アイズの独り言>

2016.11.22

BRM1008大津600km

こんにちは、スタッフの前野です。

少し前の話ですが10月8~9日に開催された大津~新潟を走る600㎞ブルベに参加してきました。

前回のブルベは単独での参加でしたが、今回は初600㎞の友人(以後友人Sと呼ばせていただきます)も一緒です。彼とは大学時代同じサイクリングクラブに所属し、九州一周、四国一周を共にした仲です。今年からブルベに参加し、グランボアのランドナーで200、300㎞のブルベを完走しています。

コースは大津を出発して琵琶湖の湖岸を北上し、関ヶ原を抜けて岐阜から高山へ。高山から野麦峠で松本へ抜け、妙高高原を越えて上越へ。上越から先は日本海を左手に新潟まで走ります。このコースを40時間以内に走り切るのです。前半約300㎞は上り基調で、野麦峠を越えてしまえば峠はあるものの下り基調。後半約150㎞は海沿いの平坦路です。獲得標高は4800m、野麦峠を越えてしまえば完走が明るいコースプロフィールなので、2人揃って完走できると考えていました。

 

 

大津駅をスタートするのは午前6時、眠い目をこすりながら4時過ぎに自宅を出発して大津駅へ向かいます。
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まだ暗い大津駅前には既に多くの参加者が。天気予報は曇りのち雨。天気予報を見て友人Sはなんだか弱気です。「自分は松本まで行ければ十分だ」とまで言っています。「どうにかして友人のやる気を引き出さねば!」と思いますが僕自身も、深夜に超える予定の野麦峠の気温、天候が心配でした。とりあえず友人Sが行けるところまでは一緒に走って、もし何かあったらその時決めることにして肌寒い大津駅をスタートしました。

 

 

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【装備紹介】

フロントバッグの中にはゴール後に着る衣類、レインジャケット、防寒用のウールインナー、手袋、シューズカバー、予備チューブ2本、モバイルバッテリーなどが入っています。8月の北海道600㎞に比べると防寒具、輪行時の着替えなど荷物が多いです。携行するボトルは一本にして、空いたケージにはレインパンツを入れています。雨予報だったので、普段は使わないクロスカントリー用のチェーンルブを使用しています。

8月の600kmでは上下ルイゾンボべを着て走りました。今回の600kmは寒暖差が激しい10月開催のため、ウェアも異なっています。まず上はルイゾンボベの半袖ジャージゾーリンゲンとメッシュのアンダーウェア、アームカバーを基本とし、夜間に気温が低下した場合はメリノウールのアンダーウェアを着用します。ルイゾンボベのジャージはメリノウールが含まれているので、化繊のみのジャージに比べて快適に着用できる気温帯が広いです。下半身は荷物削減のため、1枚のビブブショーツで乗り切れるよう、裏地フリースの七分丈ビブショーツを着用しました。夜間、想定よりも気温が下がったらレインパンツを履きます。

ブルベは昼夜、天候を問わず走行するのでウェア選択はとても重要です。特に気温が低くなる秋~春の峠では遭難に繋がりかねないので自転車選び以上にウェアの選択が成否を決めます。

 

 

 

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スタートしてしばらくの間は幹線道路を走行するので黙々と走ります。友人Sも調子が良さそうで、30km/h前半を維持しながら距離を稼いでいきます。関市を抜けるまでの約140㎞は交通量が非常に多く、とても気を使う区間でした。

 

 

関を抜けると山間を縫うようにして下呂方面へ向かいます。

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ダム沿いを他の参加者と共に走ります。写真では確認出来ませんが、ダム対岸の斜面には民家が点在しています。普段走っている京都北山の景色とは異なる雰囲気で、旅情を感じます。

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こちらは約190㎞地点の岩屋ダム。ダムの壁が岩で敷き詰められています。ロックフィル式ダムというもので粘土質のコア、砂や砂利で構成されるフィルター材、そして外側の岩から成るロック材の3層で構成されているそうです。なかなか見ることがないタイプのダムだったので友人と写真を撮りながら休憩します。ダムカードをもらってこなかったのが少し悔やまれます。

ここまで雨の勢いは弱く、レインウェア無しで進んできましたが、雨脚が強まりレインジャケットを羽織ります。この時点で午後3時、この先さらに雨が強くなる予報です。景色を眺めている僕の横で友人はリタイア後のことを考え、天気予報や帰りの電車を調べ始めました。

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岩屋ダムの上から馬瀬川を臨む。

なかなか足を運ばない場所に来られるのも、ブルベをやっていて楽しいと思うポイントです。普段はダムを目当てにツーリングコースを組むことがありません。こんな景色を見ると、淡々と通り過ぎるのが惜しくて脚を止めてしまいます。

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岩屋ダムを後にして交通量の少ない山道を進みます。走りながら今後の進退について話し合い、体調不良と天候悪化で友人SのDNF(Did Not Finish)が濃厚になりました。この時、僕は友人Sと別れて走り続けるか否か決めかねていました。

