ブルべ:BRM909神戸600km
こんにちは、前野です。
オダックス近畿主催のブルべ「BRM909近畿600km神戸・乙・日本海と瀬戸内海」に参加してきました。
コースは神戸をスタート、三田、丹波篠山経由で北上して堀越峠、石山坂峠を経て日本海へ。
高浜から舞鶴、丹後半島の海岸線を走り、鳥取市へ。そこから一路南下して赤穂市からは瀬戸内海沿いを走って神戸に戻る600kmです。今年最初で最後の600kmブルべ。無事に走り切って今年もSRを確定させようと思っていました。そう思っていたんです…
前日に神戸へ
スタートが4:30と早朝で、京都から神戸まで自走で行くのは流石に遠いのでスタート近くに前泊します。
前日の昼過ぎに輪行して電車移動。帰宅時間帯と被らないよう早めに出たので神戸まで快適に移動できました。
宿の最寄り駅に到着
輪行解除して自転車を組み立てます。フォーク抜き輪行も回数を重ねるごとに手順が定まり、作業時間が短くなってきました。
自転車の準備が整うと、宿にチェックインする前にスタート地点の下見に行きます。
スタート地点近くを散策
輪行解除した駅から10分ほどで明日のスタート地点HATなぎさ公園に到着。港の景色と自転車を写真に収めます。明日のスタートは日の出前なので、明るい時間に神戸の港を見ることが出来て良かったです。
ちなみに、今回は輪行時の着替えなども全て自転車に積んで走ります。
輪行用の服として軽量なTシャツとハーフショーツ、インナーを1セット用意しました。コンパクトな着替えが1セット有れば走行中に運ぶ荷物の嵩を増やさずに、快適に輪行できます。
午前4時過ぎ、ブリーフィングと車検が行われる
早めに夕食を済ませ、20時過ぎに布団に入りましたが思ったほど眠れずに起床しました。
受付でブルべカードを受け取ってブリーフィングを聞き、車検を受けて4:30にスタートです。
4:30 スタート 神戸HATなぎさ公園
昨年から頻繫にブルべを一緒に走っている友人のSと、600kmブルべ初挑戦のH君の3人で走ります。
Sはカーボンディスクロードですが、H君は自分と同じく650Bランドナーで出走です。ただ、今回は600kmと距離が長くブルべまでに3人で一緒に走ることが出来なかったので、あくまでもペースが合えばの話です。
自分の計画は約30時間での完走。途中、ビジネスホテルなどで長い時間の仮眠をとる計画はありません。
SとH君は400km過ぎの鳥取市付近で仮眠場所を確保しています。もし2人と同じペースで走れば400kmくらいまでは話し相手がいて夜間も気が紛れそうです。
5:20 9km 通過チェック1 再度山公園入口
スタートしてさっそくガッツリ登ります。神戸ブルべ定番の再度山です。登りの序盤で装備が重いH君は後方に…
先は長いのでどこかで合流することに期待しつつ、Sと二人で淡々と登って再度公園の看板に到着しました。
ここでは通過証明の写真を撮ります。
7:28 朝霧の中へ
三田、丹波篠山と北上していきます。丹波篠山では霧が発生していました。これから雲海の季節。今年もおにゅう峠の雲海と紅葉を見に行く計画を立てたいところです。
9:33 約110km、南丹市美山
60kmほど走ったコンビニで一息つき、H君にも連絡を入れます。どうやら彼のペースで順調に走っているようです。
京都府南丹市下山から福井県高浜市までの区間は何度も走っています。美山の見慣れた景色の中走っていると、スタートから100km進んでいることに気が付いて驚きました。普段なら100kmも走れば満足ですが、今日参加しているのは600kmブルべ。ゴールまでの距離が長いと100kmも短く感じるものです。
10:11 128km 堀越トンネル
美山から緩やかに上って堀越トンネルに到着。ちなみにここは砂利道の旧道がお勧めです。
トンネルを抜けた先の福井県側はダイナミックな下りで一気に名田庄の道の駅まで下ります。
自分のランドナーのブレーキはグランボア シュエット3642 センタープルブレーキ。
36~42mm幅タイヤとそれに対応した泥除けをカバーするクリアランスを持ちながら絶対的な制動力が高く、ハイスピードな下り坂でもコントロールしやすいです。コーナー手前で一気に減速したり、当て効きによるスピードコントロールなど思いのまま。
新しい自転車の機敏なハンドリング、ハイグリップな650×42Bタイヤと相まって下りがとても楽しいです。
11:03 146km 石山坂峠を下る
堀越峠を名田庄まで下った後、緩やかに登り続けて石山坂峠(トンネル)に到着。
堀越峠と同じく、北側はダイナミックな下りでループ橋もあります。
気持ちのいい下りの途中には決まっていい景色があるのは何故でしょうか。
止まって写真を撮りたいけど、気持ちよく下り続けたい。そんなジレンマが有ります。
11:11 153.7km PC1 ファミリーマート高浜国道店
最初のコントロールポイントに到着。ここでは買い物をしたレシートの時刻が通過証明になります。
コーラと梅おにぎりで早めの昼ごはん。普段なら選ばない食べ合わせですがブルべ中だと最高です。フロントバッグに行動食を補充し、2本のボトルを満タンにして出発します。
13:07 190km 由良川橋梁
舞鶴の市街地を抜けて宮津を目指して走っていると由良川の河口にかかる由良川橋梁が見えてきました。
残念ながら電車が通る瞬間は見れませんでしたが、青空と日本海に映えるレンガ色の橋は一見の価値があります。電車を待ってカメラを構えている人もいました。
13:59 206km 天橋立
天橋立手前でアイス休憩をして、天橋立の砂利道区間を走ります。
土曜日で混み合っているので僕たちも観光気分でのんびりと進みます。
リフレッシュするために手袋を外して走る
トイレに寄った後、しばらくグローブを外して走ることにしました。
基本的にグローブは装着していますが、長時間走るときは手のひらをリフレッシュさせるために一時的に外すことが有ります。
日差し除けと汗留めを兼ねてサイクルキャップを着用
晴天で気温も高かったので縁のサイクルキャップをヘルメットの下に被りました。日差しを緩和し、汗を吸収してくれるので暑い日も快適です。
それに薄手のコットン生地なので通風性が有り、ヘルメットの中を流れる風を感じられます。
そして、僕とSのヘルメットの後部にはLinden BK-02が付いています。
5gと超軽量、超小型ながら充電式で光センサーによる自動点滅機能を備えたテールライトです。
綺麗な景色、経過は順調。完走は確実と思いきや…
天橋立を抜けると、舟屋で有名な伊根に向けて丹後半島の海岸線を進んでいきます。
きれいな空と海、普段とは違う景色が見れて「今日は最高の1日だ」と思いました。
平坦な道で交通量はそこそこありましたが舗装は整い、物を落とすような要因はありませんでした。
