留萌から宗谷 ~礼文島~
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9月11日
前夜は抜海のばっかすさんでお世話になりました。
礼文行きの港がある稚内迄は納沙布岬経由だと23キロ、丘越えになる最短路だと16キロ、「どっちで行こうか。。」と直前まで悩んでいたのですが、宿のご主人の勧めで最短ルートを行くことにしました。最初から稚内で宿をとればいいものですが、親方が探したところ稚内はほとんどがビジネスホテルで面白そうなお宿が無かったとのこと。とほ宿に名前を連ねるこの「ばっかす」さんも「あしたの城」さん同様、旅好き人好きのご主人がオーナーのユニークなお宿で、旅の情報もいくつか教えてもらえました。夕食後、9時から11時ごろまで座談会的なものがあって話し声がしていましたが、ちょうどいい感じの人懐っこさとちょうどいい量の家庭料理にとてもほっこりしましたよ。
というわけで、朝8時30分に盛大に見送られながら出発。
海沿いの宗谷サンセットロードから道道106へ入るとしばらく上りですがすぐに展望の良い駐車場が見えてきます。
この日は利尻島も礼文島もとてもきれいに見えました。
【稚内フェリーターミナル】
稚内から礼文島まで2等自由席で3,070円。自転車は輪行せずに載せてもらうと1,800円。(輪行すると無料)
この日は車も少なく、自転車は私たちだけだったみたい。。。宿のご主人から「朝一の船は混んでるけど、10時台は空いてるから少々遅れても大丈夫」と聞いてはいましたが、これほどとは思っていませんでした。
海もとても穏やかです。
2時間の船旅の間に稚内のフェリーターミナルで買っておいたサンドイッチでお昼ご飯を済ませておきました。
【礼文1日目】
香深港に着いたのは12時半くらい。結構な向かい風。礼文町町郷土資料館や海原で寝そべるアザラシなんかを眺めて久種湖畔の礼文荘さんまで26kmほど走りました。
礼文町郷土資料館は香深港を北へ向かうとすぐです。特にリサーチしていたわけではありませんが、立派な建物でこの地域独特のオホーツク文化の遺跡の展示などもあって面白かったですよ。北海道開拓期の鰊が果たした役割の大きさも改めて感じました。入場料300円。
あとはもう、きれいな海を眺めながら走っては眺め、走っては眺めの繰り返し。
ウニを食べるオオセグロカモメ。
若鳥もたくさん見かけました。この子は懸命に飛ぶ練習をしていました。
さて、私は何を撮影しているでしょう。
岩礁?
いえいえ、アザラシの群れです。
いい顔して寝てるんですよ。
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9月12日 礼文2日目
久種湖畔展望台~トド島展望台~スコトン岬~澄海岬~双葉食堂~礼文高山植物園~宿(花れぶん)~北のカナリアパーク 約50km
朝食前の散歩で久種湖畔展望台へ。
期待満々で上りましたが、上からの景色の印象がほとんど無いんですよ。。しかも写真も浜に降りた後に見たアザラシの写真ばかり。
朝のアザラシ。
漁師さんがこんなに近くにいても平然としています。
普通に撮影するとこんな距離感。
一頭だけ浜の近くで寝そべっていました。
群れはたいてい浜から肉眼でははっきりわからないくらいの距離にいます。なので普通だと見逃してしまう方がほとんどだそう。荷物の隙間に望遠カメラか小さな双眼鏡があると良いですよ。
【トド島展望台】
宿を出てからまっすぐスコトン岬を目指さず、まずは小高い丘を上り「トド島展望台」へ。花は盛りを終えて華やかさはありませんが、とても開放的で気持ちの良い道でした。2人とももう1週間以上自転車に乗り続けていますので体の調子も上がってきています。この程度の坂道ならスイスイ、楽しくて仕方ありません。
展望台の反対側。
親方、小さいですが写っていますよ。探してみて。
ただ、この道はこの時期でもちょいちょい車とすれ違いました。花の時期ならもっとでしょうね。
【スコトン岬】
礼文島最北端は観光バスも来る観光名所です。
土産物屋はもちろん、併設しておしゃれなカフェもありました。
【澄海岬】
岬へ向かう途中に礼文を代表する花、礼文アツモリソウの群生地があります。花は咲いていませんでしたが、地元の方が数人で手入れをされていました。手付かずの自然のようできちんと手入れされているんですね。
