アイズの独り言>

2022.09.04

旅の準備

また大きな台風が来ていますが、今日の京都は良いお天気に恵まれています。気温は30度を超え、風は微風、なんとなく秋を感じる日差しです。

あれだけ大きな台風ですので直撃されれば大変ですが、昼のニュースだと台風はなんとなく逸れていきそう。

でも、どこかで被害を受ける方がいるんだろうな。

 

山火事、洪水、台風、戦争。

世界中が大きな力に翻弄されていて、毎朝のように誰かの泣いている姿がニュースになっている。

今朝はパキスタンの洪水のニュースに言葉を失いました。

 

防ぎようのない悲劇があちこちにあって、誰もがいつその只中に放り込まれてもおかしくない時代。

平穏な日常を過ごせていることにただただ感謝です。

 

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明日から親方とまた旅に出ます。

今度はなんと10泊!

2019年のランブイエでのコンクールで製作したバッグに、今年はJBTでパニアバッグを新たに追加して、それらをこの1か月前からいろいろ修理しておりました。そして、親方の分も新たに製作。

縫ってはほどき、縫ってはほどき。

ようやく昨日すべてが完成!

 

パニアバック一個78グラム。

 

お、2個でほぼ倍!

適当にサイズを決めている割に概ね正確ですよ。

 

生地はリップストップと撥水性のある布を組み合わせて作っています。着替えはすべてジップロックに小分けして圧縮して入れていきます。

 

 

全部そろうとこんな感じ。

カメラは雨具やウインドブレーカーが入っているフロントバッグにピッタリ収まります。サドルバッグには輪行バッグと工具。

今回はヴィンディングシューズをあきらめてオンオフ両用の靴で行くことにしたので靴を持っていく必要がありません。なので10日も行く割に荷物が少ない気がします。。。

今夜もう一度再チェックですね。

 

パニアバッグの中にはリュックも入っています。

これはいつものように輪行時にはパニアバッグ2個分を収める用です。

旅先のトレッキングにも使えるので便利ですよ。

 

 

 

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【入荷のご案内】

しばらく欠品扱いとしていました輪行用のヘッド小物が諸事整って再販開始しています。

 

 

そして、大物。

良いサイズのエルスのタンデム

2008年にお納めしてからずっと大切にされてきたのがわかる素敵なコンディションですよ。

店頭に置いていますので是非ご覧になってご検討いただければと思います。

 

 

 

つちやはるみ

2020.10.26

秋の小旅行

こんにちは、スタッフの前野です。

今年はブルべに殆ど参加することなく10月を迎えました。昨年はPBP参加のために毎月何処かへ出かけていましたが、今年は新型コロナウィルスの影響でイベントに参加せず一人で走ることが多くなりました。 
京都北山を走るのはもちろん楽しいのですが、知らない土地へツーリングに行きたい…。
自分の中のツーリング欲が高まっていました。

コロナを取り巻く状況が少し落ち着いたように感じたので、1泊2日の小旅行に出かけてきました。もちろん感染症対策は怠らず。
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行先は兵庫県の奥地にある瀞川氷ノ山林道。4年前の11月に京都から一人で走りに行った林道です。
日本海に面する兵庫県香美町と養父市にまたがり、関西では最長規模約50㎞の総延長と未舗装路では珍しい約1.2㎞の見通しのいいロングストレートがある林道です。

同行してくれたのはアイズバイシクルにアルバイトとして来てくれている井越君と、彼と同じサイクリングクラブのOBであるI君。I君と僕は集合地点であるJR八鹿駅まで自走し、輪行でやってくる井越君と合流します。

午前3:30に京都を出発して約130㎞、9:40分頃にJR八鹿駅に着きました。そしてその数分後、井越君の乗った電車が到着。

彼は20代前半ながら昭和のサイクリストの佇まい。ニューサイクリング誌を読み漁り、当時のサイクリストの服装の研究に余念がありません。

八鹿駅の駅舎は歴史を感じる趣ある造りになっています。このガラス窓なかなか見ない形ですね。

 

走り出す支度を整えて午前10時すぎ八鹿駅を出発!
市街地を離れると飲食店やコンビニは殆どないので、街中で明日の食料も買い出しを済ませます。

 

養父市関宮から香美町村岡までは国道9号線で峠(トンネル)を越えます。登りの途中にループ橋があるのは珍しいですね。

八鹿駅から約30㎞、13時半頃に瀞川氷ノ山林道の入り口に到着。途中で昼食を摂ったり道の駅ハチ北に寄っていたのでのんびりペース。僕とI君は朝が早かったのでこの時点でまあまあ消耗していました。

若干の眠気と疲労感があるものの、4年越しの再訪と前回は到達できなかったダートのロングストレート区間にわくわくが止まりません。

 

林道起点からしばらくは舗装路が続きます。ダートはまだかまだかと舗装路を登り続けていると県道に合流。少し走ればダートが始まると思っていたので拍子抜けしました。

林道起点から始まる北端の区間は全舗装で、89号線との交差以南からダートが始まります。なのでダート区間を走るのが目的なら北端の林道起点には行かずに道の駅ハチ北から89号線で林道にアクセスした方が楽しいと思います。

北端の林道起点から89号線までの区間はひたすら登りで展望もあまりないので、もし再訪するなら北端の区間はカットします!

89号線との交差から少し登るとダートが始まりました。待ちに待ったダートに歓喜の声が上がります。砂利の上を泳ぐような感覚が堪りません。

少し走って空気圧を調整。プシュッ!プシュッ!とバルブを数回押して空気圧を下げます。

下げすぎるとリム打ちパンクのリスクが上がるので注意!