自分の失敗は天橋立で外したグローブです。
外したグローブを普段はスマートフォンを収納するジャージの背中ポケットに入れていました。グローブが詰まったポケットにスマートフォンを差し込んだところ、入りが甘く、スマホはポロっと落下しました。
後方を確認してすぐに停車。探しに戻ると当たり所が悪かったのかスマートフォンの画面はヒビだらけでまったく表示が出来ません。おまけに道路に落ちた後、さらに脇の水路に落ちて水に浸かっていました。
今回のブルべはレシート取得のコントロールよりも通過証明の写真を撮影する通過チェックが多く、写真は全てスマートフォンで撮影しています。
ここ数年はスマホのカメラの性能が良いのでデジタルカメラを持ってブルべに参加することは無くなりました。スマホが唯一のカメラでもあるので破損してしまうと致命的です。
SNSにバックアップを兼ねて通過チェック写真をアップしていたので、スタートからここまで一緒に走ってきたSとゴールまで共にすればどうにかなるかもしれません。ただ、もしSと離れてしまうと京都で待っている家族への連絡手段は公衆電話しかありません。それに明日ゴールできたとしても、明後日から日常に戻るのに電話が使えない状況はちょっと困ります。
理性的な選択は、ここでDNFして宮津に戻り今日の内に輪行で京都に帰ること。
わかってはいましたが、この時はまだ受け入れられませんでした。
14:50 224km 通過チェック2 伊根の舟屋
「スマホは壊れたけど完走目指して走り続ける」と、Sに言ってコースをそのまま進み、伊根の舟屋に到着。周辺は観光バスが多く停まり、一大観光地になっていました。
この写真は自分のスマホで撮影しました。壊れたはずなのに何故?
画面は写らなくなりましたが内部は無事でした。
音量調整ボタンと電源ボタンを利用した写真撮影を行うとシャッター音が鳴ります。画面が映らないのでその場で写真の確認は出来ませんが、後日確認すると写真は撮れていてクラウドに保存されていました。
Sに電話を借り、京都の妻にスマホが壊れたが明日のゴールまで走り続けることを伝えました。
幸い、財布に何かあった場合の緊急連絡先として電話番号を入れていたので連絡が出来て助かりました。スマートフォンに電話、カメラ、財布の機能を集約させていますが、アナログなバックアップは必要です。
丹後半島を走るのは楽しい。でも…
次の通過チェック経ヶ岬の標識を目指して丹後半島の海岸線を進んでいきます。
普段なかなか来られない場所なので走れる嬉しさ半分、このまま続けていいのかと悩む気持ち半分と言った具合です。身体の調子はいいので完走は問題ないと思いますが、いろいろなリスクを考えると頭の中はスッキリしません。
通過チェックを前にSがパンク
経ヶ岬の入り口までもう少しという所でSの前輪がパンク。何か異物が刺さったようです。
リムとタイヤの嵌め合わせが固いというのでタイヤの脱着を手伝い、素早く復旧。
16:00 241km 通過チェック3 経ヶ岬標識
パンク修理の場所から2~300mで通過チェックに到着。
経ヶ岬灯台の標識と自転車を写真に収めます。自分のスマホでは写真が撮れているかわからなかったので、Sに撮影してもらいました。
「このまま続けていいものか…」
明るいうちにDNFするべきではないかと何度も考えます。
19:00 296km 城崎温泉
琴引浜を通過し、丹後半島の海岸線が終わると暗闇の中峠越えをして城崎温泉に到着。
約300kmを14時間半なので、ここまでのトラブルや天橋立でのんびりしたことを考えると順調に進んでいます。
ちなみに城崎温泉でDNFすれば京都まで特急1本で帰れます。それにこの時間なら、普通電車で帰ることもできるでしょう。スマホが壊れたことを除けば快調に走れているので、この時は駅に向かおうとは思いませんでした。
20:56 324km DNF PC2ローソン香住バイパス店
城崎温泉を出発した後も淡々と走り続けましたが、PC2手前の海岸線で自分の自転車のチェーンが切れてしまいました。
正確には、チェーンが切れたのではなく、フロント変速の際にチェーンを詰まらせ、チェーンからテンションが抜けた拍子にミッシングリンクというチェーン簡易着脱用のコマが外れてしまいました。登り初めで少しトルクがかかった状態で変速を行った自分のミスが原因です。普段なら変速時はトルクをかけないようにするのですが、気が散っていたのでしょう。
このアクシデントで諦めが付きました。通信手段が無く、これから本格的な夜間走行なのにメカトラブル。晴れない気持ちのまま走り続けるのはさらに重大なトラブルを起こしかねません。
外れたミッシングリンクはどこかに飛んでいったので見つからず、いつも携行しているトピーク ラチェットロケットライトDX+のチェーンツールでチェーンを繋ぎなおして復旧しました。ちなみに、この工具はフルセットでは持たず、ラチェットハンドル本体、エクステンションバー、チェーンツールと自分の自転車に必要なビットのみ携行しています。
少し走れば香美町のPC2に到着です。DNFすることを決心したので足取りは重く、僅か数キロがとても遠く感じました。
PC2のローソンに到着すると、ここまで一緒に走ってきたSにDNFすることを伝え、電話を借りて宿の手配と妻に連絡をしました。宿が懸念事項でしたが何件か電話したところ、素泊まりが出来て22時までチェックイン可能な宿が駅の近くで見つかりました。
夕飯を済ませて出発するSにお礼を言って、自分は紙に写した道順を頼りにゆっくりと宿へ向かいました。DNFしましたが身体は元気で、自転車はチェーンを短く切り詰めたのでアウターローが使えないことを除けば快調です。
そんな状況で宿に入るとDNFでは無く仮眠休憩の為に入ったようですが、明日はもう走らないので時間を気にせず眠れます。風呂に入り、コンビニで買った夕飯を食べて、テレビを見て24時過ぎにようやく眠りました。
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翌朝は早めにチェックアウトして、昨夜は暗くて見えなかった香美町の港を眺めてからJR香住駅へ向かいました。
駅前の公衆電話から主催者の方にDNFの連絡、妻にこれから帰ること伝え、約4時間のんびりと電車に揺られて京都に帰りました。
香美町まで一緒に走ったSは翌日にトラブルもあったようですが完走。序盤の再度山で分かれたH君は500km付近でPCの制限時間に間に合わずタイムアウト、DNFとなりました。
H君からブルべ後にホイールの相談を受けました。相談の結果、今後のブルべで余裕を持って走れるように軽やかに走れるホイールとエキストラレジェタイヤの組み合わせに新調してくれました。
10月末の姫路からしまなみ海道を往復する600kmに挑戦するそうです。頑張れ!!