緩やかに上る道はとても開放的。
ただ、岬の写真は良いのがありませんでした。ホームページで検索するともっと素敵ですよ。
【礼文高山植物園】
久種湖畔から「れぶんアツモリロード」を行くと峠を越えたところに高山植物園があります。入場無料。それほど広くはありませんが、手入れが行き届いていますし、そこから見える利尻も素敵です。
時期外れでしたが、礼文草が一凛咲いていました。
園のフロントにはこれらの種が小分けされ、無料で配布されています。うまく育つかどうかわかりませんが、私たちもいくつかいただいてきました。良いお土産です。
宿までの道中。
この日の利尻もとても美しく印象的でした。
【北のカナリアパーク】
島の南側に有名観光地は集中しています。この日の宿には15時過ぎにチェックインできたのでカナリアパークまで行ってみることにしました。
宿から3kmほどのところですが、最後の500mはグイッと上っています。
上りきると利尻山を愛でるには絶好の場所に小学校があります。
でも、実際は映画のロケ地でこの小学校も平屋の木造校舎というイメージに合うものを撮影用に建てられたものなんですって。中のセットも手が込んでいて本当にここで小学生が学んでいたかのようでしたよ。前の日の晩にipadで「北のカナリアたち」のビデオを見ておいてより楽しめました。
今はホント便利ですね。
利尻山は半分隠れてしまいましたが、併設されているカナリアカフェの営業にも間に合ったのでゆっくりお茶もできました。
ただ、この日は近づいてくる台風の影響で午後から雲も多く風が出ていました。利尻山を見るために奮発したお宿「花れぶん」もなんと大きな窓から見えるはずの利尻山は全く見えず。。。翌日の船まで欠航になるんじゃないかと心配したのでした。
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9月13日 礼文3日目 礼文島~利尻島
心配していた通り、いくつかの船が欠航する中、利尻島行きの船は南へ向かう沓掛行から東へ向かう鴛泊行に行き先を変えて出港するとのこと。よかった、よかった。船の運航状況は当日の朝5時30分には決定してくれます。すべてオンラインで確認できますし、チケットの予約も可能なので便利ですね。
風は少しありましたがお天気は良いので午前中は予定通り走るにしました。
【桃岩展望台】
まずは桃岩展望台までピストン。
片道3km、標高は200mほどかな。短いけど結構きつい登りです。
赤い屋根の建物がトイレでそこまでは自転車で上ることが可能です。そこから先は歩くことに。とってもいいお天気なんですが、残念ながらこの日は展望台から利尻山は見ることができませんでした。
展望台。
結構人がいたのでマスクをしています。
猫岩が見えます。
確かに猫の後ろ姿に見えるね。
【桃台猫台】
展望台からいったん降りてきて今度はトンネルを通って対岸へ行きます。
新桃岩トンネルは2016年開通ですので結構新しいですね。
トンネルを抜けて海岸線を南下するとすぐ見えてきます。
おお、確かに桃みたい。
展望デッキまで上がると更にいい景色が開けます。
左手の赤い屋根が伝説のユースホテル。猫岩もすぐそこです。懐かしい方もおられるんじゃないでしょうか。
【地蔵岩】
トンネルまで戻って今度は北上すると地蔵岩に出ます。
赤い矢印が地蔵岩。なんで地蔵? って思うよね。
高さ50m。拝むときの手を合わせた仕草に似てるから、なんですって。
このプチ情報、抜海で泊まったばっかすの女将が出発間際にさり気ない会話の中で教えてくれました。
確かにね~。
それと、これはあとから調べていて知ったんですが、この辺の浜は「メノウ浜」と名前が付くほど「瑪瑙」が採れたそう。
反対側は砂浜なのにこっち側は小石の浜なんだ、と思って写真に収めてました。珍しいですよね。
さあ、この後お昼ご飯を食べて港へ向かう予定ですが、この時点でまだ10時30分。この近所のdining cafe 海さんでランチと決めていた、というかここ以外だと港で探すしかありません。でも、オープン時間は11時。仕方ないので30分ほど浜をプラブラして時間をつぶしました。でもね、待ったかいありましたよ。ここのウニバターソースオムライス、とっても美味しかった。宿での料理はやはり海鮮懐石が多いので長旅ではこうゆうのが新鮮で嬉しい時ありますね。
いやー、長い!