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道の駅馬瀬美輝の里で足湯につかります。岩屋ダム以降、友人Sは体調不良で走りに覇気がありません。この先、別れて一人で進みことも考えましたが、折角予定を合わせて走っています。今回はブルベの完走にこだわらず、楽しく走ることを優先して自分もDNFすることにしました。

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DNFを決めて鉄道や宿がある町に着くまでは自分の脚で進みます。ブルベではリタイアした人を回収するためのサポートカーは用意されていないので、リタイア後も自己完結しなければなりません。

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下呂の市街地に到着し、DNFの連絡を主催者に入れて急いで宿探しです。時刻は16時過ぎ、3連休初日ということもあって、空室を見つけるのに難儀しました。
10軒近く電話して部屋を確保。布団と風呂で英気を養い、明日以降の行程を計画します。下の地図は1日目の走行ログです。

 

友人Sも宿に入って体調が回復したようで、2日目は下呂から高山へ抜けて天生峠を越え白川郷へ。白川郷で茅葺集落を観光し、五箇荘から砺波、金沢まで走ることに決めました。金沢で輪行してその日のうちに京都に帰る計画です。


 

 
2日目は飛騨までブルベとほぼ同じ道を走って高山へ抜けます。途中に野麦峠への分岐がありました。もしDNFしていなかったら深夜に大雨の中、同じ場所を通過していたかもしれません。写真はトンネルを迂回して走った旧道です。交通量ゼロ、川沿いの静かな道を満喫しました。ブルベ中と比べて頻繁に立ち止まって写真を撮り、走るペースもスローになりました。友人と他愛もない話をしながら景色を満喫し、のんびりペダルを回していい気分です。まだ午前中で、時間に余裕があって気楽でした。のんびりサイクリングが後半に響くとは思いもせず…

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2日目のメイン、天生峠です。飛騨から合掌造りで有名な白川郷へ抜ける標高1289mの峠で、国道360号線上に位置しています。登りの飛騨側は細かいヘアピンが多く、路面は比較的きれいです。下りの白川郷側は落石、落ち葉が路面を荒らし、全体的に頭上は樹木で覆われており薄暗い道でした。

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序盤は九十九の急こう配が続きます。

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標高を稼いでいくと勾配は緩やかになり峠に近づいていきます。紅葉シーズンに行ったら絶景が期待できます。峠には天生湿原と籾糠山への登山口が設けられ、車とバイクの往来も少なくありません。

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峠に到着して少し休憩した後、ウインドブレーカー代わりにレインジャケットを羽織って白川郷へ下っていきます。この白川郷側の下りが落石と大量の落ち葉、枯れ枝でスリリングなダウンヒルになりました。

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天生峠を下ると白川郷の入り口に合流します。実は以前もブルベで白川郷に来たことがあったのですが、その時は深夜に通過しただけ。暗闇の中、茅葺集落のシルエットがぼんやりと見えただけだったので、今回初めて白川郷を見学することが出来ました。ここで昼食をとります。

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午前中のまったりサイクリング、天生峠と白川郷見学で時間が押してきました。白川郷を出た後は前日のブルベと同じか、さらに速いペースで先を急ぎます。何せこの日のうちに京都へ帰ると決めたので、終電金沢駅発20:30に間に合わせなければなりません。実は2日目の走行距離は天生峠を含んだ約180㎞、午前中にまったりサイクリングをしていられるほど短い距離ではなかったのです。

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僕たちが先を急いでも登り坂が平らになってはくれません。「昨日のブルベよりもしんどいな~」と嘆きながら坂を上っていきます。

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南砺に到着したあたりで日没を迎え、2時間ほどナイトランをして金沢駅に到着しました。初日は日没前にDNFを決めて宿に入ったので、ナイトランをした2日目の方がブルベの雰囲気があったかもしれません。

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金沢駅に到着したのは19時過ぎ。急いで輪行すれば終電より1時間早い電車に乗れそうだったので10分ほどで輪行、急いで特急に乗り込みました。京都まで約2時間、友人と乾杯して今回のブルベの反省と思い出を語り、帰路に着いたのでした。

 

今回はDNFに終わりましたが、楽しくツーリング出来たので結果オーライ。完走にこだわる事も大事だと思いますが、楽しく走って無事に帰ってくるのが一番です。

今年はエントリーしたブルベが少なく、スーパーランドナー獲得を逃しました。来年は出走回数を増やして、スーパーランドナー獲得+1000kmブルベに挑戦しようと思います。

まえの

10月に入り、グッと秋らしくなってまいりました。サイクリングには良い季節ですね。

2週間前のお休みに、お天気良いのを確認して、大分県は久住高原まで1泊ツーリングしてまいりました。流石に九州は車で弾丸するのはツライ。。だけど九州にもいってみたい。。そこで、新幹線と九州の鉄道網を駆使して、カーサイと変わらない「良いとこ取りツーリング」してきましたよ!