 

ダートと舗装の登りを繰り返して最初の展望ポイント、はちまき展望台に到着。
これから向かう林道南側は灰色の厚い雲に覆われていました。

 

林道を南下するにつれて霧に包まれ幻想的な雰囲気に。
ロングストレートまでの区間は砂利の粒が大きく、登り勾配が厳しいので脚を削られます。楽しいけど苦しい!

この林道は太いタイヤと砂利の上を駆け上がるテクニック、パワーがものを言います。650×32Bや700×30Cでも走れないことはないですがしんどいかも。

 

念願叶ってロングストレートに到着!これが見たかった…!
この区間は砂利が少なく、路面も締まっているのでとても走りやすいです。北側からは緩く下って登り返します。登り返しは斜度が厳しく、粒の大きい砂利に覆われているので気を抜いているとあっという間に失速します。

楽しくスピードを出せるのは一瞬。

 

 

名物のロングストレート区間の後も基本的に登り基調。疲労が蓄積して思うように前へ進めません。砂利道の勾配がきつくなると漕ぐのをあきらめて押し歩きすることも。

林道の途中で休憩。霧に包まれて景色は見えませんが普段味わえないシンドイけど楽しい感覚。 
辛いけど楽しい!辛いけど楽しい!


最初は大喜びで走っていた砂利道も後半になってくると苦行の道に… 今度は舗装路が現れると歓喜の声があがります。

霧の間から見える景色が開けてきました。ハチ北スキー場が近づいてきた証です。

スキー場の施設が見えてくれば後はもう少し。舗装路を一気に下って日没前に東鉢伏の宿に到着することが出来ました。

 

今回のように霧の中や予定よりも走行時間が伸びて日没を迎えてしまうような場合でも、バッテリー残量を気にすることなく使えるSONのダイナモシステムが心強いです。
こんな林道でも車やバイクが走ってくることがあるので、フォグランプ代わりに常時点灯させておくと安心です。
僕が使っているのは定番モデルSON28ハブダイナモとEDELUXヘッドライト。ライトの方はより明るくワイドな配光になったEDELUX2にバージョンアップして販売されています。
 

 

1日目は京都から八鹿駅まで130㎞と下のルートを走って全行程186㎞。疲れた……。
余裕をもって林道を楽しむなら輪行しましょう!
 

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2日目

翌日はメンバー全員疲労困憊。予定していた瀞川氷ノ山林道南半分の走破を諦めて最短ルートで砥峰高原を目指します。

I君は調子が優れないので養父駅から輪行で帰ることに。井越君と2人で砥峰高原を目指します。

養父市出合から大屋まで舗装林道で峠越え。

県道6号線で砥峰高原の入り口まで南下します。冨士野トンネルまでは長い登り坂。

冨士野トンネル入り口で小休止。前日がハードだったので二人とも疲れ気味。

 

今回のツーリングに使用した自転車はいつもと同じくコンクールマシン2017の際に制作された親方製フレームの1本。メインコンポーネントはSRAMフォース1、1×11スピードのフロントシングルです。

今までと違うのは先日発売されたサンクフィーユ・ナローワイド40T。この自転車では約2年間サンクフィーユ・ナローワイド試作版42Tを使っていたので少しだけ小さくなっています。

リアスプロケットが従来のまま11速11-42Tなので最小ギア比は1以下。舗装路でギア比1以下になると歩くのと同じかそれ以下の速度になってしまうので必要性を感じないギア比ですが、今回のような砂利道の厳しい登り坂などではトラクションを維持しながらクランクを回すことができるので効果的です。砂利道を走らないのであればフロントはサンクフィーユナローワイド40T、リア11-40Tの方が使いやすいでしょう。
ちなみに変速機はSRAMフォース1ですがチェーンとスプロケットはシマノXT(M8000 系)を使っています。変速はとてもスムーズ、消耗部品のコストも抑えられます。

走りの要となるタイヤは650×42B。舗装路、ダートどちらも走る場合は2.5BARくらい。舗装路に重きを置くなら少し高めに、未舗装路をスムーズに走りたいならもう少し低めに。
外ではエアゲージを使うことはないので、状況に応じてちょうどよく感じられるように空気を抜きます。空気圧を大まかに把握しておくならタイヤゲージが便利です。ちょうどいいと感じられた空気圧で走った日にタイヤゲージで空気圧を測定してメモに残せば気持ちのいい空気圧の再現は簡単になります。

 
 

さて、砥峰高原への登りも自転車乗りに優しくありません。終盤は花背、百井峠並みの勾配が続きます。

急勾配の坂道を上っていると木々の間からひらけた景色が見えてきました。

 

すすきが眩しい砥峰高原に到着!砥峰高原はすすきが見ごろで素晴らしい景色でした。
高原を少しだけ散歩して帰りの電車の時間が気になるので早めに出発しました。電車を逃すと次がなかなかありません…

 

砥峰高原から神河町方面へは豪快なダウンヒル。下りの途中に見えた長谷ダムが立派でした。下りながら見える景色も爽快。写真に残したい景色は下り途中のような止まれない、止まりたくない時に突然現れたりしますね。

 