本当は利尻まで書きたいところですがまた次にしますね。
読んでくださってありがとう!
留萌から宗谷 ~サロベツ原野~
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9月8日
羽幌から天売島へ渡るつもりが船の欠航で渡ることができず、急遽、遠別に宿をとったわけですが、次の目的地の天塩の宿までほんの20kmしかありません。いくら熟年夫婦ののんびりツーリングと言ってもさすがに時間を持て余します。で、今回のプランから外していた「オトンルイ風力発電所」へ足を延ばしてみることにしました。本来なら通り過ぎるだけの場所でしたが、周回することによってまた違ったオトンルイを見ることができましたよ。
遠別~天塩~オトンルイ~下サロベツ~天塩 約78km
まず、この日は国道を行かず、親方が5万図を眺めていて見つけた海沿いの農道を行くことにしました。すると、これが大正解。
車も少ないうえ、海も近く、まさしく自転車の為の道が12kmほど続きます。
電柱もしばらくは視界から消え、遠くにうっすら利尻も見えました!
ただ、12kmなんてあっという間。お昼前には天塩の宿についてしまいそう。そこで、またもや親方が近くに宇野牧場という牧場が営むカフェがあることを発見。
向かい風の中ソフトクリーム目指して方向転換。
ところが、開店時間前で泣く泣くホテルへ。。。
でも、その先に立ち寄った道の駅てしおでも宇野牧場の乳製品は買えたので焦らなくても大丈夫! もっと言えば、利尻島のホテルの売店でもここのアイスは売ってたりしますよ。
有名なんですね。
さて、ホテルでパニアバッグなどの余分な荷物を預かってもらって再出発。
昼食をとれる食堂なども無さそうなのでセイコーマートでおにぎりなどを補充してから道道106稚内天塩線(日本海オロロンライン)へ。
お、見えてきました。左に利尻、右にオトンルイ。
利尻山もようやくはっきりと見えました。
この道はやはり車やバイクが多い。
でも、確かにこれだけ並んでいると壮観ですね。
目立つものがほとんどない原野の地で利尻山と並ぶランドマークになるのも頷けます。ただ、このオトンルイ風力発電所も稼働から20年がたち、来年春から順次取り壊し、新しい大きなものへと建て替えていくのだそう。この景観を楽しめるのもあとわずかだと考えると良いタイミングでした。
お昼はサロベツ原野駐車公園で食べて、せっかくだから幌延ビジターセンターにも立ち寄って、国道232へと戻るわけですが、途中またもや農道を発見。
私たちはこっちのオトンルイの方が好みかな。
※私たちが走ったルートはサイクルグランボアのRideWithGPSでも公開しています。
良かったらご覧ください。
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9月9日
前日にこの地を旅する人たちのメインルートをすでに走っていたのでこの日は内陸へと向かうことにしました。そして選んだ道は前の日に目星をつけておいた天塩川左岸堤防のダート道。これがまた素晴らしかった。ランドナーだからいける道。それに、なだらかなアップダウンが連なる大規模草地育成牧場もホント気持ちの良い場所でした。
寄り道はトナカイ牧場、幌延深地層研究センター、工房レティエ、宮の台展望台など。
下サロベツ(幌延)~豊富町大規模草地育成牧場~上サロベツ(豊富) 約73km
このコース、おススメです!