 

【往路】
JR京都駅(発7:20)→新幹線ひかり491号→小倉駅(着9:56/発10:09)→特急ソニック11号→大分駅(着11:38/発11:58)→九州横断特急64号→豊後竹田(着13:01)→自転車→宿(標高853m地点)

 

 

自宅からの電車移動、概ね6時間を経て、昼過ぎに豊後竹田の駅に降り立ちました。

駅の到着メロディとして流されている「荒城の月」を背に、すぐ右に折れ、飛田川沿いを緩やかに上って行きます。4-5%勾配の2車線道路は走りやすいのですが、その分、 スピードを出した車も結構走っていて、油断できない道でもありました。 天気は良く、日差しはまだ夏を感じさせるほど。季節は京都と比べるとちょうど1ヶ月遅れといった感じで、田畑を見れば黄金色の稲穂は収穫直前で美しい盛りでした。緩やかに上る、見晴らしの良い高原道路はハイシーズンの週末などはさぞかし賑わっているのでしょう。ですが、この日は阿蘇山の噴火が報道されてちょうど3日目。直前まで行くかどうか悩んでいましたが、勢いで決めました。

噴火だけではなく、今年の4月におきた熊本地震の影響をそこかしこに残すやまなみハイウェイを1泊2日で大人旅してまいりました。

 

 

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自宅を出発したのは朝の5時半。電車4本乗り継いでの輪行三昧スタートです。親方、未だ眠そうです。

 

 

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大分駅。九州に入ると車両の色が本州とは違っていて新鮮です。

 

次の列車は真っ赤な車両の九州横断特急64号。

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「かあちゃんの幕弁」。ワンコインのこのお弁当、とっても美味しかったです。

 

 

豊後竹田の駅にも予定通り到着。

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「はーるーこーろーのー。。」に見送られていよいよツーリング開始です。

 

 

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残念ながらこの日は久住山は雲の中。

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スピードを出した車が時折走る2車線道路をできるだけ避けて旧道を走ります。そのほうが遠回りでも良い景色と出会える確立は格段に上がります。

ですが、緩やかですが、走り始めてからずっと上り坂。30キロ弱の距離でしたが、終盤かなり堪えました。。。

 

 

 

 

それでも、ようやく、この日のお宿があそこに!

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なんとか夕暮れまでに辿り着けました。

 

【STRAVAデータ】

走行距離 26.9km

獲得標高 880m

走行時間 2時間34分 (寄り道含まず)

 

 

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【複路】

宿(標高853m地点)→自転車→湯布院駅(発16:06)→JR久大本線→大分駅(着17:01/発17:10)→特急ソニック50号→小倉駅(着18:37/発18:49)→新幹線のぞみ62号→京都(着21:16)

 


2日目の朝。高原に面したバルコニーから賑やかな鳥の声が聞こえてきます。そっと外に出てみると鳥の姿はいくつも見つけられませんでしたが、朝霧に包まれた広大な景色に息をのみました。これまで訪れたことのある南仏にも、イタリアはトスカーナにも決して劣らない、堂々としたすばらしい景色!

「あー、思い切って来て良かった」

いつもより高めの交通費や宿泊代も大目に見れるほどのものでした。

 

 

大きなリゾートホテルの宿泊客はこの日はたったの5組との事で、お部屋がバルコニー付にアップグレードされていました。

そのバルコニーからの景色がこれです。

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祖母連山でしょうか。

 

 

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レゾネイト久住

今回のコースで駅からの距離がちょうど良かった。健脚の方なら5キロ先にももう一軒、更に10キロほど行くと国民宿舎もありましたよ。

 

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この日はお天気も良く、久住山もバッチリ姿が見れました。

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そして、しばらく行くとこちらも朝もやに浮かぶ阿蘇山が!

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うっとり。

 

引くとこんな感じ。

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阿蘇五岳。左手の根子岳をお顔にお釈迦様に見立てて、涅槃像とも言われるそうです。

 

 

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標高を上げてもずっと見えていますよ。

 

そして本日の最高点。

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牧ノ戸峠。

 

 

それにしても自衛隊の車両の多かったこと。

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追い越しは紳士的でしたが、やはり大きな車両が横を通るときはちょっとドキドキ。。

 

 

やまなみハイウェイは親方が18歳のときに訪れた事があるんですって。

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その頃はもう少し見晴らしよかったと思ったけどな。。(親方)

そりゃそうですよ。もう、40年近く経つんですから、その頃植えた小さな木の苗も大木になっている年月ですよ!

