こんにちは、前野です。
先月に続きブルべに参加してきました。
今回参加したのはオダックス近畿主催のBRM408近江八幡300km
JR近江八幡駅近くを出発して鈴鹿峠を越えて伊勢へ。伊勢志摩をぐるっと回って往路と同じコースで近江八幡駅に帰ってくるコースです。
300kmで獲得標高約3000m程なので平均的な難易度でしょうか。
久しぶりに伊勢、志摩方面を走るので楽しみです。
自走でスタート地点へ
当日は朝7時のスタートに間に合うように近江八幡駅近くの公園まで自走で向かいました。自宅からスタート地点まで約60kmあるのでスタート前に消耗しないようペースを調整して走ります。
4時前に自宅を出発して宝ヶ池から途中越えで滋賀県へ。琵琶湖大橋を渡って湖岸道路を少し走れば近江八幡駅近くの公園はもうすぐです。
0km 近江八幡 スタート前のブリーフィング
前回の200kmも一緒に走ったSとI君、そして年末に淡路島一周を一緒に走ったY君の3人とスタート地点で合流。
今回は14時間台でのゴールを目標に4人で走ります。
300kmブルべの制限時間は19時間。完走認定を狙うだけならのんびり走っても十分間に合います。
14時間台ゴールを計画したのはJR近江八幡駅の終電に余裕を持って間に合うからです。それに早く帰れば日没後の寒い中走る時間が少なくて済みます。
進路を南東に
スタートから鈴鹿峠までは緩やかな登り勾配が続きますが、4人で走っていると単独では維持することが難しいスピードでも大きな負荷をかけることなく走り続けることが出来ます。
最初の1時間ほどで身体が温まったので、写真で着ているオレンジ色のベストは脱ぎました。天気予報からイメージしていたよりは雲が多いのですが、気温的には用意してきた服装で暑すぎずちょうどいい具合でしょうか。
途中、何度か前を走っているグループをパスしようとペースを上げたのですが、登り坂でペースを上げた時にオーバーワーク気味になってしまい、その後しばらくは脚を攣らないかひやひやしながら走行を続けていました。
先月のブルべからあまり走れていないので脚の準備が足りていないようです。
そんなわけで頑張りすぎないように注意しながらペダルを回していきます。
山桜を見ながら鈴鹿峠を関宿へ下る
鈴鹿トンネルを抜けると向こうの斜面には山桜が綺麗に咲いています。前日の雨で平地の桜は殆ど散ってしまっていたので嬉しいサプライズでした。
鈴鹿峠の下りを楽しむと関宿に到着。PC1の20kmほど手前のコンビニで小休憩を挟みつつ、11:13に99km地点のPC1のローソンに到着しました。ここで早めの昼ごはん休憩。補給食は常に口にしていますが、自走も含めるとここまで160km走ったので空腹です。どんぶりを食べました。
12:21 116km 伊勢神宮外宮前
先程のPC1から少し走ると伊勢の市街地に到着。折角なので伊勢神宮外宮前で並んで写真を撮りました。最初は撮影者入れ替わりで撮っていたのですが、近くにいた方が声をかけてくれて4人全員で集合写真が撮れました。ありがとうございました。
普通の観光サイクリングなら伊勢神宮をゴールにして観光してお風呂に入って輪行で帰るところでしょうか。でも僕たちは300kmブルべ。ゴールまで190km残っています。
鳥羽へ
伊勢神宮を後にして鳥羽に向かって進んでいきます。
自分のヘルメットの後ろ側中央の通気口に見える白い点はテールライト。LindenのBK-02は光センサーを内蔵した充電式のテールライトです。夜は点滅して目立ちますが、昼間は小さなサイズのおかげで目立たないのでブルべ以外の時も装着して違和感がありません。今回は一緒に走るSも使ってくれています。
13:06 鳥羽水族館
鳥羽水族館で記念撮影。ブルべはレースではないので時間に余裕があれば水族館観光もできますが、今日は帰りの電車があるのでのんびりは出来ません。ちなみに鳥羽水族館はセイウチなどの海獣が充実しています。
パールロードに入る
鳥羽の市街地を抜けるといよいよリアス式海岸のアップダウンが始まります。ここまで4人一緒に走ってきましたが、勾配のきつい登りではペースにばらつきが出るのでマイペースに進みます。
伊勢の市街地まで調子のよかったY君は失速気味。新しいカーボンホイールで序盤飛ばしすぎて脚が売り切れたそうです。
13:42 タイミングよく晴れた