まずは天塩川を渡る「天塩河口大橋」の手前の道を入ります。
この日の利尻は雲が全くかかってなく美しかった。オトンルイもその先にすっきり見えています。
このダートは天塩川に沿って14kmほど。
釧路湿原の新釧路川右岸堤防を思い出しますが、オトンルイが常に見えているのでまだ人間界とのつながりを感じることができます。
今なら新旧の風車を見渡せますね。
ご存じですか。トビは背中が美しいんですよ。
ダートを離れて国道232から国道40号へ。そのあと、道道256から道道121をを進みトナカイ牧場へ。これもオロロンルートと呼ぶそうな。
トナカイの餌200円。柔らかいお口でした。
お昼ご飯もここでいただいたのですが、まあ、ラーメンが驚くほど美味しかった。
合鴨100%で出汁を取るという白湯塩ラーメン。チャーシューもアイガモなんです。絶品でした。また食べたい。
そして、この施設のお隣には幌延深地層研究センターがあって、施設の一部が見学可とのことで見学させていただきました。こんなところでこんな社会見学ができるとは思っていませんでしたが、日本が抱えている大きな問題の一つの研究がこんなところでされているんですね。核廃棄物の処理の大変さをあらためて感じることができました。
時間に余裕があれば是非寄ってみるのも良いですよ。
オロロンルートからサロベツリフレッシュロードへと進むと広大な大規模草地育成牧場へと誘われます。
今回の旅の最中、ここだけ雨に降られました。雨具も要らない少しだけですけど。
それでもこの景色は素晴らしかった。
余談ですが、この牧場は吉永小百合が主演を務めた映画「北の・・・」シリーズのひとつ、「北の桜守」の空襲の場面や「坂の上の雲」のロケ地だったとのこと。
牧場を降りて今度は上り返しがありましたが、その途中に牧場が営むアイスクリームとチーズのお店があるのを親方がリサーチ済みでした。ただし、営業時間が15時までとのことでいつになくハイペースで走ることに。
親方、こんな時、めっちゃ速いんですよ。。
最後は宮の台展望台へと上り返し。
ここも上り返しになるので悩むところですが、とっても良い展望台でした。
で、サロベツ原野を突っ切るように走り、ようやくお宿にチェックイン。
17:30。
そして月も美しく。この日の翌日が十五夜でした。
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9月10日
この日でサロベツ原野は最後。もういちど上サロベツから下サロベツへ回りながらパンケ沼にも立ち寄りました。そのあと再び海沿いの道を北上し抜海を目指しました。
寄り道は豊富町のアイスクリーム屋「フェルム」、こうほねの家など。
天塩~抜海 サロベツ湿原センター、パンケ沼、幌延ビジターセンター経由 約76km
朝、4時に目が覚め、そっと宿のリビングへ。
夜明け前でしたが空は明るくなり始めていて湿原はすっぽりと霧でおおわれていました。宿の窓からこれが見れるのですから「あしたの城」素晴らしいです。
宿のお庭。
望遠で撮影するとこんな感じ。
さて、のんびりとスタート。
サロベツ湿原センターの木道散策。すっかり秋。
すばしっこい小鳥。産毛フワフワの幼鳥のようですが何かな。。。ベニマシコ?
パンケ沼
幌延ビジターセンター展望台
で、あっという間に再び道道106オロロンラインへ。
北緯45度のモニュメント。
振り返れば道はまっすぐ。
行く道もまっすぐ。。。海と空に消えていくよう。
お山もキレイ。
でも、こーゆー道はちょっと苦手かも。。。
次はいよいよ島に渡ります。
留萌から宗谷 ~いろんな利尻??~
9月の初旬、親方とまた旅に出ました。
今回もまた北海道。
日本海側の海岸線を北上し、礼文島、利尻島を含むサロベツ国立公園を満喫するツーリングです。ゴールは日本最北端の宗谷岬。今も昔も学生たちが良くプランニングするこのコースは「懐かしい」のコメントも多くいただきました。車で良いとこ取りサイクリングも忙しい年代にはピッタリで楽しいものですが、やはり何日もかけて一筆書きのように旅をつないでゴールにたどり着くというのは格別です。旅自転車ランドナーの性能が最も活かされ、リフレッシュ感も満足感も別次元でした。
ちょっと長旅でしたのでまとめるのが難しいのですが頑張ってお役に立ちそうなところを選別してご紹介してみようと思います。
旅程 11泊12日
総走行距離 約600km
獲得標高 約3800m
旅の目的はただ一つ、「利尻山をいろんな角度で眺める」
荷物を最小限にしたかったので全て宿泊。キャンピングは無し。
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9月5日
自宅から伊丹空港までは車で移動し、車は旅の間は空港内の駐車場に預けておきます。
(KIX/ITMカードがあると駐車料金の割引あり)
伊丹空港から千歳空港まで飛行機で、千歳空港からは隣接しているJR千歳線で札幌まで輪行。
そして、札幌泊。
札幌駅前のビジネスホテルを予約したのでこの日は輪行を解かずそのまま移動できました。
13:25発のANAに乗ると札幌到着はなんと16:33分です。
札幌のお天気は小雨でしたが夕食がてら夕暮の札幌の街をブラブラ歩いて観光もできましたよ。
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9月6日
