アイズの独り言

こんにちは、スタッフの前野です。先日開催されたオダックス近畿主催のブルべ、BRM727守山300㎞に参加してきました。PBP前に走るブルべはこれで最後です。

 

 

コースは琵琶湖大橋東側をスタートし、途中越と江文峠を経てて京都市街地へ。市内を抜けて老の坂峠、亀岡、天引峠、丹波篠山、加東を通って姫路へ行き、復路とほぼ同じ道で帰る300㎞です。普段のブルべは早朝スタートのことが多いですが、今回のスタート時刻は18:30。走り始めてすぐにナイトランを迎えることになります。2週間後のパリブレストパリのスタートも17:00でフランスの場合は日の入り時刻が遅いので少し条件は異なりますが夜スタートの練習になるのでは?と思いエントリーしました。コースプロファイルも細かなアップダウンの連続で100㎞あたりの獲得標高約1000mという点も丘陵地帯を走るPBPに近い気がします。
 

 
ちょうどこの日は台風6号が紀伊半島に接近していてスタート時刻に雨が止むかわからないような状況でした。午前中は普段通り過ごして昼食を済ませた後から部屋を暗くして仮眠ができるように整えました……が、結局台風情報が気になりしっかり眠ったのは1時間ほどで、スタート地点の守山へ向けて走り出しました。自宅からスタート地点まで30㎞ほど。これからブルべで走る江文峠と途中越えを通って琵琶湖大橋へ。空は曇っていましたが雨に合うことなくスタート地点のピエリ守山に到着。飲み物と補給食を買い足して、ブリーフィングと車検を受け18:30にスタートしました。

 

 
琵琶湖大橋は行き帰りの自走とブルべでも往復したので4回渡りました。向こうに見える施設がスタート地点です。

 

 
途中越え、江文峠は凄まじい湿度の中通過。京都産業大学近く、原峠の先にあるコンビニが通過チェックなのでゼリー飲料を買って長居はせずに再スタート。京都市内に入って丸太町通りのあたりで強い雨が降り出しました。

 

 
20時ごろで交通量が多く、雨の降る京都市内通過が一番神経を使いました。普段見慣れた景色もブルべ中だとちょっと新鮮?

 

 
雨は老の坂の登りに入るころには止み、モワッとした湿気が残りました。今回、通過時間の制限があるチェックポイント(PC)はなんと2か所だけ。1つ目は154㎞地点の姫路、2か所目は289㎞地点の京都です。普通のブルべだったら50~60㎞に一か所はPCが設定されているものですが、今回は止まる必要があるのはPC2か所と通過チェック1か所(通過時間制限なし)の計3か所のみ。今回はロードバイクで走っているので補給食はともかく、水は2時間に1回は補給する必要がありました。(ボトルケージ2つの内1つはツールボトルに割り当てているためフレームに固定できる水は700mlのボトル1本のみ)コンビニに入って飲み物を買おうとすると余計な時間がかかるので自販機で補給は済ませました。

 

 
0:57姫路のPC1に到着。この先京都のPC2まで100㎞以上停車する予定が無いので補給は多めに!

 

 
亀岡に入るころ夜が明ける。
前日の昼寝のおかげでひどい眠気に悩まされることはありませんでした。しかし、滝のように流れる汗と不快な湿気が一晩中続いたせいでこの頃には早く家へ帰ってシャワーを浴びることが走り続けるモチベーションになっていました。

 

 
しっかりした食事を摂らなかったせいで江文峠でガス欠寸前、途中越えのピークまで残り200mほどでハンガーノックになりましたが、残りは惰性で下って8:08に307㎞地点のゴールに到着。
13時間38分で完走です。

 

 
ゴール後は楽しみにしていたオダックス近畿の300㎞ピンバッジをゲット。今年最初に認定を受けた300㎞はAJ福岡の小倉300だったのでようやくオダ近ピンバッジコレクションが増えました。写真のプリンは主催者の方からのご褒美です。完走後の身体にしみわたりました。ごちそうさまです。
今回、300㎞の認定時間としては自己ベストでしたがハンガーノックの原因になった補給の管理など課題も残りました。PC間の距離が長く停車回数が減り、気温が高いので固形物を食べる頻度が下がって飲料を多めに摂る傾向がありました。PBPでは補給食を口にする頻度を増やす、持参する補給食を今一度精査するなどの対策をして最後まで踏み続けられるようにしたいです。

 

 
今回のブルべは650Bランドナーではなく700Cロードで走りました。
タイヤは乗り心地と走りの軽さを優先してセールヴェルテ700×28Cエキストラレジェを選択しています。

700×28Cのエキストラレジェモデルは28㎜幅でありながら、軽量でしなやかなケーシングのおかげで平均210gという一般的な高性能23Cタイヤ並みの軽さです。エキストラレジェのしなやかなケーシングは振動吸収性と路面追従性が良く、スピードと快適な乗り味を高次元で両立しています。また、細幅のタイヤに比べるとエアボリュームがあるのでリム打ちパンクも発生しずらいです。
ちなみに自分はフロント4.5bar、リア4.8barほどで運用しました。空気圧の決め手は突き上げや振動がきつくない範囲で、ダンシングをしてもタイヤが潰れないくらいを目安にしています。高圧にしすぎると突き上げと振動がきつくなりタイヤの良さがスポイルされてしまうので、少し低めぐらいがいいと思います。