 

 

 

途中、南由布院に抜ける脇道を下り、帰途に着きました。

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由布岳もきれいでした。

 

【STRAVAデータ】

走行距離 57.6km

獲得標高 1354m

走行時間 4時間 (寄り道含まず)

つちやはるみ

【国際航路にあこがれて】

一昨年のサハリンツアーで稚内―コルサコフ航路に乗船し、サハリンツーリングを経験しました。それ以降フェリーを利用したツーリングに旅情を感じ、旅の計画を模索するうちにウラジオストク航路の存在を知りました。

その名もイースタンドリーム号。

韓国のDBSクルーズフェリー社が運航する、境港を出港し韓国の東海(トンヘ)に一時寄港し、2泊掛けてウラジオストクを目指す国際フェリーであります。

このレポートは鉄道とフェリーでランドナーを運び、シベリアの大平原を走ろうとした男の話です。

 

 

 

【輪行して境港へ】

出発の朝、自宅より千本通りを下り、二条駅から輪行します。朝のラッシュ時間と重なりそうなので特急券を購入し、きのさき一号に乗り込みました。

 

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輪行袋は最後尾の座席の後ろに置くと邪魔になりません。

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10時頃城崎温泉に到着。時間に余裕があったので城崎温泉で途中下車し、一の湯に入浴することにしました。これも輪行旅行の楽しみの一つです。炎天下の中、大阪へビザを取りに行った事など旅の準備のことを思い出しながら湯につかり、旅が始まっている事を実感します。

 

12時頃真っ赤なキハ48は山陰本線を西に向かって出発しました。空はどんよりとしていて雨も降りだします。スプリングの利いた座席が気持ちよくて、うとうとしていると、気づいたら鳥取に着いていました。鳥取駅で下車し、今度は境港行のリムジンバスに乗ります。29人掛けの中型バスでしたが乗車したのは同行の友人と私の二人だけでした。

 

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境港国際旅客ターミナルに到着したのは日暮れ前。フェリーに乗船する人もさぞ少なかろうと思っていましたが、ターミナルは韓国人の団体であふれていました。定員480人の船に400人乗るそうです。韓国では有名な航路なのかもしれません。

 

受付で運賃2万4千円(内自転車運賃2千円)を支払い、船内に自転車を持ち込めるよう交渉しました。通常は預け手荷物扱いでコンテナに積まれるそうです。輪行袋を担いでイミグレーションを通り、桟橋からタラップを上がって乗船します。

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そして、定刻前に船は静かに出港しました。

 

 

 

【東海ポタリング】

船の受付嬢が部屋にやって来て点呼を取っています。時間は朝8時半頃。どうやら他の日本人を探しているようです。デッキに出ると東海の港町が見えていました。

 

やがて東海港に入港し韓国人から順番に下船します。我々も韓国に入国し、ターミナルで自転車を組み立て、出港までポタリングを楽しむことにしました。海沿いを北上し、東海市街へ向かいます。東海は東海岸の田舎町だけあって交通量も多くなく、右側通行であること以外は日本と同じように走れました。自転車道がある場所もあります。

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スーパーで刺身やカップ麺を購入してターミナルに引き返しました。市内には鍾乳洞があるそうですが時間がなく断念しました。今回は2時間ほどでしたが韓国の雰囲気を楽しめました。東海から上陸して韓国ツーリングをするのも面白いかもしれません。

 

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東海からは完成車のままフェリーに持ち込むことにしました。ランドナーをひいてイミグレーションを通過するのは緊張しましたが、特に問題はありませんでした。タラップからランドナーを担いで乗船すると車両甲板に案内してもらいました。中には中古のプリウスが沢山停めてあります。これからロシアで活躍するのでしょう。

 

晴天の中、船は東海港を離れていきます。東海は韓国海軍が置かれる軍港で、軍艦も多数みられました。船内を見わたすと乗客数は前日の半分以下になっていました。

明日はいよいよロシアに上陸です。

 

 

 

 

【ウラジオストクへ上陸】

デッキで大陸を眺めながら韓国カップ麺を食べているとウラジオストクが近づいてきました。「東方征服」という厳つい名のその街は、ボートで釣りを楽しむ人や海辺でくつろぐ人も見え、1958年から1991年まで軍事的な重要港として外国人は立ち入ることができなかったことなど想像がつかないほど穏やかで美しく見えます。着岸から1時間半程経ちようやく下船の指示が出ました。タラップから桟橋へランドナーをひいて下ります。ついにロシアに上陸しました。

 

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ウラジオストク港

 

東海の時と同じようにイミグレーションへ進みます。ガタイの良いお姉さんが灰色の大型動物を連れてきて、ランドナーと体の匂いを嗅がれます。お姉さんによるとおとなしそうに見えるそれはウルフだったそうです。

 

駅前のキオスク(ロシアでは小型商店を指します)で地図を手に入れ、ピロシキも買って食べました。ロシアのピロシキは具材が多様でひき肉のものやホウレンソウ、卵、ジャガイモ、サラダ入りなど、どれもおいしくいただけました。

 

ウラジオストクは長崎の様に坂の多い港町で、交通量もかなり多く自転車では走りにくいです。ひやひやしながらホテルにたどり着きチェックインをします。英語はほとんど通じなかったので苦労しましたが自転車を建物の中に入れてもらえるようにお願いしました。今回はアイロン部屋に置かせてもらいましたが輪行袋にいれて部屋に持ち込むという手段もあります。安い部屋でしたがテレビが2つもある立派な部屋で、設備は日本のホテルと変わりませんでした。街を散策し、夕食にレストランでポトフと5cmほど厚みのある焼鮭を食べました。豪快なロシア料理でスタミナをつけます。