6:35発のJR宗谷線。
札幌から深川まで特急ライラックで向かいます。
そこからJR留萌線に乗り換えて留萌まで輪行。これで留萌に9時前に到着できます。そこで初めて輪行を解き、いよいよツーリング開始です。
余談ですが、JR留萌線は2023年9月で廃止が決まったそうで鉄道マニアの方で車内は意外と賑わっていましたよ。
留萌から羽幌。 走行距離 約60km。
台風の影響で強い風がありましたが、南風で追い風でした。なまった体をスイスイと推し進めてくれて楽ちん! ただ、追い風に乗って走るとほぼ無風状態になり、いつもより汗をかきます。宿についたらさっそくコインランドリーを借りてお洗濯。北海道のお宿はたいていコインランドリーを備えていますので長期の旅行でも毎日でも洗濯できます。ですので持参する衣類は気温に合わせて調整できるものに厳選できますね。
国道232、通称オロロンライン。
概ね平坦路ですが、海沿いで強い風が吹くことが多く風向きによって大きく難易度が変わります。ですのでギリギリのプランを立てず、余裕を持たせたプランニングが楽しいツーリングのコツかもしれません。それに、バイクや普通車だけでなく、大型トラックも結構なスピードで走ってますので歩道があるときは歩道を走り、脇道があるときは迷わずそちらを選びます。
黄金岬は夕暮がきっと良いんでしょうが、無理して立ち寄るほどでも無いかな。
小平鰊番屋は道の駅にもなっていますし、国と道の両方で重要文化財に指定されている鰊番屋が歴史資料館として公開されています。数百円の料金が必要ですが、想像以上に豪華で大きなお屋敷で見ごたえありました。
道を挟んで立派なモニュメントと北海道を命名したと言われる松浦武四郎の立像があります。
江戸時代にこの地を旅するってどんなだろう、鰊で賑わうヤン衆の活気って、なんて想像を巡らせながらゆっくり時間があってよかったなと思える場所でした。
ただ、利尻はまだ見えず。
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9月7日
プランではこの日は焼尻島から天売島にわたる予定でしたが、台風の影響で島へ渡る船がすべて欠航となってしまいました。。。しかたなくこの日の宿を探すことになり、片っ端から電話しても軒並み満室で部屋が取れません。やっと10件目で予約が取れた宿は遠別のホテルノーザンライトさん。口コミが??だったのですが、実際は83歳のおかみがフロントを務めるペンションスタイルのお宿で清潔でとっても好印象でした。もし、同じように旅の途中で宿が取れなくて困ったら是非訪ねてみて。
羽幌~遠別 約50km
初山別までは大きくアップダウンを繰り返す道が続きます。風向き次第ではかなりハードですが幸いこの日もほぼ追い風です。
寄り道は初山別のみさき台公園、金浦原生花園、遠別町 河川公園、道の駅えんべつ富士見など。
みさき台公園は雲一つない青空ですがとにかく風が強く、竜飛崎で経験した風を思い起こさせるほど。しかも、期待した利尻は全く見えませんでした。。。
金浦原生花園もしかり。エゾカンゾウも利尻山もお留守。こうなると青空がむしろ空しくもありますが、秋らしいと言えば秋らしいですね。人気のない木道を自転車押しながらゆっくり散歩しました。
6-7月はきっと素敵ですよ。。
結局この日も「富士見」と名の付く道の駅でも利尻は見えず、写真映えする河川公園で自転車の写真を撮ってしばし遊んでから宿入りしたのでした。
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次はいよいよサロベツ湿原へ。
まだ利尻山ちっとも見てないね~。
いろいろお知らせ+アトリエ最前線
お盆休み始まりましたね。
今日の京都は少し雨に恵まれてとても過ごしやすい一日でした。
でも台風が上陸する見込みだそう。
いきなり関東へ台風が向かうのは珍しいですね。皆様、どうぞ安全にお過ごしください。
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さて、まずは入荷のお知らせ。
在庫限りとお伝えしていましたレストア用にラインナップされていたハトメの無いリム、パピヨンヴィンテージですが、今回少ロットでの生産が可能となり再販できることとなりました! 次も可能かどうかは不明ではあるのですがしばらくは在庫をつなぐことができました。
このリムはたくさんは必要ないけど、細部にこだわるレストアラーにとっては無いと困るもの代表です。
お届けできないものが多い中、今回は諦めていたものに光が見えて本当に良かったです。
そして、待ちに待ったアラヤのツーリストの今年のモデルが入荷しています。
フレームカラーは昨年のモデルと変わりませんが、650Aだったホイールサイズが今年から650Bになりました。タイヤサイズは650x38B。なので今までのようにホイールを作り直さなくてもグランボアのエートル(42B)やリエール(36B)、エキュルイユ(38B)などを使っていただくことが可能です。デフォルトでフロントキャリヤが付いていませんが、グランボアではスタンダードのフロントキャリヤでもキャンピーでも今ならお選びいただくことができます。サイズ展開は500mmと550mmの2種類です。
只今の納期は1-2週間ほど。夏休みの間にキャンピング仕様に組み上げてすぐに旅に出ることができますね!
