アイズの独り言>

7月1日(日曜日) 曇り。

この日は予定されていた8時からの20kmほどの走行テストはキャンセルとなり、同時開催中のイベントと一緒にスタートするベール峠を巡る走行テストも距離が短縮されました。

 

前日に渡されたチェックポイントが記された地図。

コース短縮のため、3番目のチェックポイントは無しになりました。ベール峠の1番と、その南東に位置するクロワ峠の2番の間を独自でルートを決め、走行します。そしてこの日の課題として1と2の間か、2と4の間でスタッフから渡される3.3kg程度の荷物を次のチェックポイントまで運びます。渡される荷物の内容は未だ知らされていません。

幾つかルートはありそうです。ベール峠から北へ向かう舗装路のルートは迂回路となり、ずいぶん距離が伸びそうです。またはベール峠をもう一度下り、逆方向からシューペール峠に向かうか。。。チョコと親方が事前に決めたルートはベール峠から稜線沿いに最短で2番に向かう、ダートを含むルート(ピンクの線)でした。

 

スタートは予定通り9時45分。

一般の参加者と一緒に本部前からスタート。

 

 

この日、親方とKさんは同時に申し込んでいたブースに立つべく、本部で待つことになりました。私と大介店長は金曜日の晩から合流したフランスの友人ジャンフィリップの車でチョコを追いかけ、写真を撮る算段です。今日はそれほど距離も長くないし、ダート区間も少ないはず。前日の走行後、リアメカの交換も含め、最低限の整備はできていたので自転車自体も万全です。

誰もが楽しい一日となることを信じてワクワクしていました。

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ライダーたちのスタートを見送ってから、しばらくしてから車で追いかけます。

 

あ、チョコ発見。

良い顔してます。

 

中腹あたりはまだ下の景色もきれいに見えていました。。。

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標高を上げるにつれ、だんだんと雲の中へ。冷たい雨も降ってきました。

登りの途中にもかかわらず寒く感じるのか、上着を羽織ろうとするライダーもいます。峠まではあと少しです。

 

すっかり雲の中のベール峠。

 

峠で待つコンクールのスタッフも寒そうです。

ん、あれに見えるのは。。。

 

本日の課題の荷物!

薪ですか。。レンガもあります。

早く着いたライダーにはどちらか選択できるようです。この2つだと当然レンガのほうが積みやすそうです。薪は形も重心も均一ではないですからね。

 

 

 

さて、元気に峠に着いたチョコ君は、

 

え、薪ですか???

これは写真のみ。このあと、レンガに変えてもらいましたよ。

 

 

そして、その後、予定通り稜線を行く最短コースに向かいました。少し前に同じ道に向かうライダーを確認していたチョコは何のためらいもなくその道に入っていきました。

チョコが峠を後にしてからも続々とライダーたちがやってきます。

そう、チョコはここまではとても速いペースで来ていたのです。

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そして、私たちは2番のチェックポイント付近のダートの出口でチョコを待つことにしました。う回路と合流するポイントでもありました。

ところが待っても待ってもチョコがやってきません。多くの地元のライダーたちが距離が延びるう回路を選択しており、時折目の前を通り過ぎていきます。。。

大介店長は「1時間から1時間半くらいで来るはずです。」と言うのですが。。

 

気温は7℃。峠では6℃を指していたのを記憶しています。

そうこうしているうちにチョコより先に最短コースに向かったライダーが目の前を通り過ぎてゆきました!

 

 

よし! もうすぐだ!