砥峰高原から下りきると長谷から川沿いの道を北上して生野駅で輪行して帰路につきました。

 
そうそう、輪行の時にサッと広げられるグランボアサコッシュが便利です。
僕はスマホや飲み物、軽食など輪行時にすぐに取り出したいものをまとめるのに使っています。
サコッシュは今回使用している輪行袋オーストリッチSL-100と同素材で出来ていて、超軽量ながら安心感のある丈夫なレオナWリップ65ナイロンが使われています。輪行以外にも買い出しをして一時的に荷物が増えた場合や、着替えの仕分けなど用途は様々。一枚持っているといろいろ使えますよ。

 

 

2日目は充実の80㎞。距離にしてみると短いですが内容の濃い80㎞でした。
旅の〆は生野駅からのんびり普通電車の旅。3時間半かけて京都まで帰りました。

 
今回のツーリングの主な目的は瀞川氷ノ山林道のロングストレートを走ることでした。二日目に通った舗装林道や砥峰高原など自分の知らない兵庫県を知ることができた楽しいツーリングでした。
特に瀞川氷ノ山林道周辺には他にも面白そうな道があります。また来年行こうと思います。
 

 
11月は久々のブルべでSR600紀伊山地の世界遺産を走る予定です。
紅葉の紀伊山地を楽しもうと思います!

まえの

こんにちは、スタッフの前野です。ジャパンバイクテクニークの翌週に北海道で開催された600kmブルべに参加してきました。

今回参加したのはオダックスジャパン北海道主催のBRM622紋別600㎞。8月のパリブレストパリ前最後の600㎞ブルべとなります。コースは信号が少なく、PC以外で余計な停車をする必要がないので補給さえ失敗しなければ完走は容易なコースです。そして前回の記事でも書きましたが信号だけでなく獲得標高も少ないので2016年8月の宗谷600㎞で記録した25時間49分の更新を狙って北海道へ向かいました。

コースは札幌市郊外の丘珠空港近くからスタートして富良野、美瑛などを経由してオホーツク海に面する紋別まで行き、名寄、士別、雨竜を経由して帰る607㎞の道のりです。   

 

 

6時過ぎにスタート地点に到着。ブルベカードを受け取りブリーフィング、車検のいつもの流れです。スタート地点では2016年の宗谷600kmでお会いしたAさんと3年ぶりに再会!!3年前はロードレーサーでしたが今回の愛車は旭川の蝦夷サイクルのスポルティーフ。それもオールメッキです。DHバーが着いているのが北海道のランドヌールならではですね。

 

 

7:00にスタートして10㎞程走ったところで本格的な雨に。ここから紋別に到着するまでの大半を雨の中走ることになります。

 

 

単独で千望峠を越えて上富良野町へ。
ウェット路面をグループで走ると先頭以外は前走者の水しぶきを浴び続けます。前走者と走行ラインをずらせばいいのですが、前に2人、3人いるとラインが重なりどうしようもありません。空が晴れていても路面が濡れていたら、雨が降り続けているのと変わらないくらい濡れます。砂利交じりの泥水が口に入ってくることもあるので雨に打たれているよりも不快です。これは前後フルサイズのマッドガードがあっても完全には防げず、リアのマッドガードに路面すれすれの長さがあるマッドフラップを付けて初めて解決されます。今回は600㎞のほとんどを単独で走ったのであまり問題にはなりませんでしたが、仲間と走るときはリアにもマッドフラップが必要だと感じました。

千望峠上富良野側の下りは小雨の中。

 

 

美瑛名物パッチワークの路は大雨。晴れていたら最高の景色をバックに自転車の写真を撮れたことでしょう。

 

 

牛の横断で小休止。本州では遭遇しない光景です。
雨の音しか聞いていなかったのでこちらを見ながらモーモー鳴いている牛さんに和みました。

 

 

紋別手前70㎞地点でスマホが水没。スマホケースとして使っていたジップロックの口を開けたままにしていたのが原因でした。

 

 

紋別に到着。ここまで310㎞を13時間。まあまあのペースで折り返しまで来ましたが雨で消耗して立て直しが必要だったので予定外のホテル泊です。風呂、夕食、衣類の乾燥、睡眠で7時間ほど滞在しました。水没したスマホも乾燥させてどうにか使える状態に。
自分が到着したときはまだ少なかった自転車もチェックアウト時にはこの通り。コースレイアウトとPCの配置的に紋別で宿をとる人が多かったようです。

 

 
 

 
【2日目】
3時半にホテルから再スタート。空が明るくなり始めていました。今回、ライトの明かりを頼りに走ったのは初日の約1時間だけ。いつもなら夜明けの瞬間に感動するものですが、今回は寝ている間に明るくなってしまったので600㎞を走っている感じがしません。オホーツク海の日の出を見ながら海岸線を興部まで進み、そこから内陸の名寄へ向かいます。

 

 

先週ヒグマが出没したようです。川の対岸や遠くから見てみたいと思いますが鉢合わせは勘弁……

 

 

1日目と対照的に快晴。灰色一色に見えていた景色は鮮やかに色付き最高のサイクリング日和になりました。ただ、日影がほとんど無いコースで日焼け止めを塗りなおさなかったので真っ赤に焼けてしまいました。

 

 

二日目は最初から最後まで単独で走り続けて33時間34分でゴール。当初の目標25時間台前半のゴールは出来ませんでした。雨の中24時間ぶっとおしで走り続ける力は今の自分には無く、1日目の状況から判断してホテルに入ったのは適切な選択だったと思います。もし紋別で宿に入らず走り続けていたら、かなり苦しい600㎞になったのは確実です。同じ状況で数年前の自分なら、紋別のホテルに入った時点で心が折れてDNFの電話をかけていたと思うので冷静に立て直せるようになったのは成長したと思います。今回の雨天走行の経験を今後の装備や走り方に活かし、PBP本番で悪天候に見舞われても乗り越えることが出来そうです。