今回は思わぬトラブルでDNF、2023年のSRを取り逃した形になりました。ブルべを完走出来なかったのは残念ですが、普段走らない丹後半島を満喫できたので悪いことばかりではありません。
来年も200~600kmのブルべを各1本ずつと、SR600を走りたいと思っています。いまは子供が小さく、家を空けるのが難しいのでなかなかブルべに出走が出来ませんが、長距離を走るのは楽しいので走力を落とさないように続けていきたいです。
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【アイズラリーのお知らせ】
11月23日(木)にアイズラリーを企画しています。
京都市北部の京北と南丹市美山町の間にある未舗装林道を含んだ約50kmをみんなで走る予定です。
近日中に試走を行い、詳細はまた後日お知らせします!
ランドナーと共に四国フェリー旅(後編)
こんにちは、伊藤です。
つい先日大学時代の友人に会う機会がありまして、子供の保育園の話になりました。
朝は私が保育園まで送っています。ランドナーで送り迎えしていると言うとかなり驚かれました。
学生時代に乗っていたBSのアトランティス・スポルティーフ。THULEのチャイルドシートはシートチューブにマウントするかたちで後付けができます。ハンドルはアップハンドルにして街乗り仕様にしていますが、スタンドはつけていません。壁に立て掛けて子供の乗り降りをしています。妻は今時の電動アシスト自転車に乗っていますが、私は乗り慣れた自転車でないとしっくりこなくてこんな仕様で保育園まで通っています。子供を乗せる予定がないときはワンタッチでつけ外しができるので便利ですよ!
少し間が空いてしまいましたが、四国ツーリングの後編に入りたいと思います!
【石鎚スカイライン編】
山小屋の朝は早いです。
他に宿泊されていた登山者の方々の声で目が覚めました。
宿のご主人と話していると、
「これから黒森峠に行くの?」
「そうです。自転車の方はよくいかれるんですか?」
「そうだね~。結構しんどいよ~」
そうは言われても行くしかありませんので、ひとまず石鎚スカイラインの下りを楽しむことにしました。
早朝ということもあって上ってくる車はちらほらいましたが、下りる車はほとんどいなかったので爽快に下ることができました。逆に上るのは私的にはなしです(笑)
途中展望所があったので寄ります。
石鎚山がひょっこり顔を見せてくれました。目の前にそびえ立つ様はかなりの迫力がありました。
話が脱線しますが、
今回乗っている自転車については前編では一切触れていなかったのですが、実は自分で作ったフレームなんです。もったいぶりたかったんです、お許しください・・・
セミオーダーモデルTypeERは現在私が作っていますが、これは親方が図面をサイズごとに設計し、決められた枠の中で製作しています。フルオーダー車の醍醐味は「図面を一から引くこと」。CADを使い始め、出来上がっている図面から数字を拾うことからはじまり、親方が過去に作成した図面に片っ端から目を通し、まずは自分の自転車の図面を引くことを目標としました。引いては消してまた引くを繰り返し、なんとか形になったものの、自分がはじめて設計した図面からいざパイプをカットして寸法通りにフレームを製作することなんてできるのかと不安しかありませんでした。そんなこんなで少しずつ修正を加えながら自分の自転車の図面を温め続けていました。そして今年の1月のハンドメイド展で前野店長のブルべ車製作の話が舞い上がりました。製作は私。2本目に図面を引いた自転車が製作第1号になったというわけです。しかもそれは健脚な前野店長の自転車。私のフルオーダー一号目は彼に譲ることになったわけですが、自分で評価するよりも、私よりも何倍も自転車に乗る彼からの評価のほうが遥かに貴重です。ERフレームとは作る勝手が少し違いますから、「壊れませんように」と念じながらロウ付けしたことはここだけの秘密です。
そうしてほんの少しだけ要領を覚えて?製作したフルオーダー車2号目。それが今回のツーリングに乗りました32BフルオーダーERです。
自転車のテーマとしては「ライトキャンピング」
今までフルオーダーの中で作られていないような自転車、それが狙いでした。
オーダーらしさを出したくてタイヤは32B。TypeERでは36B~42Bが適正サイズなので32Bはオーダーしなければつくれません。タイヤが小さいのでその分肩下寸法が短くなり、シートチューブ芯ー芯で520のフレームですが、小ささを感じさせないそんなジオメトリも狙いでした。そして荷物もそれなりにしか載せないのであれば32Bで十分であろうとも思ったわけです。
パーツ構成は自分の持っている部品でライトキャンピングにふさわしいであろう部品をチョイスしました。一番の目玉は変速機一式のユーレ・ジュビリーで、これはアレックス・サンジェから外したもの。ジュビリーのイメージとしてはスポルティーフについている印象なんですが、これをキャンピング車で使ってやろう!というのが最初の目論みでした。よく壊れるという話を耳にしますが、今までまともに使ったことがないので私の実体験ではまったくありません。壊れるまで使ってやる!と意気込んでいる現在ですが、他の変速機にしれっと変わっていたらお察ししていただければと思います(笑)
それと、もちろんジュビリー用シフトアダプターを組み込んでいますので引きもバッチリ!