鳥羽展望台はもう少し先ですが、見晴らしのいい駐車場が有ったので立ち止まって写真を撮ります。パールロードに入るまでは曇り空でしたが、最高のタイミングで晴れてくれました。
今日の服装はメリノウールの長袖ジャージ、長袖のメッシュインナーに薄手の裏起毛ビブタイツ、中厚手のメリノウールソックス、メッシュの指切りグローブをベースに、気温によって重ね着をしています。
防寒用としてメリノウールの長指グローブ、ベスト、ウインドブレーカーを兼ねたレインジャケット、化繊のニッカー、サイクルキャップがフロントバッグに入っています。
13:47 アップダウンでグループがばらける
登りでばらけて頂上で合流を繰り返しながらパールロードを消化していきます。自分が少し先行してその後にSとⅠ君、その後ろにY 君といった順番です。
SとY君の3人で年末に淡路島一周を走った時は、走れていなかった自分が登りで遅れていました。長距離を走るうえで日々の体力づくりの大切さを痛感した出来事でした。距離が延びる程ごまかしが効きなくなります。
14:04 148.1km フォトコントロール:鳥羽展望台
4人そろってフォトコントロールの鳥羽展望台に到着。ここではゴール後に通過証明となる写真を撮影します。
自分は早朝から自走で走っていたので「ようやく半分…」という感覚でした。
鳥羽展望台は海から遮る物が無いので風が強く吹き付けます。迂闊に自転車を立てておくとあっという間に倒されてしまう勢いです。
疲れてきましたがあとは残り半分、近江八幡に帰るだけ!
14:10 ゆっくりしていると空が暗くなり…
各々自由に休憩していると空の様子に変化が。内陸から暗い雨雲が迫っていたのです。
14:16 雨が降り始めた
展望台で観光していた一般の人たちも急いで車に戻り始め、僕たちも急いでレインウェアを着て出発します。サドルに跨るとほぼ同時に全身に雨粒が当たり始めました。
14:46 雨のパールロード
鳥羽展望台から30分ほどアップダウンを繰り返すと志摩に到着しました。この頃には4人はバラバラになり、それぞれのペースで次のPCを目指します。
途中、何度か止まって後続を待とうか考えましたが何もないところでじっとしていると身体が冷えてDNFに繋がりかねないのでペダルを回し続けました。
泥除けとマッドフラップが有ってよかった
突然の雨でレインジャケットしか持っていなかったので身体が冷えないか少し心配でしたが、自分のランドナーには前後タイヤを覆う長い泥除けと、先端にはマッドフラップが装着されています。
お尻や背中がタイヤからの水しぶきで濡れないのはもちろん、地面近くまで伸びたフロントの泥除けとマッドフラップのおかげでシューズやチェーンリングも水しぶきから守られます。
雨の勢いが強いので当然、空からの雨粒で雨具の無い下半身は少しずつ濡れていきます。それでも路面からの水しぶきが無いのでレインジャケット1枚でパールロードの雨を乗り越えることが出来ました。
15:49 177.8km PC2 I君、Y君とはここでお別れ
一人になってPC2のコンビニに到着。買い物をしておにぎりを食べているとSも無事に着きました。彼はレインジャケットではなく撥水加工されたウインドブレーカー1枚で雨の中走ってきました。
まだ到着しないⅠ君とY君が気になりますが、長い時間待ち続けると僕たちも身体が冷えて動けなくなってしまうのでメッセージを送って2人で先に出発することに決めました。
すると、出発しようかというタイミングでⅠ君とY君が到着。とりあえず二人の無事を確認できて一安心。
この先のことを改めて相談し、4人でゴールを目指すことはここで終了になりました。
雨は降ったり止んだりを繰り返す
I君、Y君と別れた後も雨雲の下を走りました。PC2を出発して30分ほどの地点で雨の勢いが強くコンビニで雨宿り。
裏起毛タイツのみだと下半身が冷えそうだったので輪行用に入れていたニッカーを履いて防寒対策。フロントバッグの中身をフル活用して状況に対応していきます。
雨のライドではサイクルキャップも欠かせません。高性能な防水生地で出来たキャップもありますが、コットン製のオーソドックスな物でも充分役立ちます。キャップのツバが目元に当たる雨粒をカットしてくれるので雨天でも視界を保つことが出来ます。縁さんのサイクルキャップは個性的な柄が揃っていておすすめです。
17:49 215.2km PC3 ミニストップ松坂丹生寺町店
