訃報
フレームビルダーの入部さんが昨日亡くなられました。
いままでたくさんのグランボアフレームを作っていただき、大変お世話になりました。心より哀悼の意を表します。
最初の出会いは20年程前のことでしょうか、常連のお客様に連れられてひょいとアイズに遊びに来られたのでした。それからいくつかのフレームの修理・加工を依頼して行き来して、フレームにまつわるいろいろな相談に乗っていただいていたのです。ところが、そのころ競輪界でちょっとした事件があった影響で大量の注文を抱えることとなり、連日夜遅くまで仕事していて血管のご病気で入院してしまったのです。
その後、無事退院されたものの体調は十分でなく、本業の競輪フレームとは別にランドナーフレームを作っていただけることになったのです。私は自転車のプロデューサーとして作り手と注文主の間を仲介する立場で無理難題をお願いしたり、逆に製作方法について宿題を出されていろいろ調べて回ったこともありました。難しいランドナーのフレーム作りをたくさん引き受けていただきました。
最後にお会いしたのは3月の上旬でした。工房を訪れるといつものように歓待いただき、業界のよもやま話で盛り上がったものでした。そしていつものように次のフレームの製作をお願いしてお別れしました。ところが、先月、4月の半ばに再々入院されるとのお電話をいただいきました。近いうちにお見舞いにお伺いしますと云ったのですが、残念なことにそれは叶えられませんでした。
つい先日の30日に初のオーナーズミーティングが有志の呼びかけで開催され、入部さんの作られたランドナー・レーサー・マウンテンがたくさん集まりました。入部さんこんな仕事もしていたのかと改めて目を見張りました。新しい入部さんの作品を見られなくなったのは残念ですが、たくさんの人々に愛される自転車を残されました。本当にありがとうございました。
なお葬儀はご家族のご意向で密葬で執り行われるそうです。四十九日の法要の後に改めてお別れの会が催されるとのことです。
昨年12月にアイズ店内にて
お知らせイロイロ
メール、復旧しました!
どうなる事かと心配しましたが、無事復旧しました。長引かなくて良かった〜。ご心配おかけしました。
ただ今メールが機能していません。
ちょっと設定の更新を失敗してしまい、今日の2時過ぎからメールの送受信できなくなってしまいました。。。ただ今修正中です。復旧までご迷惑をおかけしますが、お急ぎの方はお電話(075-461-0835)、もしくはファックス(075-461-0836)でご連絡をお願いします。
幸せの青い鳥
まずは先日の西日本豪雨で被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
今回の3日間にわたる豪雨は京都の北部にも多大な被害をもたらしました。幸い、私たちは2日間の軟禁状態のみでほとんど被害は受けませんでしたが、初めて京都市内へのすべての道が絶たれ、避難指示を受けることとなり、言い知れぬ恐怖と不安を体験しました。それを思うと、これまでに実際に被害にあわれたり、その災害を目の当たりにされたりした方は大変なご経験となったことかと思います。アイズのお客様はたくさんではありませんが、日本各地におられます。ですので、こんな災害のたびに心配してしまいます。どうぞ、ご無事でいてくださいますように。
そんな長い雨がようやく止んだその日は毎年の恒例の七夕蚤の市でした。さすがにいつもに比べて来店いただいた方は少なめでしたが、それでもたくさんの方に来ていただけて楽しい一日でした。お買い物よりもおしゃべりに来ていただいたような、そんなありがたい方もチラホラ。日頃は何かとバタバタしてますが、この日だけはスタッフ皆でおしゃべり体制ですから。
皆様、ありがとうございました。
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そして、野田店長の退職のお知らせの後、多くの方からブログやSNS、メールやお葉書などを通して感想や励ましをお寄せいただきました。特に福岡在住の方からは「待ってるよ!」とのお言葉を多くいただき、本人ともども喜んでいます。本当にありがとうございます。彼の報告に驚かれた方も多かったかもしれませんが、実は早くから決まっていたことで、その時期を見極めるのに少し時間を要していました。業界全体があまり元気がない今、この決断は勇気がいる事でした。ですが、皆様のお声は彼にとって間違いなく大きな活力となります。重ねて御礼申し上げます。ありがとうございます。
そして、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
大学在籍中からアイズでお仕事してもらうようになって、今年で11年目。始まりはアイズがオリジナルのタイヤを作り始めて2年目、ちょうどエートルを発売した年に当たります。それから多くのオリジナルタイヤが生まれ、リムや泥除けやハンドル、ブレーキなどのパーツだけでなく、エトワールやコンコルド、ERシリーズなどのセミオーダーモデルが誕生するわけですが、野田はそれらの開発をずーっと間近で見てきました。また、サイクルモードへの出展や昨年のフランスでのコンクール、たくさんのチャレンジを彼も一緒に手伝ってくれました。
それに、ヴィンテージの自転車に関してもたくさんの経験を積んでいますよ。アイズにやってくるほとんどすべての名車は彼らスタッフにとってもまたとない先生です。最初はもちろん親方から事細かに指導を受けながら分解したり、組み立てたりするわけですが、日本に息づくランドナー文化の根幹の部分をその歴史と一緒に一台一台の自転車そのものから学んでいます。
たくさんの在庫を抱えるアイズのやり方はとてもビジネス的にはお手本にはなりえませんが、自転車職人として積んできた経験の高さは間違いありません。そして、30才を迎えたばかりの若者の中では唯一無二の存在だと言えるでしょう。
先日、野田店長の送別ツーリングに出かけてきました。
前泊した山田温泉の宿の窓からとても良い声で鳴く鳥の声で目が覚めました。持参した双眼鏡で覗くと、小さな青い鳥がひときわ高い針葉樹のてっぺんで全身を振るわせて歌っています。
「ルリビタキだ!」
まるでこれからの前途を祝福してもらったかのような気分でした。
このブログを読んでくださっている皆様にも小さな幸せがやってきますように。