 

 
 

 
京都から北海道に行くにあたり関空から新千歳まで飛行機輪行しました。飛行機輪行用にハードケースやクッション材付の輪行袋を持って京都から関空までを電車で輪行するのは荷物のサイズ的に困難なので、普段と同じ軽量輪行袋で飛行機輪行をすることにしました。
飛行機輪行が普段の輪行と違うのは自分以外の人が自転車を運び、場合によっては横置きになる可能性があることです。以上を踏まえて使用した輪行袋はオーストリッチSL-100 。最近はウルトラSL100ばかり使っているので出番がなかったのですが、より強い生地を使っていて安心感があるので抜擢です。それに加えてフロントフォークには日東の用心棒を装着しています。これも万が一横置きになった場合などにエンドが歪むのを防ぐためです。ペダルとリアメカは外しておきます。フレームとホイールの隙間に衣類の入ったスタッフバッグを詰めて、残りは電車で輪行する時と変わりません。

 

 
空港に到着したら自転車は預け荷物としてカウンターで手続きをします。ちなみに今回利用したのはANA。
重量とサイズがチェックされますが、受付の人も慣れているのか特に煩わしいことはありませんでした。一点注意する必要があるのはスプレータイプのチェーンオイルやバーナーのガス缶などは預けられません。この辺りは細かい規定があるので空港で預ける前に航空会社のホームページなどでチェックしておくとよいでしょう。

 

 
飛行機に輪行袋が積み込まれていきます。このように横倒しになる場合があるので、受付時に横倒しにする場合の向きなども確認されました。新千歳空港到着後、ベルトコンベアではなく係員の方が直接輪行袋を運んできてくれます。ちなみに行きの飛行機では僕以外に2人が普通の輪行袋で自転車を預けていました。
行き帰りとも袋の破れや自転車の損傷はなく、前述のとおり自転車を丁寧に扱ってもらえるので行動範囲を広げてくれる普通の輪行袋を使った国内線の飛行機輪行は今後も積極的に利用したいと思いました。LCCや航空会社によっては対応も変わってくると思いますが、飛行機輪行に対して高いハードルを持つことはないと思いますよ。今度はほとんど走ったことがない東北に飛行機輪行で行きたいです。

 

 
【今後の予定】
8月18日のPBPまであと1か月になりました。PBP前最後のブルべは滋賀県守山市から姫路市を往復する300㎞。スタートが夜というPBPのスタートに似た条件なので本番を想定した時間割を組んで確実に完走したいです。
そして守山300㎞が終われば残るはパリブレストパリ(CONCOURS DE MACHINES 2019)のみ。残りの時間を大切にしてフランスで納得のいく走りが出来るよう頑張ります。

BRM727守山300㎞
8月18日 PBP1200㎞

まえの

こんにちは、スタッフの前野です。
先月のBRM420近江八幡400㎞でSRを獲得できたので満を持して初の1000㎞ブルべとなるBRM503京都1000㎞に挑戦してきました。今回は写真多めでお届けします。


スタートは京都の三条大橋、ゴールはなんと岩手県花巻市です。1000㎞ブルべの制限時間は75時間。600㎞までのブルべは平均速度15㎞/h以上で完走できる制限時間に設定されていますが、1000㎞は制限時間が緩和され、約13.3㎞/h以上で完走できるように設定されています。(厳密には600㎞以降の制限時間が緩和されています)
スタートは5月3日午前5時。制限時間をフルに使うと花巻に着くのは6日の午前8時になります。今回、走行プランとして計画したのは60時間以内のゴール。8月のパリブレストパリ1200㎞は並行開催されるCONCOURS DE MACHINES 2019にグランボアのライダーとして参加する予定です。PBPは60時間を目標に計画しているので、今回の1000㎞は今まで経験したことがない長時間走行に慣れる意味もあります。以上の理由から今回の1000㎞はPBPの目標時間と同じだけ走ることを目的として、目標タイムを60時間と定めました。60時間以内のゴールは平均速度16.7㎞/h以上で走れば達成できます。16.7㎞/hというと普通の日帰りサイクリングなら余裕で達成できそうな速度ですがこれには信号、休憩、仮眠などで停車する時間も含めた平均速度なので、行程が延びるほどに難易度が上がっていきます。
今までの経験から、夜間は速度が低下するのは確実なので元気な昼間に距離を稼いで夜間の休憩時間を確保することにしました。
今回、ドロップバッグという荷物預かりのサービスがあります。スタートで預けた荷物をスタッフカーでゴールまで運んでもらえるサービスで、タイミングが合えばPC1、PC5、PC7で預けた荷物にアクセスできます。着替えなど花巻到着後に必要なものは全て預けたので、自力で運ぶ装備は600㎞ブルべとほぼ同じです。
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5月3日 1日目

午前4時過ぎ、京阪三条駅近くで車検とブリーフィング。5時ちょうどにスタート。蹴上、山科、小関越えを通って琵琶湖の湖岸へ。さすが1000㎞、参加者は皆SR獲得者なので小関越え程度では集団はほとんどばらけませんでした。

 

 


スタートから79.2km地点PC1ファミリーマート米原駅西店まではグロスアベレージ27㎞/h越えの爆速集団で7:52に到着。PC1出発後しばらく単独で走っていましたが、岐阜の市内で後ろから来た集団に混ぜてもらい、165㎞地点PC2道の駅平成に11:42に到着。改元直後で道の駅平成はお祭り状態。通過証明になるレシートを取得するのに少し時間がかかりましたが楽しいPC2滞在となりました。