グランボアのエキストラレジェタイヤはダート走行には不向きですがランドナーでの使用に限らず、速さと快適さが求められるブルべやファストランをする方に最適のタイヤです。
クリアランスに余裕のあるディスクブレーキのフレームにはよりエアボリュームがある700×30Cエキストラレジェがいいですよ。こちらも30Cで250gと超軽量です。
リムブレーキロードバイクの場合、28Cタイヤはチェーンステーやブレーキキャリパーとのクリアランスが足りない場合もありますので現状のタイヤ幅とクリアランスを事前にご確認ください。

 

 
 

 
これでPBP前に予定していたブルべは全て終わりました。あとは8月18日17時のスタートまで準備を続けることです。

今年1月から走ったブルべです↓
BRM102神戸600㎞DNF
BRM112淡路200㎞
BRM216小倉300㎞
BRM309近江八幡200㎞
BRM323高松600㎞
BRM420近江八幡400㎞
BRM503京都1000㎞
BRM622紋別600㎞
BRM727守山300㎞(今回)

まえの


2019.07.29

GrandBois JBT Model

長かった梅雨が明け、ようやく今年の夏本番!

だけど、なんだかこの湿気にまいっちゃう。。。

皆様、お元気にお過ごしでしょうか。

 

 

 

さて、まずは入荷のお知らせ。

エキストラレジェだけでなく、スタンダードモデルまで欠品してしまっていた32Aタイヤ、ルナールのエキストラレジェが再入荷してまいりました。Aタイヤの軽量モデルはスポット的扱いだったのですが、ご要望が絶えずほぼほぼ定番化しています。エクストラレジェに使われているベースの布(ケージング)はチューブラータイヤ用のケージングをベースにしたグランボア専用の特別仕様です。未体験の方は是非今年は使ってみてくださいね!

GrandBois tire Renard 650x32A

 

 

そして、リムパピヨン。700Cの36穴モデルだけタイミングが合わずシングルアイレットのままだったのが、今回の生産でようやくダブルアイレットモデルとして入荷してまいりました。これでパピヨンの主要モデル、28H/32H/36Hは650Bと700Cいずれもダブルウォール+ダブルアイレットモデルとなりました。2009年の発売から今年で10年目。極めて剛性が高く、舗装路、ダート、キャンピング等どんなシーンにもお使いいただけるオールマイティーなポリッシュリムとして今なお少しづつ改良が進んでいるグランボアのロングセラー商品です。

GrandBois rim Papillon 700C 28H/32H/36H

 

 

更にウルトラライトのブレーキケーブルアウターに丸線タイプがラインナップされました。色味もシックで合わせやすそうです。しかも驚く軽さ!

GrandBois ULTRA LIGHT cable housing    plated aluminum(left)/round aluminum(right)

 

他に、ページの更新がなかなかできずにいた120mm/126mmエンド幅のハブのページもようやく更新できました。Jスカイのカセット軽いですよ~。

GrandBois LFQR hub 120mm + J SKY 6s cassette

 

 

 

 

 

 

*****

さて、グランボアのJBTマシン。

忘れないうちに記録も兼ねてどんな自転車をエントリーさせたのか書いておこう。ちょっと長いですよ。

 

 

【フレーム】

OYAKATA カイセイの軽量パイプ、8630R。

軽量化のためパイプの接合部に大穴を開けてロー付けしています。

 

 

 

 

【フォーク】

OYAKATA ERフォーク。ハンドメイド展に展示した段階では剛性アップを狙って通常より大きな径のブレードで製作していたのですが、試乗の結果、あまり違いを感じることはできませんでした。そこで、イロイロ吟味して結局ブレードの径はグランボアのいつものもので、オフセットをチョコの走りに合わせる形で作り直しています。

結果、2年前のコンクールマシンよりも軽量で剛性のあるフレームに仕上がりました。

 

 

 

 

2年前のコンクールから進化したパーツたち。

【チェーンリング】

サンクフィーユ。5枚の葉っぱの意匠はそのままに刃先をナローワイド化し、フロントシングルで多段変速時のチェーン落ちを解消しています。

【ペダル】

シマノPDA520。サードパーティのチタンシャフトに交換して更にシールドベアリング化しています。

 

 

【変速機】

マイクロシフトのロングケージリアメカ、R47を極限まで肉抜きしています。2年前のコンクールでの経験を生かした市販モデルをそのままセットしました。

 

 

【変速レバー】

ENEシクロ フリクションレバーを肉抜きしました。

 

 

 

 

【ベル】

アルミベルを工房内で加工した肉抜きベル こちらは2年前と変わっていません。

【ステム】

グランボアのアルミステム。引き上げ棒を昔のパールのステムに使われていたアルミに交換しました。1本だけ在庫があったのです。

 

 

【ハンドル】

グランボア フランス型ランドナーバー

グランボアのハンドルはすべてバルジ製法で作られています。420mmまでしか幅をご用意していないのもそれ以上の幅になると焼き入れの必要があり、ハンドルが固くなってしまうのです。適度なしなりはダートや長距離ツーリングでの微振動を吸収してくれて上半身の疲労の軽減に欠かせません。更に今回は、日東さんに試作していただいたエアロレバー用の溝入モデルですのでワイヤーの処理もすっきりできました。バーテープはヨシガイの新作、クッシーコットン

【ブレーキレバー】

SRAM カーボンレバー。ここだけ黒いパーツで親方は気に入らないようで模索していましたが、今回は軽さ優先で採用が決まりました。ブレーキケーブルは日泉ケーブルのSP31。アウターはウルトラライト平線タイプ