日没まで1時間を切った頃、PC3に到着しました。到着する前にPC3では長居せず、太陽が見えているうちに距離を稼ごうと話していました。すぐ出発するつもりで僕は飲み物だけ購入。
後から店を出てきたSの手には山盛りのフライドポテト(笑) 横で見ていたら僕もお腹が空いてきました。
18:27 明るいうちに先を急ぐ
Sがポテトを平らげるとすぐにPC3を出発。路面も乾いて走りやすくなりました。向かい風に抗いながら距離を稼いでいきます。
ヘルメットについているLinden BK-02の光センサーが周囲の照度の低下を検知して点滅を始めているので暗闇に包まれるのはそう遅くありません。
Edelux2のスイッチを点灯に切り替えて夜間走行に突入していきます。自分の自転車はハブダイナモ給電で前後のメインライトが点灯します。ハブダイナモは低抵抗で理想的なフランジ間寸法を備えたSON Delux Widebody。今年完成したもう一台のブルべ用ランドナーからホイールだけ拝借して今回のブルべでは使用しています。よりパワフルに電気を生み出すSON28に比べると抵抗感が少なく、体感ではありますがより楽に進めていると感じます。
もちろん高性能なレース用のハブとライトに給電しているSON Delux Widebodyを比べたら抵抗は後者の方が大きくなりますが、それでも速度に大きな差は無いと思います。
長年SON28ハブダイナモで組んだホイールをブルべでも使ってきましたが、今回改めて実際に乗って比較するとブルべにはより抵抗の少ないSON Delux Widebodyをおすすめします。
SON28は低速から出力が高いので、のんびりと走る自転車におすすめです。(それでもライト点灯中の抵抗感は僅かです)
19:42 シューズが水没すると夜がつらい
もうすぐ関宿という所で夕飯休憩の為コンビニに立ち寄ります。
ここではカップヌードルと肉まんを食べて身体を温めました。
レインジャケットの下に朝まで着ていたオレンジ色のベストを重ねて手持ちの衣服を全て着込んだ状態になりました。手袋と靴下は湿ってはいますが、どちらもメリノウールなので痺れるような冷たさもありません。雨を予定した装備ではありませんでしたが上手く機能しています。
SはPC3で靴下を買いたかったようですが、取り扱いが無かったのでここまで水没したシューズと靴下で走ってきました。ようやく乾いた靴下に履き替え、更にビニール袋で靴下を包んで濡れたシューズから水が染みるのを防いでいます。
夕飯休憩中にI君とY君が松坂のPC3でDNFしたことを知りました。
PC2で別れた後、彼らも雨の中松阪まで走って撤退を決めたようです。雨が降ると体力を消耗するのはもちろん、適切な装備が無ければ今日の天気では低体温症になりかねないので正しい判断だと思います。
頑張ることはもちろん大事ですが、一定の線引きは必要です。今回の経験を活かせば今度は彼らも完走できるはずです。
21:00 復路の鈴鹿峠
夕食休憩を終えると関宿を抜けて国道1号線鈴鹿峠を登ります。
休みの前日、親方にブルべで鈴鹿峠を往復すると話したら「ご愁傷様…」と苦笑いしながら言われたことを思い出しました。
いや、まあ、確かに風情はあまり感じられないし交通量もそれなりにあるので昼間に敢えて走りに行きたい峠ではないですが、21時頃なら交通量は極僅かで快適でしたよ。
と、強がってみましたが普通の人は交通量の少ない夜の9時に鈴鹿峠を走らないですよね…。
ゴールまで残り20km、再び嵐に
鈴鹿峠を越えて滋賀県に戻ってきました。
甲賀市の路面はドライ。このままゴールの近江八幡まで行けると思っていたら路面が濡れ始めました。どうやら雨が降った後のようです。
雨に直撃せずタイミングが良かったと思っていたら残り20kmを切った辺りで顔に雨粒が当たり始めました。向かい風も強く吹き、雨が打ち付けてきます。
まるで川に浮かぶ舟を操縦しているような感覚を覚えながらゴールに向かってペダルを回し続けます。途中で追いついた2名の方も僕たちの後ろについて走り続けます。
名前も何も知らない方でしたが、夜の雨の中一緒に走っていると何か連帯感のようなものを感じます。もし一人だったら最後の雨に心が折れてしまったかもしれませんが、後ろに一緒に走っている人がいると不思議と頑張れるものです。
22:34 301.5km フィニッシュ 15時間34分で完走
走行距離が300kmを越えてゴールのコンビニに到着しました。ゴール受付が更に5km先の306kmにあるので、フィニッシュのコンビニに気が付かず通り過ぎそうになりましたが後ろ3人が教えてくれて助かりました。
