こんにちは、スタッフの前野です。
今年はブルべに殆ど参加することなく10月を迎えました。昨年はPBP参加のために毎月何処かへ出かけていましたが、今年は新型コロナウィルスの影響でイベントに参加せず一人で走ることが多くなりました。
京都北山を走るのはもちろん楽しいのですが、知らない土地へツーリングに行きたい…。
自分の中のツーリング欲が高まっていました。
コロナを取り巻く状況が少し落ち着いたように感じたので、1泊2日の小旅行に出かけてきました。もちろん感染症対策は怠らず。
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行先は兵庫県の奥地にある瀞川氷ノ山林道。4年前の11月に京都から一人で走りに行った林道です。
日本海に面する兵庫県香美町と養父市にまたがり、関西では最長規模約50㎞の総延長と未舗装路では珍しい約1.2㎞の見通しのいいロングストレートがある林道です。
同行してくれたのはアイズバイシクルにアルバイトとして来てくれている井越君と、彼と同じサイクリングクラブのOBであるI君。I君と僕は集合地点であるJR八鹿駅まで自走し、輪行でやってくる井越君と合流します。
午前3:30に京都を出発して約130㎞、9:40分頃にJR八鹿駅に着きました。そしてその数分後、井越君の乗った電車が到着。
彼は20代前半ながら昭和のサイクリストの佇まい。ニューサイクリング誌を読み漁り、当時のサイクリストの服装の研究に余念がありません。
八鹿駅の駅舎は歴史を感じる趣ある造りになっています。このガラス窓なかなか見ない形ですね。
走り出す支度を整えて午前10時すぎ八鹿駅を出発!
市街地を離れると飲食店やコンビニは殆どないので、街中で明日の食料も買い出しを済ませます。
養父市関宮から香美町村岡までは国道9号線で峠(トンネル)を越えます。登りの途中にループ橋があるのは珍しいですね。
八鹿駅から約30㎞、13時半頃に瀞川氷ノ山林道の入り口に到着。途中で昼食を摂ったり道の駅ハチ北に寄っていたのでのんびりペース。僕とI君は朝が早かったのでこの時点でまあまあ消耗していました。
若干の眠気と疲労感があるものの、4年越しの再訪と前回は到達できなかったダートのロングストレート区間にわくわくが止まりません。
林道起点からしばらくは舗装路が続きます。ダートはまだかまだかと舗装路を登り続けていると県道に合流。少し走ればダートが始まると思っていたので拍子抜けしました。
林道起点から始まる北端の区間は全舗装で、89号線との交差以南からダートが始まります。なのでダート区間を走るのが目的なら北端の林道起点には行かずに道の駅ハチ北から89号線で林道にアクセスした方が楽しいと思います。
北端の林道起点から89号線までの区間はひたすら登りで展望もあまりないので、もし再訪するなら北端の区間はカットします!
89号線との交差から少し登るとダートが始まりました。待ちに待ったダートに歓喜の声が上がります。砂利の上を泳ぐような感覚が堪りません。
少し走って空気圧を調整。プシュッ!プシュッ!とバルブを数回押して空気圧を下げます。
下げすぎるとリム打ちパンクのリスクが上がるので注意!
ダートと舗装の登りを繰り返して最初の展望ポイント、はちまき展望台に到着。
これから向かう林道南側は灰色の厚い雲に覆われていました。
林道を南下するにつれて霧に包まれ幻想的な雰囲気に。
ロングストレートまでの区間は砂利の粒が大きく、登り勾配が厳しいので脚を削られます。楽しいけど苦しい!
この林道は太いタイヤと砂利の上を駆け上がるテクニック、パワーがものを言います。650×32Bや700×30Cでも走れないことはないですがしんどいかも。
念願叶ってロングストレートに到着!これが見たかった…!
この区間は砂利が少なく、路面も締まっているのでとても走りやすいです。北側からは緩く下って登り返します。登り返しは斜度が厳しく、粒の大きい砂利に覆われているので気を抜いているとあっという間に失速します。
楽しくスピードを出せるのは一瞬。
名物のロングストレート区間の後も基本的に登り基調。疲労が蓄積して思うように前へ進めません。砂利道の勾配がきつくなると漕ぐのをあきらめて押し歩きすることも。
林道の途中で休憩。霧に包まれて景色は見えませんが普段味わえないシンドイけど楽しい感覚。
辛いけど楽しい!辛いけど楽しい!