だけど、チョコの姿は見えません。

小雨降る中、コースを辿り撮影ポイントを探したりしていましたが。。。

 

「これは、おかしい。」

先に出てきたライダーから3分も経たずしてチョコもスタートしています。こんなに遅れるのは何かあったんだ。

親方に電話を入れ、状況を確認してもらうよう伝えました。

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ほどなく、親方から電話があり、チョコがすでにリタイアした件が伝えられました。

「もう、チョコはバスに乗ったから。まっすぐこっちに戻ってきて。」

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2日目のリタイアは誰も想定しておらず、呆然としてしまいました。この日の途中リタイアは間違いなく総合順位から外れることを意味します。

何があったのでしょう。

転んだのでしょうか。。

自転車のトラブルでしょうか。。

 

結局、チョコが向かったルートの先にはレーダ基地があり、道はその中へと続いていて閉ざされた門扉で行き止まりとなっていたそうです。右に迂回すればルートはあったはずなのですが、雲の中、チョコはその道が見つけられず、いったん峠まで引き返してしまいました。いったん上った稜線の道を下ってくる間、遮るもののない風と雨で体が芯まで冷え切ってしまったようです。それでも峠の茶屋で温かい飲み物をもらい、新聞紙などで濡れた体をふいて、小さな集団について再度同じルートに向かったそうなのですがその集団にも遅れるほど体が動かなくなっていたそうです。親方に電話を入れようにも電波はなく、自身の判断でリタイアを決め、回収車で本部まで戻ることとなりました。

 

 

この日に関しては私たちが皆がそれぞれの立場で反省すべき点があり、チョコはもちろん、親方も私たちもみなそれぞれで悔やんでいました。

「もっと前の日にちゃんと一緒に地図を見てやればよかった。。。」

「温かいものでも用意しておけば良かった。。」

「峠の状況でルートの変更も考えるべきだった。。」

「もっと、緊張して、いろんなことを想定して準備しておくべきだった。。」

 

ちょっとしたことでクリアできた事なだけに残念ですが、仕方ありません。唯一良かった点はチョコが無事に戻ってきたこと。それが何よりなんですけどね。良い経験となりました。

#concoursdemachines2017

つちやはるみ

6月30日 コンクール2日目

朝2起床、4時のスタートに間に合うよう出発し、前の日に車検をした倉庫へと向かう。未だ暗い中、たくさんの人が既に集まっています。この日は事前に登録したチームメイトたちも走る事ができるので参加チームの人数よりも多くのライダーが準備に集中しています。グランボアチームからはチョコとUさんの2名が参加しました。

パイロットたちはそれぞれ緊張した面持ちで自転車のチェックをしたり、ライトのチェックをしたり、GPSを合わせたり。

試走をして、ある程度ルートを把握している2人はこの後の一日が過酷なものになることは既に分かっています。先日、問い合わせたルートはどうなっているんだろうか。。初めてのフランスで暗いうちからのスタート。ちゃんと完走できるだろうか。パンクや機材トラブルにちゃんと対応できるだろうか。不安でいっぱいだったと思います。

そんな中、スタートは予定通り始まり、2分おきにコンクールマシンのパイロットたちから2人づつ暗闇に消えていきました。

 

チョコはペアとなったパイロットと何だか談笑しながら和やかにスタート。

こちらはチームメイトで参加のUさん。少し硬い感じ。

無事スタートを見届け、私たちは次のポイントまで車で先回りです。

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ここで最初にお見せした走行予定ルートをもう一度ご覧下さい。

私たちが最初に待っていたポイントは23-24キロ地点のD996から分岐するところ。向かいの小山の中腹あたりからやってくるライダーたちのヘッドライトがちらちら見えます。

最初に暗闇から現れたのはこの3人でした。

 

そして、ポツポツとライダーたちが通過していきます。明るく見えますが、まだ牛たちも起き出す前です。私たちがしゃべってたりするとちょっと迷惑そうな顔でこっちを見てるんですよ。

 こちらは昨年の優勝チームVictor Cycles。

 

空が白々と明るくなった頃、チョコがやってきました。相変わらずニコニコしてますねー。元気そうです。

「暗くて最初のダートでパンクしちゃいました。あとボトル1個飛んでっちゃいました。。。」

おぉ、序盤から大丈夫ですかね。。。

 

こちらは小さな集団となってやってきました。先頭の白いウエアの方はFee du Velo の女性のビルダーさん。自身3本目となるフレームを組上げて自らパイロットとなり参加されています。かわいくて、カッコ良い方でしたよ。

 

 

