アイズの独り言>

久しぶりに行動制限のない大型連休、皆様いかがお過ごしでしょうか?

今日はこどもの日ですね。

 

 

 

京都の観光地もすごい人出と聞いています。アイズの周りはそれほどでもないんですけど、遠くからも近くからもご来店いただく方が増えてきて嬉しい限りです。少しづつ新しい日常が定着すると良いですね。

 

今年は控えていたイベントもいろいろ開催予定ですよ。

近々では5月15日に「ランデヴーアレックスサンジェ」のミーティングが3年ぶりに開催されることになっています。以前のような宿を借り切っての宴会はまだ企画していませんが、コントロールポイントに集合して皆様と積もる話を楽しみたいと思っています。宿がないので厳密な参加表明も不要です。ドタ参、ドタキャン問題なし。サンジェオーナーの皆様はもちろん、サンジェの自転車に興味がある、見てみたいという方もどうぞご遠慮なくご参加ください。詳細をご希望の方は事務局となっていますアイズバイシクルまでお問い合わせくださいませ。

 

 

そして、6月11日‐12日は第2回ジャパンバイクテクニーク(JBT)も開催される予定です。

2019年に開催した第1回は主催者として奔走していましたが、今回は有志の方々のご尽力でグランボアも一参加者として参加できることとなっています。参加表明してくれているチームは今のところ9-10チーム。開催できるかどうかぎりぎりのところだそうで、5月15日まで参加申し込みの期限が延長されています。製作する側にとっては時間的に難しいのが実情かもしれませんが、自転車づくりの技術やアイデアを競う場は何より刺激がありオモシロイものです。我こそはという方、もしくは参加せずとも見学したいという方、ぜひ↓迄お問い合わせください。

inquiries@japanbiketechnique.org

 

親方は今日は自宅からお店まで片道50キロほどを自転車でやって来ました。JBTのための製品テストも兼ねてのサイクリングですが、お天気も良く清々しい一日の始まりです。

それにしても、スタート前にスマホで何やらセッティングですか???

テスト中にて詳細はお見せできませんが、まだまだ自転車の楽しいこと考え中です。

乞うご期待!

つちやはるみ

2019.07.29

GrandBois JBT Model

長かった梅雨が明け、ようやく今年の夏本番!

だけど、なんだかこの湿気にまいっちゃう。。。

皆様、お元気にお過ごしでしょうか。

 

 

 

さて、まずは入荷のお知らせ。

エキストラレジェだけでなく、スタンダードモデルまで欠品してしまっていた32Aタイヤ、ルナールのエキストラレジェが再入荷してまいりました。Aタイヤの軽量モデルはスポット的扱いだったのですが、ご要望が絶えずほぼほぼ定番化しています。エクストラレジェに使われているベースの布(ケージング)はチューブラータイヤ用のケージングをベースにしたグランボア専用の特別仕様です。未体験の方は是非今年は使ってみてくださいね!

GrandBois tire Renard 650x32A

 

 

そして、リムパピヨン。700Cの36穴モデルだけタイミングが合わずシングルアイレットのままだったのが、今回の生産でようやくダブルアイレットモデルとして入荷してまいりました。これでパピヨンの主要モデル、28H/32H/36Hは650Bと700Cいずれもダブルウォール+ダブルアイレットモデルとなりました。2009年の発売から今年で10年目。極めて剛性が高く、舗装路、ダート、キャンピング等どんなシーンにもお使いいただけるオールマイティーなポリッシュリムとして今なお少しづつ改良が進んでいるグランボアのロングセラー商品です。

GrandBois rim Papillon 700C 28H/32H/36H

 

 

更にウルトラライトのブレーキケーブルアウターに丸線タイプがラインナップされました。色味もシックで合わせやすそうです。しかも驚く軽さ!