 

 

 

 

 

【キャリア】

ER用フロントキャリア。通常6mmパイプで作っていますが、特別に5mmパイプで製作しました。

【ブレーキ】

グランボア ミラン 肉抜きのほか小物を全てチタンに置き換えたスペシャル軽量加工が施されています。

 

 

 

 

【発電機】

SP(台湾製ダイナモハブ)。今主流のシュミット以外で、より軽量なので採用しました。ただ、もともと小径車用でフランジ幅が狭く、650Bホィールでは横剛性に劣ります。何年も前からその辺の改良を再三交渉しているのですが、なかなか形にしてくれません。

 

 

 

【フロントライト】

シマノのシティ車用のライトのプラスティックカバーを外したものを採用しました。軽量化にもなったうえに見た目もすっきりして意外と注目を集めていました。何より他のチームと比べても明るかったですね。さすがシマノ。

 

 

 

 

【リアライト】

ん、リフレクターじゃないの???

KIMURA38mmのリフレクターのケースを少し深く作ってもらって、中にLEDのユニットを入れました。そして、それを非接触型小型発電機と繋げて光らせたのです。

磁力で発電させる発電機だそうでリムとは接触していませんが、リムが回ることによって発電します。リアライトは取り付け方も含めて今回のJBT号の目玉でしたが、残念なことに走行会での林道でいつの間にか落ちてなくなってしまいました。。。今回の破損箇所はここだけでしたのでかなり残念。。。

あちゃー。。。

 

 

 

 

【泥除け】本所工研 H50C

【ステー】本所工研 中空アルミ

複数のチームでカーボン製の泥除けやバッグのステーなど破損が見られましたが、さすがに本所の泥除け本体での破損は見られませんでした。ただ、中空のステーは潰しやすく、変形してしまうと輪行時の脱着時に問題になりそうでした。

 

 

 

【ホィール】

リム グランボア パピヨン 28H

スポーク DT-SWISS レボリューション

タイヤ グランボア 38B 試作

チューブ SOYO ラテックス 試作

タイヤはエキストラレジェをベースにパナレーサー最新のコーティングシートを試しました。ツーリング車におけるチューブレスの可能性と共に、軽くてダートにもお勧めできるものを模索中なのです。でも、そんな事はお構い無に今回のJBTでは総合一位のベロクラフトは最軽量650Bタイヤのエキュルイユ、走行会着位一番のケルビムは650B最細タイヤのシプレを装着してノーパンクだったのですけどね。。もちろん、グランボアのこの試作38Bタイヤもノーパンク。パンクはライダーの走行技術と運によるところが結構あるのです。。。製品化にはもう少し、いろいろ試してみますね。

 

 

 

 

【サドル】

イデアル 試作#88 チタンワイヤーベース アルミクロワッサン チタン小物 アルミリベット

イデアルがJBTのために作ってくれた試作軽量サドルです。サドルのサイドの刻印は90のままですが、実際は少し高さが低くなっている軽量モデルの88です。ベースやクロワッサン、小物やリベットまで全てを軽量品に置き換えて、なんと重さは359グラムを達成しています。これは現在発売中のイデアル90はもちろん、ジルベルトゥの軽量モデル、チタンベースとプラスティックのクロワッサンのアラヴィより軽いのです。だからと言って革を薄くしたりはしていないので乗り心地はそのまま。市販化は未だもう少し先とのことですが、嬉しいニュースですよね。ありがとう、イデアル。

 

【シートピラー】

グランボア 棒ピラー 27.2mm→25.0mm(切削軽量化)

フレームのシートチューブのパイプ径27.2mmのところ、スリーブを入れて25.0mmにし、軽量化したピラーを使用しています。櫓にはブロンプトン用に販売されているペンタクリップを使いました。このシート周りの見え方も親方がとても大切にしているポイントなのです。

 

 

【フロントバッグ】

工房内試作品。パラシュート生地を使った超軽量バッグを作ってみました。ポイントは課題である「饅頭」=「壊れやすいもの」を自転車でどう運ぶか。最初は一番に振動を受ける前よりは後ろの方が良いだろうとサドルバッグを検討したりしていましたが、なかなか形がまとまらず、結局まだまだ改良の余地のあるフロントバッグの中で考えることにしました。で、本体ではなく蓋に大き目のポケットを作り壊れ物を浮かして運ぶ仕組みにしたのです。

【バッグサポーター】

コの字型にバッグの本体3面の上部をしっかり固定するものをアルミで作りました。

 

乗りながらの補給食へのアクセスも良いとチョコは喜んでくれましたが。。。

肝心のお饅頭は無傷だったようですが、ケースが割れてしまったとのことでポイントゲットにはなりませんでした。。。まぁ、普通のフロントバッグで同様に運んだときはケースどころか10個あったお饅頭のほとんどがバッグから走行中にこぼれ落ちて紛失していたのですから改良されたと思います。欲を言えばもう少し防水性があればよかったかな。もう少し試作を続けてみようと思います。

 

 

 

2年前に作ったアンベール2017が350gですから何とかものにしたいところです。

 

 

 

 

 