最初は大喜びで走っていた砂利道も後半になってくると苦行の道に… 今度は舗装路が現れると歓喜の声があがります。
霧の間から見える景色が開けてきました。ハチ北スキー場が近づいてきた証です。
スキー場の施設が見えてくれば後はもう少し。舗装路を一気に下って日没前に東鉢伏の宿に到着することが出来ました。
今回のように霧の中や予定よりも走行時間が伸びて日没を迎えてしまうような場合でも、バッテリー残量を気にすることなく使えるSONのダイナモシステムが心強いです。
こんな林道でも車やバイクが走ってくることがあるので、フォグランプ代わりに常時点灯させておくと安心です。
僕が使っているのは定番モデルSON28ハブダイナモとEDELUXヘッドライト。ライトの方はより明るくワイドな配光になったEDELUX2にバージョンアップして販売されています。
1日目は京都から八鹿駅まで130㎞と下のルートを走って全行程186㎞。疲れた……。
余裕をもって林道を楽しむなら輪行しましょう!
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2日目
翌日はメンバー全員疲労困憊。予定していた瀞川氷ノ山林道南半分の走破を諦めて最短ルートで砥峰高原を目指します。
I君は調子が優れないので養父駅から輪行で帰ることに。井越君と2人で砥峰高原を目指します。
養父市出合から大屋まで舗装林道で峠越え。
県道6号線で砥峰高原の入り口まで南下します。冨士野トンネルまでは長い登り坂。
冨士野トンネル入り口で小休止。前日がハードだったので二人とも疲れ気味。
今回のツーリングに使用した自転車はいつもと同じくコンクールマシン2017の際に制作された親方製フレームの1本。メインコンポーネントはSRAMフォース1、1×11スピードのフロントシングルです。
今までと違うのは先日発売されたサンクフィーユ・ナローワイド40T。この自転車では約2年間サンクフィーユ・ナローワイド試作版42Tを使っていたので少しだけ小さくなっています。
リアスプロケットが従来のまま11速11-42Tなので最小ギア比は1以下。舗装路でギア比1以下になると歩くのと同じかそれ以下の速度になってしまうので必要性を感じないギア比ですが、今回のような砂利道の厳しい登り坂などではトラクションを維持しながらクランクを回すことができるので効果的です。砂利道を走らないのであればフロントはサンクフィーユナローワイド40T、リア11-40Tの方が使いやすいでしょう。
ちなみに変速機はSRAMフォース1ですがチェーンとスプロケットはシマノXT(M8000 系)を使っています。変速はとてもスムーズ、消耗部品のコストも抑えられます。
走りの要となるタイヤは650×42B。舗装路、ダートどちらも走る場合は2.5BARくらい。舗装路に重きを置くなら少し高めに、未舗装路をスムーズに走りたいならもう少し低めに。
外ではエアゲージを使うことはないので、状況に応じてちょうどよく感じられるように空気を抜きます。空気圧を大まかに把握しておくならタイヤゲージが便利です。ちょうどいいと感じられた空気圧で走った日にタイヤゲージで空気圧を測定してメモに残せば気持ちのいい空気圧の再現は簡単になります。
さて、砥峰高原への登りも自転車乗りに優しくありません。終盤は花背、百井峠並みの勾配が続きます。
急勾配の坂道を上っていると木々の間からひらけた景色が見えてきました。
すすきが眩しい砥峰高原に到着!砥峰高原はすすきが見ごろで素晴らしい景色でした。
高原を少しだけ散歩して帰りの電車の時間が気になるので早めに出発しました。電車を逃すと次がなかなかありません…
砥峰高原から神河町方面へは豪快なダウンヒル。下りの途中に見えた長谷ダムが立派でした。下りながら見える景色も爽快。写真に残したい景色は下り途中のような止まれない、止まりたくない時に突然現れたりしますね。
砥峰高原から下りきると長谷から川沿いの道を北上して生野駅で輪行して帰路につきました。
そうそう、輪行の時にサッと広げられるグランボアサコッシュが便利です。
僕はスマホや飲み物、軽食など輪行時にすぐに取り出したいものをまとめるのに使っています。
サコッシュは今回使用している輪行袋オーストリッチSL-100と同素材で出来ていて、超軽量ながら安心感のある丈夫なレオナWリップ65ナイロンが使われています。輪行以外にも買い出しをして一時的に荷物が増えた場合や、着替えの仕分けなど用途は様々。一枚持っているといろいろ使えますよ。
2日目は充実の80㎞。距離にしてみると短いですが内容の濃い80㎞でした。
旅の〆は生野駅からのんびり普通電車の旅。3時間半かけて京都まで帰りました。
今回のツーリングの主な目的は瀞川氷ノ山林道のロングストレートを走ることでした。二日目に通った舗装林道や砥峰高原など自分の知らない兵庫県を知ることができた楽しいツーリングでした。
特に瀞川氷ノ山林道周辺には他にも面白そうな道があります。また来年行こうと思います。
11月は久々のブルべでSR600紀伊山地の世界遺産を走る予定です。
紅葉の紀伊山地を楽しもうと思います!
