輪行で霧のテラスへ
こんにちは、前野です。
今日のブログは今年の1月に書いて公開するタイミングを逃してしまった記事になります。
1ヶ月前、コンセントレーションおにゅう峠2022の早朝に見たおにゅう峠の雲海は素晴らしかったのですが、誰もが自転車で手軽に行ける場所とは言い難いですよね。
今回紹介する雲海スポットは輪行で向かいやすく、長距離を走らなくても楽しめる場所になります。(坂は登ります。ご容赦ください…)
先日更新した「ランドナーで峠へ」で紹介した”かめおか霧のテラス”へ京都市内から輪行で行ってみました。実は亀岡方面を走ることはありますが輪行で行くのは初めてのことです。
まず、輪行ではなく自走して京都市内から亀岡方面へ向かうルートは大まかに2通りあります。
最短ルートは国道9号線で老ノ坂峠越え。
時間があれば交通量が少なく景色のいい六丁峠、保津峡と神明峠を経由して少し遠回りするコースです。
ただ、どちらも峠越えをしなければならないので、走り慣れていない方に気軽にお勧めできないのが難点です。老ノ坂峠は国道で交通量が多く、トレーニング目的ならまだしもツーリングで走って楽しい道ではありません。走り慣れていても老ノ坂峠を越えるのは気が乗りません…
保津峡経由は楽しいコースです。しかし雲海を目当てになるべく早くたどり着きたい場合、万人にお勧めできるルートとは言い難いです。
そんな近いようで遠く感じる亀岡へ輪行で行ってみるのはどうでしょうか?
アイズバイシクル最寄りのJR花園駅から約15分、240円で亀岡駅まで行くことが出来ます。
そしてこの日は霧テラスの定点カメラに雲海が写っていたので、いつものコースを走る予定から亀岡輪行サイクリングに切り替えたのでした。
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アイズバイシクル最寄りのJR花園駅から輪行
午前8時半、まずは輪行してホームへ。霧が濃ければこの時間から向かっても雲海を見れるはずです。
去年は輪行をしなかったので、輪行袋を担いで電車に乗り込むというだけでワクワクします。たった15分の乗車時間ですがどこか遠くへ出かけるような気分です。
車窓から
トンネルを抜けた先の亀岡は霧が晴れかけています。保津峡駅に全く霧が無かったので雲海日和でないことは薄々感じていたのですが、このままだと何となく輪行して亀岡に来ただけで終わってしまいます。急がねば。
写真左側の亀岡スタジアム以北にはまだ霧が出ているの北側の雲海に賭けます。
亀岡駅に到着
亀岡南口を出て自転車を組み立て始めます。雲海が濃い日は駅周辺も真っ白なのですが、写真のとおり視界はクリア。
9:00 亀岡駅を出発
ちょうど10分で出発準備を完了して亀岡駅を走りだします。天気は曇り。北部の雲海は残っているでしょうか。
霧テラスまで2.9㎞
京都縦貫道亀岡ICの交差点を左折して亀岡CC方面へ登っていきます。道中には霧テラスの看板もあるので迷わず走れます。
雲海は無いけどいい景色
霧テラス手前の展望台からは愛宕山を眺めることが出来ます。霧の名残を見て取れますが、雲海は消えています。
9:30 かめおか霧のテラスに到着
亀岡駅を出て約30分で霧のテラスに到着しました。目当ての雲海は消えてしまいましたがそれでもいい景色です。この日は日曜日だったのでロードバイクで上がってくる人も見かけました。
タイミングが良ければ看板のような雲海が見られます
今回は霧が晴れるのが早く、雲海を拝むことは出来ませんでしたが霧が濃い日は素晴らしい雲海を眺めることが出来ます。
この後南に下って法貫峠を経由して亀岡駅から輪行で帰りました。午前中の短い時間でしたが充実感の有るサイクリングでした。
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ER輪行
自分が乗っているグランボア650BランドナーはセミオーダーモデルのグランボアTypeERと同様の方法で輪行を行います。
手順はロードバイクで主流の縦型輪行と基本的に同じです。泥除けの処理を適切にすれば難しくありません。前後輪、前後泥除けを外し、エンド金具を取り付けたフレームを自立させてホイールと泥除けで挟み込みます。
コツとしては
・ハンドルを左に切る(右に切るとバランスが悪く、輪行状態で自転車が安定しません)
・クランクはチェーンステーと平行に
・フレームの右側に前後泥除けを重ねた後輪、左側に前輪を配置(逆にすると泥除けがハンドルにぶつかってへこみます)
・横幅の大きいペダルは外す(シルバンツーリングなど)
・外した前後のドロヨケはダルマ、ステーの部分を重ね合わせて後輪にかぶせる。(ステーはスポークに差し込んで暴れないようにします。)
・重ね合わせた泥除けがホイールから外れないようにバンドなどでホイールと固定する(写真では輪行袋の収納袋についているバックルベルトで固定)
ER輪行斜め上から
・中締めベルトは3か所で固定。(固定位置が正三角形になるように)
・泥除けがチェーンリングに当たらないよう位置を調整する
・ダウンチューブの中締めベルトはフレームに1周巻いてからホイールを束ねる