【スペック】

フレーム  グランボア Oyakata ラグレス
チューブ カイセイ 8630R 25.4/28.6
エンド グランボア レーザーエンド 4mm
クラウン グランボア ERクラウン 4mm
フォークブレイド カイセイ 706C
カラー グランボアグリーン
ヘッドセット グランボア ビンテージ JIS規格
ボトムブラケット TA AXIA スクウェアテーパー
クランク TA カルミナ
チェンリング グランボア ダイレクトマウント ナローワイド歯 サンクフィーユ 試作
チェンリング小物  TA ダイレクトマウントロックリング
フロントハブ シャッタープレシジョン SV-9 6V1.5W/LED
リヤハブ グランボア スモールハブ 11s
クイックレリーズ パセンティ
スポーク DT レボルーション 1.8/1.6
ニップル DT アルミ
リム グランボア パピヨン 28H改
リム小物 グランボア ナイロンリムテープ 試作
タイヤ  グランボア エキュレイユ 650×38B 試作
チューブ ソーヨー ラテックスチューブ 650B 試作
リヤディレイラー マイクロシフト R47 グランボアスペシャル
チェンジレバー ヨシガイ ENE 11Sシフター改
チェン KMC C10SL 10S用
カセット レーコン ワンピース 10S
ペダル シマノ PD-A520
ブレーキ  グランボア ミラン カンチブレーキ改
ブレーキレバー スラム S900
ブレーキ小物 日泉ケーブル ウルトラライトアウター
ブレーキ小物 日泉ケーブル SP31インナー
マッドガード 本所工研 H50CN
マッドガード小物 本所工研 中空アルミスティ
マッドガード小物 グランボア ステンレスダルマ
マッドガード小物 本所工研 R金具 チタンボルト
サドル  イデアル #90 試作
シートピラー グランボア アルミ棒ピラー 27.2mm改
シートピラー ブロンプトン ペンタクリップ
ハンドル グランボア FR410 410mm 試作
ステム グランボア アルミ 80mm改
フロントキャリア グランボア ERキヤリア 5mmパイプ
サポータ グランボア
フロントバッグ グランボア タカヤマ2019 試作
ライト シマノ LPC2207改
テール キムラ アルミリフレクター改
ダイナモ フロント シャッタープレシジョン SV-9 6V1.5W/LED
ダイナモ リア Xbat C1 非接触発電式
バーテープ ヨシガイ クッシーコットンバーテープ
ベル 東京サンエス スプリングベル アルミ グランボアスペシャル
ボトルケージ イリベボトルケージ 3mmパイプ
ポンプ iポンプ マイクロ
ツール トピーク ラチェット ロケット ライト DX+
ツール パークツール タイヤブート TB2

 

 

つちやはるみ


 

今回の海外遠征用のウェアどうしようか。。

 

自転車やバッグは必須アイテムだけど、やっぱりチームの連帯感を高めるうえでも何かチームウェアを準備したいな。

でも、もう、たくさん作るのはしんどいしな。

いつものようにポロシャツ(作業用)にするかな。。

なんて、悩んでいたらCCPさんが快く小ロットで引き受けてくださいました。

 

 

CCPさんの夏のポロシャツ大好きなので嬉しいです。仕上がりも大満足。

チャコールのグランボアのロゴ入りは各サイズ少しだけ余分に作った分をお分けできます。

1着税別で1万円です。興味のある方は直接メールください。

7/19 Mサイズは完売しました!ありがとうございます!

 

 

あと、夏のニッカーも入荷しました。グランボアではカーキのみ店頭で在庫しています。

つちやはるみ


こんにちは、スタッフの前野です。ジャパンバイクテクニークの翌週に北海道で開催された600kmブルべに参加してきました。

今回参加したのはオダックスジャパン北海道主催のBRM622紋別600㎞。8月のパリブレストパリ前最後の600㎞ブルべとなります。コースは信号が少なく、PC以外で余計な停車をする必要がないので補給さえ失敗しなければ完走は容易なコースです。そして前回の記事でも書きましたが信号だけでなく獲得標高も少ないので2016年8月の宗谷600㎞で記録した25時間49分の更新を狙って北海道へ向かいました。

コースは札幌市郊外の丘珠空港近くからスタートして富良野、美瑛などを経由してオホーツク海に面する紋別まで行き、名寄、士別、雨竜を経由して帰る607㎞の道のりです。   

 

 

6時過ぎにスタート地点に到着。ブルベカードを受け取りブリーフィング、車検のいつもの流れです。スタート地点では2016年の宗谷600kmでお会いしたAさんと3年ぶりに再会!!3年前はロードレーサーでしたが今回の愛車は旭川の蝦夷サイクルのスポルティーフ。それもオールメッキです。DHバーが着いているのが北海道のランドヌールならではですね。

 

 

7:00にスタートして10㎞程走ったところで本格的な雨に。ここから紋別に到着するまでの大半を雨の中走ることになります。

 

 

単独で千望峠を越えて上富良野町へ。
ウェット路面をグループで走ると先頭以外は前走者の水しぶきを浴び続けます。前走者と走行ラインをずらせばいいのですが、前に2人、3人いるとラインが重なりどうしようもありません。空が晴れていても路面が濡れていたら、雨が降り続けているのと変わらないくらい濡れます。砂利交じりの泥水が口に入ってくることもあるので雨に打たれているよりも不快です。これは前後フルサイズのマッドガードがあっても完全には防げず、リアのマッドガードに路面すれすれの長さがあるマッドフラップを付けて初めて解決されます。今回は600㎞のほとんどを単独で走ったのであまり問題にはなりませんでしたが、仲間と走るときはリアにもマッドフラップが必要だと感じました。

千望峠上富良野側の下りは小雨の中。

 

 

美瑛名物パッチワークの路は大雨。晴れていたら最高の景色をバックに自転車の写真を撮れたことでしょう。

 