レインジャケットだけで日没後の雨の中凍えずに走り続けることが出来たのは、泥除けとマッドフラップを装備していたからです。もし泥除けの無い自転車だったら、一緒に走ったSほどタフではない自分はゴール目前でもDNFを選択していたはずです。3年前に経験があります…
泥除けとフロントのマッドフラップはライダーだけでなく自転車本体も守ります。チェーンにかかる水しぶきが少ないということは、その分潤滑も保たれます。
チェーンオイルはフィニッシュラインのセラミックウェットルブを長年使用していますが、今回も期待通り最後まで潤滑を保ちました。
泥除けとマッドフラップを装備したランドナーは同じコースを走った泥除けが無い自転車と比べると汚れが少なく綺麗です。300kmブルべ後も最低限のメンテナンスで済みます。丸々洗車する必要はありません。
オダックス近畿2023年版300kmピンバッジ
フィニッシュからさらに5km走って近江八幡駅近くのゴール受付へ到着。主催者の方にブルべカードを提出し、PCのレシートとフォトコントロールの通過証明写真を確認してもらって無事に完走認定です。
毎度楽しみにしているオダックス近畿のピンバッジをゲット。これで残りは400kmと600km!
次のブルべが楽しみです。
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アイズバイシクルではブルべを走るためのランドナーのご相談もお待ちしております。まずはお気軽にご来店ください。
台湾出張で少し間が空いてしまいました。
「春の島旅、与論島編」も書こうと思っていいるのですが、なかなか時間が取れずにいます。。。
でも、その前にお知らせを一つ。
一部の方々には3月末に発売開始とお伝えしていたグランボアの新しいタイヤですが、少々生産が遅れています。先日も工場までお邪魔してメーカーであるパナレーサーさんと最終の話を進めてきました。楽しみにされている方には大変申し訳ありませんが、もう少しだけお待ちいただけますようお願いいたします。
で、名前が正式に決まりました。
Route Forestiere – ルートフォレスティエール
日本語にすると「林道」。
直球ストレートな名前なのでイメージしやすいとフランスの友人からも好評です。
2019年のコンクールマシンで試作をしてからほぼ4年。グランベルキングで採用されているアンチフラットケージングをグランボアのエキストラレジェに組み入れた、パナレーサーさんのラインナップにもまだない組み合わせのモデルです。コロナやいろいろな事情でプロジェクトが進まない間、私もこの試作タイヤを実質2年以上使用してきまたしたが、一度もパンクせず、今も使い続けられているってかなりすごいタイヤだなと感じています。大した距離を走るわけではありませんが、ブログで紹介している北海道や鹿児島ツーリング、今回の島旅でもずっと使っています。
最初の生産は36Bと42Bのみですが、順調にいけば4月29日の京王閣のフリーマーケットでデヴューできるかと思っています。
是非、楽しみにお待ちいただければと思います。
今年の桜は早いですね。通勤途上の小川に沿って植えられたソメイヨシノがもう満開です。そんな小振りでもあでやかな桜並木を見ていると桜の香りのする道をのんびりと走ってみたくなります。そこで次の定休日には篠山城から篠山北部を流れる宮田川沿いの桜並木を走ることにしました。このコースは以前タンデム学会で走った丹波の里山を走る抜ける気持ちの良いコースです。
今回はグランボアのイベントではなく私たちのプライベートランへのお誘いです。平日のことですのでお時間の都合のつく方にご一緒いただければと思います。
アイズバイシクルの定休日の4月3日午前10時に丹波篠山城址の三の丸公園駐車場においでください。
あ、そうそう今日フランスから荷物が届きました。ベルトゥーサイクルのサドルやバッグそれに新製品のバッグカバーなどです。お待たせしました。
アイズバイシクル3月下旬の営業予定です。
・3月22日水曜日 諸事情によりお昼過ぎからの営業となります。
・3月23日木曜日 3のつく平日なので定休日です。
上記以外は通常どおり営業いたします。
もう少しでお花見サイクリングも楽しめそうですね。皆さんお勧めのスポットはありますか?