・泥除け、ハブシャフトがフレームと接触する可能性がある場合はフレームカバーを使う
・中締めベルト3本を固定したら持ち上げたときにフレームとホイールが動かないように締めあげる
・肩がけ用ベルトはボトムブラケットとヘッドチューブに固定し、輪行袋のガイドに従って自転車を収納する(肩がけ用ベルトは輪行袋を担いだ時に地面から十分離れるように短めに調整する)
輪行袋、エンド金具は収納袋に入れてサドル下に固定
自分がER輪行で使っている道具
・オーストリッチ ウルトラSL-100 超軽量輪行袋 (SL-100の収納袋に入れています)
・トピーク ラチェットロケットライトDX(ER輪行ではラチェットハンドルと4、5mmのビットを使います)
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霧テラスの後はこんなルートはいかがでしょうか。
今回は法貫峠を経由して亀岡駅まで戻りましたが、善峯寺や逢坂峠方面を走ったほうがより味わい深いサイクリングになります。昨年末に霧テラスを訪れた際は善峯寺を経由して京都市内へ帰りました。
コロナ禍で遠出をしなかったり私生活の変化で輪行をする機会が減っていたのですが、近場でも輪行を活用するとなかなか楽しいです。
輪行する程じゃないと思っていた場所でも輪行で行ってみると新しいルートの可能性やその土地の魅力を再発見できるかもしれません。
基本的に自走で向かうがモットーでしたが、今後は輪行も積極的に活用していこうと思いました。
アイズバイシクルでは輪行サイクリングを応援します。
セミオーダーランドナーのグランボアTypeERは今回の記事で紹介したER輪行が出来るランドナーです。
オーダーのご相談はもちろん、既にTypeERをお持ちの方で輪行の方法がわからない、慣れない方もお気軽にご相談ください。輪行サイクリングに出かけられるようにお手伝いします。
亀岡の霧は11月頃からシーズンを迎え、2月頃まで標高の高い場所から雲海を見られるはずです。
今シーズンも11月中旬ごろから高い頻度で霧が出ているようなので、ライブカメラでチェックして霧のテラスへ向かってみてください。きっと気持ちのいい午前中がすごせるはずです。
クリスマスセールのお知らせ
今年も店頭と通販でクリスマスセールを開催します。昨今の情勢で未だに在庫状況が安定しない物もありますが、グランボアタイヤなど大変お買い得になりますのでこの機会に是非ご利用ください!
【店頭セール】
12月18日(日)10時~18時頃
アイズバイシクルの店頭商品すべて店頭価格から1割引
グランボアタイヤは定価より1割引きの店頭価格からさらに1割引き致します。
【通販セール】
12月19日(月)~12月25日(日)
オンラインストア掲載中の商品すべて表示価格から1割引きとします。
★ただし、ご予約品やお取り寄せ品、修理などの作業工賃は対象外です。
12月のアイズバイシクルは4、13、23、25日が定休/臨時休業になります。
年末年始は12月29~1月3日の間がお休みです。
2022年も残り1か月。12月もよろしくお願いします。
サイクルスポーツ1月号「再びのランドナー」
こんにちは、前野です。
11月18日発売のサイクルスポーツ1月号には「再びのランドナー」という題でランドナーがピックアップされています。
今回の企画ではグランボア/アイズバイシクルも取材していただいて親方のインタビュー、私前野がアイズバイシクルスタートでライターの田村さんと走った50kmほどの輪行サイクリングが紹介されています。
普段サイスポを読まれていない方も、この機会に書店などでお求めいただけたら嬉しいです。
ランドナー特集だけでなく、普段触れないジャンルの情報を見ていると思わぬ発見があるかもしれません。
Linden BK-02 こんな補助灯が欲しかった!
こんにちは、前野です。
今日は当店で新たに取り扱いを始めた新商品をご紹介します。
こちら、何だかお判りになりますか?
ぱっと見は黒いゴムチューブに半透明のレンズ…?
親指の第一関節くらいのサイズ感です。
これならわかりやすいでしょうか?
赤く点滅するライトです。後方に向けて取り付けるモノですね。でもどこに付けますか…?
答えはベルクロテープを使ってヘルメットの後部に取り付けます。
ライダーの頭部に取り付けることで自転車本体のテールライトよりも高い位置になり、後方から迫る車やトラックのドライバーに視認されやすくなって安全性が高まります。
高い位置に点滅灯があるとトンネルの通過や夜間走行の安全性が高まるはず。
アイズバイシクルのある京都だと、京北に行く国道162号線の笠トンネルをやむを得ず通過する際などに点けておくと安心ですね。
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今回ご紹介するLindenのBK-02はヘルメットなどに装着する超小型充電式自動点滅の後方警告灯です。
小さなテールライトならネットで検索すれば無限に出てきますが、こちらは光センサーとUSB type-C 充電ポートを備えた自動点滅かつ充電式のテールライトになります。重さはなんと5グラム…!