入荷して1週間ですがすでに4台が売約済。メーカーにも在庫は既にありません。ですので手頃で信頼できるツーリング車をお探しの方はぜひ早急にご検討ください。
【アトリエ最前線】
JBTが終わってからの納車数々。
そして、最前線はここ。
Oyakata_SUSフレームで作るキャンピング車。
只今フレーム製作が完了してフォークブレード待ちです。
そして、Tさんの親方フレームランドナーは鍍金出しの研磨作業が完了したところ。これから鍍金屋さんへ依頼します。
次のTさんはいよいよ図面が書き終わりました。
同時にHさんのTOEI製グランボアとJさんのER650は塗装が上がったところ。
来週には組み立て開始です。
OさんのER700はフレームの追加工が終わり塗装待ちの状態です。
そのほか、レストアやオーバーホール、リペイントなども同時進行で進めていますよ。
お待たせしました!
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【おまけ】
暑い夏ですが行動制限のない久しぶりの夏。
私たちも9月にはちょっと遅めの夏休みをいただいてまた旅に出る準備をしています。昨日のSNSの記事で親方が楽しそうに5万図を折っているところをご紹介しましたが、今年もまた北海道。サロベツ原野を中心に天売、焼尻島にも足を延ばすプランです。親方はデジタルツールがこんなに進歩しても旅に出る前は必ず5万図を用意します。もちろん最新ツールも使いますよ。アナログ地図のほかはグーグルの航空写真とスーパー地形というアプリで2万5千分の1のデーターをダウンロードできるようにしています。地図を折るのは旅に出る前の一つの儀式。いつもとても丁寧に時間をかけて折るのを楽しんでいますよ。
地図が海ばかりでなんだか損した気分?
でも、こんなおまけパターンもあるので良しとしましょう。
今回は全部の行程(概ね500km/10日)でなんと19枚。
ちょっと荷物ですよね。。。
「画像にして持ってけば良いじゃん。」
なんて身も蓋もないことを言ってはいけないのです。
結局、スマホ頼みだと万が一スマホに何かあったらアウトですから。
さぁ、お仕事頑張るぞぉ。
夏旅、今からでも間に合いそうですよ!
帰りは輪行、近江の峠へ
こんにちは、前野です。
先日、友人と二人で奥伊吹の方へサイクリングに行っていました。
この日はまだ登ったことが無い湖東の峠へ行こうと企画したコース。
京都から輪行で移動して長浜駅を起点に100㎞ほど走る予定でした。
ただ、京都市内から普通電車で長浜まで向かうと2時間弱…
輪行作業や諸々の移動を含めると集合時刻の3時間前には家を出なければなりません。
それなら長浜駅まで90㎞を走った方が楽しいだろうという話になり、帰りだけ輪行のサイクリングになりました。
夜明け前の広沢池
6:30に琵琶湖大橋東詰めのコンビニで友人と集合するために自宅を4:30頃出発。
起きた頃は外の雨音が気になりましたが、強い雨を降らせる雲は通り過ぎ小雨の中出発です。
日の出は5:50頃でしたが既に明るくなってきています。
きぬかけの道、北山通りを通って宝ヶ池から365号線で途中越えを目指します。
琵琶湖大橋でロードバイクの友人と合流
大原から途中越えにかけて雨に降られましたが、気温が高いので雨具を着ずにやり過ごせました。
途中越えから琵琶湖大橋まで一気に下り、集合時刻まで少し余裕があったので展望台でゆっくりしようと思ったらすぐに友人が到着。
コンビニで一息ついた後、長浜目指して湖岸道路を北上します。
長浜に向けて湖岸道路を北上する
あいにくこの日は北からの向かい風。琵琶湖も白波が立つほどで、時々先頭交代をしながら下ハンドルを握りしめて進みました。
奥伊吹、国見峠へ向かう
向かい風で予定より少し遅れて長浜に到着。今日のメインはここからです。
伊吹山や周りの山々は東へ流れていく雨雲の中。
国見峠の路面は落石が多く荒れていた
国見峠目指して林道を登っていきます。序盤は勾配がありましたが、中盤から峠までは程々で登りやすい峠道でした。