こんにちは、スタッフの前野です。
10月のピックアップ商品はダイナモ、ライト、リフレクター関連商品ということでちょっぴりお買い時になっているのですが、その中からSONのハブダイナモを特集したいと思います。
グランボアにはSON28とSONDeluxWideBodyの2種類がありますがぱっと見殆ど違いはありません。どちらも出力6v3w。それでも2種類を取り扱っているのには理由があります。
どちらのハブダイナモも似通った形をしていますがフランジ間距離が異なります。
SON28のフランジ間距離62㎜に対してDeluxWideBodyは68㎜。僅か6㎜ですが広くなっています。
SON28も十分なフランジ間距離を持っていますが、フロントフォークの寸法ギリギリまで広げられたDeluxWideBodyはより横剛性に優れた強固なホイールを組むことができます。一般的なハブダイナモは小径車用のエンド幅74㎜とハブボディを共用して左右のスペーサーでエンド幅を100㎜に調整しているものも多いので、実はハブダイナモでフランジ間距離が普通のハブと同じくらい広いのはこの2つくらいです。(ちなみに普通のSONDeluxはフランジ間距離50㎜)
次は重量。SON28は実測444g
SONDeluxWideBodyは413g
ボディの横幅が僅かに広いSONDeluxWideBodyの方が重そうですが、内部のダイナモの関係でDeluxWideBodyの方が30g軽くなっています。少しでも軽くしたいならSONDeluxWideBodyの方が良いですね。
ハブの寸法、重量ともにSONDeluxWideBodyの方が優れている印象ですが、そしたらSON28を選ぶメリットは何でしょうか?
SON28は700Cなど大径車輪に最適化された内部のダイナモ機構を持っているので外径の大きな700Cや650×42Bなどのホイールで使用した際に低速で大きな発電量を得られるようにできています。(700Cホイールの場合約16㎞/hで3wに到達)
省電力LEDライトのEDELUX2などで使用する際は大きな違いにならないのですが、ハロゲン球を使用したE6ヘッドライトを使用する場合や外部機器に給電しながら走る場合など、低速でも大きな発電量が必要な走り方に向いた設計になっています。
それに対してSONDeluxWideBodyは、もともとSON20という小径車向けのハブダイナモが始まりです。SON20がSONDeluxという名前にモデルチェンジし、その内部機構そのままにエンド幅100㎜用のより広いフランジ間距離を備えてSONDeluxWideBodyとして誕生しています。SONDeluxは700Cなどの標準サイズのホイールよりも回転数の多い小径車向けに作られているので内部のダイナモ機構に要求される発電能力は少なく済み、SON28に比べて生成できる電圧のピークがより高い速度域にある代わりにダイナモの抵抗が少なくなっています。(SON28と同条件の場合、約20㎞/hで3wに到達)
なのでキャンピング車や外部の電子機器に電力を供給したり、低速で少しでも明るく照らしたい場合はSON28。ダイナモの抵抗、重量を少しでも減らして速く楽に走りたい場合はDeluxWideBodyを選んでいただければいいと思います。
ちなみにDeluxWideBodyは28穴も選択できるのでより軽くホイールを組み上げたい場合は最適です。
昨年のPBPで走ったグランボアコンクールマシンもフロントハブはSONDeluxWideBodyの28穴を使用しています。パピヨンWアイレット650BリムとDTSwissRevolution#14スポークで組み上げました。少なめのスポーク本数ながら広いフランジ間距離のおかげで剛性不足もなく、1200㎞の走行中一度も不満を感じることのない優秀な前輪兼発電機として活躍してくれました。