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「こんな補助灯がほしかった!」という記事タイトルにしているのは訳があります。
自分が長年楽しんでいるサイクリングの一つに長距離を走るブルべが有ります。
ブルべのルールの1つとして400km以上ではヘルメット尾灯(点滅でも可)を装着することが定められています。自転車本体にはもちろんテールライトが必要なのですが、夜間走行時の安全性を少しでも高めるための処置として、日本のブルべを走る際はヘルメット後ろのテールライトはほぼ必須装備となっています。
ブルべに参加するためにヘルメットにテールライトを装着していたのですが、正直なところ理想的な製品を見つけられずにいました。
理想のヘルメット用テールライトを探して…
自分がヘルメットに装着するテールライトに求める要素
・頭、首への負担軽減の為なるべく軽量。
・夜間走行中はONにしたままになるので駆動時間は最低でも12時間以上。
・昼間もトンネル通過時などに点灯させたいのでスイッチはなるべく押しやすく。理想はランドナーに 付けているハブダイナモライトと同様に光センサー搭載で自動点灯してくれるもの。
・使い捨てのボタン電池でも良いが、充電式なら尚良い。
・長時間の走行、様々な気象条件に耐えうる耐久性。
・どんな形状のヘルメットにも取り付けられること。ヘルメット以外にも取り付けられたら尚良い。
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全てを満たす製品は存在しない(少なくとも自分は見つけられませんでした)ので上記の要素をなるべく多く満たす物を選んで使ってきました。軽くてコンパクト、作動時間が長いものは存在しましたが、コンパクトかつ充電式で自動点滅機能付きの物はありませんでした。
トンネル通過の際に後頭部に着けたライトのスイッチを操作するのはとても面倒です。それに、後頭部のライトが点いているかどうかは単独行ならヘルメットを外さないと確認できません…
自動点灯の充電式テールライトは存在しますが、自転車に装着することを前提としたデザインなので重量は20g以上(ヘルメット重量250gの1割程度)ありますし、ヘルメットに着けると外観の異物感が半端ないのです。
しっかり光って夜目立つのはいいのですが、明るい場所でも外観で主張するのはイマイチです。あからさまに外観を主張する自転車取り付け用のテールライトをヘルメットに着けるのが嫌だったのです。
そんな感じでどうにか妥協できる製品を使って今までブルべに参加してきたわけですが、ようやく全てを満たす製品に出会えました。
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2022年春にLindenの長さんとのやり取りがスタート。
自分は長さんが作った試作品をお借りして通勤やブルべ、日帰りサイクリングなどで使用してきました。
600kmブルべの夜間走行で視認性の良さを確認
最初の試作品は6月のBRM618米原600㎞で快調に動作してくれました。スイッチの操作感や点灯モードと点滅モードの切り替えには改善できる部分がありましたが、スタート時にスイッチをONにすれば走行中はテールライトの操作を考える必要が無くて快適でした。
豪雨の中走った200kmブルべで試作品は故障
続く7月のBRM709大津200kmでも継続して使用。ただ、このブルべの後半約2時間はゲリラ豪雨の中の走行となり、それ以降試作品の調子が悪くなってしまいました。
これをLindenの長さんに伝えたところ、既に同様の症状を把握されていて改良版の試作品を提供いただきました。回路定数を見直して、さらに防水シール処理もしっかり施し雨対策は万全に。スイッチの操作感も改善して点灯モードは無くし、点滅モードのみのシンプルな構成に。
こうして僕の手元に来た2個目の試作品はLindenのロゴがプリントされた製品版とほぼ同じものとなりました。
10月のBRM1015守山300kmで早速改良版を使用。未明のスタート地点までの自走からブルべ中盤の敦賀半島トンネル、日没後の交通量が多い湖岸道路まで快調に作動してくれました。
敦賀半島トンネルで一緒に走っていた友人が撮影してくれた動画をご覧ください。
どのように見えるか写真よりもわかりやすいと思います。
ちなみに自転車のテールライトはキムラTL-06D。ハブダイナモ給電のフレームに直付けされたテールライトです。
防水性が改善されたほか、使い勝手の面ではスイッチのクリック感なども改良されてオン・オフの切り替えがわかりやすくなりました。
本当に細かい部分ですが、とても使いやすくなりました。点滅パターンも丁度いい感じです。補助灯として割り切っているので点滅モードのみとしたのもシンプルで扱いやすいです。
300kmブルべ後に何度か雨の中も走りましたが問題なし。最近は仕事が終わって店を閉めると真っ暗になっているので帰り道の頼れる小さな相棒として活躍しています。
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と、ここまで自分の使用感などを中心に書いてきましたが、Lindenを立ち上げた長さんから開発経緯などを伺っているので紹介していきます。
所有するアレックスサンジェにBK-02開発のきっかけが
Lindenの長さんがBK-02を作ったきっかけは愛車のサンジェとサイクリングをする環境にありました。
以下、長さんの文章そのままです。
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BK-02を作った経緯はというと~
事の発端はサンジェのリアライトにあります。
私のサンジェはリアライトが左側のチェーンステー下に付いてます。
フランスでは問題ないですが日本の道路を走るときは歩道側となり、走行中の
自動車の陰になっちゃいます。ワゴンとかトラックだと運転席が高いので
さらに見えにくいじゃん! となります。
静岡の梅ヶ島方面のサイクリングでは、トンネルが3か所ありますが、大型バイク、
自家用車のほかに、工事用ダンプやトラックも通ります。
そこを自転車で走る必要があり、後ろから走行音が聞こえるだけで…大丈夫とは
思っていてもかなり怖いもんです。
まして、サンジェのように反対側の下部のライトでは見えてない可能性が限りなく大
です。
まあ、そんな理由から生まれた警告灯なんです。
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「ヴィンテージのサンジェに乗っている人が何故ヘルメット用ライトを作ったのだろう?」と初めてお話を聞いたときは疑問に思いましたが、こんな理由があったのです。それに、BK-02はベルクロテープの貼り付けさえできればヘルメット以外の場所にも取り付け可能なので工夫次第ではサドル下への装着なども可能です。(付属するベルクロテープのシール面はとても強力です)
重いライトは首への負担が増えるのでとにかく軽い部品を使って最小限のサイズ、構造で作られたそう。極めてシンプルなBK-02の外観にも訳があるのです。
そしてヘルメットに取り付けるということで安全性にも配慮されています。
万が一転倒などでライトがつぶれたり変形したりしても発火しないように電源も小型のリチウムイオンキャパシタを選択。リチウムイオン電池などに比べて発火、発煙などに対してはとても安全になっています。
岐阜羽島サイクルフリーマーケットにて長さんと奥様
LindenのBK-02は長さんの手で1つずつ手作りされています。
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Linden BK-02のスペックはこちら。
特徴
①小型軽量(本体5グラム、全長3.5㎝)
②充電時間約10分!(USB-C USB-PD使用可)
③動作時間約24時間(点滅時間)
④光センサーによる自動点滅オンオフ
⑤水没させても動く防水性
Linden BK-02はアイズバイシクル店頭、グランボアオンラインストアとLiden the shopからご購入いただけます。
日照時間の短い季節だからこそ、Linden BK-02を身につけてサイクリングに出かけませんか!