岐阜の山中を進みます。

岩屋ダムの自販機で給水。もう一本のボトルに水はあるが、自販機で冷えたジュースがおいしい。

緩やかに上り続けるので無理のないペース配分で進みます。何せゴールまで800㎞以上残っているのです。


253.7㎞地点PC3ローソン高山久々野店に16:16到着。これから野麦峠を越えて松本まで90㎞コンビニがないのでフロントバッグにぎっしりと補給食を詰めて出発です。ミニあんドーナツ1袋、モナカ2個、おにぎり、そしてラムネ。これだけあれば100㎞以上先のPC4まで無補給でも耐えられるはず。

日没が迫る中、野麦峠へ向かって登ります。途中、気温が下がってきたのでアームウォーマー、レッグウォーマーを着けて寒さ対策をしました。向こうに見える雪山は乗鞍。下呂から一緒になった大阪のYさんと共に進んでいきます。(Yさん撮影)

Yさんの装備は1000㎞を走るには信じられないほどシンプル。カーボンバイクに小さなサドルバッグと小さなバックパックのみのファストランスタイル。ドロップバッグすら使用していません。話を聞いて驚いたのは、3日前まで岡山の1000㎞ブルべに参加していて獲得標高12000mのコースを52時間で完走したそう。滅茶苦茶速い。今日はその疲れが残っていてしんどいそうです。いや、そりゃそうでしょう・・・、中3日で1000㎞2本は強すぎです。


そんなYさんとポツポツしゃべりながら登っているうちに野麦峠到着。日没を迎え、あたりは真っ暗です。峠のお助け小屋で松本までの長い下りに備え、防寒具を着込んでホットコーヒーを流し込みます。

野麦峠からジェットコースターのような下りを経て松本市の郊外に到着。夕飯をしっかり食べることに決まりファミレスに約2時間滞在。休憩後、外に出ると気温が下がって寒さが堪えましたがまだ想定内の気温。ナイトランを続け、386.8㎞地点PC4ローソン大町木崎湖店に1:58到着。

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5月4日 2日目

PC4を出た後、しばらく走ってコンビニで大休憩を取り、木崎湖と長野市の中間、小川村で夜明けを迎えました。朝を迎える瞬間は本当にほっとします。

447.5㎞地点PC5セブンイレブン 小布施雁田店に6;37到着。ここでは補給のほかに、夜間装備から昼間装備への切り替え、ドロップバッグを引き出せたので不要と判断した輪行袋などを預けて軽量化。

小布施のPC5から少し北上した先にある「たかやしろ・見晴らし街道」。交通量は少なく、展望が効いて景色がいいのでおすすめです。

飯山線沿いに走って魚沼市へ向かう。

Yさんと先頭交代をしながら距離を稼ぐ。二人で走ると向かい風や登りでタレる区間の速度を落とさずに走れるのでメリットが多い。


555.8㎞地点PC6ローソン広神並柳店に11:58到着。緩やかなアップダウンが続くが街並みや遠くに見える山がきれいで景色に飽きません。PC6ではパスタで昼食を済ませました。昼食後、走り続けていると食べ過ぎたのか、眠くなったので気分を変えるためにグローブを外してポケットへ。1時間ほど素手で走り、もういいだろうとグローブを嵌めなおそうとしたところ片方が見つかりません。フロントバッグの中も探しましたが結局見つからず、ここからゴールまでの400㎞を夜間を除き素手で走りました。

淡々と走り続け、日没前の18:08、661㎞地点PC7ホテル丸井に到着。新発田の街で中華料理屋を見つけたのでYさんと夕食に入りました。ファミレスや町の飲食店をブルべ中に利用したのは今回が初めてでしたが、補給だけでなく気持ちも落ち着くのでコンビニに飽きたらこういうのもいいかもしれません。岡山1000㎞から連戦のYさんはPC7のホテルに宿泊していくことになったのでここでお別れです。下呂からここまで約400㎞、Yさんの存在には本当に助けられました。ゴール後お会いできなかったのですが、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

新発田から山形までは山間部を通ります。割と交通量の多い道でトラックにひっかけられないかひやひやしましたが無事に通過。小国町付近を通過していた深夜は0度近くまで気温が下がり、野麦峠の下りとは比にならないほど寒さに苦しめられました。防寒対策として昼間の装備にアームウォーマー、レッグウォーマー、上下レインウェア、ネックウォーマーにビーニーを被って万全のつもりでしたがこれでも東北の夜は寒かったです。

途中、足湯があったのでたまらず停車。とにかく寒かったのでこれには助けられました。シューズカバーを持ってこなかったのでつま先が寒くて仕方なかったのです。新発田から山形までの約120㎞は寒さと眠気でかなりペースが低下し、この区間にかけた時間は10時間。コンビニでの休憩数回、更には歩道でサドルに跨ったまま寝てしまうこともありました。
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5月5日 3日目

2回目の夜を耐え、蔵王を見渡せる丘で夜明けを迎えました。787.5㎞地点PC8ファミリーマート山形駅東口店に5:03到着。

3日目も景色に変化があり、走っていて飽きることはありません。東北は学生の頃、日本海側を走っただけなのですべてが新鮮に感じられました。


888.1㎞地点PC9ローソン大崎鳴子温泉店に10:46到着。PCのコンビニを見落として2㎞程行き過ぎてしまいました。交通量が多く、PCは反対車線側にあったので気が付くのが遅れたのだと思います。