両モデルともにハブサイドのコネクターによる抜き差しが不要になるコネクターレスモデルの設定があります。使用するには専用のエンドを備えたフロントフォークが必要になるのでオーダー車向けですが、輪行やパンク修理の際ちょっぴり面倒なコネクターの抜き差しが不要なので便利です。見た目もよりスッキリします。オーダー車制作の際はご検討ください。
コネクターレスは導入できないけど少しでもケーブルの抜き差しを簡単にしたい場合はコーキシアルアダプターを使用してください。ケーブルの脱着がスムーズになります。
現在、グランボアのオンラインショッピングとアイズバイシクル店頭ではこれらのハブダイナモやライト、キムラ製作所のリフレクターなどが5%オフになっています。
未来の愛車用としてはもちろん、ハブダイナモを使用したホイール組みも喜んで承ります。
SONのハブダイナモを使うならライトもSONのEDELUX2ヘッドライトが最適です。自動車のヘッドライトのような配光は対向車を眩惑せず、遠くまで均一に明るく照らします。(写真は旧型のEDELUX。これも十分明るいです)
なかなか一晩中走る人はいないかもしれませんが、優れたヘッドライトとハブダイナモの組み合わせは日没後の峠へ走りに行く後押しをしてくれるかもしれません。もちろん、気軽な街乗り車やそこまで夜は走らないけど……という方もそんなロマンを愛車に装備してもいいんじゃないでしょうか。
ちなみに僕はSON28ハブダイナモとEDELUXヘッドライト(旧モデル)を前のフレームから5年以上使用していますがどちらも故障知らず。ライトは新しいEDELUX2に更新したいと思っているのですがそのタイミングはいつ来ることやら!
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11月3日(火)文化の日は日吉ダム近くで「コンセントレーションひよし」を開催します。
8月に中止になったコンセントレーションおにゅうと同様に参加申し込み必要なし、走るコースも自由なイベントです。
詳細は親方の記事をご覧ください。
当日は集合地点のスチールの森日吉でグランボアエコバッグを特別価格500円で販売します。大ぶりなサコッシュ形状なのでたすき掛けにして自転車に乗ることもできます。リフレクターもついているので日没後のお買い物でも安心です!
それでは皆様日吉ダムで会いましょう!!
7月に予定しておりました「コンセントレーションおにゅう」は残念ながら雨天中止となってしまいましたが、あの後多くのお客様からおにゅう峠へいってきましたとご報告いただいて、実現はできませんでしたが企画して良かったと思っています。
そこで、毎年でしたら秋のアイズラリーを開催する11月3日の文化の日に同様のイベントを開催しようと思います。
今度のコンセントレーションの集合地は京都・日吉ダムのダム湖畔の「府民の森ひよし」(スチールの森 京都)です。日吉ダムのダム湖「天若湖」の南の小高い丘の上のとても広い芝生の公園です。こちらの公園の奥手にある第2駐車場にグランボアのテントを設置しますので、こちらを目指して走っていただければと思います。
今回もいろいろなコースが使えます。ダム湖一周の足に優しいフラットなコースや、アップダウンもあるぐるっと長距離を走ったり、輪行を使ったりといろいろなコースバリエーションを組めるようにと考えました。
ちなみにアイズバイシクルから普通に走るコースを描いてみました。
嵯峨野、保津峡、水尾、樒原、越畑、神吉を通って日吉ダムへと抜けるルートですが紅葉の季節はとてもよいです。ちょっときつい峠道もありますが、神吉から先は一昨年の台風による通行止めが復旧しまして、ダム湖畔まで快適にダウンヒルを楽しめます。帰りはJR日吉から輪行で帰ることもできます。
国道162号線の周山の道の駅「ウッディ京北」から走ってもよし、JR日吉まで輪行して京都市内目指して走るのもよし、神吉から紅葉峠を越えて八木・亀岡方面へ下ることもできます。
