた。
再び運河沿いのサイクリングロードを走り始める。ここには珍しい松並木が続くところがある。少しは海が近づいてきたのだろうか。
運河から南へ20kmほどのところにある街Narbonne(ナルボンヌ)へ通じる支線運河Canal de la Robine(ロビーヌ運河)。今回のコースではないがこのルートも良さげではある。時間があればピストンで走ってみたい。
菜の花の畑ではない、ブドウ畑を埋め尽くしている菜の花なのだ。
運河沿いの道が極端に狭くなっている箇所がある。そのまま運河に滑り落ちそうである。
通行止めの迂回路を走っていると雲が下がってきた。パラバラと雨粒も感じらる。もう正午になろうかという時間、レストランのありそうな街を目指して走る。
このあたりで昼食をとるにはÉtang de Montady(モンタディ池)というかなり変わった名所のあたりにありそうである。このモンタディ池はGoogleMapで見ると円形の中に放射線状に筋の入った独特の幾何模様の大規模な畑のようで、ローマ時代の遺跡とのことである。トイレ休憩で立ち寄ったOffice de Tourism(観光案内所)でレストランを尋ねるとこの先の街にあるとのこと。急いで走り出した。でも先を急ぎすぎてしまいTunnel du Malpas(マルパストンネル)を見落としてしまった。運河のための全長176mのこのトンネルの下にはモンタディ池からの水路とSNCF(フランス国鉄)の鉄道の2つのトンネルが交差している。とりあえず昼食は取れたがこのあたりの写真がない。
遠くに大きな教会の塔らしきものが見えてきた。あれがBéziers(ベジエ)の街。このカナルドゥミディを建設したPierre-Paul Riquet(ピエールポール=リケ)の街である。
ベジエの街の手前にあるLes 9 Écluses de Fonseranes(フォンセランヌ水門)。9つの水門によって20m以上の高低差をクリアさせている。Canal du Midi最大の見せ場的なスポットである。
ベジエの街を流れるOlb(オルブ川)の河川敷に出るとロードにMer Méditerranée(地中海)への標識が埋め込まれていた。
ベジエのすぐ隣り町Villeneuve‐les‐Beziers(ヴィルヌーブベジエ)の観光案内所は小さなボートである。その廻りにはカモが集まっていた。鳥語を解する専務は何か訊ねているようである。
まじかにプラムの花が咲いていた。
何やらレールと車輪がたくさん並んだ複雑な構造物に出くわした。眺めているだけでは何のための設備なのか全く分からない。調べてみると川の増水時に運河の上を川を通すための設備とのこと。これまでは運河の下を川が流れていたのだがここは逆に必要に応じて運河の上に川を流すための仕掛けなのだ。
Agde(アグド)の街を過ぎると道はほぼシングルトラックの様相を呈してくる。新緑も見え水仙や桜の花が咲いていた。もうすぐ海のはずである。
運河沿いのロードからはずれ、海だ。海だ。と思って走っているとフェンスの向こうの池に何やら薄ピンクの鳥らしき姿が見えた。
フラミンゴである。今回の旅の目的である野生のフラミンゴを発見。日本では動物園でしか見られないフラミンゴが普通に池にいるのである。それもあちこちの池にいる。
こんな大型の鳥が身近に生息しているなんて。しばし感動。
この時点ですでに午後5時を廻っている。本日の宿泊地Sète(セート)まではまだ20kmもある。もう海はすぐそこ。道端にはモーターボートがたくさん並んでいる。
さうしてついに地中海。風が強い。
あとは海沿いの別荘と砂丘の間のまっすぐな道をひたすらこぐ。
18時25分。あと宿まで2kmというところでついに陽が沈む。
セートの街は賑わっている。ここはマルセイユに次ぐ港でモロッコへのフェリーも出ている。
港のホテルで今夜は泊まる。
本日の走行ルート
大変お待たせしました。