乗った印象としましては、乗り味は非常に軽かったです。ジルのセパレートパニアであれば操作性もいいですし、下りのコーナリングは絶妙に楽しかったです。もう少し重い荷物を載せるのであれば32Bでは少し細いかなとそう感じました。
私個人的には「ライトキャンピング」というテーマにふさわしい一台が完成したと、そう感じることができたと思います。
あっという間に石鎚スカイラインを下ってしまいました。
【いざ黒森峠へ】
石鎚スカイラインから県道12号を更に下ります。途中に「おもご ふるさとの駅」に寄り、昼食を確保。このあたりにコンビニなどは皆無なので貴重な補給ポイントです。
黒森峠を目指すため、国道494号を北上します。
地図を見ていると、面河ダムの西側を抜ける県道153号がおもしろそうだったのでそちらを通ることに。国道494号線自体車の交通量は限りなく少なかったのですが、さらに交通量の少ないであろう県道153号から北上し、国道494号に再び合流することにしました。
(県道153号へ合流するため宝来橋の手前で左に)
小刻みにアップダウンがあり、何よりも木々のおかげでとても快適に走ることができました。
再び国道494号に合流。ここからおおよそ300mUPで黒森峠です。
宿のご主人からしんどいと聞いていたものの、思いのほかすぐ上れてしまった印象でした。声を大にして今言いたいこと。瓶ヶ森林道のほうが何倍もしんどかったです(笑) 2人に置いていかれて一人でちんたら上っていたんですけどね・・・・
東温市側へ下る道は展望抜群、気持ちの良い下りでした。約15kmの800mDOWNの下り道はひたすらに下ったという印象で、黒森峠は久万高原町側から上ることを強くお勧めいたします!
後は海抜0mの東予港まで下るだけでしたので記憶がほとんどありません(笑)
時間もかなり余裕がありましたので、温泉施設で疲れた体を癒し、地元の食堂やさんで打ち上げとまではいきませんが晩御飯をいただき、フェリーターミナルへ。
I君とはここでお別れ。彼は車で来ているのでそのまま積載しますが、私たちは帰りもフェリーなので自転車をそのままフェリーに乗せたいところですが、大阪南港に着いてからも電車で輪行ですし、なによりも輪行状態でフェリーに乗せれば料金はかからないので、心を無にして輪行します・・・
22:00 東予港を出発し翌朝大阪南港に到着。
後は電車で京都に帰るだけなので、少し船内で休憩した後帰路につきました。
無事花園駅まで帰ってこれました。行きのときは急いで電車に飛び乗ったので写真なんて撮る暇なんてありませんでした。
今回の久しぶりのツーリング、UFOラインは霧との闘いでしたが天気に恵まれ、自分の造ったランドナーで走れて最高でした。一緒に行ってくれたT君とI君には感謝しています。
あれこれ妄想しながら自転車を作る時間ももちろん好きなのですが、できた自転車でどこに行こうとプランを練る時間も最高の時間でした。行きたい所はまだまだたくさんありますので、この32B ERランドナーと共に駆け回りたいと思います。
ランドナーと共に四国フェリー旅(前編)
こんにちは、伊藤です。
長らく欠品しておりました「カンパニョーロ ブレーキレバーフード」が入荷してきました!
イタリアンレーサーやランドナー、スポルティーフにもよく使用されるカンパニョーロのブレーキレバー。パッドはやはり劣化してしまうのでレプリカパッドはなくてはならないものですね。
チェーンリングにクランクといえば自転車の顔といっていいほど目立つ部品。その中心にはメッキが光り輝く「グランボア フィキシングボルト SL50」です。見た目だけでなく、真鍮ワッシャーを使うことで緩みにくくなっており、機能面もしっかりおさえています。
・・・・・・と前置きしつつ、実は3連休の日にお休みをいただき、久しぶりに泊まりでツーリングに行ってきました!コロナや家の事情もあり、2018年の東北フェリー旅の時以来になった今回のツーリング、行き先はめちゃめちゃ悩みました。いかに3日分の行程をキレイにまとめるかあらゆるパターンを考え続け、気が付けば数プランが出来上がり、、、と何処に行くか迷ってしまう始末となっていました。もちろん行ったことのない自分が行きたい所を優先的に絞ってプランを練っていたのですが、目的地までの行き方もとっても重要です。学生のときはお金はなくても時間はあったので、18きっぷで!の一択でなんとかなりましたが、お金も時間もない現在はそうも言ってられません。見方を変え移動方法から考えてみると、とあるウェブページに目がとまりました。四国開発フェリー株式会社が運航しているオレンジフェリーです。結局フェリーかい!と突っこまれそうですが、関西航路が大阪南港を22:00に出航して、翌6:00に愛媛の東予港に到着するんです。そこから目指すは瓶ヶ森林道、通称UFOラインです。元々行きたいところではあったのですが、京都からのアクセスは決していいものではなく、車で行けるかな?くらいに思っていました。ですがこのフェリーの存在は盲点でした。フェリーの中で過ごす時間がたまらなく好きで、今か今かと待ち遠しい中眠りにつき目が覚めれば目的地。結局のところ目的地を決めた理由はここにあるのかもしれません。
帰りも東予港を22:00に出航し、大阪南港に6:00着というスケジュールなので周回コースでプランを立てました。
2日でコースを分け、初日は東予港から石鎚スカイラインの北側ゲート土小屋までひたすら登り、2日目は石鎚スカイラインを南に向け下り、国道494号とぶつかったところで北上し、黒森峠を越え再び東予港を目指す行程にしました。
【大阪南港まで】
行きの電車は久々の輪行でしたので写真をとっている暇も当然なく、ささっとフェリーターミナル駅まで。大阪駅あたりまではまったく見なかったのですが、徐々に南港まで近づくにつれてちらほら輪行している人を見かけるようになりました。こちらが「あっ」と思えばあちらも「おっ」と目を丸くしてこちらをみているあたり同じことをかんがえているんでしょうね(笑)
フェリーターミナル駅から乗り場までは連絡通路のようになっているので輪行状態のまま目指します。フェリーにもそのままのせれば追加料金はかかりません。
個室なのでキレイに収まります。
フェリーの予約の時から思っていたのですが、一番リーズナブルな客室でもシングル部屋、大部屋がないんです。学生の時は皆で一部屋、、、なんてことを思い出します。
なんでも数年前に改修されたようであまりのキレイさに驚きました。外を眺めれば瀬戸内海なので夜の街の光が見え、遊覧船にでも乗っているかのような気分でした。日本海を運航するフェリーとはまた一味違い新鮮でした。
すごく快適でおもわず夜更かししてしまいました。オススメです。
【東予港より土小屋まで】
朝6時に到着。7時まで船内休憩ができるので時間調整できます。私たちは先を急ぐことにしました。
まずは輪行解除から。
今回のツーリングは私含め3人。私とT君は京都から、I君は四国在住なので車で現地集合で合流。