3日目の朝からくしゃみと鼻水がひどく、PC9を出てから体の倦怠感も感じるようになっていました。気分も少し沈んでペースが落ち、60時間以内のゴールが少し怪しい状況に。くしゃみと鼻水で路肩に止まっていると後ろから追いついてきた女性の方に声をかけられました。事情を話すと「薬ありますよ!」とアレルギー薬を分けていただきました。薬を飲んでこの方に牽いてもらう形で再スタート。徐々に調子は戻ってきてゴールに近づくにつれて脚が軽くなっていきました。後になって気が付いたのですが、この時の鼻水とくしゃみはアレルギーではありませんでした。この時、薬をもらってから徐々に脚が回るようになったのは飲み薬より、一緒に走る相手がいたことで気持ちが奮い立ったのが特効薬になったようです。

残り80㎞からゴールまで共に走ったIさんも剛脚。900㎞以上走ってきたのを感じさせないパワフルなペダリングでゴールまで突き進む。こちらの調子が戻ってからは先頭を代わってゴールへ向かいました。

944.2㎞フォトコントロールの厳美渓。GWで人だらけ。
ここまでだいぶ踏んだので60時間以内のゴールには余裕が見えてきました。それにしても最後まで一人で走っていたらペースを上げることはなかったと思うのでIさんと合流できたのは本当に助かりました。
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陽が傾いてきた16時29分、1008㎞地点ホテルグランシェール花巻に到着。タイムは59時間29分でほぼ計画通りゴールすることができました。初の1000㎞完走は意外なほどにあっけなく、楽しく終えることができました。多くのブルべはスタート地点に戻ってくるコースレイアウトですが、今回はゴールが遠く花巻ということで普段よりも旅情を感じる3日間になりました。
そして、1000㎞という壁を越えたことで、PBP1200㎞に自信をもって臨めそうです。

ゴール後、緊張が解けたのか体の倦怠感が急に増して夜は寝込みました。夜間の寒さで風邪をひいていたようです。休暇はまだ2日あったので、ブルべ翌日は仙台あたりまでツーリングをしようと目論んでいたのですが次回のお楽しみとなりました。

 

 

 

 

今回の1000㎞で効果を実感できた物をご紹介。

今までブルべを走る際に悩まされていたのがチェーンの油切れでした。普通のサラサラしたチェーンオイルを使うと200〜300km程度(モノによって差はありますが)でチェーンの油膜が切れてきて音鳴り、抵抗を感じるようになりその都度停車して注油していました。逆に、ドロっとしたものは潤滑性能は長持ちするのですが汚れを拾いやすくチェーンとスプロケットが真っ黒になって輪行袋を汚したり、掃除に手間がかかるのが難点でした。そんな両立しなかった長距離の使用に耐え、尚且つある程度汚れにくい製品を見つけました。

今回使用したフィニッシュラインのセラミックウェットチェーンルブは1000kmブルベの最後までチェーンを滑らかに潤滑し、汚れは写真の通り最小限。今回、3日間晴天だったこともありますがこれだけの距離を走って途中で注油をしなかったのは初めてです。ルブ自体は白いトロミのある液体で潤滑性能が長持ちするだけでなく、チェーンノイズが静かで非常にソフトな感触になります。ノズル型の容器はスプレータイプより無駄が少なく、丁寧に作業が出来るので扱いやすいです。
いいことばかり書きましたが、本当にこれといったネガティブ要素がないのでPBPもこのルブを使うと思います。

値段も手頃なのでブルベやツーリングに試してみてはいかがでしょうか。

 

 

それと、今年のブルべ200~1000㎞全てを共に走ったTypeER650Bの長距離走行におけるメリットも再確認することが出来ました。今使っているフレームは2年前にフランスで開催されたコンクールマシン参加時に2本制作された親方製軽量フレームの内の1本で、10000㎞以上舗装未舗装問わず様々な道を走りました。

カイセイ4130Rを使用したしなやかなフレーム、硬すぎない剛性感のクロモリステムフランス型ランドナーバー、大きなエアボリュームの650Bタイヤなどが組み合わさり、非常に快適な乗り味と安定感をもたらします(自分が使用しているTypeERはセミオーダーモデルとパイプやジオメトリが若干異なります)。特にハンドルは途中でグローブを無くして400㎞近くを素手で走りましたが、ゴール後も手の痺れは無く快適でした。
フレームと色が違うフォークは1月の淡路200㎞の後、オフセット違いのものに交換しています。オフセットを短くしたことでロードバイク寄りのハンドリングを手に入れ、極上の乗り心地はそのままに30㎞/h近辺で巡行するのが楽な自転車になりました。走りの軽さを支えるタイヤは2月頃からチューブレスで運用して3000㎞近く走行。ツーリング、ブルべ用途に於けるチューブレスのメリット、デメリットがわかってきたのでそのうち紹介出来ると思います。

自分のようにランドナーで速く走りたい場合はTypeERのセミオーダーではなく、フルオーダーで走り方に合わせてフレームを設計した方がいい場合もあります。土、日は自分の4号車を店先に置いていることが多いので身長170㎝近辺の方であれば試乗していただくことも可能です。オーダーで悩まれている方はどうぞお気軽にご相談ください。