今年最後のブルべ BRM1015近畿300km守山
こんにちは、前野です。
先月の茨木600㎞に続いてブルべに参加してきました。
今回走ったのはオダックス近畿主催のBRM1015近畿300㎞守山
滋賀県守山市発着の300kmブルべです。302㎞で獲得標高は2000m程の平坦基調なルート。
土地勘のある場所が殆どなので300㎞ブルべとしてはかなり優しい内容です。
下のマップには307.7kmと表示されていますが理由は後程…
一緒に走るのは今年のブルべを殆ど一緒に走っている友人のS。彼は先月の茨木600kmを一緒に走った2週間後、茨木から出雲大社に行く400㎞ブルべに単独参加して見事完走。自分と同様にSRまでリーチの状態です。
今回も二人で協力しながらゴールまで走る計画でスタートしました。全体の平均速度を21.5㎞/h以上で維持し、14時間以内にゴールする計画です。後半、白髭神社付近から道が混みそうなので、それによる速度低下も考えて走る必要があります。
自走でスタート地点の守山へ
自宅からスタート地点の守山駅までは35㎞ほど。5時スタートなのでスタート近くで前泊するか自走の2択でしたが、300kmの簡単なコースなのでホテル代が惜しくて自走で向かうことにしました。
午前1時半にアラームより早く目が覚めて起床。準備も時間がかからなかったので少し早い2時に自宅を出発しました。車の少ない夜の街をゆっくり走り抜けて午前4時に守山駅到着。
4時半ごろから車検が始まり、一緒に走るSとも合流して今日のプランを話し合います。Sは守山駅前のビジネスホテルに泊まっていたのでたっぷり睡眠がとれて調子がよさそうです。それに、前回走った茨木600㎞の後も高野山150kmサイクリング、茨木400kmブルべを走って抜群に仕上がっています。
それに対して僕は守山300の優しいコースに油断して3週間峠に行かず、おまけに自走で早起きしたので体力低下に寝不足気味。
それでもこの時は余裕で完走出来ると高を括っていました。今思えば茨木600kmを完走したことで僕の脳内は謎の自信(慢心?)に溢れていました。
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5:00 スタート JR守山駅西口
ブリーフィングの後、名前を呼ばれた順に守山駅前をスタート。
実は1時間後の6時スタートに以前アイズでバイトをしていた井越君がエントリーしています。彼にとって初めての300kmブルべです。頑張れ~
冷えた体を温めるために踏み続ける
気温15℃でそんなに寒くなかったのですが、スタートまで1時間じっとしていたので走り始めて風を受けると寒く感じます。程々のペースで走っているとなかなか身体が温まらないので、下ハンを握り少し重めのギアを踏んで速いペースを維持しました。
数キロ続けるだけで少し汗ばんできたので身体を温めることには成功。ただ、3週間全く走っていなかった身体でゴールまで維持できるペースなのかはわかりません。
6:14 日野町ブルーメルの丘付近 明るくなってきた
1時間も走っていると太陽が昇り明るくなってきました。スタートからほとんどの時間を下ハンを握ってハイペースで踏み続けています。この先は登り基調になって軽めの峠を越え、下った先が本日最初のチェックポイントです。
6:43 42.1km フォトコントロール1 大河原温泉かもしか荘
峠を越えてフォトコントロールに到着。途中、サルの群れに威嚇されたりしましたが予定より速いペースで順調です。
ただ、鈍った身体は少し悲鳴を上げています。登りで踏み続けると脚を攣る兆しが。少しずつでも走り続ける日々の積み重ねが大切でした。何回も同じような苦しみ経験してるのにね。
フォトコントロールのかもしか荘と自転車を写真に収めてコースを折り返し、下ってきた峠を登り返します。登り返していると続々と参加者の方達とすれ違い始めました。お互い手を振ったりしてPBPのすれ違い区間みたいで楽しい時間でした。
7:17 最高のサイクリング日和
ブルーメルの丘近くで右折して東近江を抜け、彦根方面へ北上していきます。
途中、朝靄の中を気球が飛んでいたりしていい景色です。平坦コースで鍵となる風も弱く、快調に距離を刻んでいきます。
8:25 87.9km PC1 ファミリーマート 滋賀県立大学前店
彦根市街地の手前で湖岸道路に合流して、しばらくビワイチと同じルートを走ります。交通量が多い道ですが、訪れるたびに自転車レーンの拡張工事が進んでいるので年々走りやすくなっています。
コントロールポイントのコンビニに予定より早く到着して10分停車。一人で走る時は関係ありませんが、二人でペースを合わせて走る時は停車時間をお互いの疲労具合などに合わせて調整する必要があります。そして、予め時間を決めておかないとダラダラ過ごしてしまうのでコンビニに到着したら出発時刻を共有します。
今回は自宅からおにぎりを持ってきていたので食べ物は買わずドリンクのみ。結構汗をかいているのでスポーツドリンクにしました。
8:25 米原付近 Sのサドルバッグが固定できなくなる
波の無い琵琶湖を眺めながら快調に走っていると、突然前を走っているSのサドルバッグと後輪が接触してシューーーと大きな音を立てました。幸い安全に停車して歩道に移動できたのですが、サドルバッグの固定機構が壊れて安定して取り付けが出来ない状態になっていました。
このサドルバッグ、学生時代に僕が使っていた物をSに譲った物なので使用した距離、年数を考えると寿命だったのでしょう。とりあえず重たい物は僕のフロントバッグに移して、サドルバッグは元の位置に仮固定して走行を続けます。
9:13 長浜城近くのセブンイレブンからサドルバッグを自宅に送り返す
少し進んだ先の長浜城前のセブンイレブンからSの壊れたサドルバッグと中に入っていた輪行袋を自宅に送り返します。防寒用のベストとモバイルバッテリーは僕のフロントバッグに入れました。
輪行袋は僕も携帯しています。最悪の場合は貸すことも出来るので問題ないでしょう。
10:00 賤ケ岳隧道の定番撮影スポット
木ノ本まで行くと旧賤ケ岳トンネルまで登ってビワイチ定番の撮影ポイントを通過します。天気がいいのでもちろん停車して記念撮影。