この日は晴れ。石鎚山の天気も良好のようです。T君から過去に何度かUFOラインに行こうとするも雨ばかりで断念してきたことを聞かされていたので、2週間程前から天気予報とにらめっこ状態でした。あるサイトでは雨予報だったり、曇りだったり定まらなかったのですが、近づくにつれ晴れ予報に、、、。ツーリングに向けて一番高揚する瞬間です。
朝の7時過ぎ、車の交通量も少なく走りやすいです。まずは目指すはUFOラインの入り口、旧寒風山トンネルです。
基本は国道194号を上っていくのですが、なるべく大きい道路は走らず、すぐさま細かな道へ避難できるところは避難します。ツーリングに行くとき、あらかじめ走るルートは決めておくのですが、五万図を持っていればその場で道を選びながら走ることができるのでとても便利です。五万図の用意も考えたのですが、スマートフォンのアプリで地形図が見れる便利なものがあるので今回はそれを使ってみることに。GPS機能も兼ね備えていて、今自分がどこにいるのか一目瞭然なので初めての方でも扱いやすいとは思うのですがやはり欠点はバッテリーの持ちで、紙の媒体には敵いません。次はこうしようああしようと考えるのが楽しかったりするので今後の課題です。
上りにさしかかったところですぐさま休憩。話す内容は大半が自転車のこと。頭の中が自転車で埋まっている3人組です。。。。
まだまだ序の口、旧寒風山トンネルまで1000mアップです!
漕いでは止まり、自転車を眺めるを繰り返しながら、、、気が付けば寒風山トンネルの手前まで。無論旧道を進みます。
旧寒風山トンネルです。灯りもなく真っ暗なトンネルなのでLUNEをすかさず点灯させます。もちろんフロントライトも忘れずに。
トンネルを抜ければゲートです。いよいよUFOラインまでの道のりです!
ですが、その前に13時を過ぎていたので東屋で遅めの昼食。
ゲートをぬけようとすると一つの看板が目にとまりました。“四国のてっぺん酸欠マラソン大会”なるものが開催されているようです。ん~~、めちゃめちゃ気になります、参加者に話を聞いてみたいです(笑)
ゲートから先はゆるやかな上りだったとそう記憶しています。一時間半ほど上り、、、目の前にそびえる山に向かって「あんなに上るのか・・・・」とため息をもらしていると、左側には写真で見たことがある景色が広がっていました。
自分では気が付かない間に頂上付近まで上りきっていたようです。
雲が少なくなったタイミングでパシャリ。
雄大な景色を見渡していると、自分たちがいかに自転車を漕いだのか実感します。
標高が1500m付近だとだいたい気温が20°ほど。半袖では少し寒かったです。
瓶ヶ森登山口駐車場、バイオトイレがある場所までは上ったり少し下ったりを繰り返し、ここから300m程山荘しらさまで一気に下ります。
カフェが併設されているのですが、私たちが到着したのは16時過ぎ。営業時間に間に合わず利用できませんでした。残念。
山荘しらさからはまた上り道・・・と思えば少し下り、また上り・・・
最後の上りだと思い、最後の力を振り絞りました。
とうとう宿泊予定の白石ロッジのある土小屋までたどり着きました。この日は60km,2300mUPに800mDOWNという一日でした。
宿について早々にお風呂に入り、ご飯を食べて8時くらいには就寝。。。健康的です。
2日目は石鎚スカイラインを下り、黒森峠を越え西条にもどる行程です。
後編に続きます!
23C,42B ELタイヤ入荷
こんにちは、前野です。
赤いラベルが目印のエキストラレジェタイヤが2種類入荷しました。
6月のブログでお伝えした通り、グランボアのタイヤはラインナップの整理を行っています。
スタンダード(標準)、エキストラレジェ(超軽量)、ルートフォレスティエール(耐久性強化)のケージングバリエーションを全てのタイヤで作るのではなく、太さなどに応じて適材適所のケージングでそれぞれラインナップしていきます。
今回入荷したエキストラレジェ(超軽量モデル)タイヤはご要望をいただくことが多かった700×23Cコルデマドレーヌと650×42Bエートルの2種類。グランボアで最も細いタイヤと最も太いタイヤになります。
700×23Cコルデマドレーヌ(写真手前、紺色のラベル)は石畳で有名なパリルーベのアマチュアレースでグランボアの26Cタイヤを使用して絶賛いただいたフランスの老舗アレックスサンジェの当主オリビエ・シューカ氏から「もっと細いタイヤを!」というリクエストをきっかけにラインナップしたタイヤになります。
23Cタイヤは少数派になりましたが、お客様から根強くリクエストをいただきますのでエキストラレジェのみ生産を行いました。
フレームやマッドガードとの関係で23Cが良いという場合や、ソリッドな走り心地の細タイヤが好みの方もいらっしゃるかと思います。
1本約190gと超軽量、しなやかなケーシングのおかげで太さの割りに快適です。
650×42Bエートルはグランボアタイヤの中でもっとも太いモデルです。
最近製作したグランボアランドナーの多くはこのエートルを履いています。グランボア以外の自転車でも使用されることが多い人気のタイヤです。
エートルエキストラレジェは豊富なエアボリュームにエキストラレジェの柔軟で軽量なケーシングが組み合わさることで最高の乗り心地と軽やかな走りを実現します。
エキストラレジェケージングのマイナーチェンジに伴い、今回生産分から重量は1本約385gと従来の約360gから微増しました。ケージングにコーティングされるゴムの量が増えたことによる重量増ですが、ケージングの長期的な耐久性は向上しているはずです。
それに、最も大切な快適な乗り心地に変わりが無いのは実走で確認済みです。
エートルの適度な厚みのあるトレッドは舗装路での軽快さを意識したラインパターンですが、豊富なエアボリュームのおかげで空気圧を調整すれば未舗装路でもよくグリップします。未舗装路での本格的な使用を想定する場合はエキストラレジェではなくスタンダードまたは林道の為に強化されたケージングを備えたエートルルートフォレスティエールをお勧めします。
自分の一番好きなタイヤはこのエートルエキストラレジェです。
重量だけみれば650×38Bエキュルイユが圧倒的に軽い(僅か260g!)のですが、より豊富なエアボリュームと走行感が気に入っているのでエートルをここ数年使い続けています。
年始から乗り始めたブルべ用650Bランドナーのタイヤも入荷したばかりのエートルエキストラレジェに交換しました。この日は50kmほど走っただけですが、ケージングのマイナーチェンジに伴うネガティブな感触はありませんでした。
エキストラレジェタイヤの転がりの軽さと乗り心地の良さは最高です(下り坂での伸びの違いが顕著です)。ランドナーや650Bグラベルロード等でブルべを走られる方にはこのエートルエキストラレジェかさらに軽量なエキュルイユと軽量チューブL’aileまたはラテックスチューブPLUMEの組み合わせをお勧めします。
9月に参加を予定している600kmブルべもこの自転車とタイヤで走る予定です。
それでは新しく入荷したエキストラレジェタイヤをよろしくお願いします!