 

 

 

【シベリア鉄道輪行】

朝食付きだったのでホテルのカフェで食事し、駅へ向かいます。国土の広いロシアは国内で時差がありモスクワとウラジオストクでは7時間の時差があります。鉄道の時間はモスクワ時間で統一されており、駅構内の時計もモスクワ時間を指していました。我々が乗る001番ロシア号は11時2分発でしたが切符には4時2分と記載されていました。

 

赤いベレー帽の車掌さんに切符を見せ乗車します。1等室のコンパートメントは輪行袋2つを入れても問題ない広さで特に気を使うことはありませんでした。定刻に列車が走りだすとパンやチョコレート、ジュースなど次々に出してもらい、更には立派な食事まで用意してもらいました。車窓からは海やシベリアの大平原がゆっくりと流れ大変優雅です。あっという間にウスリースクに到着し、車掌さんが呼びに来てくれます。わずか2時間だけでしたが夢のような時間でした。

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【ウスリースク】

水色が爽やかな駅舎のウスリースク駅に降りました。列車を見送り駅前で自転車を組み立てます。人慣れた犬がその様子を不思議そうに眺めていました。キオスクでウスリースクの地図を手に入れてホテルに向かいます。道も広くウラジオストクよりは走りやすいです。

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ウスリースクは中国、北朝鮮方面からの鉄道の合流点で交通の要所であり、またロシア陸軍の基地がある軍事都市でもあります。街をまわってみましたが調べていたとおり観光するような場所はなく、観光客の姿も見えませんでした。しかし、観光地化されていないリアルな街の様子がうかがえて私はその街並みに好感を持てました。

 

 

 

【シベリア大平原】

 

時計の針が10時40分を指しているのに気づき飛び起きる。到着が遅れることを覚悟しましたが、その時計の針は止まっていました。実際は7時前でした。ゆっくり仕度をして8時前には出発。玄関前にはホテルに泊まっていた高校生の団体が整列しており、彼らに見送られます。

 

街はまるで冷蔵庫のようにひんやりとしていて霧もかかっていました。これが大陸かと身をもって感じながら市街地を抜けます。交通量は極端に減り、路面もダート道(未舗装路)になりました。戦車でも走ったのではないかと思うようなガタガタ道や、ダイナミックな砂利道の丘を超えます。でもショックの吸収性がよいエートルタイヤが路面を捉えてくれるので大丈夫。ウテスノエの集落を抜けるころには霧も晴れてきました。

 

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更に丘を越え目指していた大平原に辿り着きます。思い描いていた果てしなく続く草原に感激します。開放感のある景色を眺めながら昼食にしました。心配していた野生動物も気配すら感じらません。いつまでも眺めていたかったです。

 

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草原を抜けるとシベリア鉄道の線路沿いに南下し、ラズドリノエで主要道路に合流しました。ウラジオストクからハバロフスクを通りモスクワまで続くその道は、まさに高速道路そのものでその脇を走ることになります。路肩は広くありますが舗装されているのは車道の白線までで自転車が走るのはダート道です。大型車の轟音が鳴り響く中ダイナミックなアップダウンが続きそれは過酷な道でした。アルチョームに入るころには慣れてきましたが、決しておすすめできる道ではありません。他に道の選択肢が無いので近郊列車で輪行したほうが良いと思います。

 

アルチョームの街は、花壇が多く綺麗な街でした。公園では子供たちが遊んでいて平和な空気に癒されます。ホテルの場所が分かりにくく迷いましたが、数人の街の人に尋ねてようやく辿り着きました。ロシア人は親切な方ばかりです。

 

 

【アルチョームからウラジオストクへ】

 

 

朝食にホテルのカフェでパンやオムレツを出してもらいました。出発の準備をしていると仲間の後輪がパンクしています。玄関の前でパンク修理をしていると、珍しいのか4,5人その様子を見に集まってきました。受付のお姉さんも煙草を吸いながら眺めています。チューブを交換して出発です。

 

脇にパイプラインが続く道を南に入り、ラズルナヤ方面に向かいます。ほとんど車が通らない道で、アスファルトの上を走ることができました。うっそうとした森の中を進みます。

 

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斜度8%の丘を2度3度越え、海が見えてきました。リゾート地ラズルナヤです。夏場はウラジオストクから海水浴やキャンプをしに多くの人が訪れるそうですが、平日だったせいかビーチは閑散としていました。丁度昼時だったので浜辺でパンを食べ、せっかくなので泳ぐことにしました。どこまでも遠浅の海は地中海のようで日本海とは思えません。クールダウンした所でラズルナヤを出発しウラジオストクを目指します。

 

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交通量がどっと増え道も悪くなってきました。薬品でもこぼしたのかアスファルトに沢山穴があいています。街に入ると車だけでなく歩行者も増え、時には自転車を押さなければなりません。大きな交差点では歩行者と同じように歩道橋か地下道を通りました。やはり自転車で走る街ではありません。街の中心にある中央広場で休憩してホテルに向かいました。