調子のいいSに旧賤ケ岳トンネルまでの登りで遅れを取りました。サドルバッグを外してSの自転車が軽くなったのも要因ですが、乗り手に1番問題がありそうです。茨木600kmの時は登りで踏み続けられたギアが今日は踏めません。
11:03 敦賀のコンビニで早めの昼ごはん
塩津から敦賀まで国道303号線で峠越えをします。
この区間は緩い登りと向かい風で消耗しました。琵琶湖沿いは青空だったのが、日本海方面はどんよりとした重たい空模様。ペースを落としながら登りを終えて、下った先の敦賀で約20分の昼休憩を取ることにしました。
敦賀の市街地から小浜まで敦賀半島を回って70kmほど。昼食には少し早い時間でしたが距離的にちょうどいいのであらかじめ敦賀で食事をすることに決めていました。
自転車ログさんとコンビニで一緒になる
米原600km、茨木600kmをブログ記事にまとめられていた自転車ログさんと昼食を取ったコンビニで一緒になりました。
自分のブルべ完走後のささやかな楽しみが同じブルべを走った人が書いたブログ記事を読むこと。ケルビムの緑のロードを見て自転車ログさんとわかり、話しかけさせていただきました。休憩中の貴重なお時間ありがとうございました。茨木600kmは温見峠より2日目が辛かったというのは皆共通のようです(笑)
自転車ログさんは毎回とても分かりやすくブルべの様子をまとめられていて、同じブルべでも自分と違った視点から見れるのでとても楽しく読ませていただいています。
今回の守山300㎞も早速記事にされていました。ちなみにこのあと起きる僕らの”凡ミス”も第三者の目線から触れていただいています。トホホ…
敦賀半島の海岸線を走る
敦賀から小浜までは敦賀半島をぐるっと回ります。敦賀から小浜、そんなに離れていないと思っていましたが次に停車する小浜市街地のコントロールポイントまで70㎞以上あります。敦賀から小浜まで3時間~3時間半が目安の所要時間でしょうか。
12:03 敦賀半島トンネルに入る
敦賀半島の北端近くまで来ると、敦賀半島トンネルという長さ4km近いトンネルに入ります。海岸道路からトンネルまでは1kmの直線的な登り。距離を走って疲れてきているのでペースを落として登り切り、トンネルに入りました。
12:11 敦賀半島トンネルを引き返す
長いトンネルを淡々と走っている最中、フロントバッグのマップケースに入れたキューシートをちらっと見ると「162.6km フォトコントロール2 敦賀市立西浦小中学校」が目に入りました。あれれ、トンネルの入り口でGPSに表示されていたスタートからの走行距離は164kmを越えていたはず…
そもそも敦賀で昼食を摂っている時のSとの会話でもフォトコントロールは話題に上がらず、小浜のコントロールポイントのことだけでした。2人ともフォトコントロールの存在をすっかり忘れていたのです。フロントバッグのマップケースに入れたキューシートが役立った瞬間でした。もしキューシートをジャージのポケットに入れていたら小浜に到着するまで気がつかなかったかもしれません。
「あーーー!!」と声を上げて停車。敦賀半島トンネルを半分くらい進んだところでしたが、来た道を引き返します。トンネルを引き返す途中、敦賀で会話をした自転車ログさんとすれ違いました。なんとも奇妙な光景だったと思います。
12:15 フォトコントロールに向けてコースを戻る
トンネルを戻って先程登ってきた坂道を下り、海沿いの道路に戻りました。登りでは海が背中側だったのであまり見えませんでしたがいい景色です。
12:18 フォトコントロール2 敦賀市立西浦小中学校 162.6km(キューシート値)
トンネル内で気が付いてから10分ほど戻ってフォトコントロールに到着。今思えばこのミスもコースへの油断から生まれたものでしょう。
自転車と学校を写真に収めてもう一度敦賀半島トンネルへ向けて出発します。
12:24 敦賀半島トンネルへの登り(2回目)
1本目はすいすい登っていたSも足取り重く進んでいきます。少し良かったのは2回目の方が登りが短く感じたこと。
トンネルに再突入。ヘルメットのテールライトは新製品です
4kmのトンネルに再突入。
ちなみにヘルメットに着けている超小型のテールライトは新製品のLinden BK-02。
米原600、大津200でもLindenさんから提供いただいた試作品を使わせていただきました。今回使用しているのは製品版とほぼ同じもので、初期の試作品に比べて防水性、スイッチの操作感が向上しています。(最初の試作品は大津200kmの豪雨で調子が悪くなりました)
超小型、超軽量ながら光センサーによる自動点滅を備え、駆動時間は24時間。USB-C対応で充電時間はたったの10分です。使い勝手の詳細等はまた紹介しようと思いますが、自信を持ってお勧めできる補助テールライトです。
12:49 水晶浜を見下ろす
子供の頃連れてきてもらった思い出の水晶浜海水浴場の横を通り、美浜町方面へ南下していきます。敦賀ではどんよりと重たい空模様でしたが、すこし青空が見えてきました。車も少なく走りやすいです。
14:02 田鳥の棚田
美浜から少し海を離れた道を走り、田鳥で再び海沿いへ。この道は前回の茨木600でも走ったはずですが、下りの途中にあったので棚田には気が付きませんでした。今回はゆっくり登っている最中だったので停車して棚田と海を眺めました。夕方には棚田のライトアップもあるようです。
小浜の市街地に到着
海が見える区間を抜けてもう少しで小浜のコントロールポイントという所で自転車ログさんに追いつきました。
小浜では橋の架け替え工事を行っていて、自転車押し歩きが指定されているところもあるので指示に従って歩きます。会話をしながら橋を歩くのは脚のリフレッシュと気分転換になりました。
14:37 218.3km PC2 ファミリーマート 小浜千種店
自転車ログさんは小浜港の方へ海鮮を探しに行かれたのでコントロールポイントのコンビニ直前でお別れ。ブルべ中の短い時間でしたがありがとうございました。
僕たちはコンビニで休憩です。ここからゴールまで80kmほどなので予定では最後の休憩。ソフトクリームとコーヒーでおやつにして、補給食と水を買い足しました。