標高が上がるにつれ霧が濃くなる
峠付近は霧の中
840m 国見峠
1時間ほどかけて国見峠に到着。峠にはゲートがあり、峠名と峠の由来を説明する2つの石碑が立っています。
国見峠から岐阜県側は晴れ間が覗いてた
滋賀県側は霧で真っ白でしたが、岐阜県側は青空が覗いています。まるで別世界。
こういう景色が見れるから峠越えはやめられません。
今回は滋賀県側の景色がほとんど見えなかったので近日中に再訪したいところです。
峠の詳細は後日「ランドナーで峠へ」で取り上げようと思います。
国見峠を下り揖斐川町を走る
国見峠を下ると揖斐川町の集落を通過していきます。四国や紀伊半島を思い出すような山村風景です。
奥揖斐湖に向かって揖斐川をのぼっていく
小さなレストランで昼食
さすがに携帯している補給食だけではおなかがすいたので、山の中のかわいらしいレストランで昼食を摂ることにしました。
冷やし中華を注文
レストランはお母さん二人が切り盛りしているようで、店内奥の席に通してもらいました。
和洋いろいろなメニューがありましたが、すこしさっぱりしたものが食べたかったので冷やし中華を注文。友人は焼きそばセットでがっつり食べるか迷っていたのですが、結局僕と同じ冷やし中華を注文しました。
彩り豊かでおいしい冷やし中華でしたが150㎞走ってきた身には少し物足りませんでした。友人はライスを追加。今度来るときは、馴染みがない名前の”志の田丼”を頼んでみようと思います。
この日は向かい風が強く下ハンを握る時間が長い
琵琶湖の湖岸を離れてもこの日は風が強く、思うようにスピードが出せません。
僕らが向かい風と登りに歯を食いしばっている時に、数名の反射ベストを着たサイクリストとすれ違いました。この日は近江八幡スタートのブルべが開催されていたので400㎞を走るランドヌールの皆さんでした。
僕らとすれ違ったときは追い風下り基調のはずなのでボーナスステージといったところでしょうか。
所々残雪が残る林道鳥越線
向かい風を耐えた後、林道鳥越線を登っていきます。
国見峠より標高が高いのですが登坂距離はあまり変わらないので鳥越峠の方が疲れました。上の方には僅かに雪が残っていたのも驚きです。
岐阜県側の眺望が素晴らしい鳥越峠
峠近くからは今登ってきた道を見渡すことが出来ます。
1040m 鳥越峠
峠には峠名の小さな石碑と鳥越林道の立派な石碑がありました。岐阜県側は雄大な山々、滋賀県側は琵琶湖と湖岸の田園地帯が見えます。
鳥越峠滋賀県側から琵琶湖が見える
こちらの峠もまた後日紹介しようと思います。
長浜駅から輪行
落石で荒れたスリリングな下りを経て長浜に戻ってきました。
長浜駅まで数キロの南下する区間だけは風が味方してくれて気持ちよく進みました。
駅に着くと京都方面の新快速まで15分弱…
滑り込みセーフを狙って急いでパッキングするか、諦めて次の電車にするか迷うところ。
自分のランドナーはセミオーダーモデルのTypeERと同様のER輪行。慣れれば10分くらいでパッキングすることが出来ます。それでもホームまで歩く距離を考えると博打です。
それに友人はディスクロードで久々の輪行で手こずりそうです。
結局ゆっくり作業をして電車を1本見送ってから帰路に就いたのでした。
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自宅を起点にしていつものコースを走るのも楽しいですが、輪行を組み合わせると普段は行けない遠くの峠にも足を延ばせるのでおすすめです。
ランドナーで輪行サイクリングに興味のある方、アイズバイシクルまでお気軽にご相談ください。
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【ジャパンバイクテクニーク2022】
来月は3年ぶりに開催されるハンドメイド自転車の競技会ジャパンバイクテクニークが控えています。
グランボアも大会参加に向けて特別な自転車を製作しています。
こちらも是非ご注目ください!