本所工研さんに作っていただいているグランボアのオリジナルモデル、PJ650が再入荷しました。当然ながら仕入れ値は上がりましたが、カタログを出したばかりの入荷ですので、値上げは来春迄据え置くことにしました。ただし、H47CNも少し前に入荷していますが、そちらは価格を上げさせていただいてます。スミマセン。
あと、オンラインストアのおすすめ商品も店頭在庫品ながらどれも未使用品です。特にしっかり組み上げた手組のホィールは間違いなくお値打ち品ですよ。是非、ご検討ください。
いよいよオリンピックが始まりました。
普段はこれといってスポーツ観戦するわけではありませんが、やはりトップクラスの選手たちの真剣勝負はどれも感動的です。これからしばらくは楽しみですね。開会式も素晴らしかった。何度も訪れた街のあちこちが舞台として使われていて楽しいし、雨もなんのそののその演出は何ともフランスらしい。また総集編できれいにまとめられるでしょうからまた見たいと思います。
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さて、この春に訪れたフランスでグランボアで扱いのある2つのサドルメーカーを訪問してきました。
先日それぞれから入荷もあったところですし、紹介したいと思います。
イデアル -IDÉALE-
フランスのトゥールーズにある完全手作りのサドルメーカーです。
もともとは1890年から100年近く操業した超有名サドルメーカーですが、大量生産品が市場に流通する時代の波にのまれ1984年にいったん廃業したメーカーでもあります。日本でも古くから自転車を愛好する方にとっては今も憧れのサドルとして愛され続けています。
そのイデアルが復活したのが2017年、ちょうど私たちが最初のコンクールでフランスにいた時に新生イデアルもブースを出していて、声をかけていただいたのが始まりです。
今回の訪問は2018年に工房に初めてお邪魔してから6年ぶりです。あの時とは同じ敷地内ですが、共有していた建屋から占有できる建屋へ引っ越し、機械だけでなく、一緒に働くパートナーも増えていました。
イデアルの拘りや製造工程については2018年のレポートを見ていただくとして、今回はアルミリベットの慣らし方を教わってきました。
「必ずきれいなハンマーでリベットを少しづつ慣らすんだよ。」
日本でアルミリベットの縁がわずかに指にあたる場合があるのですが、そんなときの解決方法を実演してくれました。
この6年の間にたくさんのサドルを世界中に販売し、有名ブランドとのコラボ企画もこなし、今年中にはいよいよ新しいモデルも発表できるかも、とますます意欲的です。また、サドルのほかにキャリアや新しい試みにもチャレンジしているとの話も聞けました。変化していくイデアルも楽しみですね。
お馴染みの#90。
丈夫なフルグレインレザーを使用していますが、イデアル独自の鞣し技術で新品でも体にスッと馴染んでくれます。
スチールベースのモデルのリベットはいずれもIDEALE刻印入りの小鋲となります。重さは大体580グラム前後。
こちらは2019年のコンクールでグランボアのために製作してくれたチタンレールのアルミリベットモデル。重さはなんと380グラムほどです。
ナチュラルカラーのレザーに銅の大鋲を合わせてみました。アルミリベットのものより少し重くはなりますが、とてもエレガントです。
ご希望の方には追加料金4,400円で承ります。
また、大鋲にオリジナルの刻印を入れることも可能です。
ここちらは追加料金8,800円。
今の円安の影響で価格がかなり上がってしまい、とても良い物なのに多くの方に気軽に使っていただけないのが寂しいところです。ですが、「今」手に入る本物のレザーサドルを是非手に取って、その良さを実感していただきたい。だからこんな時代でも頑張って在庫を持つようにしています。これからご紹介するベルトゥ製品につきましても同様ですが、彼らや我々が不誠実な高値を付けているわけでは決してありません。物の価格は国を移動させるだけで変動するものですが、今はそれがとても大きいのです。