鯖街道を登って今津方面へ。登りで千切れる。
小浜の市街地を出ると27号線ではなく、川を挟んで北を通る24号線で東へ進み、熊川宿の手前で303号線に合流して保坂の方へ登っていきます。この写真の後、Sが前に出るとすいすいとペースアップ。僕は疲れていたので現状維持のまま千切れてしまいました。無念。
保坂まで登り切ってもSはそのまま進んだようで今津まで下り基調の道を一人で踏み続けます。下り基調でSも踏み続けていれば速度差は少ないのでなかなか姿が見えません。湖西道路をくぐるあたりでようやく追いつきました。
合流後、Sが飲み物を補給するために今津のセブンイレブンに停車。ここは長居せず、すぐに出発しました。
夕方までいい天気
今津から新旭へ向かう途中、一旦湖岸道路から離れます。
白髭神社手前から渋滞
高島の市街地を抜けると161号線バイパスに合流します。予想通りの渋滞。幸い、自転車レーンが広めに確保されているので然程速度を落とさずに進むことが出来ました。湖側では道路の拡張工事を進めているようなので将来的にはより走りやすくなるかもしれません。
琵琶湖大橋を渡って守山へ
志賀の辺りで近江八幡ブルべを主催しているS野さんを含む2人が追いついてきて合流。堅田まで4人パックで飛ばしました。先頭を牽いたりしましたが明らかにオーバーワーク。走りこんでいない自分には負荷が高すぎて琵琶湖大橋手前で力尽きて失速。琵琶湖大橋の道の駅で寝て行こうと思ったほどでしたが、Sが待ってくれているので力を振り絞って琵琶湖大橋を渡り切ることが出来ました。
湖岸道路を離れて守山駅方面へ
湖東に渡ればあと少し。交通量が多いので注意を払いながら湖岸道路を走り守山駅を目指します。
色々ありましたが当初の計画より1時間近く早くゴール出来そうです。
18:11 302.2km Finish ファミリーマート 守山金森町店
無事に2人ともゴールして13時間11分で認定となりました。
Sのサドルバッグの破損、フォトコントロールを忘れて余分に走る、最後のオーバーワークなどいろいろとやらかしましたが事故や怪我無く完走出来て良かったです。
来年の滋賀ブルべも楽しみにしています。ありがとうございました。
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ACPの300kmメダルとオダックス近畿の300kmピンズ
メダルコレクションが増えました。そういえば、2020-2023デザインのACPメダルの400と1000をまだ持ってないのでチャンスが有れば来年…?
振り返ってみると300㎞ブルべを走ったのは2019年の守山300km以来でした。
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今年はグランボア650Bランドナーで4本のブルべを完走、2019年ぶりにSR(Super Randonneur)を獲ることが出来ました。
装備的には6月の米原600kmから殆ど変えていませんが、茨木600kmからハンドルをグランボア平行マースバーからグランボアフランス型ランドナーバーに戻しています。ハンドルの肩を握るポジションの時に両肩がせり上がっている形状のランドナーバーが最も手のひらへの収まりが良く、快適に感じます。
ただ、平行マースバー、フランス型マースバーに比べてライディングポジション、ハンドルの角度が合っていないとそのメリットを感じずらいかもしれません。マースバー2種はハンドルリーチが長いのでポジションに変化をつけやすいです。この自転車で3種類全てを使いましたが、どのハンドルにも良さがあります。
そしてタイヤはエートル エキストラレジェ 650×42B、チューブはレール650をすべてのブルべで使用しました。ブルべ以外にも普段の通勤、日帰りサイクリングや推奨外ではありますが未舗装路を含む林道サイクリングにも使いましたがパンクやサイドカットは無し。2500km程使って後輪のトレッドの溝は少し薄くなっていますが、前後ローテーションすれば5000kmほど持ちそうです。
ただ、自分のタイヤはサイドウォールのケーシングが劣化してきているので年を越す前に交換です。今年は走行距離が少なかったのでトレッドより先にサイドウォールが痛んできていますが、年間通してたくさん走られる方はサイドのケーシングが元気なうちにトレッドの寿命まで乗っていただけると思います。
グランボアのエキストラレジェタイヤは超軽量でしなやかな素材から出来ているので乗り心地と転がりの軽さは最高です。ただ、デリケートな素材なので乗り手に配慮が求められるタイヤでもあります。
より丈夫なタイヤが必要な場合はエキストラレジェではなく、スタンダードモデルをご使用ください。こちらもグランボアこだわりの乗り心地のいいタイヤです。
700Cのロードバイクでブルべに参加されている方には700×28Cセールヴェルデか700×30Cシプレ700がおすすめです。
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今年は6月から4本のブルべを完走。来年も国内でSRの獲得とSR600を走りたいと思っています。
2022年参加したブルべ
・BRM1015近畿300km守山(今回)
留萌から宗谷 ~稚内・宗谷~
朝食前の散歩。
日が昇り始めたところでしたが、すでに良いお天気。
港では島への往復時に乗った2艘の船が停泊しています。
【稚内港北防波堤ドーム】
ホテルは稚内の歴史的建造物のすぐ近くでした。
この半ドーム状の建造物は、かつて樺太が日本だったころ、宗谷本線から樺太行の連絡船へと乗り継ぐ人たちにとっての発着場となっており、その鉄道や道路を雨風から守っていた防波堤でもありました。実際に使用されていた期間は短かったようですが、当時の賑わいが想像できるモダンで立派な作りです。
<画像=wow50より>
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9月15日 稚内~宗谷岬
いよいよ旅の最終目的地の宗谷岬まで走る日です。距離は寄り道しても60kmほど、見所は最北端の宗谷岬くらい?