 

牛の横断で小休止。本州では遭遇しない光景です。
雨の音しか聞いていなかったのでこちらを見ながらモーモー鳴いている牛さんに和みました。

 

 

紋別手前70㎞地点でスマホが水没。スマホケースとして使っていたジップロックの口を開けたままにしていたのが原因でした。

 

 

紋別に到着。ここまで310㎞を13時間。まあまあのペースで折り返しまで来ましたが雨で消耗して立て直しが必要だったので予定外のホテル泊です。風呂、夕食、衣類の乾燥、睡眠で7時間ほど滞在しました。水没したスマホも乾燥させてどうにか使える状態に。
自分が到着したときはまだ少なかった自転車もチェックアウト時にはこの通り。コースレイアウトとPCの配置的に紋別で宿をとる人が多かったようです。

 

 
 

 
【2日目】
3時半にホテルから再スタート。空が明るくなり始めていました。今回、ライトの明かりを頼りに走ったのは初日の約1時間だけ。いつもなら夜明けの瞬間に感動するものですが、今回は寝ている間に明るくなってしまったので600㎞を走っている感じがしません。オホーツク海の日の出を見ながら海岸線を興部まで進み、そこから内陸の名寄へ向かいます。

 

 

先週ヒグマが出没したようです。川の対岸や遠くから見てみたいと思いますが鉢合わせは勘弁……

 

 

1日目と対照的に快晴。灰色一色に見えていた景色は鮮やかに色付き最高のサイクリング日和になりました。ただ、日影がほとんど無いコースで日焼け止めを塗りなおさなかったので真っ赤に焼けてしまいました。

 

 

二日目は最初から最後まで単独で走り続けて33時間34分でゴール。当初の目標25時間台前半のゴールは出来ませんでした。雨の中24時間ぶっとおしで走り続ける力は今の自分には無く、1日目の状況から判断してホテルに入ったのは適切な選択だったと思います。もし紋別で宿に入らず走り続けていたら、かなり苦しい600㎞になったのは確実です。同じ状況で数年前の自分なら、紋別のホテルに入った時点で心が折れてDNFの電話をかけていたと思うので冷静に立て直せるようになったのは成長したと思います。今回の雨天走行の経験を今後の装備や走り方に活かし、PBP本番で悪天候に見舞われても乗り越えることが出来そうです。

 

 
 

 
京都から北海道に行くにあたり関空から新千歳まで飛行機輪行しました。飛行機輪行用にハードケースやクッション材付の輪行袋を持って京都から関空までを電車で輪行するのは荷物のサイズ的に困難なので、普段と同じ軽量輪行袋で飛行機輪行をすることにしました。
飛行機輪行が普段の輪行と違うのは自分以外の人が自転車を運び、場合によっては横置きになる可能性があることです。以上を踏まえて使用した輪行袋はオーストリッチSL-100 。最近はウルトラSL100ばかり使っているので出番がなかったのですが、より強い生地を使っていて安心感があるので抜擢です。それに加えてフロントフォークには日東の用心棒を装着しています。これも万が一横置きになった場合などにエンドが歪むのを防ぐためです。ペダルとリアメカは外しておきます。フレームとホイールの隙間に衣類の入ったスタッフバッグを詰めて、残りは電車で輪行する時と変わりません。

 

 
空港に到着したら自転車は預け荷物としてカウンターで手続きをします。ちなみに今回利用したのはANA。
重量とサイズがチェックされますが、受付の人も慣れているのか特に煩わしいことはありませんでした。一点注意する必要があるのはスプレータイプのチェーンオイルやバーナーのガス缶などは預けられません。この辺りは細かい規定があるので空港で預ける前に航空会社のホームページなどでチェックしておくとよいでしょう。

 

 
飛行機に輪行袋が積み込まれていきます。このように横倒しになる場合があるので、受付時に横倒しにする場合の向きなども確認されました。新千歳空港到着後、ベルトコンベアではなく係員の方が直接輪行袋を運んできてくれます。ちなみに行きの飛行機では僕以外に2人が普通の輪行袋で自転車を預けていました。
行き帰りとも袋の破れや自転車の損傷はなく、前述のとおり自転車を丁寧に扱ってもらえるので行動範囲を広げてくれる普通の輪行袋を使った国内線の飛行機輪行は今後も積極的に利用したいと思いました。LCCや航空会社によっては対応も変わってくると思いますが、飛行機輪行に対して高いハードルを持つことはないと思いますよ。今度はほとんど走ったことがない東北に飛行機輪行で行きたいです。

 

 
【今後の予定】
8月18日のPBPまであと1か月になりました。PBP前最後のブルべは滋賀県守山市から姫路市を往復する300㎞。スタートが夜というPBPのスタートに似た条件なので本番を想定した時間割を組んで確実に完走したいです。
そして守山300㎞が終われば残るはパリブレストパリ(CONCOURS DE MACHINES 2019)のみ。残りの時間を大切にしてフランスで納得のいく走りが出来るよう頑張ります。

BRM727守山300㎞
8月18日 PBP1200㎞

まえの


2019.07.12

JBT番外編 2

JBT2日目 小雨

 

宿を出たのは夜中の2時、フロントには朝食用のお弁当がお茶と一緒に用意されていました。

嬉しい。

今回のJBTのお宿の条件に朝2時チェックアウトに対応してくださることと、朝食をお弁当で提供してくださることをお願いしてありました。無理なお願いを聞いてくださったお宿の方々には感謝です。

 

 

 

 

 

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【スタート前】

4時のスタートに備え、3時過ぎには各チーム集まってきました。

明け方の、目覚める前の空気がすでに静かに張りつめているのを感じます。

 

 

 

 

 

GPSを使ってリアルタイムでライダーたちの走りを中継するのは今回のイベントの大きな試みの一つでした。それに、コース上でのライダーたちのミスコースやトラブルを把握するためにも重要なアイテムでもありました。

番号に間違いがないか、動作不良がないか確認しながら2人で渡していきます。もたもたしているとあっという間にスタート時間が迫ってきます。あっ、サポートカーにも渡さないと!