 

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入国した日には気づきませんでしたが中国人団体客や日本人観光客が目立ちます。現在ウラジオストクへは成田から直行便が出ていますので2時間で行くことができますし、気軽にヨーロッパの雰囲気を楽しむことが出来ます。ソ連崩壊から四半世紀経ち、観光地としての一面を見せるようになったウラジオストクは活気にあふれています。自転車には厳しい街でしたが鉄道輪行で郊外や地方に出たらまだまだ可能性のある国だと思います。

 

 

 

【旅の準備】

今回のシベリアツアーで必要とされた準備について紹介します。

1、ビザ申請

現在日本人がロシアへ渡航する為にはパスポートだけでなくビザが必要になります。ビザを取得するにはロシア領事館のオンラインフォームで事前申請し、バウチャーとパスポート、写真、申請フォームを領事館に持っていけば2週間で発行してもらえます。申請・引き取りは代理人でも可能だそうです。

 

2、バウチャー

バウチャーとは予約確認書のようなもので、現地での旅程(特に宿泊先)が記載された書類です。日本の旅行代理店でお願いするかロシアのバウチャー会社、或いはホテルのビザサポート(ホテル予約後メールで紹介があります)で取得できます。今回はホテルのサポートで取得しましたが、とても簡単でした。インターネットで宿泊先の情報を入力し、手数料をクレジットカードで振り込むとPDFファイルがメールに送信されてきます。料金は2千円程度でした。

 

3、ホテル

予約サイトBooking.comとホテルのホームページから予約しました。ホテルの場所やランクも自分で決めることができるので安心です。

 

4、鉄道、飛行機、フェリーの予約

シベリア鉄道はロシア鉄道のホームページから会員登録して予約することが出来ますが、今回はtutu.ruというロシアの旅行会社から予約しました。座席の指定も可能です。航空券は航空会社のホームページから、フェリーはフェリー会社に電話して予約しました。

 

5、地図

プランニング用に事前に東京のロシア書籍専門店から通販で購入しました。現地では駅前キオスクで最新のものが安く手に入ります。

 

6、装備

キャンプの予定がなっかたので最小限の着替えと、最低限の工具を準備しました。さらに路面状況を考慮して予備タイヤを持っていきました。グランボアタイヤは折りたためるのでかばんのそこに入れておくと安心です。*国内でしたらアイズから局止めかご宿泊先にお送りすることも可能です。

 

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ウスリースク駅にて

 

今回のツアーは輪行無しでは実現できませんでした。旅の可能性を広げてくれる輪行ツーリングに貴方も出かけてみませんか?

 

 

 

 

大介店長 (2018年退職)

こんにちは、スタッフの前野です。

8月の最初の週末、お休みをいただいて北海道で開催された600㎞ブルベに参加してきました。

 

まず、ブルベについてご存じでない方が多いと思いますので簡単な説明を。

ブルベとはフランス語で【認定】を意味する言葉で、主催者により定められたコースを規定時間内に走る長距離サイクリングです。ヒルクライムレースのように交通規制が行われる事はなく、参加者は交通ルールに従い一般道を走行します。ブルベのコース上に標識やコース案内は無いので参加者は主催者より配布されたキューシートという案内図を参考に進みます。途中に設けられたPC(チェックポイント)で通過時間をブルベカードに記録し、ゴールで主催者に提出することで完走の認定が貰える仕組みです。

順位やタイムによる表彰は無く、完走した者全員が等しく称えられます。走る距離は最も短いもので200km、ちょうど琵琶湖一周くらいの距離です。200km、300km、400km、600kmのブルベを同一年内に完走するとシューペル・ランドヌールという認定が得られます。ブルベがフランス語由来の言葉というだけに、認定を出している組織の本部もフランスにあります。

また、ブルベは営利目的で開催することが禁じられているので主催団体はボランティアにより成り立っています。よって参加費用も非常にリーズナブルです。今回の600kmは仮眠所、補給食が充実しており、本レポートでも使用させていただいているようにスタッフの方による写真撮影までありました。600kmブルベともなると制限時間は40時間。スタッフの方無しには成り立ちません。

 

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マップケースの中にある表のようなものがキューシートです。

 

 

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今回参加したブルベはオダックスジャパン北海道主催、北海道滝川市発着で、日本海側から最北端宗谷岬を目指し、オホーツク海沿岸を少しだけ走って内陸部を南進し、滝川市に帰ってくる全長605㎞、制限時間40時間のコースです。獲得標高は2000m、最も高い峠でも標高270mほどで、大半が平地となっているため天候と風向きさえよければ非常に走りやすいコースといえます。コースの半分以上は去年の夏に行った北海道一周ツーリングと被っているので自分にとっては少し馴染のある土地でもあるのです。

 

 

朝8時スタートなのでブリーフィングの時間を考慮し、早めに宿を出て滝川のスタート地点で受け付けを済ませます。早めに行ったつもりでしたがすでに大勢の参加者が。なんでもこの日の参加者は100名を超えていたようで反射ベストを着たサイクリストが多いわけです。

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スタート30分前にブリーフィングがあります。ここでは主に直近のコース情報が通知されます。今回は稚内市内で夏祭りが開催されるのが直前になって判明したそうで17時以降に稚内市内を通過するときは迂回の必要があるようです。

 

 

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車検の列。

参加者のヘルメット後部には赤色灯、そしてブルベ参加者のアイコンともいえる反射ベストを着用しています。ブルベ特有のルールとして反射ベストの着用、フロントライト2灯以上装備、ヘルメットへのテールライト装着などがあります。

 

 

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スタート地点では7月にアイズに来店してくださったA様とも再開することが出来ました!