船でゆく北海道 ~網走・知床・サロマ湖~
DAY 6
苫前~網走、そしてウトロへ。
距離にして概ね400キロ。
車だと苫前から4時間ほどで網走の道の駅に着くことができます。そうすると、午後はマルっと観光に充てることができたので思い切ってこの日は自転車はオフ。
網走の観光施設は網走湖東側に集中していますのでウトロへ向かう道中で効率的に回れました。
グリーンランドから北欧まで、アイヌ文化を含めた北方民族の文化とオホーツク文化を紹介する日本で唯一の博物館です。特に衣食住を中心にした展示品は充実しているうえに、各自のスマホでQRコードを読み取ると展示品の説明が聞けるようになっています。ビデオ展示も各所にあり、道具の使い方や作り方なんかをわかりやすく伝えています。
毛皮だけでなく、魚の皮やアザラシやトドなどの海獣の腸を使った靴や衣服には驚きました。腸は薄く半透明で防水性もあり、縫製の仕方を工夫して雨具として利用していたそうですよ。
・一般 550円
・高校生・大学生 200円
・小中学生・65歳以上・障害のある方及びその引率者などは免除になります。
【網走刑務所(博物館)】
明治時代から実際に網走刑務所で使用されてきた建物を保存公開している野外歴史博物館です。
博物館の前まで行って入館料の高さにちょっと引き返そうかとも迷いましたが、一回くらいは話のタネにと見学してきました。観光客も多かったですし、見るべきポイントもあるようで少ない、でも、お庭も広くて散歩にはいい感じでした。人気漫画の「ゴールデンカムイ」を読んでおられる方は特に面白いんじゃないかな。私はここを訪れてから泊まった宿でゴールデンカムイを初めて知ったので逆でしたけど。。
・大 人 1,500円
・高 校 生 1,000円
・小・中学生 750円
【小清水原生花園】
オホーツク海と濤沸湖に挟まれた約8キロメートルの細長い砂丘の上に形成された原生花園です。6月は良いですね。花も咲いてますし、鳥も賑やかです。また、遠くに藻琴山や知床連山を望み、オホーツク海や濤沸湖に挟まれた中をJR釧網本線が走るという、ロケーションそのものもユニークです。
あれに見えるは知床半島。山々もくっきりと綺麗です。
そんな中、花かと見紛う白いものは、、、。
エゾシロチョウ
清楚でガラス細工のようですね。
北海道にしかいないそうですが、幼虫の時期は果樹の葉を食い荒らすので農家さんからは嫌われちゃってるみたいです。
ハマナスとホウアカ。
大きな虫を咥えています。
結構遠くにいる小鳥をこっそり撮影しているつもりでも、割と高い確率で目が合っていたりします。
彼らもこちらを警戒してるんですよね。
ここは自転車でも、車でも、立ち寄ると楽しいです。
*****
DAY 7
知床岬と知床五湖 網走泊
【知床岬 -遊覧船-】
個人ではトレッキングかシーカヤックかでしかアクセスできない知床岬。
そのどちらもできそうもない私たちが利用したのが知床観光船です。
ウトロと羅臼からいくつかの観光船が就航していますが、船会社によって得意とするところや、所要時間や出発時間などが異なります。私たちは午後からは自転車で知床五湖へ行く予定にしていたで、唯一、朝9時出発の船を就航していたゴジラ岩観光の船で知床岬巡りをしてきました。
*
ウトロ港、良いお天気です。
同乗者は10人くらいかな。
それに対して船のスタッフは船長含めて4人はいたと思います。安全に対する配慮はもちろん、双眼鏡を無料でレンタルしてくれたり、とてもきめ細かく案内してくれました。
私たちが船に乗った目的は知床岬巡りはもちろんですが、もう一つは今回の旅の目的であるケイマフリを見る事です。それが、、、油断しました。。。出発して間もなくが営巣地付近をだったらしく、一瞬で通過してしまったのです。。。今回利用した船の目的は知床岬巡りで、ケイマフリももちろん案内してくれましたが、この時期、そのポイントに行けば必ず会えるケイマフリはさらっと終わってしまい、どっちかというとヒグマに重点が置かれていました。たぶん会える確率が低いからでしょうね。乗船中、スタッフたちはずっと双眼鏡でヒグマが海岸に出ていないか探していて、チラッとでも見つけると「ヒグマ、いました!」「あの木の陰です!」なんて懸命に案内してくれるのです。
みんな、そんなにヒグマに会いたいの??