GrandBois ULTRA LIGHT cable housing    plated aluminum(left)/round aluminum(right)

 

他に、ページの更新がなかなかできずにいた120mm/126mmエンド幅のハブのページもようやく更新できました。Jスカイのカセット軽いですよ~。

GrandBois LFQR hub 120mm + J SKY 6s cassette

 

 

 

 

 

 

*****

さて、グランボアのJBTマシン。

忘れないうちに記録も兼ねてどんな自転車をエントリーさせたのか書いておこう。ちょっと長いですよ。

 

 

【フレーム】

OYAKATA カイセイの軽量パイプ、8630R。

軽量化のためパイプの接合部に大穴を開けてロー付けしています。

 

 

 

 

【フォーク】

OYAKATA ERフォーク。ハンドメイド展に展示した段階では剛性アップを狙って通常より大きな径のブレードで製作していたのですが、試乗の結果、あまり違いを感じることはできませんでした。そこで、イロイロ吟味して結局ブレードの径はグランボアのいつものもので、オフセットをチョコの走りに合わせる形で作り直しています。

結果、2年前のコンクールマシンよりも軽量で剛性のあるフレームに仕上がりました。

 

 

 

 

2年前のコンクールから進化したパーツたち。

【チェーンリング】

サンクフィーユ。5枚の葉っぱの意匠はそのままに刃先をナローワイド化し、フロントシングルで多段変速時のチェーン落ちを解消しています。

【ペダル】

シマノPDA520。サードパーティのチタンシャフトに交換して更にシールドベアリング化しています。

 

 

【変速機】

マイクロシフトのロングケージリアメカ、R47を極限まで肉抜きしています。2年前のコンクールでの経験を生かした市販モデルをそのままセットしました。

 

 

【変速レバー】

ENEシクロ フリクションレバーを肉抜きしました。

 

 

 

 

【ベル】

アルミベルを工房内で加工した肉抜きベル こちらは2年前と変わっていません。

【ステム】

グランボアのアルミステム。引き上げ棒を昔のパールのステムに使われていたアルミに交換しました。1本だけ在庫があったのです。

 

 

【ハンドル】

グランボア フランス型ランドナーバー

グランボアのハンドルはすべてバルジ製法で作られています。420mmまでしか幅をご用意していないのもそれ以上の幅になると焼き入れの必要があり、ハンドルが固くなってしまうのです。適度なしなりはダートや長距離ツーリングでの微振動を吸収してくれて上半身の疲労の軽減に欠かせません。更に今回は、日東さんに試作していただいたエアロレバー用の溝入モデルですのでワイヤーの処理もすっきりできました。バーテープはヨシガイの新作、クッシーコットン

【ブレーキレバー】

SRAM カーボンレバー。ここだけ黒いパーツで親方は気に入らないようで模索していましたが、今回は軽さ優先で採用が決まりました。ブレーキケーブルは日泉ケーブルのSP31。アウターはウルトラライト平線タイプ

 

 

 

 

 

【キャリア】

ER用フロントキャリア。通常6mmパイプで作っていますが、特別に5mmパイプで製作しました。

【ブレーキ】

グランボア ミラン 肉抜きのほか小物を全てチタンに置き換えたスペシャル軽量加工が施されています。

 

 

 

 

【発電機】

SP(台湾製ダイナモハブ)。今主流のシュミット以外で、より軽量なので採用しました。ただ、もともと小径車用でフランジ幅が狭く、650Bホィールでは横剛性に劣ります。何年も前からその辺の改良を再三交渉しているのですが、なかなか形にしてくれません。

 

 

 

【フロントライト】

シマノのシティ車用のライトのプラスティックカバーを外したものを採用しました。軽量化にもなったうえに見た目もすっきりして意外と注目を集めていました。何より他のチームと比べても明るかったですね。さすがシマノ。

 

 

 

 

【リアライト】

ん、リフレクターじゃないの???

KIMURA38mmのリフレクターのケースを少し深く作ってもらって、中にLEDのユニットを入れました。そして、それを非接触型小型発電機と繋げて光らせたのです。

磁力で発電させる発電機だそうでリムとは接触していませんが、リムが回ることによって発電します。リアライトは取り付け方も含めて今回のJBT号の目玉でしたが、残念なことに走行会での林道でいつの間にか落ちてなくなってしまいました。。。今回の破損箇所はここだけでしたのでかなり残念。。。

あちゃー。。。

 

 

 

 

【泥除け】本所工研 H50C

【ステー】本所工研 中空アルミ

複数のチームでカーボン製の泥除けやバッグのステーなど破損が見られましたが、さすがに本所の泥除け本体での破損は見られませんでした。ただ、中空のステーは潰しやすく、変形してしまうと輪行時の脱着時に問題になりそうでした。

 

 

 