そして、Uさん。チョコから少し遅れてやってきました。

「いやー。皆、パンクしていたおかげでいくらか追い抜けたよ。」と。

ちょっとキツそうですがUさん自身はパンクは無かったようです。それにしても後から聞くとこの序盤の暗闇のダートのセクションで多くの自転車がパンクしてしまったようです。チューブレスでパンクして大変な目にあったライダーもいたと聞きました。50キロ走るのに5時間かかったとか、この日の難関は序盤にあったようです。

 

Uさんは60歳+α。古くからのお客様で、チョコのブルベの記事を目にされてブルベに興味を持たれたんです。このコンクールにグランボアが参戦すると聞いて即「同行したい!」と強く希望され、ご一緒することとなりました。そして、どうせ行くんだったら走ったほうが良いでしょう、と、このチームメイトの枠があることを知った親方がUさんにお勧めしたんです。2日間で400km近く走ると聞いて最初は驚かれたUさんでしたが、お仕事の合間を縫って練習され、体も絞られて、この日に臨まれました。結果、十分距離はこなせるようにならたのですが、こんなにダートが多いとは。。。ダートはあまり経験がありません。なんとかマイペースででも走り遂げられますように!

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ところが、Uさんが通過するのを見届けて次のポイントへ移動する途中、道中にあるアンベールでの我が家に立ち寄っている時に電話が入ったのです。

「良くない知らせです。」と電話の応対をしてくださったKさんはUさんがダートで転倒されて救急車で搬送されたそうだと私たちに告げました。

コーヒーでも飲んで一服しようとしていた私たちは慌ててまた車中に戻り、知らされた場所に向かいました。今はほんと便利ですね。場所を知らせるのに地図情報がGPSを通して送れますから辺鄙な場所でもとても正確に相手の居場所がわかります。ですが、土地勘がない私たちは大きめの車でなかなかうまくたどり着けません。結局1時間ほどを費やしてたどり着いた場所には救急車が2台と7-8名ほどの救急隊員、そして、レース中にもかかわらず付き添ってくれていたグルノーブルのショップ、Edel bike のパイロットとそのチームメイトが待機していてくれたのです。私たちに連絡してくれたのも彼らでした。私たちが到着したのを確認してすぐにレースに復帰していきましたが、レース中にもかかわらず付き添っていてくれた彼らにはホント感謝です。

そして、Uさんはというと搬送されずに待っていたという事は重症ではなさそうです。ひとまずホッとしました。救急車でアンベール唯一の病院に向かい、私たちは後を追いました。

検査の結果、骨折などはなく、肩~肩甲骨部にかけての打撲でした。それに、幸いなことに自転車もほぼ無傷だったのです。

「いやー。レントゲンのお姉さん、かわいかったなぁ。連絡先聞いとけばよかった。」なんて冗談を言っておられましたが、心も体もかなり痛かったことと思います。ダートの下りで前輪がバーストしてしまい、飛ばされてしまったそうです。スピードも出ていたようなので大怪我にならなくてホント良かった。疲れていたのと、試走ではまったくパンクしなかったので少し油断されたのかもしれません。

 

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ところで、フランスで救急車呼ぶと治療費はどうなるんだろ。。

フランスでは救急車は現場で処置が出来るドクターが同行する救急車を呼ぶと10万円程度請求されるそうですが、それ以外は基本的に無料だそうです。外国人の場合はパスポートの提示を求められ、今回のケースは恐らく検査と診察の費用が1月後くらいに本人宛に請求がいくとの事。お薬は痛み止めと筋肉の緊張をほぐす塗り薬が12日分ほど処方され、院外薬局で2000円弱ほどでした。海外で医者にかかるとすごい額の請求が来る話は良く聞く話ですが、今回はそれほどでもないようです。

*****

 

診察を終え、お薬をもらってUさんを家まで届け、サポートに復帰したのがお昼ごろだったと思います。先頭は一体どこにいるのでしょう。チョコは? コースは牧場の中や森の中、峠の尾根伝いのダートなど、車でトレースできない道ばかりです。走り始めて8時間以上が経過していることを考え、170km地点あたりで昼食をとりながらしばらく待っていましたがコンクール関係の人と出会えません。