 

 

 

 

 

【スタート】

JBT2日目は笠ヶ岳峠までの約23km、標高差1300mアップのタイムトライアルから始まります。走行会ルートの詳細はこちら

スターターは日東の吉川社長と審判のお一人、国際競技審判の資格をお持ちの佐橋さんです。

高山村役場からお借りした非常用の行灯の灯にも負けない、それぞれの前照灯が印象的なスタートの様子。小雨降る夜明け前の非日常が、ライダーだけでなく、ギャラリーたちのボルテージも上げていきます。

 

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【GPS中継】

スタートを見送った後、本部ではGPSを映し出しているプロジェクターにくぎ付けになりました。ポイントが数分おきに地図上を動いているだけのものでしたが、これがなかなか臨場感があって面白いのです。

見ているとあっという間にばらけて順位が見えてきます。そして、その上位チームの速さに感嘆の声を上げ、動作不良なのか電波の不具合なのか、じっと動かないポイントにはヤキモキしたりしていました。そんな中、明らかにミスコースしたチームが2チーム。村道鎌田入線が正式ルートなのですが、県道66号線をそのまままっすぐ上ってしまったのがエメラルドバイク、せっかく村道に入ったのに18km地点の分岐でなんと県道へ下ってしまったのがパナソニックサイクルテック!気づいた時にはまったりとしていた本部がどよめきました。上っているエメラルドと下っているパナソニック、出会えばお互いミスコースに気づくだろうと見守っていましたが、なんと途中にある周回ができるポイントでそれぞれが別ルートを取り、出会うことなくすれ違ってしまいました。。。エメラルドバイクはそのまま上がれば正式ルートに合流するので良いとして、パナソニックは大変です。ミスコースが発覚してから本部ではパナソニックのチームマネージャーとライダーそれぞれに電話をかけていましたが、結局パナソニックのライダーから折り返しの電話があったのは、すっかり下りきって林道の入り口に再び戻ってきたときでした。

ここで少しTTのポイントについて説明しますと、1位の1000点から10位の100点まで100点刻みでポイントが付きます。11位以下は加点も減点もありません。ただし、現役の登録選手、または登録抹消から5年以内のライダーについては500点の減点が課せられます。ですので登録選手を起用する場合、このTT区間で5位までに入らないと減点になってしまうのです。チームの方針としてはここでDNFもあったかもしれませんが、ライダーの意思を確認すると、「もう一度上りなおします。」とのことで、パナソニックはなんと他チームより約20km、標高差600mを余分に走ることとなったのでした。

 

最後尾から果敢に追い上げるパナソニックサイクルテック!(最終伴走車撮影)

 

 

 

で、このGPS中継は上位のチームがゴールした少しあとくらいからアクセス集中によるサーバーダウンで見れなくなってしまいました。。。6時前後でしたので、きっとみんな朝起きて一番にチェックしようとしてくれたのかな。。。運営会社にも早朝から対応していただきましたが結局復帰できずに終わりました。楽しみにされていた方、すみません。私たちも事前にGPS中継を公表していただけにとても残念でしたが、TT区間のこのドラマだけでもオンタイムで体感できて良かった。運営会社からも「リベンジしたい!」とのコメントもあり、次回はきっとうまくいくと思っています。

あと、そう、これは覚書。GPSはすべて同時にオンにする事。

 

 

 

 

 

 

 

村道鎌田入線への曲がり角。

ゴール直前。(5位のテンションシルクと6位のグランボア)

 

 

 

 

 

 

自費で取材に来てくれていたMr.Ogaから素敵な写真を提供していただきました。TT上位のチームだけなのですが紹介させていただきますね。

1位

電動アシストを搭載したTCD(東京サイクル専門学校)

 

 

 

 


2位

YANAGI(柳サイクル)

 

 

 

3位

ベロクラフト

 

 

 

 

4位

ケルビム

 

 

 

 

【リエゾン区間】

TT区間を終えれば残りの50kmほどは時間内に走り終えればよい区間になります。ただし、笠ヶ岳峠の後、渋峠、山田峠、毛無峠と日本屈指の峠を越えるヒルクライムルートが続き、16キロのダートの下り、林道湯沢線を経てゴールとなります。そのハードなコースを究極まで軽量化で追い込んだ車体が無傷で戻ってこれるかがカギとなります。また一方で、ライダーたちにとっては自転車をいたわりながらツーリングを楽しんでいい区間でもあるのです。この日のお天気は良好とはとても言えないお天気でしたが、それでも日頃一緒に走る機会のまずないライダーたちが一緒に走るのですから刺激にならないはずはありません。

 

 

(写真提供 S.Oga)

 

 

京都から応援に来てくださったAさんと。

山田峠付近のウェブ中継班と。

 

 

 

 

 

【お土産】

毛無峠から林道湯沢線に入るところで温泉饅頭のお土産が渡されます。わざわざ割れやすそうなプラスティックの容器に10個入りのところを8個にしてもらいました。実際にこのお饅頭は各チームへのお土産となります。

 

 

激しいダートを下るにはライダーのテクニックも必要ですが、それに対応したバッグや自転車の工夫もそれぞれ違っていて面白かったポイントでもあります。

テンションシルクは今はやりのバイクパッキング方式、ベロクラフトは伝統的なフロントバッグ。

 

 

グランボアは蓋に大きなポケットのあるフロントバッグを試作しましたよ!