実は2人ともサロベツ・礼文・利尻と走り終えて「もう、旅のクライマックスは終えた」と思っていました。もっと白状すると、「最北端」というワードに興味が薄い私は「もう帰ってもいいんじゃないの?」とすら思っていました。稚内空港はもうすぐそこです。ですが、なんの、なんの、この日のコース上も心震える見どころがいくつもありました。帰りの飛行機を翌日に控えて、旅の余韻を楽しむどころか大はしゃぎの一日となったのでした。
寄り道は宗谷ふれあい公園展望台、大沼、宗谷岬、宗谷丘陵、白い道など。
昼食と宿泊はペンション亜留芽利亜。
出発前。
今回の旅は全く自転車のトラブルはありませんでした。パンクすらしなかったのですが、10日も海沿いを走るとペダリングに違和感が出てきました。コツコツ当たるような感じがしたり、実際にペダルを回すたびに音がして気になります。
そんな時はこれ。軽く汚れを拭きとって数滴チェーンに差すだけです。旅先では特に携帯用の19mlが便利ですよ。自転車も全体的にうっすら白く汚れていたのでサッとお掃除。手指消毒用のウェットティッシュはこんな時にも役立ちます。
宗谷湾の向こうには宗谷岬、反対側は大沼の向こうに利尻山が見渡せます。丘の上の展望広場は思っていたより広くてとても気持ちの良い場所でした。
この日の利尻もきれいでした。
大沼の畔の野鳥観察小屋。
野鳥はカモすらおらず。。。
渡り鳥が来る頃だと壮観でしょうね。。
いろんな利尻山の宗谷バージョン。
水鳥が立てるくらいの遠浅の海と利尻山のコラボレーション。秋の午前中の柔らかい光が反射する水面の向こうの利尻山は神々しいほどです。実は私は今回の旅でここから見た利尻山に一番感動しました。めっちゃ好みです。
そして、ここにもアザラシの群れ!
海の色が変わる手前のところでたくさん寝転んでいました。宿の方によると日によってはトドも見られるそうですよ。
【宗谷岬】
お馴染みのモニュメントの前はやはり人気です。
でもそこから宗谷岬平和公園まで上がるとまた違った景色が広がりますよ。
海側には北海道での酪農の発展を記念するあけぼの像。海の向こうにはうっすらサハリン(樺太)も見えています。
丘側にすっくと立つ塔は祈りの塔。
トイレや売店、食堂などの他に広場にはこういったいくつかの記念碑が設置されています。そして、その中をなぜか野生のシカが闊歩してました。
平和公園からは最北端のモニュメントも見えました。更に最北端度が増しますね~。
ここには平和の象徴としてアルメリアという花が植えられています。
稚内市内の至るところでみられるようになったアルメリアの花は、ここ宗谷岬平和公園に植えたのがはじまりで、毎年、夏には美しいピンクの花がこの公園を埋め尽くすとのこと。
また、この日の宿は「ペンションアルメリア」と言ってこの花に因んでいるそうです。
【宗谷丘陵】
平和公園から更に内陸へ進むと広大な丘陵地帯を利用した牧場が広がります。結構アップダウンがありますが、開放的でスケールの大きな景色が楽しめます。最北端に来られた方はぜひ少し寄り道をして牧場まで足を延ばすと良いですよ。この先の「白い道」も含めて周回しても30kmほどです。
【白い道】
町の名産品でもあるホタテの貝殻を敷き詰めた、文字通り白い道。ダイナミックな牧草地の丘陵地帯に突如として現れます。もうすでに知る人ぞ知る観光名所となっていますので車やバイクで訪れる人も結構おられました。自転車だとアップダウンがそこそこあるのと、貝殻を敷き詰めたダート道という事でロードバイクやママチャリではちょっと厳しい。まさしくランドナーが得意とする道ですね。自転車できていたのは私たちだけでした。
ツーリングに来てここを走らずに通り過ぎるなんてかなりもったいないかも。
11泊したお宿の中でホームページから一番イメージが掴みづらかったのはこのお宿でした。
宗谷湾に面する立地でロケーションは最高。でも、洋風なの? 和風なの? 宿の名前が意味することは? ペンションだけど大衆食堂もやってるの? と謎がいっぱいでした。でも、実際に行ってみると居心地の良い、とても良心的な宿、兼レストランでした。おそらくこのお宿の名前の意味が謎を解くカギだったのかな。この地で平和を願う花として植えられてきたアルメリアが由来となっています。私たちはスペインの都市名と勘違いしていましたからさらに混乱しました。
宿泊だけでなく、お昼は食堂もされているのでとてもありがたい。私たちは稚内から走り出して途中お昼をここでいただき、荷物も置かせていただきました。で、走り終えて戻ってきたら喫茶でコーヒーをいただいてくつろげました。(本当はレストランの時間は14時までだったようですが気持ちよく対応してくれました。)
で、全部の旅程を無事に走り終えて感慨に浸っている私たちのところに女将が話しかけてきたんです。
女将 「五右衛門風呂いかがですか?」
親方+専務 「・・・??」
女将 「今日はお湯も入れ替えたし是非どうぞ。」
親方+専務 「いやいやいやいや。」