【ホィール】

リム グランボア パピヨン 28H

スポーク DT-SWISS レボリューション

タイヤ グランボア 38B 試作

チューブ SOYO ラテックス 試作

タイヤはエキストラレジェをベースにパナレーサー最新のコーティングシートを試しました。ツーリング車におけるチューブレスの可能性と共に、軽くてダートにもお勧めできるものを模索中なのです。でも、そんな事はお構い無に今回のJBTでは総合一位のベロクラフトは最軽量650Bタイヤのエキュルイユ、走行会着位一番のケルビムは650B最細タイヤのシプレを装着してノーパンクだったのですけどね。。もちろん、グランボアのこの試作38Bタイヤもノーパンク。パンクはライダーの走行技術と運によるところが結構あるのです。。。製品化にはもう少し、いろいろ試してみますね。

 

 

 

 

【サドル】

イデアル 試作#88 チタンワイヤーベース アルミクロワッサン チタン小物 アルミリベット

イデアルがJBTのために作ってくれた試作軽量サドルです。サドルのサイドの刻印は90のままですが、実際は少し高さが低くなっている軽量モデルの88です。ベースやクロワッサン、小物やリベットまで全てを軽量品に置き換えて、なんと重さは359グラムを達成しています。これは現在発売中のイデアル90はもちろん、ジルベルトゥの軽量モデル、チタンベースとプラスティックのクロワッサンのアラヴィより軽いのです。だからと言って革を薄くしたりはしていないので乗り心地はそのまま。市販化は未だもう少し先とのことですが、嬉しいニュースですよね。ありがとう、イデアル。

 

【シートピラー】

グランボア 棒ピラー 27.2mm→25.0mm(切削軽量化)

フレームのシートチューブのパイプ径27.2mmのところ、スリーブを入れて25.0mmにし、軽量化したピラーを使用しています。櫓にはブロンプトン用に販売されているペンタクリップを使いました。このシート周りの見え方も親方がとても大切にしているポイントなのです。

 

 

【フロントバッグ】

工房内試作品。パラシュート生地を使った超軽量バッグを作ってみました。ポイントは課題である「饅頭」=「壊れやすいもの」を自転車でどう運ぶか。最初は一番に振動を受ける前よりは後ろの方が良いだろうとサドルバッグを検討したりしていましたが、なかなか形がまとまらず、結局まだまだ改良の余地のあるフロントバッグの中で考えることにしました。で、本体ではなく蓋に大き目のポケットを作り壊れ物を浮かして運ぶ仕組みにしたのです。

【バッグサポーター】

コの字型にバッグの本体3面の上部をしっかり固定するものをアルミで作りました。

 

乗りながらの補給食へのアクセスも良いとチョコは喜んでくれましたが。。。

肝心のお饅頭は無傷だったようですが、ケースが割れてしまったとのことでポイントゲットにはなりませんでした。。。まぁ、普通のフロントバッグで同様に運んだときはケースどころか10個あったお饅頭のほとんどがバッグから走行中にこぼれ落ちて紛失していたのですから改良されたと思います。欲を言えばもう少し防水性があればよかったかな。もう少し試作を続けてみようと思います。

 

 

 

2年前に作ったアンベール2017が350gですから何とかものにしたいところです。

 

 

 

 

 