知床のケイマフリには確かに会えました。でも撮影できたのはこのピンボケ一枚だけ。。。
(残念。。)
オジロワシ
まあね。2羽ね。
でも、これなら一昨年に走った釧路から厚岸までのルート上の方がたくさんいたんだよね。
(モノタリナイ。。)
ヒグマに至ってはチラッと見えたそうですが写真はありません。。。
(ワカラナカッタ。。)
*
それより今回感動したのはこれ。
是非、画像をクリックして大きくして見てくださいネ。
ミズナギ鳥の渡りに遭遇したのです!!
帯状になって海面すれすれを行く鳩くらいの大きさの鳥の群れ。
岬に近づくまでずーっと延々と小鳥の帯が続いています。
「水薙ぎ鳥」の名の通り、海面すれすれを切るように飛んでいく。
ガイドの話や資料によるとタスマニアからオホーツク海域までオキアミを求めてやってくるとのこと。その距離何と往復2万5千キロ!!! 更に北極圏迄行く個体もいるそうで、そうなると3万キロを超えるようです。渡をする鳥の中では最大のスケール。そんな距離を飛ぶために少しでも浮力を得るための彼らの飛び方なんですね。
すごいですねぇ。もう、感動しかない。
大人の握り拳分くらいしかない体でそんな旅をしているのです。
たぶん、彼らにはそれに適した翼があって、歴々と続いてきたノウハウがあって、厳しさも知っているけど、その楽しさも知っているんじゃないかな。そして、たぶん、その旅が好きなんだ。1度でも経験すると苦しいけど、また行きたくなる。
なんだか自転車の旅に似てる、かな。
中でもこの鳥は超ロングコースが得意なブルべライダーですね。
一か月前からこの観光船に乗り始めたという若いスタッフの方も初めて見る規模だとか。
すごいですねぇ。
すごいねぇ。
他にも船から見る断崖絶壁や、滝の写真もたくさん撮りましたが、なんだかどれもしっくりこない出来栄えです。。
やっぱり現地で見たあの圧倒的なスケールには全然及ばない。
知床岬
書いとかないと分からないよね。
【知床五湖】
観光船の後は知床自然センターに車をデポしました。
フレペの滝の断崖にもケイマフリが営巣しているとの事でしたが、この日は朝から熊が出没したとかで滝に通じる遊歩道は閉鎖されていました。ヒグマの活動期でもありますし、時間的にも無理して走らなくても良かったんだけど、でも、やっぱり、自転車に乗りたいんだよね。ここからだと知床五湖まで距離は往復で20キロほどです。
念のため、匂いのするような食べ物はバッグから出して、大きな鈴をそれぞれ付けてと。
知床連山、バッチリ。
知床五湖でも雲一つなく、澄み渡っていました。
復路でアオジがきれいな声で歌っていました。
熊はいませんでしたが、、、。
狐が2匹。
びっくりした!
*****
Day 8
網走~能取岬~サロマ湖
【呼人探鳥遊歩道】
網走湖のほとりで一泊した翌朝、早々にチェックアウトしてすぐ近くの遊歩道を散歩しました。
散歩といっても、全コースを歩くとなると往復14キロもあるので、2時間程度と時間を決めて、1時間歩いた地点で折り返すこととしました。結果、この地図でいうと西湖畔あたりで折り返してきてきたのかな。良い季節だというのに出会った人は道中たったの2人。その代わり、鳥にはまあまあ出会いましたよ。
遊歩道に入ってすぐ出迎えてくれたのが何かの幼鳥。
うーん、アオジかな。。この尾羽。
これも赤ちゃんぽいけど。
エゾムシクイかな。
家の近所では見ない鳥ばかりです。
こちらはアカゲラ。頭の先が赤いのでこれも幼鳥なのかな。成鳥のオスは後頭部のみ赤いそうです。
とにかくすばしっこくてなかなか撮影させてもらえませんでした。
そしてこれはアカゲラのメス。
特徴的な赤い頭はオスと子供だけなんですって。
エゾリスは興味津々で私たちを観察していました。
リスの耳って毛が長いだけで丸いのね。(笑)
なかなかワイルドな遊歩道でした。
虫刺されに気を付けてね。
【オホーツク流氷館】
流氷とオホーツク海の生き物をテーマとした観光施設です。
散歩の後、あまりの暑さに立ち寄りました。マイナス15度の流氷体感ルームは体のクールダウンにぴったり!? 名物の流氷ソフトが期待以上に美味しくて今も心に残っています。レストランもあるようですがこの日はお休み。結局、道の駅でラーメンを食べたのでした。
あと、高台にあり展望が良いです。
・大 人 770円
・高 校 生 660円
・小・中学生 550円
***
午後からは網走の道の駅に車を置いてサロマ湖まで1泊ツーリングです。
往路はケイマフリの目撃情報がある能取岬経由でサロマ湖畔の宿まで約60キロ。
復路はワッカ原生花園の散策に自転車を使ってサロマ湖サイクリングロードとオホーツクサイクリングロードを使って車をデポした網走の道の駅まで戻ります。その後、車で苫小牧まで移動して23時発敦賀行のフェリーに乗る予定です。
この季節だったら1泊の荷物は2人分でもパニアバッグ1セットで収まりました。親方が持ってくれるというので私はフロントバッグ一つです。
能取岬に向かう道。
海岸線をずっと上る道のはずですが、意外にもしばらくは森の中のような道でした。展望はありませんが快適でしたよ。
岬へと向かう道。
広々してますが、この先は行き止まり。
岬は確かに断崖ですが、ケイマフリは残念ながら見つけられませんでした。
もしかしたらもう北へ渡ってしまったのかもしれません。
もう、暑いですしね。
ケイマフリを追いかけるとしたら、たぶん、6月上旬がベストなのかな。
いくつもの映画のロケ地として使われている場所のようです。
能取湖側におりてきたところ。
能取岬の様子がよくわかります。
【網走常呂自転車道線】
別名「オホーツク自転車道」、昭和62年に廃⽌された国鉄湧網線跡を利⽤したサイクリングロードです。勾配はほとんどありません。網走市内の中央公園を起点に、網走湖・能取湖・オホーツク沿岸を経て、サロマ湖畔に至る全長40.2Km。
オホーツク総合振興局が発行しているこのマップが良く分かります。
湖畔と森の中を行く道はとても快適。
なのに、6月という最高の季節にもかかわらず、サイクリストに一人も出会わなかったという、、、。
ここにも小鳥がたくさんいました。
ほとんどがノビタキでしたが、私たちの近隣では見かけない鳥なので嬉しかった。調べるとこれらも渡り鳥で、夏は北海道で子育てをして、冬は南下して越冬します。中にはロシアを経て中国内部からインドシナ半島へ渡る個体もいるそうです。本州は通らず、直接大陸に渡るんですって。もう、肉量にして唐揚げ一個分もないくらいの小鳥ですよ。
凄いですねぇ。
ノビタキのメス。
頭に筋がいくつも残っているので巣立ったばかりの幼鳥かもしれません。
こちらはキリッとしたメス。
こちらがノビタキのオス。ヨモギのうえで仁王立ち。カッコいいですね。
いろいろ寄り道しながら走ってると日が暮れてきました。
ホテルに着いた時にはきれいな夕焼け。
旅の最後のお宿はちょっと奮発しましたがとても良かったですよ。
DAY 9
ワッカ原生花園~サロマ湖サイクリングロード~オホーツクサイクリングロード~網走~苫小牧フェリー乗り場
いよいよ最終日。
でも、こんなに遊んで大丈夫?