お宿の湾側に確かに五右衛門風呂があるのはお昼ご飯の時にも目にしていました。ようするに宿の食堂の大きな窓から海原が見渡せるのですが、その浜の一角というか、一番いい場所にそのお風呂はありました。
女将 「大人3人くらいだと余裕で入れますよ。お二人でどうぞ。」
親方+専務 「いやいやいやいや!! 」
女将 「皆さん、そう言いつつも入るととても喜ばれるんです。水着も無料でお貸しします。」
専務 「いやいやいやいやいやいやいやいや!! とんでもない!!!」
親方 「・・・。」
女将 「大丈夫です。皆さん、慣れたら何度も入りたくなるんです。女性用もありますよ。」
専務 「いやいやいやいやいやいやいや。。。」
というやり取りを10分くらいして親方が五右衛門風呂をいただくことになったのでした。
寒くなく、暑くなく、確かに露天風呂日和。海も利尻山も湯船から独り占めです。
しかも、夕暮が近づくにつれ太陽の周りに「ハロ」が現れました。
近づいてきている台風の影響で北海道のお天気もこの日を境に下り坂。そんな旅の最終日にこんな貴重な体験をさせていただいたのでした。
ペンション亜留芽利亜さん、サービス満点! おススメです。
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9月16日 ペンション亜留芽利亜~稚内空港
ANA羽田経由伊丹行きは13:15発。
空港には11時30分に着けば、輪行したとしても余裕です。空港の近所の北の桜守パークに立ち寄る予定にしてあったので前の晩に「北の桜守」の映画を見ておきましたが、あえて立寄る必要は無かったかな。映画は良い映画でしたよ。
それより、メグマ沼に向かう道が良かった。例によって親方が地図を眺めていて決めたルートですが、牧場内を突っ切る農道(ダート)です。
いきなり牛の朝の横断に出会いました。すべての牛が牧場に出るまで10分くらいかな。
そして、その出てきた牛たちが興味津々で私の近くに集まってきました。
丈のある草と小さな溝で隔てられているとはいえちょっとソワソワします。。しかも、私が走り出すと彼らも一緒にドッドッドッと後を追って一緒に走り出したんです。親方、後ろで見ていて大喜び。牛も自転車が珍しかったんですね。
牧場らしい景色が広がります。
牧場の管理者さんが右下に写ってますよ。(^^)
このダートはたぶん2-3kmほど。楽しい道でした。
【メグマ沼自然公園】
メグマ沼は海跡湖で、海だったところが地形の変動によって切り離されてできた湖。その湖の周りには日本最北の湿原が広がっています。木道が整備されていて、湖畔を歩くことができるようになっていたので自転車を置いてお散歩してきました。
我ながらとても楽しそうです。後ろは宗谷岬が写っています。
そして、これがこの旅で撮影した最後の利尻山。
お天気は今一つでしたがしっかりその姿を見せてくれていました。
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実は、親方には見たい利尻山の姿がもうひとつありました。
それは飛行機から見る利尻山。
その日、台風が近づいていたものの山に雲はかかっておらずチャンスでした。
飛行機に乗るまでウキウキ、ワクワク。
でも、なんと、座ったシートは機体の左側!!!
座席の予約の時に左右を間違えてしまいせっかくのチャンスを逃してしまったのです。。。
チーン。。
それまでウキウキしていた親方は見れないと分かったとたん意気消沈したのでした。(笑)
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いよいよ日本も行動制限が解除され、自由に旅ができるようになりつつありますね。
ほんと、嬉しいです。
振り返れば3年もの間、世界中で人の往来が制限されてしまい、世の中が大きく変わりました。ネットの発達によって簡単に情報は得られるし、会わなくても人と人がつながることができる時代です。ですが、でもね、やっぱり、ちゃんと現地に立ち、人と会うことが大切だとしみじみ感じます。会うだけで、その場に立つだけで、言葉だけでは伝えられない、伝わらないことが、一瞬にして理解できることがたくさんあります。自分の足で立ち、自分の目で見、自分の心で感じることがやっぱり大切です。
旅に出ましょう。
そして、旅の相棒にはランドナーがぴったりです。今回、礼文島で泊まった花れぶんの女将が私たちの旅姿を見て「なんてシンプルな旅」と絶賛してくれました。ずっとランドナーに乗ってこられた方にとっては当たり前のことですが、自転車にスマートに荷物を負わせ、自分たちは身軽に旅ができるランドナーは誰が見ても機能美に溢れているのです。
京都にお越しの際はアイズバイシクルにもお立ち寄りください。
イベントもいろいろ予定しています。
10月22日 京王閣フリーマーケット
10月30日 岐阜羽島サイクルフリーマーケット
11月3日 コンセントラリー「おにゅう峠」(アイズバイシクル主催)
11月23日 タンデム学会(アイズバイシクル主催)
皆様に直接お会いできるのをスタッフ一同楽しみにしています。