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ベルトゥサイクル -BERTHOUD Cycles-
親方たちの世代にとって、「ソローニュ」と呼ばれていた帆布製の自転車用バッグが馴染みがありますが、それらの製造を引き継ぎ、バッグやサドル、ステンレス製の泥除け、バーエンド、バーエンドミラーなどを製造している主に自転車部品を製造販売しているメーカーです。私たちとの付き合いはソローニュから引き継いだGilles BERTHOUD (ジルベルトゥ)時代からで、帳簿を調べてみると1998年が取引の始まりです。当初はフロントバッグなどのほかに、マハックのフーデットレバーやサンプレのダブルレバーなど、フランスメーカーのデッドストック品や、日本国内では手に入らないレストアに必要な様々な小物や道具なども融通してもらっていました。また、ジルベルトゥはグランボアのタイヤを最初にフランス国内で販売してくれた問屋さんでもありました。
代は変わってもかれこれ四半世紀以上のお付き合いなのです。
ですのでこの26年の間ですと、何度もPont-de-Vouxにあったジルベルトゥには訪れたことがあり、ジルのご自宅にも宿泊したことがあるのですが、数年前にオーナーが変わり工房の場所も移動したBERTHOUD Cycles (ベルトゥサイクル)は今回が初めてです。
リヨンから車で2時間、FLEURVILLE (フルールヴィル)。日本語にすると「花の村」、美しい名前ですね。
古いレンガ造りの建屋を利用した素敵な工房です。建屋のレストアに1年近くをかけたと話してくれました。訪れたのは実は日曜日で、ベルトゥサイクルはお休みの日でした。ですので無理にはお願いしなかったのですが、若い女性ながらバーエンドやバッグミラーといったCNCでの加工製品を専門に担当しているマージョリーとサドルの製造責任者であるクリストフがお茶とクッキーを用意して待っていてくださいました。
一通り、工房内を案内してもらったのですが、実はほとんど写真がありません。というのもお休みに開けていてもらっているという、なんか変な気を使ってしまったのかな。あとから「失敗した~。。」と悔やんでいます。
日本では圧倒的に帆布製のバッグ類が有名ですが、新素材を使った軽量バッグも開発していますし、帆布のバッグのデザインも少しづつモダンに変わりつつあります。縫子さんもジルベルトゥ時代からのベテランが今も働いているそうですが、その方もあと数年で定年退職するとのこと。今はその仕事を引き継ぐ若手の育成に力を入れているそうです。
ベルトゥのサドルもとても高品質のレザーを使用し丁寧に作られています。ベースに合成樹脂を使いイデアルに比べるとモダンな印象です。
アラヴィとアスパンはいずれも同じ形ですが、アラヴィがチタンレール、アスパンがスチールベースとなっています。最近ではアスパンの穴あきモデルを取り扱い始め、オンラインストアからでもご注文いただけます。マリーブランは一応女性用としていますが、長さが短くなっているだけで形状はアスパンやアラヴィと同じです。男性でも小柄な方に向いているサドルです。そのほかにも街乗り用のモンテや、よりレーシーなモデルのガリビエなども、少しお時間を頂戴できれば取寄せも可能です。興味のある方はお問い合わせください。
オリジナルの完成車も展示してありました。
フレームも専属のビルダーが製作しているそうです。
これはコンクール出走車ですね。2017年だったかな。
こうやって見ると、ベルトゥサイクルはグランボアとよく似た総合完成車メーカーなんです。
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ベルトゥサイクルの後はまた車で移動して今度はジャンビェールのお宅にお邪魔してきました。
ジャンピェールって覚えてますか?
とっても色っぽい自転車の写真を撮るフォトグラファーです。(余計わかりにくい??)