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次のブルべは北海道で開催されるBRM622紋別600㎞です。この600㎞はタイムを意識して3年前のBRM806宗谷600㎞で記録した25時間49分の更新を狙って走ります。
【今後のスケジュール】
6月15,16日第一回ジャパンバイクテクニーク
BRM622紋別600㎞
BRM727守山300km
8月18日パリブレストパリ1200㎞

まえの

台風24号の接近に伴い、京都も朝から雨が降り続いています。

明日30日(日)、アイズバイシクルは臨時休業をとらせていただきます。ご来店予定だった方々には申し訳ありませんが、なるべく外出は控え十分にお気をつけてお過ごしください。

 

 

と、書きつつ、

実は先だっての台風21号が関西に上陸する直前、私は1週間ほど休みをもらってツーリングに行っておりました。最初は1人旅で考えておりましたが、大学の後輩になるT君が同行してくれるというので、2人でキャンプツーリングを計画。今回の旅の目的地は、学生のときから気になっていたあるものから決まりました。

 

新日本海フェリーの敦賀~秋田間の便に乗りたかったのです!

 

なんで学生のときに乗らなかったの?と疑問に思う方もいると思います。なぜかというと、この便は一週間に一便しか運航していないんです。タイミングが合わず、今まで乗る機会がありませんでした。私自身個人的にフェリーに乗っている間の時間が好きなのもあるのですが、週に一便しか運航していないこのフェリーに乗る機会なんて滅多にありません。今年はどこに行こう?と考えた時、このフェリーのことがすぐに頭に浮かびました。なので、このフェリーの運航日に合わせて、お休みをいただき、ツーリングを企画したのです。

 

旅のはじまりは花園駅。

敦賀駅まで輪行し、そこから自転車を組み立て、港まで行きます。台風接近により、フェリーの運航状態が気になりましたが、問題なく運航するようなので敦賀まで急ぎます。フェリーの受付の時間までに間に合うように行くには、鈍行であれば京都駅発の始発に乗らないといけません。朝早く起きるのは構わないのですが、京都駅まで自走するとなると7㎞弱走らなければなりません。京都駅まで走って輪行するのは帰りならまだしも、行きのときに早朝の薄暗い中走ってから輪行はやりたくない・・・。

 

 

そんな時は特急列車サンダーバード!

サンダーバードに乗れば1時間近く短縮できるので、自宅から最寄りの花園駅で輪行することができます。サンダーバードの特急券は京都~敦賀間自由席で1180円。まさに時間をお金で買うとはこのことですね。学生の頃なら京都駅まで走っているでしょうね(笑い)

 

 

そして今回の自転車はこちら。

学生の頃より乗り続けているグランボアのランドナー。

フロントのサイドには寝袋、テントなどが括りつけられています。フロントのサイド枠は最近追加したものです。なぜこの形かというと、サイドバッグをつけるのを想定していないからです。私個人的な考えですが、大きなサイドバッグ2つでは輪行の時に大変なので、荷物はフロントバッグと後ろに取り付けるサドルバッグになるべく収める。寝袋、テントなどはフロントサイドに括り付けて、輪行時は輪行袋の中に自転車と一緒に収める! これであればフロントバッグとサドルバッグ、そして輪行した自転車と3点を持ち運べば大丈夫です。

 

自転車の重量は12kgほど。荷物がだいたい8kgほどなので、総重量は約20kgあたりでしょうか。なぜ、重さのことにふれたのかといいますと、帰りは飛行機で帰る予定でしたので、重量を超えると超過料金、あるいはこれ運べません!なんてことになりかねないので、少し荷物の重さにも気を配りました。

例えば、今回テント泊でのツーリングでしたが、キャンプ用品はなるべく持ちませんでした。

ですが、雨具は雪山用のシッカリしたものを持ち運んでいます。学生の頃使っていた雨具は、なるべく軽量タイプのものを使用しておりました。使いたての頃はしっかり水をはじいていましたが、生地が薄いので、気付くと性能が愕然に落ちてしまい、転倒した際にはすぐに破れてしまう(破れてしまえば効果云々の話ではありませんが)など、私個人的には満足のいくものではありませんでした。軽量タイプのものに比べて、収納時の大きさは倍ほどの大きさになりますが、丈夫さを優先しています。

 

 

敦賀駅から港までは5kmほど離れています。途中にフェリーの中での食料を買い込み、港を目指します。そして、実際の乗船時間は約20時間。途中新潟港を経由して、朝5:30過ぎに秋田港へ到着します。

 

フェリーの中に並ぶ自転車。この自転車と再び陸に上がるときは東北です。期待に胸を弾ませて、到着まで待ちます。(大半は寝ておりました)

 

天気は快晴。夜には台風の影響で大雨の予報ですが、走りだしは好調です。

まずは、秋田港より北上し、男鹿半島・寒風山を目指します。

 

 

 

写真スポットらしいので巨大なまはげをパシャリ。

 

 

寒風山は標高350mほどの高さしかないので、あっという間に上れてしまったという感じでしょうか。

 

 

 

 

ですがこの見晴らし。周囲に山が見えないので、すごく開放的で、空が広く感じました。

 

 

ササっと降りてきまして、道の駅にて昼食をいただきました。

またかい!と突っ込まれそうですが、そばをいただきました。おいしゅうございました。

 

 

この日は大潟村近辺のキャンプ場に泊まる予定でしたが、台風が心配でしたので、もう少し北の能代市まで進み、宿泊施設を利用することになりました。

 

 

翌朝、朝早くから輪行して、鰺ヶ沢を目指します。

今回の旅は輪行を最大限活用して、短期間で目的地を目指す段取りでしたので、ショートカットできるところは電車に乗っちゃいます。

 