 

 

 

今回は人数が多いのでウェーブスタートになります。

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撮影:オダックスジャパン北海道

僕は10分遅れの第二ウェーブ、8:10スタートです。第一ウェーブの走者を見送ってからの出発です。スタートから留萌までの区間は小さな丘越えです。途中、日本一のひまわり畑で有名な北竜町も通過しました。僕はブルベの前日にひまわり畑を観光しましたが、コースを外れてひまわり畑の方向に向かう人もチラホラ。コースに復帰さえすれば観光したりグルメを楽しむことが出来るのもブルベのいいところです。

 

 

 

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撮影:オダックスジャパン北海道

留萌から先は海岸線を北上していきます。この日は快晴、そして追い風で気持ちよくペダルが回り思わず叫びたくなるほど爽快でした。基本的に一人で走りますが、ペースが合う人とはお互いに前を牽いたり後ろに着かせてもらうこともあります。

 

 

 

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天塩から先はサロベツ原野を走ります。この区間は電線もなく、ただひたすらまっすぐな道が続きます。空は広く、左手に利尻富士が見えるこの区間は今回の目玉と言って間違いありません。ただ、風向きが徐々に変わってきて横風から向かい風基調に。稚内へ近づく毎に向かい風が強くなるのは昨年の北海道ツーリングで経験済みだったので想定内ではあるものの苦しい区間でした。

 

 

 

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稚内市街手前のチェックポイントで補給を行い宗谷岬へ向かいます。予定では宗谷岬到着は日没後だったので思わぬサプライズ。モニュメントの前で記念撮影をして近くのお土産屋さんに駆け込みます。最北端到達証明書、ピンバッジ、最北どら焼きを購入しました。

 

 

 

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記念に持って帰るつもりでしたが夜間走行中に補給食として胃の中へ。ここまでゼリー飲料とおにぎりで走ってきたので最北どらやきは格別でした。

 

 

 

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日没を迎えた宗谷丘陵。日没を境に体感気温はどんどん下がっていきます。

宗谷岬を過ぎて猿払付近から夜間走行に入ります。海岸線から離れ、森の中を走行中にキツネが目の前に飛び出してきて危うくぶつかるところでした。夜間走行中の野生動物との遭遇はブルベではつきもので本州では鹿、タヌキ、猿と出くわすことが多いです。北海道はヒグマが生息しているので茂みから物音がすると気が気ではありませんでした。

 

 

 

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365km地点。中頓別のチェックポイントには大量の補給食と仮眠スペースが準備されていました。

僕が到着したのは23時頃、まだ眠くなかったので補給だけ行い、身体が冷える前に出発しました。ここから先、日が昇るまでの間は気温が低く、レインジャケットを着用してどうにか凌ぎました。また、内陸に進むにつれて霧が濃くなり、視界不良の場所も多かったです。

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日が昇るまでの間は我慢の時間帯。深夜2時から5時頃がひどい眠気と消化器系の不調により苦しい時間帯となりました。消化器系不調の原因は補給に油分の多い生クリームを含んだロールケーキを摂ったこととコーヒーの飲み過ぎです。基本的にブルベ中は油分が多いものは控えて梅干しのおにぎりかゼリー飲料を摂取していますがこの時は眠気と疲労から甘い物の誘惑に負けてロールケーキに手を出してしまいました。

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日が昇り、周りの風景に色が戻ってきます。太陽の光を浴びると自然と調子が上がり、落ちていたペースも回復しました。

 

 

 

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500kmを超えたあたりから地元北海道の方と共に走りました。多くの参加者は365km地点の仮眠所で寝てからゴールを目指しており、夜間は人と話すことがなかったので一緒に走る人がいるだけで元気になります。

 

最後のチェックポイントで一緒に走っていた人と別れ、向かい風の中ゴール地点、道の駅滝川を目指します。深川の市街地から信号が増え、ストップアンドゴーの連続でもどかしさを感じながらもペダルを回し続けます。

そして、

 

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8月7日午前9時59分、無事にゴールしました。タイムは25時間49分。当初は30時間を目標にしていたので上出来です。

ゴールした後は仮眠スペースで3時間ほど寝てしまいました。

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ランドナーでブルベに参加していると驚かれることが多いのですが積載している荷物の量は参加者全体を見ても決して多いほうでは無いです。多くの参加者は一般的なロードバイクにアタッチメント式のフロントバッグ、大型のサドルバッグに簡易マッドガードを装備していわばランドナー化したロードバイクでブルベを走っています。