府民の森の周囲に飲食できるお店はありませんが、3kmほどの距離にあります道の駅「スプリングスひよし」にはレストランもありますし、何より天気の良い芝生で弁当を広げられたら気持ちよく食べられるはずです。また京都市内から走っていくと途中の越畑の集落のはずれにある「フレンドパーク松原」の蕎麦は絶品です。愛宕さんの山麓の水が良いのですね。山の中なのにいつも混んでいますので時間に余裕をもってご利用ください。
日時は11月3日の文化の日です。
「府民の森ひよし」にお昼の1時から3時まで、お好きなコースで、お好きな時間においでください。一か所に集まるというだけのシンプルなイベントですが、それぞれの楽しみ方に応じて好きなコースをお気に入りの自転車で走ってください。ダム湖周回ならタンデムでも楽々走れます。コースに不安のある方はどうぞ遠慮なくご相談下さい。密にならずみんなで楽しみましょう。当日アイズはお休みします。
葉っぱリング出来ました~!!!!!
2017年のコンクールマシンで生まれたグランボアのサンクフィーユ、通称葉っぱリングですが、11速のフロントシングルで乗るならやっぱりナローワイドが欲しいねということで製作に至りました。歯数は40T、前回のサンクフィーユ同様レリーフがきれいなポリッシュ仕上げです。
ナローワイドとはチェンリングの歯先形状のこと。普通のチェンリングと比べてみると違いがよく分かります。
左が普通の歯先、右がナローワイドの歯先です。
ナローワイドの方は、幅がNarrow(狭い)歯とWide(広い)歯が交互に並んでいます。
フロントシングルで走るにあたりリアの段数が多段化すると、その分チェンのねじれが大きくなり、結果チェンが落ちやすくなってしまいます。
そこで、チェンの脱落を防止するため、このナローワイドの歯でがっちりチェンを掴もうというのがフロントシングル専用のチェンリングです。逆に言うと、ナローワイドという特別な歯の形状のため、フロントシングルでしか使うことができませんのでご注意ください。
普通の葉っぱリングと、ナローワイドのこのチェンリングどちらも使って走っているのはスタッフ前野は、「従来のチェンリングでも走れるんですけど、漕がずに流してるような時にふとチェン落ちることがあったんですよね」とのこと。彼はナローワイドの試作品を2年ほど使っていますが、ナローワイドにしてからは一度もチェンが落ちてないそうです。
前野のランドナーは11-42Tの11速フロントシングル。試作品のチェンリングは42Tだったので、出来立てほやほやの40Tナローワイドに付け替えてさっそく林道を走りに行ったようです。「やっぱ40Tにするとダートの上りが楽だった」そうです。どんなところを走ってるのかは前野のインスタで。
もちろん従来品もフロントシングルで使うことができます。前野はじめ親方やはるみさん、アイズスタッフが今まで走ってみた経験では、8速までのフロントシングルだと普通の歯の葉っぱリングでもチェン脱落に気を遣わずに走ることができています。
通常版は43T、ナローワイド版は40Tと歯数に差がありますので、その点でもお選びいただく事ができますね。
ちなみに私は学生時代からの愛車に通常版のサンクフィーユをダブル仕様で使っています。毎日の自転車通勤、かわいい葉っぱリングを見ると気分が上がります♪
(ですが、インナーリングの在庫がもう無くて、ダブル仕様のサンクフィーユセットは残りあと1セットです。ゴメンナサイ。。。)
従来の葉っぱリングと同じく、ナローワイドの葉っぱリングも、皆様どうぞよろしくお願いします。
「ツーリングに行きたい!」
春からずっとまともなツーリングに出かけておらず、とうとう親方のフラストレーションが爆発しました。というとちょっと大げさかもしれませんが、あの台風10号の翌日だというのに、まだ暑いというのに、もう少し待てば紅葉が始まるというのに、我慢できずに徳島は剣山まで1泊2日で出かけてまいりました。