今はパリから離れ、のんびりと第2の人生を歩んでいるとのこと。自転車は以前ほど熱心ではありませんが、唯一グランボアの自転車は大事にしてくれていました。
一晩お世話になって、積もる話をし、お互いの健康を祈りつつ、私たちは翌日パリに戻ったのでした。
今日はくもり。
晴れるととんでもなく暑いから気温的にはこれくらいが良い。
でも、梅雨、長いですよね。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか。
私はというと、もう2か月になりますが、いわゆる四十肩(60が近いというのに!)に苦しめられていて、痛みと闘いながらカタログを仕上げていました。原因もよくわからない老化現象の一つと思っていましたが、こんなに辛いとは。。。針治療に行ったり、リハビリに行ったり、湿布貼りながら四苦八苦。ツーリングにはいい季節でしたのに、そんなことでこの初夏は自転車に乗れずじまいです。
とほほ。。。
それでもなんとか七夕セールに間に合わせるべく夏のカタログを用意しましたよ。今回は去年の船旅北海道ツーリングのレポートの他に、今年のフランスでの写真を数枚使っていてなかなか豪華な感じです。完成車も一新できていますが、レストアのみ前回のデローザをそのまま使用しています。というのも、寝ぼけ眼で納期ギリギリにプリント原稿をアップロードしていると26ページで終わってしまう。「あれ?」って気が付いたのが、もうタイムリミット30分という時間。「うわー、2ページ足りない!!」ってなって、急遽、前回の原稿を足したのでした。あはは、よくわかんないかも知れませんが、つまり、夜中に一人でアタフタしてたの。カタログって4進法でページを作らないといけないので。
でも、これも最初の100部だけの話です。データーを更新した最初の印刷は少量のみで、しっかり内容をチェックして本刷りします。
本刷りはレストアのページもちゃんと差し替えますね。たぶん、一週間くらい先になると思います。
あと、輪行の手順のページも以前掲載したものと同じではありますが、再掲載しています。
アイズバイシクル店頭、もしくは通販のご利用で無料でお渡ししています。
只今、通販セール真っ最中です。7月14日までオンラインストアのほとんどの商品が1割引きですので是非ご利用ください。
それと、大切なお知らせを一つ。
これまでセミオーダーモデルにつきましてはできるだけランドナーの垣根を低くしたいという思いで価格的にも抑える努力をしてまいりましたが、円安による輸入品の高騰、人件費・材料費などの高騰で、それもあまり意味をなさないところまで価格が上がってしまいました。また、発売当初はフレームのデザインは親方がして、製造は外注できていましたが、年々状況が変わり、コロナ禍では受けてくれるところさえ無くなり、ついにセミオーダーフレームも内製し始めました。ちょうどアトリエ長の技術も十分それに応え得るところにあったのでちょうど良かったのですが、結局、今やセミオーダーも、フルオーダーもグランボアの工房で一台づつフレームから製作しているのが現状です。
そこで、これまでセミオーダーでは完成車にスペックする部品・用品のすべてを2割引きとしていましたが、この7月受注分から1割引きとさせていただいてます。その代わりと言っては何ですが、これまで割引の無かったフルオーダーにも同様にオーダーの際の仕様パーツと同時にご注文いただけるバッグや工具などの用品も1割引きといたします。
セミオーダーはフレームデザインが完成していて、ラグを使ったラグレスフレームで手間を削減し、コストを抑えています。ですが、工房内で一台づつの受注生産ですので、ブレーキ台座の変更や、テールライトの台座の追加、などなどこれまでお断りしていたスペック変更は可能となっています。
最近のご注文ではセミオーダーでも豪華なパーツをスペックされる方も多く、せっかく作った見積もりサイトもちょっと機能しなくなってしまいました。。。近々何か手立てを考えると思います。
というわけで、グランボアの自転車づくりも少しづつグレードアップしてきています。
それに見合う製品づくりとサービスに精進してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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今日の親方。