来たら撮影しようと待ち構えていたのですが。。。

 

 

 

おかしいなぁ。遅れてるのかな。。

120km地点の第3チェックポイントのパン屋さんへ行ってみることにしました。すると、それらしき人たちがチラホラまだこの地点をまだ走っています。パン屋さんで聞いてみると、

「プティジャポネは随分早く通過したわよ。(仏語)」とのこと。

あー。完全に行き違ってしまいました。とりあえずもう、ゴールに行ってみよう。

 

 

 

誰も到着していないゴールで待っていると親方の携帯が鳴りました。いやな感じ。こんなときの電話は大抵悪い知らせです。1日に2度は最悪だ。

 

電話の相手はチョコでした。

「ゴールまであと18kmの地点でリアメカが壊れてしまいました。。。」

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確かに悪い知らせではありましたが、チョコが見つかったのと、怪我をしたわけではない連絡で皆ホッとしました。駆けつけてみると、

リアメカが完全にもぎ取られてしまった自転車としょんぼりしたチョコが待っていました。。巻きこんでしまったのでしょうか。。。ステーも大きく曲がっていますが、こちらは修正すれば何とかなりそうです。それに、あと残りの18kmは下りベースのほぼ平坦なのは来る道中に確認済みです。。

親方 「リアメカ外してシングルにするぞ。」

チョコ 「でも、チェーン切が。。」

一応、ルールでは競技中は申告した工具しか使う事ができません。しかもパイロット本人が修理に当たる必要があります。

大介店長がした事があるとの事で、平らな石と2.5mmの六角でチェーンのピンを外そうともしましたが、チェーンが壊れたのではどうしようもありません。仕方なく、ポケットのチェーン切をチョコの足元に誰とも無く置きました。チョコはそれを使ってチェーンを繋ぎなおし、コースに復帰することとなりました。

 

*****

厳密に言えばこの時点で我々はリタイアなのですが、結果は1日目は7位と順位がついていました。それに、この日終わってからも修理、交換が認められ、2日目も走る事が許されました。何度も書きますが、コース上はサポート車がトレースすることは難しく、パイロットたちがどんな風に走っていたのか確認する事ができませんでした。チェックポイントでなくした水の補給を受けたり、スタッフの方から工具使うかと聞かれたり、割とゆるーい感じでルールの運営がされていたようです。コースにしてもショートカットしようと思えば出来る箇所はいくつもあり、抜かれた覚えの無い人が前にいたりなんてこともあったとか。

今回は特に予想以上の厳しいコースにトラブルが相次いでいました。後半の峠ひとつ分は早々にキャンセルとなったのですが、16時前後で170km地点にいる人もいれば未だ120km地点にいる人もいる状態。苦肉の策でしょうが、最終的には時間がかかりすぎていることを理由にそれぞれがいる場所からショートカットしてゴールまで帰ってくるようにと指示が出ていました。そして、それによる順位や平均速度が変わったとしてもペナルティは課さないとの通達です。????

*****

 

何はともあれ、リタイアを覚悟していたチョコ君はまた走れる事が分かると水を得た魚のようです。しばしチョコ君のカッコいい姿をご覧下さい。

ゴールは17時15分くらい。

集まっている人たちはゴールした人もいれば途中リタイアの人もいるようです。途中、Uさんを助けてくれたEdel bike のパイロットの姿も見えますが、リタイアしてしまったようですね。ただでさえきついコースなのに気温も上がらず途中雨が降ったりしていましたから。

下はチョコが実際にこの日走ったログです。

道に迷ったあともありますが、忠実に予定コースをトレースしているのが分かっていただけると思います。チョコは190km地点の最終チェックポイントで最短コースでゴールするよう言われたそうです。