向能代駅。情緒ある佇まいで、待合室もこの通り。

 

 

ですが、問題発生・・・・・

昨日の台風の影響で電車が止まっていたのです。倒木が線路に数カ所あるとのことで、午前中の運航は厳しいとのこと・・・・

 

この日の目的地までいけるのかと肩を落としていたところ、バスによる振替輸送があると駅員の方が教えてくれました。大きな駅目指して一気に行けるわけではなく、私たちのように小さな駅から電車に乗ろうと考えている人がいるかもしれないので、一つ一つバスで駅を回ります。

 

 

 

 

当初の予定より2時間オーバー程で鰺ヶ沢駅に到着。

午後からの行程で鰺ヶ沢より北に40km弱の十三湖付近まで走るのはしんどいと思いながらも、走るしかありません。 走り始めて間もなく、正午もとっくに過ぎてましたので昼食をとりました。

 

店の方にお勧めを聞いたところ、このちゃんぽんが出てきました。

写真ではすごく伝わりづらいですが、この器すごく大きいんです。上にはホタテ、エビ、ズワイガニ、サザエがのっており、上の具だけ食べてもかなりの満足感。T君に大いに手伝ってもらい、なんとか完食。アイズでの昼休憩の時、いつもけっこうな量食べてるはずなんですが、これだけは「あ、ムリだ」と悟ってしまうくらいでしたね。

 

十三湖付近にはお風呂屋さんがないため、途中にある車に力と書いてしゃりき温泉に寄ることに。

 

地元の方々の憩いの場になっているようで、夕方前でもたくさんの人が。サウナに入ったところ、喋っている会話がまったく聞き取れません。ん?おかしいぞ?と思い、必死に聞き取ろうと頑張り、ん?台風の話してるのか?とわかったときには脱落、水風呂へ撃沈でした。おなじ日本語のはずなのに、ここまで聞き取れない言葉は初めてでした。津軽弁、大変興味が湧きました。

 

次の日の行程、竜飛岬に備え、十三湖のキャンプ場に泊まりました。この時、ニュースでちらっと見た関西国際空港の状況、東北でも感じられた台風の影響などもあり、仙台空港から関西国際空港まで飛行機で帰る予定だったのを変更し、行きと同じくフェリーで帰る方法を考えました。フェリーから芽生えた今回の旅、またフェリーで帰るのも良しと思い、帰路を探しました。明日、竜飛岬を攻略、そのまま三厩駅まで行き、青森駅まで輪行、そのまま八戸まで行き、フェリーで苫小牧へ渡り、苫小牧から敦賀までさらにフェリーに乗り、京都まで帰るプランを練りました。次の日の行程も朝早くから竜飛岬を攻略するつもりでしたので、フェリーの予約も朝起きてからにしようと早く就寝しました。

 

その晩、強い揺れに目が覚め、そして長く揺れることに違和感を感じましたが、周囲の様子も特段変化はなかったので、その時はそのまま寝落ちしてしまいました。翌朝、北海道で大きな地震が起きたことを知りました。この時は得ている情報も少なかったので、廻りの状況も変化はなく、竜飛岬まで走り出しました。

 

竜飛岬までの道のり、竜泊ライン。天気もよく快走でした。

 

道端にはススキが!

 

 

 

 

はるみさんに「飛ばされないようにね!」と忠告を受けていた竜飛岬までの道のり。ものすごく風は強かったですが、押すなりしてなんとか見晴らしの良い眺瞰台までたどり着きました。

 

 

雲がかかっていて見えなかったのですが、なんと、雲がなければ北海道が見えるそう。

 

岬までは下りなのであっという間。車で出張郵便局をしている方がいらっしゃったので、「いつもこんなに風は強いんですか?」と伺ったところ、「今日は特別強いよ~」と返答。

 

え~・・・・竜飛岬っていつも風強いんじゃないのぉ~・・・(ガックシ)

もし、穏やかな竜飛岬に行かれた人がいましたら是非教えてください。

 

 

竜飛岬を後にし、帰りのフェリーに備えてテントやシュラフなどを京都まで送ろうと郵便局を訪れた時、北海道の状況を知りました。フェリー会社の苫小牧支店に電話したところ全然つながらず、どうしたものかと考えていた時、父親から電話が。

秋田・青森に旅行に行くとは事前に知らせていたので、北海道の地震のニュースを見て、心配して電話をかけてくれたのです。

父「どこにいるんだ?」

拓「津軽半島におりますが?」

父「バカたれ」

 

父からも地震の話を聞き、とにかく急いで三厩駅まで行くことに。

 

14時過ぎ青森駅に到着したところで、帰路について考えました。空、海の便が絶たれた今残すは陸の便しか選択肢にない状況、あと1つしかない陸の便が絶たれた時、帰れなくなる恐怖、色々なものが頭の中をめぐり、気付いた時には緑の窓口の前に立っていました。

 

 

何よりも恐ろしいのは、午前中に津軽半島の岬にいたはずが、その日の夜には京都駅まで戻ってこれているということです。恐るべし新幹線。

 

 

こうして私の東北ツーリングは予定していた行程の半分ほどしか走ることはできませんでしたが、この先も忘れることのない大変貴重な旅になったと思います。

 

台風21号、そして北海道胆振東部地震と立て続けに起きた災害。私は無事京都まで辿り着くことができましたが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。一日も早く日常が取り戻されることを切に願うばかりです。そして、今回の台風でも大きな被害が出ませんように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

takumi

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