2月28日 沖縄本部~沖永良部伊延港~田皆崎~沖永良部和泊・コチンダホテル
3月1日 沖永良部島和泊港~与論島
フェリーで沖永良部島へ。
朝の7時に那覇を出たフェリーは本部港に9時に入港、9時20分に出港するスケジュールです。乗船手続きは1時間前までに済ましておく必要があるので、港には8時20分には着いてチケットを購入し、乗り込み場所で待機することになります。今回はそれほど混んでは無かったのですが、混雑時は事前予約が必要な時期もあるようです。要注意ですね。
前夜のホテルから港までは6キロ程度ですので8時にチェックアウトしても間に合います。
思っていたより大きな船でちょっとビックリしました。
日常の足として利用される方や、貨物の運搬など、島々をつなぐ欠かせない交通手段なんですね。これだと揺れも少なくて快適そうです。
***
でも、そもそも、なんで沖永良部?
当初の親方が立てたプランでは沖縄2泊、与論島3泊だったのです。
でも、周回して20数キロしかない島に3泊??
私「3泊も何するの?」
親方「たそがれるの。」
少し前に見た映画の受け売りで答えが返ってきました。
その映画を一緒に見ていた私も島のイメージが偏ってしまっていて、「これはまずい。。」と内心思いました。実際に地図を何度見ても、自転車ですべての名所・観光地を回ったとしても1日もあれば十分な規模のように見えたのです。
絶対に退屈のあまり仕事をしだすか、最終的にケンカになる!!
実際はそんなことは全然なかったのですが、なんだかもったいない気がして与論島の北に位置する少し大きな島にも立ち寄ることとしたのです。沖永良部島は周回しても60キロありません。しかも、予約が取れた宿は別館で「島のサイクルズ」として島内サイクリングにも力を入れている様子です。
***
さぁて、沖永良部島までは与論島経由で5時間の船旅です。
今年のラリーグランボアの記念品の「旅する手帳」に旅の記録をしたため、海と空を見ながらオーディブルで物語の世界に浸れるなんて、本当に贅沢な時間でした。
20-30代のころは人並みに読書も楽しんできて大好きだったのに、振り返ればここ何年もの間、こんなに没頭して本を読むことが無かったなぁ。今となっては実際に細かい文字を追い続けたりできないし、大きなハードカバーの本は手に持った時点で読むことを断念してしまうことが多かった。それが、「聞く」という作業で長編作を読破することができるのです。しかも、この時に聞いていた「宝島」は沖縄の方言がセリフに多用されていて、沖縄出身のナレーターの読み聞かせがとても有効でした。
オーディブルなどの「朗読ツール」は私にとって、今や日常の救世主的なツールです。通勤時間や家事、仕事場での単純作業、お風呂タイムに欠かせない物となりました。スピーカーを使うことで同じ本を同じタイミングで共有できるのも良いですよ。この数ヶ月で何冊も読むことができました。
オーディブルで読んだこの本があまりに面白くて思わず実際の本も買ってしまった。買ったと言っても中古書店で192円。
さて、そんな有意義な5時間を過ごして沖永良部島に着いたのですが、なんと、予定していた太平洋側の和泊港ではなく、東シナ海側の伊延港に着くとのアナウンス!!