チョコには「食べ物が取り出しやすい」と好評でしたが、結果はいかに!

 

 

 

寒い峠でお土産渡しを担当してくださったのは日東の若手スタッフ。前日に寒さ対策のウェアを買い込んで対応してくださいました。到着順に写真撮影までしてくださり、日東ハンドルのインスタには峠の饅頭屋リザルトが公開されています。是非、見てみて!

 

 

いくつもの峠を越えてきたライダーたちはこの青いバンを見つけてきっとホッとしたに違いありません。

 

 

 

 

【林道湯沢線】

JBT走行会のクライマックス、16キロに及ぶ下りのダートです。

特に標高の高いところがガレていて多くのチームの自転車に傷を負わせました。パンクだけでなく、減点対象となるキャリアや泥除けの破損、螺子の緩みや欠損、部品の脱落などが多発し、拮抗する上位入賞車の総合結果に影響を与えました。プロとしてお客様に納車する自転車ではあってはならないことですが、これこそがJBTを開催する大きな意義の一つかもしれません。ここでの経験が新しい製品や具現化したアイデアを磨き上げていく過程になるのは間違いないのです。

これから向かう林道がお土産ポイントから見えています。

 

林道の入り口

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【走行後の各種審査】

ライダーたちはこれだけのコースを走ってきて、まだ終わりではありません。お土産や自転車のチェックを受け、更にステージで輪行するという課題が残されています。

 

 

まずはお土産チェックです。日東の吉川社長が担当してくださいました。日頃の日東製品チェックの厳しさが今回のお饅頭チェックにも発揮されていましたよ。

写真は1番に戻ってきたケルビムです。ライダーと自転車がトータルでコーディネイトされていてインパクト絶大でした。今回のお土産専用に一番振動を受けにくいであろう後ろにキャリアとバッグを製作し、更に緩衝材で保護するという徹底ぶりで、猛スピードでダートを下ったにもかかわらずお土産状態はAランクでした。お見事!

 

 

 

 

続いて車検。プレゼン前の車検を担当した車検チームが担当します。車検を受けているのはMONTSON(山音製輪所)です。

 

ホックで留める泥除けは素早く脱着できてとても斬新なアイデアでした。お土産ポイントでは自転車は無傷のようですが。。。

林道での振動で泥除けが外れて巻き込んでしまったそうです。

自ら「こうやって自分で泥除けを石でつぶして畳んだんです。」と。

しかも、「カメラがあったらなぁ、と思ってたんですよ。撮ってください。」と、林道でのパンク修理のついでに再現して見せてくれたのでした。

 

 

 

そして、輪行タイムトライアル。

自転車を輪行袋に入れて担ぐまでと、袋に入れた自転車を組み上げるまでの時間を競います。ですが、ただ速いだけではいけません。その手際や丁寧さを審判が判定します。

写真は今回唯一の女性ライダーを起用したオオマエジムショ。あれだけのコースを走り切るのもすごいのに、なんとダートは初めてとのこと。乗ったり降りたりで何とかダート区間を走破し見事完走されました。自転車もお土産も無傷の状態でしたよ。

 

 

こちらはプライベーターで参加のNAGARA。

 

このNAGARAさん、恐るべきガレージビルダーで、一年に一台のペースで様々な素材を使ってオリジナル自転車を自作されています。今回の場合もフレームだけでなく、キャリアや泥除けまでカーボンで自作したというのですから本当にびっくりしました。しかも、フレームの芯を観る定盤の代わりにホームセンターなどで売っている合板を使っているというのです!!! オリジナルパーツ満載のワンオフのカーボンバイク、ウェットカーボンといえどプロとして値段を出したら一体いくらになるのでしょうか。。

自ら作り、自らライダーとして完走されて、しかも自転車も完走後の車検で破損個所はありませんでした。自転車とライダーの一体感もすばらしかった。

「負けちゃうかも。。」

参加したプロフェッショナルたちがきっと全員思ったはずです。

 

 

 

【輪界のホープたち】

今回のJBT、実は企画当初は参加チームは5チームも集まらないんじゃないか、そう言われていたそうです。そんな中、東京サイクルデザイン学校から職員のタカギサイクルワークスさんも含めて4チームもの参加があり、その数をグンと伸ばすことができました。今回、競技すべてを完走できたのは2チームでしたが、どのチームからも真剣な熱意が伝わり、今回のJBTの深みを増す役割を果たしたことは間違いありません。今後の自転車人としてのそれぞれの人生にこのJBTが良い経験として生かされますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

****

今回の結果は今までの単にスピードを競う自転車競技の枠で考えるとしっくりこない方がたくさんおられると思います。

競技は2日間にわたり、いくつもの項目を多くの目で真剣に審査し、ポイントに換算していただきました。今回の総発行ポイントは92691点、ただし、これには重量ポイントのマイナス26650点も含みます。主観的な要素を多く含む審査員5人の持ち点はそれぞれ4000点づつですので5人合わせても20000点で、主観的な評価を表す「プレゼンポイント」だけでは到底勝つことはできません。重視すべきは軽量化の表れである「重量ポイント」と、ツーリング車の今の課題である「ボーナスポイント」でした。