もう、ずっと旅に出たいと思っていたのです。
【1日目ルート】
道の駅貞光ゆうゆう館(標高50m)→国道438(貞光川沿)→ラ・フォーレつるぎ山(標高1500m)
台風一過。だけど暑い!この日の天気は晴れ。最高気温は33.5℃。この日も京都から徳島まで移動して午後からのスタートです。
水分はもちろん、首には保冷剤を巻き、塩飴やエナジードリンクも忘れずに。この間の高山村のことがあるので周到に暑さ対策をして臨みました。
往路はずっと貞光川沿いを緩やかに登っていきます。距離は40km弱ですが、なんといっても目指すお宿は標高1500m。出発地が標高50m地点なので1450mアップです。久しぶりのツーリングなのでなまった体を確認しつつゆっくり上がっていきました。
序盤から川は谷深くを流れ、山は連なり、景色はとてもダイナミックです。
そして、行けども行けども人家がその山々に張り付くように点在していて驚かされました。毎日の生活はどうされているんだろう、そんな素朴な疑問が頭から離れません。車が入れる道が通っていれば何とかなるのかな。
と、もやもやしていると謎を明かすかのように現れたモノレールの駅。
ここから使える交通手段はこのモノレールだけとのこと。
へぇ。すごい。日本にもこんな所があったんだ。
戻ってきてから少し調べてみたところ、このモノレールはすでに動かすことはできないようですが、今もこの十家地区にはお一人の方が生活されているようです。徒歩でここから1時間、山道を歩いて辿り着く我が家。
おぉ、美山での生活なんて便利そのものですね!
そして、この日はルート上にたくさん見所がありました。
つるぎ町一宇の「土釜」。
土釜ってなんだろ、と思って道を少し外れて観光してきました。流れる水の勢いで岩が削られて猛々しくも美しい滝を形成していました。この日は台風の影響もあってか水量もあり迫力満点でしたよ。きっと紅葉の頃はさぞかし人気のスポットなんでしょうね。
滝といえば、この日は本当にたくさんの滝!
ルート上には数えればきりがないくらい様々な滝が出現していて、いくつも息をのむような美しい姿を見せてもらえました。
きっとその多くは日頃は姿を消している「幻の滝」で、台風後のこの日に限り、しかも自転車のスピードだから目に留まる、そんな景色だったのかもしれません。
あちこち寄り道しつつ、休憩しつつ、ゆっくり上り、お宿まで2キロ手前のスキー場にたどり着いた頃には影も随分長くなっていました。
ここからお宿までは勾配もきつくありません。
今回のお宿はラフォーレ剣山。夫婦池の畔に立つ町営のお宿でお手頃です。
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【2日目】自転車→ハイキング→自転車
ラ・フォーレつるぎ山→自転車→剣山観光登山リフト起点の見ノ越駅(標高1420m)→リフト→西島駅(標高1750m)→歩き→剣山山頂(標高1995m)→歩き→西島駅→リフト→見ノ越駅→自転車→国道438(穴吹川沿)→中尾山高原→国道438(穴吹川沿)→国道492(穴吹川沿)→美馬→道の駅藍ランドうだつ→吉野川沿自転車道→道の駅貞光ゆうゆう館
朝9時始発の剣山観光登山リフトに乗るべく8時30分頃スタート。天気は少しどんよりしていますが、暑くなく、寒くなく、気持ちの良い朝です。
始発の見ノ越駅から西島駅まで約20分。
こんな剥き身のリフトに乗るのはホント久しぶりでちょっとドキドキしましたが、鳥のさえずりや、景色や気温の変化が直接伝わり、何とも言えない気持ちの良い時間でした。
振り返ると自転車で走ってきた道がずーっと見えています。
目指すは剣山頂、矢印のところ。
うーん、いやな雲が近くにあります。。。
雲はありましたが、幸いなことに周りの景色はしっかりと見えました。
これから下る道が見えています。
うーん、あれって小豆島?