ランドナーの場合、フロントバッグ装着を前提に設計されているため、そうで無い車種と比較して、バッグ装着時の挙動が安定しています。また、650×36Bタイヤが生み出す安定感とやさしい乗り心地は体力の消耗を抑え、リム打ちパンクのリスクを低減してくれます。グランボアの軽量チューブL’aileとエキストラレジェタイヤの組み合わせによって登坂も非常に楽で、ブルベペースであれば一般的なロードバイクと遜色無く登りをこなせます。軽量ホイールを装備したロードバイクと比較して純粋な登坂能力で劣ることは事実ですが、長距離を走行する場合に求められるのは登坂能力だけではありません。超長距離を走行する場合、ライダーの体力を温存できるランドナーの方がメリットを多く享受出来るのではないかと思います。

 

 

【おまけ】

今回のBRM806北海道600km宗谷岬には飛行機を使って北海道まで行きました。新千歳空港に到着したのがブルベ2日前の17時頃。千歳市内で夕食を済ませてスタート地点の滝川まで夜通し自走で向かいました。滝川に到着したのがブルベ前日の朝6時頃、宿のチェックインまで時間がたくさんあるので滝川から近い北竜町のひまわり畑を目的地にサイクリングしました。結局、600kmブルベ直前に約230kmを走行、真っ赤に日焼けしてスタート前に北海道を満喫した気になっていました。

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北竜町ひまわりの里は日本一のひまわり畑だそうです。遠くから見ると丘一面が黄色に染まっています。

まえの

お盆の入り、相変わらず暑い日が続いていますが、明日は第1回、アイズの朝サイクリング。思いの外反響があり、バラエティに富んだメンバーと一緒に走れそうで、楽しみです。参加表明してくださった方、どうぞお気をつけてお集まりくださいね。

 

 

さて、先日は常連Nさんの自転車の納車でした。

 

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実はこの自転車、新車ではありません。最初にお作りした一台を、Nさんはその時その時の好みや使い勝手に合わせて組み替え、大切に、とことん楽しんでくださっているのです。

 

この自転車を最初にNさんにお納めしたのは2006年の春、当時のグランボアの入門モデルの650Aランドナーとしてお納めさせていただきました。もう、10年が経つのですね。。ついこの間のように感じていましたから、私たちもファイルを調べなおして少々びっくりしました。。お納めした当初は北海道などをツーリングされて、旅先から写真をいただいたりしていました。その後、いろいろ見聞を広げられるにつれ、2009年にはお好みのヴィンテージパーツを搭載したマニアックな42Bランドナーへと大幅なスペック変更をお手伝いさせていただきました。Nさんが持ち込まれたカンパニョロのレコードのハブやらユーレの変速機などを前に親方が苦心していたのを覚えています。

そして今回、テーマは「輪行が簡単なキャンピング車」。さて、どのようなモディファイが施されたのでしょう。

 

 

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今回のオーダー、初めはフレームを分割して簡単に輪行ができるデモンタ仕様に、というお話から始まりました。ただ、現時点でフレームのデモンタ加工をするということになると、再塗装や工賃も含めて、少なく見積もっても15万円~の費用がかかってきます。また、フレームそのものを加工しなければいけないので納期も不安定です。そこで、デモンタ同様、いや、それ以上に簡単に輪行できるグランボアのランドナーType ER化はどうか??ということになったのです。

 

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ER(輪行簡単)機能をプラス!

要するにフロントフォークとフロントキャリアを差し替えることによってType ERに生まれ変わったのが、今回のNさんの輪行簡単(ER)ライトキャンピング車なのです。ただし、ERパニアはまだ試作の段階で、私のER700用(センタープルブレーキ用)のものしか形になっていませんでした。今回、Nさん用にカンティ台座用のものを新たにデザインし、親方自ら製作したものを搭載しています。また詳細はギャラリーページでお披露目しますね。

 

ER化するには、フレーム本体はそのままに、フロントフォークをセミオーダー用に用意してあるER仕様のものに差し替えるだけですので納期はそんなにかかりません。費用はフォーク本体とその塗装・ERキャリア、泥除けの加工、組立工賃を含めて10万円位~でしょうか。

 

輪行をツーリングに取り入れる事ができれば旅の幅がグッと広がります。それに、いままで大切に乗ってきた自転車はこれからも長く乗っていきたいもの。こんな方法で自転車を一新するのも一つの手ですよね。

ER輪行って何? という方。是非、ムービーをご覧ください。

 

 

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Nさん、いつもありがとうございます。

入門モデルといえば比較的不憫な扱いを受けるものが多い中、こんなにも大切に乗り続けてくださって本当に嬉しく思っています。更に磨きがかかっている健脚のNさんのお供がこれからもできますように。どうぞよろしくお願いします。ただいまお預かりしてます大物も頑張って仕上げますね。

 

 

 

つちやはるみ

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