実際に走ったチョコのレポートはまた後日。

すごい長編になりますね。

#concoursdemachines2017

つちやはるみ

2日目のレースのお話の前に少しできていなかった自転車のお話を。スミマセン。レースの話を早く知りたいですよね。ですが、今回のグランボアのコンクールマシンの軽さの秘密は自転車だけではありませんから。それにバッグやツールも重要な役割を持っています。

 

 

【フロントキャリア】

形は丸みを帯びたデザインがかわいいグランボアのTypeER用と一緒です。6mmのパイプを使った小さめデザインのERキャリアはそれだけでも軽量なのですが、今回作ってもらったコンクール用は特別にパイプの厚みを通常の1mm厚のものから0.8mmと薄いもので作ってもらいました。昔の蔵王用のパイプがわずかに残っていたのですね。
ちなみにERキャリアのこの形状はER輪行(フォークを抜かずに輪行)をするとき邪魔にならない、だけどバッグはシッカリ支える絶妙な大きさなのです。

 

 

 

【フロントバッグ】

コンクールでは、自転車の重量だけではなく、バック+工具・スペアパーツを含む総重量が10.5kgを基準にして、重いか軽いかという点でポイントの加点・減点があります。さらに、それだけではなく、コンクールのレース2日目では、事前に知らされていないコントロールポイント間を主催者から渡される荷物(3.3kg)を運ぶというルールがあるのです。昨年の荷物は3.3kgの雑誌だったそうです。今年はどんな形の荷物を運ぶことになるのかはその場ではじめて知らされる仕組みになっています。昨年同様雑誌サイズの荷物を運ぶことも想定してバッグも自転車同様デザインしなければなりません。グランボアのこだわりは全体の雰囲気を壊さないデザインと重量です。

 

今回、どこで作ってもらうかいろいろ考えましたが、日頃グランボアのカスタムバッグを作ってもらっているBACCHAUS(バコーズ)さんにお願いすることとなりました。自転車のことでかかりきりでバッグの事に取り掛かれたのはコンクール1か月前を切っていました。こちらの趣旨をよく理解してくださり、すごく短期間で親方の考えるバッグを具現化してくださったのがバコーズさんだったのです。最初の試作に、手直しに、更にもうひとつ本番用と、何度も快く対応してくださいました。しかもわざわざ東京から状況確認のためにお店まで来てくださったんですよ。ありがとうございます。

最終的に採用が決まったバッグがこちら。一見普通ですよね。


クラシカルな雰囲気。コンクール用にサイドポケットやキャリー用のD環などは省いていてすっきりしています。でも、帆布×レザーだとナイロンのバックに比べて重たくなるのでは・・・?

気になる重量はというと・・・

289g!!!

従来のジルベルトゥ製のグランボアのフロントバックの800gと較べますとかなり軽く仕上がりましたね。帆布、ハンドルに固定するベルト、縁取りのレザー、内側の補強などすべての素材、サイズなどを見直してこんなに軽いフロントバックが出来上がりました。

 

そして、3.3kgの雑誌をどうやって積むのかというと・・・

なんと上蓋がストレッチするんです!!!
引っ掛けるゴムを出す位置が2か所設けられていて、たくさんの荷物でバックが膨らんでしまったときは下側からゴムを引っ張る(上の写真の状態)と上蓋の面積が広がる仕組みです。親方が思いついたこのゴムの掛け方は最小限の工夫で大きな効果を生み出すこととなりました。使い方は是非実物をご覧いただきたいと思います。簡単な仕組みですが画像や言葉で説明するのは少々野暮な感じです。

 

強度も充分。

試走でチョコに3.3kgの荷物を入れて走ってもらいましたがとても安定していたそうです。

 

【工具/補修パーツ】

これらもグランボアは手を抜きません。レースだけを取れば必要ないものもあるかもしれません。ですが、ツーリングの際は必ず必要です。そして、何のためのコンクールかと考えればここでも手を尽くす必要があると考えます。

チューブとニップル回しは普段からグランボアで使用しているものです。

ポンプはチョコがネットで探してきたものですが、国産で非常に軽量で良くできています。

チタンのキーセットは今回RUNWELLさんでお世話になりました。通常、3/4/5/6mmのセットのところ、グランボアでは3mmを2.5mmに代えて貰いました。チドリがちょうどそのサイズなのです。

 

つちやはるみ

さて、気負って準備した翌日、スケジュールは8時から組まれています。

参加チームは30チーム。サイクルグランボアは午前中の部に名前があります。

ですが。。。なんと、すでにイタリアやスペイン、ドイツからの6チームがすでにキャンセルになっていました。。。

 

 

 

 

さて、プレゼン会場は??