夏の剣山はキレンゲショウマの群生が見られるとのことで有名なようですが、この日はすでに花は終わっていました。でもまだ夏色の草木の葉は美しくみずみずしい。夏と秋の間のこの数日は、きっと一般的にはオフシーズンなのでしょうね。でも、私的には大満足。
自然の移ろいにオフなんて無い。いっつも完全に圧倒されてしまう。
山頂付近はきれいに板が張られていて整備が行き届いています。
足元はハイキング用の靴に履き替えていますので歩くのも快適です。
ところが、山頂に立った途端に雨が降り出し、山頂近くのヒュッテで30分ほど雨宿りする事となりました。ただ、これから先の道中を考えるとゆっくりもしていられません。雨雲の動きを見ながらまだ雨が降る中下山を開始しました。
御塔石(おとうせき)
この石の下にある大劔神社のご神体で、その形は剣に似ていることから山の名前の由来にもなっているとのことです。
神社には先客が雨宿りされていて立ち寄らず。また今度お参りしよう。
帰りのリフトに乗る頃には雨が上がり、次の雨雲が到着するまで2-3時間は持ちそうです。
さぁ、一気に下るぞ!
さっきまで立っていた山の頂がもうあんなに遠い。
雲のかけらの向こうに人家の屋根。
昨日とは違うルートで下ってきているのですが、やはりこの地域の特徴なのか、人家が山にへばりつくように点在しています。まだまだ知らないことがたくさん身近にありそうです。
リフト乗り場からの65キロほどの内、後半の30キロくらいは概ね平坦路です。雨にあたらないようにと昼食もとらずに下ってきたので結構しんどかった。やっとこさ辿り着いた美馬の「道の駅藍ランドうだつ」で遅めの昼食を食べたのは2時を回っていました。。
「うだつ」のある家々が今も見れる美馬の町。
美馬の道の駅から車をデポした貞光ゆうゆう館までは日本三大河川の一つ四国三郎こと、吉野川沿いを行く自転車道があります。ただ、自転車道と言っても交通量の多い国道の歩道を利用したような道なのであまり趣はありませんが。
いろいろと見どころ満載のツーリングとなりました。
ツーリング後の親方の第一声は「あー、すっきりした!」でしたよ。
皆さまもそろそろいかがですか?
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【おまけ】
私の自転車。
親方フレームER仕様、650x38B(エキュルイユ)、フロントシングル(ナローワイドサンクフィーユ試作)、クランク(サンエクシード)、ブレーキ(シュエットモダン)、ブレーキレバー(東京サンエス)、サドル(イデアルスタンダード)、フロントバッグ(ランブイエ2019試作)、ペダル(ウェルゴー輪行ペダルグランボアSP)
フロントバッグにはタオルにティッシュはもちろん、携帯にipad-mini、工具やチューブ1本のほか、救急セット+コロナ対策セット、おやつ各種、保冷剤3つ、エナジードリンク2つ、雨具上下にウィンドブレーカー、あと小さめのお化粧ポーチ。少し大きめのカメラも入ります。
親方フレームER仕様、650x38B(エキュルイユ試作)、フロントシングル(秘密)、ブレーキ(ミラン)、ブレーキレバー(東京サンエス)、サドル(イデアルチタン)、フロントバッグ(アンベール2017特別サイズ)、パニアバッグ(グランボアバコーズ製)、ペダル(ウェルゴー輪行ペダルグランボアSP)
パニアバックには2人分の着替え一式とハイキングシューズ、駐輪用の鍵2本が入っています。
【今回撮影できた鳥たち】
ゴジュウカラ
ヒガラ
どちらも小さくてすばしっこい。宿の近くの池の畔にたくさんいました。
トリカブト
登山中にたくさん見かけました。今が旬なんですね。
そして、こちら。
ヤツガシラ
2日目の朝一番に道先を案内してくれた鳥を撮影したものだったのですが、帰ってから画像を明るくしてみたらビックリ!とても珍しい鳥が映っていたのです。だけど一番特徴的な冠羽が電線に隠れてしまっていてかなり残念。それでもこの出会いは嬉しかったなぁ。
鳥の話は興味ない方が多いのはわかっているんですけど、ちょっと誰かに見てもらいたい。たぶんね、ポケモンゴーとかされていた方には、この撮影できた時の喜びをわかってもらえそうな気がするんだけど。。。