美山の工房でタスマニアからのお客様のご注文の一台を製作中です。
ホント、オーダーも国際色豊かになりました。
3月6日。宿には有料ながら石造りの広い自転車置き場があった。カードのルームキーを使って頑丈な戸を開け閉めすることができる。自転車を取り出して準備する。8時30分カステルノーダリを出発。
お宿は運河の畔に立っているのですぐに走り出すことになる。街の南を通る運河に沿って走る。
この街には大きな船溜まりというか港があり、シーズンには多くのバカンス客で賑わうのだろうクルージング船が何艘も係留されている。永延とつづく大木の並木の木陰の運河をゆったりと進むクルージング船での食事を楽しむだろうか。でも今は閑散としている。
船溜りのを過ぎて直ぐにSaint-Roch「サンロック」水門がある。ここは3段になった水門でかなりの高低差がある。ポプラの大木に両側を挟まれていて緑の季節にはさぞ美しかろうという場所である。下った一番下の水門直下の水たまりにカモが3羽浮かんでいた。そこから街を離れ郊外へ出る。
郊外の運河はあちこちで水が抜かれて護岸工事をしている。
対岸では重機を持ち込んでの工事のようである。場所によっては草ボウボウの道を行かなければならない。
最近工事が終わったと思われる個所はまだ支柱に守られた並木の若木が並んでいる。快適なダートが続く。
カステルノーダリから30~40分ほどの走ったあたり、耕されたばかりの畑が広がりその向こうの丘の上に白く輝くピレネーの山々を望むことができる。
途中にしばしば現れる石造りの橋も運河の水面に美しく映える。その向こうは水門である。
運河のわきの休憩所には自転車使って運河を楽しむ人たちのための設備も用意されていて工具やポンプが使える。
ここはCanal du Midiのサイクリングロードなのだ。
まもなくお昼という頃にCarcassonne「カルカソンヌ」の街に入った。レストランを捜す。
街の中心まで来てようやく自転車をそばに置いて食事できそうなレストランを捜し当てた。やれやれ。
カルカソンヌはお城で有名な観光地である。30年ちかく前に車でフランス一周ビンテージパーツ捜しの旅をしていて高速道路から見えた大きなお城の姿に引き寄せられて立ち寄ったことがある。今度は自転車に乗ってまじかにその姿に接することができた。3kmの城壁に囲まれたこの城はその内部に領主の館と教会そして多くの民家を復元し保存している。城壁と館の尖塔がいくつも立ち並ぶその威容はヨーロッパ中世のお城はかくあらんと示している。前回内部をじっくりと見学していたので今回は遠くから眺めるだけである。
ここでカルカソンヌまでは40kmほどしか走っていないことに気が付いた。今日の予定はLe Somailという小さな町の宿である。そこまでまだ60km以上を残している。午後はしっかりと走っていかなければならないと決心して走りだす。
フランスはやっぱり大陸である。大きくうねった地層が露出した山がしっかりとした鉄と石で作られた橋の向こうに見える。
ブドウ畑に挟まれた運河の道をひたすら走る。この辺はブドウ畑だらけで、どうやらワインの一大生産地のようだ。私は下戸で全くワインの知識はないのだが、Languedoc「ラングドッグ」というこの地域はお手軽なワインの産地として有名なのだそうだ。
とにかく広い。これだけ長いこと走っていると当然生理現象も起きる。でもトイレがない。シーズンオフの今は運河沿いに設けられた施設のトイレはほぼ閉まっていてなかなか用を足すことができない。休憩できそうなレストランも営業していないのだ。カルカソンヌから40kmほどのところにちょっとした湖があるのでそこまで行けばと頑張って走って湖畔を捜すがトイレはない。ここでGoogleMapが役に立つ、「Toilettes publiques」を検索する。その湖から運河を挟んだすぐそばの街の中の公衆トイレをたちどころに示してくれた。
日が暮れてきた。途中に長めの迂回路がありワイン畑の中を走らせるのだか、長く伸びた自分の影を追ってせっせと走らなければならない。運河沿いの小さな町のシャトーの尖塔が夕日に染まっている。
宿まであと1kmというところで日没した。
18時40分。なにはともあれ到着である。あ~疲れた。宿の近所で唯一営業していたレストランで食事して就寝。
本日のコースほぼ全線ダートであった。