ですが、会場近くに止められていた自転車にくぎ付け。

1949年のコンクール出品車だそうです。

やはりこんなすごい自転車が母国フランスには残っています。審査員の一人、フランスのシクロツーリズムの生き字引Raymond HenryさんのBARRA製のPITARDでした。すごいですね。。アンリさんとは何度かお目にかかり、お宅までお邪魔したこともあるので良く覚えていてくださいました。お元気そうで何よりです。

親方の隣で一緒に話を聞いているのが今回のコンクールの目玉であり、最有力候補のウィーグルさんです。小柄で優しそうな方でした。

 

 

小雨が降り出す中、自転車も人も続々と集まってきました。

さて、そろそろ私たちの番。ですが、会場は倉庫のようですね。。。ちょっと想像していたのと大きく違いました。

 

 

呼ばれるまま屋内に入ると、若いスタッフでいっぱいです。

まずは計量から。

「サンク、サンク、サンク!!」 数字を読み上げる声に室内全体がどよめきました。

アイズの工房内では9.57kgでしたが、こちらのデジタル計では9.555kg。一瞬何か入れ忘れてないか心配になりました。

 

そして、オリジナルパーツの確認もここでするのですが、”オリジナル”の基準があくまでも自身の工房内で加工、もしくは製作したもの、とのことで、私たちのように道具を持たない小さな店がアイデアをもとに外注したものは含まれないとのこと。ですのでタイヤもリムもチェンリングも認めてもらえませんでした。

 

*****

今回のコンクール用にグランボアでは同じスペックで2台用意しました。フレーム作りは何といってもスタートしたばかりでしたので、思い切ったことをするためには予備が必要でした。コンクール用に作ったフレームは3号車と4号車。まったく同じ内容で作っていたのですが、親方的に気持ちよく芯が決まった3号車を本戦用としました。

今回用意した英語版パンフレットに掲載した3号車での仮組み完成車重量は9.2kg、本戦用は9.07kgまで絞れていました。

*****

 

 

 

そして、その建屋の2階でプレゼンです。

て、あれ?

こんな感じですか???

審査員のすぐ目の前。いきなり質疑応答風に始まってしまいました。

親方とKさんが夜中までかかって用意したものはほとんど必要ありませんでした。。。フランス語の挨拶も練習していたのにね。でも、熱心に隅々まで見てくださいましたよ。

 

プレゼンの後は撮影。

カメラマンの方が「軽い!」 とびっくりされてました。

 

 

そして、プレゼン用に急遽用意した資料はこちら。

6月22日の0時が資料提出の締め切りなのに、やっと自転車が完成したのがその2日前。親方がスペック表を私に渡してくれたのがほぼ1日前でした。もっと技術的な資料を添付したり、フランス語で書き上げることができればポイントも高かったんですけどね。。。

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良かれ悪かれ、初日が終わり、緊張がほぐれてサッサと自転車積んで帰ろうとしたところ、スタッフの一人が慌てて追いかけてきます。そうです。車検が終わった自転車は本部に預けておかなくてはならなかったのです。もう、パイロットであるチョコしかあの自転車には触る事はできません。。

 

コンクール2日目は4時スタート。2時には起きて準備をしなければ。。

つちやはるみ

6月29日から4日間、機材としての自転車そのものを競うコンクール、”Concours de Machines”に参加してまいりました。

 