泥除けやキャリアとバッグ、自己完結する発電機を装備しつつ、軽く作る。もちろん、「軽い自転車」=「良い自転車」ではありません。ですが、たった2日間の技術コンペでその工房の技術を図るとすれば、「軽さ」はその技術を際立たせるのにとても有効です。数グラムの軽さを追求するにはあらゆる仕様パーツを吟味する必要があり、加工を要します。素材の知識、構造への理解、そして技術。こういったものがないと正しい軽量化は不可能なのです。

また、発電機(ダイナモ)については前後とも完備していたのはグランボアとベロクラフトだけでした。すぐそこにコンビニがあり、ロングライドイベントもそれほど盛んではない今の日本でのツーリングにおいて、自己完結する発電機の必要性はあまり感じられないかもしれません。ですが、世界での動向やツーリング車としての特性を考えたとき、課題を多く残しているのは発電機へのアプローチなのだと思います。

ボーナスポイントはそれらを自転車に取り入れるだけで取得できるので、全チームがそれらを装備した自転車をエントリーさせたとしたら、ボーナスポイントの総発行ポイントは40000点にもなります。ですが、実際は21000点のみの発行にとどまりました。だからと言って、多くのチームが基準である10キロ以下に車両を仕上げ、重量ポイントが膨らんだかといえばそうではなく、重量ポイントに至ってはポイントをゲットしたチームは16チーム中5チームしかありませんでした。結果、重量ポイントの総発行ポイントはマイナスに大きく転じたのです。(+3600-30250=-26650)やはり、この複雑なポイントの仕組みを理解して戦略を練ることは重要でした。ボーナスポイントは0でも軽量化で大きくアドバンテージを示したテンションシルクは見事上位に入賞しているのですから。ただ、仕様パーツを「オリジナル」「モディファイ」「純国産」「海外生産品」と細かく仕訳した「パーツポイント」については、判断に困る事例が多くあり混乱を招きました。次回があるとすればここは大きく変わるところかもしれません。

 

 

今回の結果について詳細はJBTのホームページに掲載済みですのでそちらをご覧ください。また、これから発売予定のサイクルスポーツとバイシクルクラブでも記事になる予定です。できればお買い上げのうえご購読くださいませ。

 

 

 

今回のJBTでは開催地である高山村とYOU游ランド、高山村観光協会の皆様には大変お世話になりました。数えてみると、準備のために訪村した数は去年の夏から6回となり、本番は7回目でした。京都からだと往復でおおよそ1000キロ。フランスと比較すると近いものですが、さすがに度重なる車移動は少々堪えました。だけど、ほんと、高山村でよかった。コースも会場も最高でした。また、JBT本番では特に役場への人的援助はお願いしていなかったのですが、2日間とも担当課長さんは会場まで来てくださり、2日目の走行会では一緒にスタートからかたずけまでお気遣いいただきました。取材も地元の新聞社からタウン情報誌、ケーブルテレビまで来ていただいて盛り上げてくださいました。

日本初のJBT開催に大変ご協力いただきました。ありがとうございました。

 

 

 

2日間のJBTのスケジュールがすべて終わり、親睦会での一コマ。

親方、なんと、サプライズで胴上げしていただきました。

ありがとうございました。

 

 

 

 

*****

さて、次は来月。フランスでのグランボア2回目となるコンクールです。4年に1回のパリブレストパリとの共同開催となっているので、2年前のコンクールと比べると更に大舞台です。今回の要綱は面白いんですよ。とある架空のお客様からのご注文という形でエントリーさせるべき自転車のポイントが示されているのです。お客様からのご依頼とあらば簡単に無視することはできませんね。

 

【ムッシュー(マダム)ドリーマーさんからのご注文】

 1. パリスブレストパリの歴史にふさわしい美しさと技術を備えた自転車。
 2.  80時間余り自転車に乗って起こる手のしびれを防ぐ工夫を自転車につける。
 3. ハンドル周りのケーブルをうまく処理する。GPS、スマホ、ライト等のコードをうまく処理する。
 4. PBPのチェックポイントで出すカードが素早く提示できるような工夫をする。また自転車のゼッケンナンバーもスマートに取り付ける。
 5. 走行中の食料の取り出しが容易なバック等の工夫をする。
 6. 非常の際のビバークセット、つまり直径10センチで長さ20センチの円筒状容器を美しく自転車に積載する。その中には小さな寝袋と膨らまし可能なマットが入るもの。
 7. PBP規格に則った自転車。そして前後ライトの点、消灯、明るさ調整が乗りながらできること。後ライトは点滅しないもの。
 8. 後輪の着脱が容易な自転車。
 9. 雨天の際、後続の人に水をハネない工夫をした自転車。
10. ブラブラカー(小型車)のトランクに入るデモンターブルの自転車。

 

と、こんな具合。

JBTを終えてから早速にフレーム作りから始まっています。もちろん、お客様のお仕事をこなしながらですよ。そろそろあとひと月となりました。親方を先頭にスタッフそれぞれで来月のコンクールに向け集中していきます。

と、その前にグランボアのJBT号についてはまた記事を書きたいな。書けるかな?

 

 

#japanbiketechnique #ジャパンバイクテクニーク

つちやはるみ


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