私たちはこの伊延港の存在すら認識しておらず、ちょっと慌てました。でも、お天気や潮の流れで割と頻繁に着く港が変わるようで、ほとんどの方は平然とされています。まあ、そうですよね、この2つの港は最短距離で3キロほどで、車だとなんてことない距離ですから。でも、自転車旅では要注意事項です。特に乗船時もどちらの港から出るのかは当日の数時間前じゃないと分からないそうですから。
船を降りて走り始めたのは2時すぎでした。
当初の予定では港の近くの宿に荷物を置いてから適当に往復しようと思っていましたが、島の南側をぐるっと走ることになりました。
結果的にこの方が良かった。翌日の午前中に島の北側を走ればちょうど一周できます。
いきなり南国感満載の植生が迎えてくれました。
芭蕉の木。バナナ?
鳥も違いますよ。
日本の里山のお友達、トビは1羽もみませんでした。その代わり、、、
日頃見ない鳥を見られるだけで嬉しくなってきます。
走りはじめてすぐに気が付きましたが、島のメインの県道を走っていたのでは肝心の海が見えない。来たからにはやはり海沿いを走りたいので脇道から浜へ向かおうとすると畑作業されていた地元の方がウミガメがいるという浜を教えてくれました。
うーん、どれどれ。
目を凝らしてしばらく眺めていましたが、見つけられません。
それにしても見たことない海の色。
後から聞くにはカメは満潮時に藻を食べにこの場所までやって来るんだとか。当然ですが、行けば必ず会えるものではありません。右端に唯一写っているのはウミウ。
半崎
ヤギ一家、放牧中?
田皆岬の灯台が見えました。
折角目的地に着いたのに海の写真がありません。。。
というのも、本当の岬へはここから歩いていく必要があり、時間的に諦めました。でも、今思えば行けばよかったな。
島の西側。
サトウキビ畑は正に収穫の真っ最中でした。
親方の自転車は去年のJBTで前野店長が乗ったステンレス車。最近は好んでこれを乗っているような気がする。
この日はここで17時30分くらい。宿に入れたのは18時を回っていました。
やはり、観光しながらだとちょっと余裕がなかったな。。
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翌朝。
まずは展望台へ。
眼下に見える公園の花壇にはユリの苗がびっしり。
街のあちこちで見かけたものと同じです。調べると「えらぶユリ」と呼ばれる沖永良部島の特産品だそうですよ。
花の時期は素晴らしいでしょうね。
沖永良部空港
手前の畑には田芋が植えられています。
このお芋を原料にしたお菓子はとても美味しかった。古くから沖永良部島と与論島で先祖供養や神事でも使われてきた特産品だそうです。
前日の夕食で入った串カツ屋さんで、最近は近くにクジラの親子がいて割と頻繁に目撃されているという情報を貰いました。で、期待に胸を膨らませ向かうことに。
子供がいるので30分に一度は息継ぎに上がってくるよ、と教えてもらったのでしばらくいましたが、結局クジラには会えませんでした。海次第で東シナ海と太平洋を行ったり来たりしているそうです。
ただただのどかできれいな海。その海の向こうの島影は徳之島。
クジラもウミガメも見れませんでしたが、なんだか満足して港へ向かいました。その道中に日本一のガジュマルの木があると言うので立ち寄りました。
現役の小学校の敷地内ですので、職員の方に許可を取って中に入らせていただいてます。
子供たちもいましたが、みんな元気で、キチンと挨拶してくれて、ガジュマルの木と共にそんな事にも心が温かくなりました。
ざっと駆け足で巡った沖永良部島。
2-3泊すればクジラにもウミガメにも会えたんでしょうね。
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【宿泊情報】コチンダホテル
「コチンダ」って「東風平」って書くようです。「ひがし風」「はるかぜ」を意味する沖縄の言葉。
赤い瓦屋根の長屋風のコテージ。中央にはガジュマルの木。食事は朝食のみ。喫茶やアメニティーグッズなどはコテージの共有スペースにまとめられています。
宿のチェックインとチェックアウトは「島のサイクルズ」で。
気さくなご主人が食事の場所や島の見どころなど教えてくれますよ。
レンタサイクルもあり〼。
次は与論島編です。