網走からは車ですし、フェリーの出発は23時。
なんとかなるでしょ!
*
朝4時。
もう、すっかり明るくて、しかもいい天気です。
朝サイクリングへレッツゴー!
目指すはワッカ原生花園の西側ルート。
地図で見るとこんな感じ。
D地点まで竜宮街道を往復です。
マップは北見市のレポートからお借りしました。
早朝サイクリングは気持ちいい。
北海道といえど、この日の最高気温は30度を超える予報が出ています。
ハマナスとエゾニュウ
ノビタキはもう、あちこちにいて、それにもまして目立っていたのが喉元が鮮やかなノゴマ。
良い声で歌っています。
とても開放的な景色の中、鳥の声があちこちから競うように聞こえてきます。
橋を渡ると赤土の道。そして、砂洲の中の森へと向かいます。
目的地到着。
ワッカの名前の由来になった水の湧き出るところがあります。竜宮街道の終点地でもあります。
とても砂洲の森とは思えない豊かさです。
草原とは違う、鳥なのか、虫なのか、独特な声で満ちていました。
お腹もすいてきたので10分ほど森を散策して引き返します。
サロマ湖第2湖口にかかる橋からは知床まで見えるとのことですが、、、。
この日はうすぼんやり。でも見晴らしはとても良いです。
左がオホーツク海、右がサロマ湖。
やっぱり、流氷が着くころ来てみたいな。
あー、お腹すいた。
ホテルに戻ったのは6時半。
朝ぶろ浴びて、
バイキングの朝ごはん。
そして、再び8時半にはチェックアウトして網走に向かったのでした。
*
ワッカ原生花園の東側はそのままサロマ湖サイクリングロードに繋がっています。
というか、ワッカ原生花園の竜宮街道がサロマ湖サイクリングロードなのかな。。帰ってからも色々調べてみたのですが、はっきり区別がつきませんでした。
とりあえず再びワッカネイチャーセンターを訪れ、早朝に走った方向とは逆へ向かいます。
既に気温が上がり始めています。
ヨシキリの声がひときは賑やかです。
とても珍しいピンクの鳥。
鳥の前の枝がとても邪魔~。
オホーツク海を背に走ります。
サロマ湖から離れるにつれ、木立の中へと入っていきます。
うまく日陰を作ってくれてとても気持ちの良い道です。
路はアカシアの花でいっぱい。
で、数キロも行くとその道も行き止まります。
カルビーのポテト倉庫の脇から道道442-国道239-道道1033へと道なりに進むとオホーツクサイクリングロードの看板が見えてきます。
これで網走まで車道を走ることなく能取湖沿いを行くことができます。
前の日に走った道ですが、また違う発見があり楽しい道でした。
ノコギリソウ。
アキレア、またはヤロウとも言って、古くから薬用植物として利用されています。
セイヨウナツユキソウ
別名メドウスイート。
世界ではじめて合成されたアスピリンはこのメドウスイートのつぼみから採れたサリチル酸が原料となったそうですよ。
ルピナス
この辺ではあちこちで自生している姿を目にしました。
陽が高くなるとますます気温が上がります。
日差しを遮ってくれるものも少なくなってお腹もすいてきました。
え、輪行ですか?
廃線跡を利用したサイクリングロード上にはかつての卯原内駅跡に網走市鉄道記念館があります。
この施設は喫茶店を兼ねています。
行きも帰りもここで休憩させていただきました。
暑かったので助かりました。
オムライス、美味しかったです。
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この後、網走の道の駅には13時頃戻り、大慌てで網走湖荘で日帰り温泉に入ってから帰路につきました。途中、お土産にメロンを買いたくて、夕張の道の駅に寄りたかったのです。
網走から夕張まで4時間ではギリギリ。それでもなんとか閉店間際に駆け込んで美味しいメロンを買うことができました。5個も買ったんですよ。だって車ですから。最後の最後まで目一杯のスケジュール。ここに寄る予定がなければもう少しゆっくり温泉に入れたんだけどね。
とにかく、ずーっとお天気も良く、サイクリングも、ドライブも、船旅も、大いに満喫した旅になりました。何か皆さんの旅のヒントになるかな。なれば嬉しいです。
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帰りも新日本海フェリー。
港は敦賀行ですので東港です。苫小牧には西港と東港があるので要注意。
帰りの船は実は結構揺れて2人ともほとんど何も食べることができない状態で過ごしました。ですが、逆にそれが良かったかも。お風呂とトイレ以外はずっと寝ていたので敦賀に着くころにはすっかり疲れも取れて翌日から仕事に復帰できました。
帰りのフェリー(すずらん)にはなんと露天風呂もあったんですよ!
船旅サイコー。
新日本海フェリー、8月中はマイカープランでお得なセットもあるようです。
この夏の旅行にいかがですか?