開催地はフランス中央より少し南、クレモンフェランとサンテチェンヌの間に位置するリヴラドワ=フォレ自然公園内の小さな町アンベールです。

アンベールにはフランス国内で唯一の円形の市庁舎があります。そして、その市庁舎はフランス人なら誰もが知っているといわれるLes Copainsという旧い映画の舞台となったことでも有名なのだとか。自転車が印象的に扱われるその映画の影響もあって、この町でこうした自転車のイベントが開催されています。

 

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さて、まずはコンクールのスケジュールと内容について。

【6月29日 車検+プレゼンテーション】

審判とオーディエンスの前で自転車について説明する時間が設けられます。様々な内容において加点減点があります。(詳細はこちら) これはもちろん親方担当です。

【6月30日 1日目走行テスト】

コースはダートを含む224km。6月26日に一斉配布されたコースがこちら。

基準速度を22.5kmとし、そこから早いと加点、遅いと減点されます。2日間にわたる走行テスト中はパイロットが自らすべて対応しなければなりません。使える工具やスペアパーツもフロントバックに入れて車検のときに申告した物に限られます。そして、1日目のスタートは朝4時から2分おきでタイムトライアル方式。暗い中のスタートはライトの性能テストも兼ねています。

グランボアのパイロットは日頃から長距離ライドが好きなチョコ君です。そして、グランボアの仕事を見届けたいとこのツアーの同行を強く希望されたUさんがチームメイトととして、できたばかりの新車で参加されます。

【7月1日 2日目走行テスト】

翌朝は8時から20kmほどの走行。

その後、同時開催されているイベントと合流する形でベール峠の麓まで皆で行き、9時45分から前日に渡されるマップのみで120kmの競技が始まります。更に、そのルート上で同じく前日に指定されるチェックポイントを回らなくてはなりません。そして、知らされていない1区間で重さ3キロ程度の荷物を運ぶのです。その荷物は予告されません。去年は3キロのA4サイズの雑誌でしたが今年は何が渡されるかわかりません。自転車と装備はそれらを加味して作り上げる必要があるのです。マップですのでこのコースのGPSデーターはありません。

【7月2日 ツーリング】

同時開催されているイベントの指定コース、80kmのグラベルをイベント参加者と一緒に走ります。

最終日はもう競技ではありません。戦い終えて親睦会のようなツーリングです。

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結構シビアな条件なのは伝わったでしょうか。。恐らく、一度読んだくらいではコンクールの全体を把握はむつかしいと思います。私たちも実際に参加するまで解らないことがたくさんありました。ですので少し早めに現地入りし、体を慣らすとともにコースの試走をしたいと考えていました。

 

 

 

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6月26日

1台のミニバンでパリからアンベールまで自転車5台と大人6人が大移動です。

夕方アンベール着

日本から持参した自転車の準備。食料をはじめ身の回りの準備。そして、日本からでは入手できなかった地図を手に入れ、コースのチェックです。これから8泊9日ここで過ごすこととなります。炊飯器とお米はフランス在住のKさんが用意してくださいました。イタリアで作られている日本米だそうですがとてもおいしかったですよ。

 

 

6月27日28日

雨の予報が外れ、チョコとUさんは早速試走へ。

その結果予想以上にダートが多く、一部コースが分らないほど荒れていることが判明。急遽、コースの責任者に問い合わせると当日スタッフがチェックするとの返事。

「え、当日ですか?」

チョコとUさんが不安に陥るのも無理はありません。皆さんも今一度上の地図に戻り、38-39キロ地点を見てください。15%以上の勾配のダートの下りが組まれていたのです。。。

*

そしてその夜、翌日に控えた親方のプレゼンテーションの準備も必要でした。もちろん日本から原稿を書いてきていたのですが、通訳が間に入ると時間がかかりすぎるとのことで修正と練習が繰り返されました。長年渡仏の際はお世話になっていて私たちがしてきたことをよくご存じの通訳のKさんも大学で教鞭をとられているUさんもグランボアをいかに伝えるか、この自転車をいかに伝えるか、私たちスタッフも加わり皆で考えるとても熱い夜となりました。

さあ、いよいよ本番です。

 

つちやはるみ

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