【スペック】

フレーム  グランボア Oyakata ラグレス
チューブ カイセイ 8630R 25.4/28.6
エンド グランボア レーザーエンド 4mm
クラウン グランボア ERクラウン 4mm
フォークブレイド カイセイ 706C
カラー グランボアグリーン
ヘッドセット グランボア ビンテージ JIS規格
ボトムブラケット TA AXIA スクウェアテーパー
クランク TA カルミナ
チェンリング グランボア ダイレクトマウント ナローワイド歯 サンクフィーユ 試作
チェンリング小物  TA ダイレクトマウントロックリング
フロントハブ シャッタープレシジョン SV-9 6V1.5W/LED
リヤハブ グランボア スモールハブ 11s
クイックレリーズ パセンティ
スポーク DT レボルーション 1.8/1.6
ニップル DT アルミ
リム グランボア パピヨン 28H改
リム小物 グランボア ナイロンリムテープ 試作
タイヤ  グランボア エキュレイユ 650×38B 試作
チューブ ソーヨー ラテックスチューブ 650B 試作
リヤディレイラー マイクロシフト R47 グランボアスペシャル
チェンジレバー ヨシガイ ENE 11Sシフター改
チェン KMC C10SL 10S用
カセット レーコン ワンピース 10S
ペダル シマノ PD-A520
ブレーキ  グランボア ミラン カンチブレーキ改
ブレーキレバー スラム S900
ブレーキ小物 日泉ケーブル ウルトラライトアウター
ブレーキ小物 日泉ケーブル SP31インナー
マッドガード 本所工研 H50CN
マッドガード小物 本所工研 中空アルミスティ
マッドガード小物 グランボア ステンレスダルマ
マッドガード小物 本所工研 R金具 チタンボルト
サドル  イデアル #90 試作
シートピラー グランボア アルミ棒ピラー 27.2mm改
シートピラー ブロンプトン ペンタクリップ
ハンドル グランボア FR410 410mm 試作
ステム グランボア アルミ 80mm改
フロントキャリア グランボア ERキヤリア 5mmパイプ
サポータ グランボア
フロントバッグ グランボア タカヤマ2019 試作
ライト シマノ LPC2207改
テール キムラ アルミリフレクター改
ダイナモ フロント シャッタープレシジョン SV-9 6V1.5W/LED
ダイナモ リア Xbat C1 非接触発電式
バーテープ ヨシガイ クッシーコットンバーテープ
ベル 東京サンエス スプリングベル アルミ グランボアスペシャル
ボトルケージ イリベボトルケージ 3mmパイプ
ポンプ iポンプ マイクロ
ツール トピーク ラチェット ロケット ライト DX+
ツール パークツール タイヤブート TB2

 

 

つちやはるみ

2019.07.12

JBT番外編 2

JBT2日目 小雨

 

宿を出たのは夜中の2時、フロントには朝食用のお弁当がお茶と一緒に用意されていました。

嬉しい。

今回のJBTのお宿の条件に朝2時チェックアウトに対応してくださることと、朝食をお弁当で提供してくださることをお願いしてありました。無理なお願いを聞いてくださったお宿の方々には感謝です。

 

 

 

 

 

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【スタート前】

4時のスタートに備え、3時過ぎには各チーム集まってきました。

明け方の、目覚める前の空気がすでに静かに張りつめているのを感じます。

 

 

 

 

 

GPSを使ってリアルタイムでライダーたちの走りを中継するのは今回のイベントの大きな試みの一つでした。それに、コース上でのライダーたちのミスコースやトラブルを把握するためにも重要なアイテムでもありました。

番号に間違いがないか、動作不良がないか確認しながら2人で渡していきます。もたもたしているとあっという間にスタート時間が迫ってきます。あっ、サポートカーにも渡さないと!

 

 

 

 

 

【スタート】

JBT2日目は笠ヶ岳峠までの約23km、標高差1300mアップのタイムトライアルから始まります。走行会ルートの詳細はこちら

スターターは日東の吉川社長と審判のお一人、国際競技審判の資格をお持ちの佐橋さんです。

高山村役場からお借りした非常用の行灯の灯にも負けない、それぞれの前照灯が印象的なスタートの様子。小雨降る夜明け前の非日常が、ライダーだけでなく、ギャラリーたちのボルテージも上げていきます。

 

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【GPS中継】

スタートを見送った後、本部ではGPSを映し出しているプロジェクターにくぎ付けになりました。ポイントが数分おきに地図上を動いているだけのものでしたが、これがなかなか臨場感があって面白いのです。

見ているとあっという間にばらけて順位が見えてきます。そして、その上位チームの速さに感嘆の声を上げ、動作不良なのか電波の不具合なのか、じっと動かないポイントにはヤキモキしたりしていました。そんな中、明らかにミスコースしたチームが2チーム。村道鎌田入線が正式ルートなのですが、県道66号線をそのまままっすぐ上ってしまったのがエメラルドバイク、せっかく村道に入ったのに18km地点の分岐でなんと県道へ下ってしまったのがパナソニックサイクルテック!気づいた時にはまったりとしていた本部がどよめきました。上っているエメラルドと下っているパナソニック、出会えばお互いミスコースに気づくだろうと見守っていましたが、なんと途中にある周回ができるポイントでそれぞれが別ルートを取り、出会うことなくすれ違ってしまいました。。。エメラルドバイクはそのまま上がれば正式ルートに合流するので良いとして、パナソニックは大変です。ミスコースが発覚してから本部ではパナソニックのチームマネージャーとライダーそれぞれに電話をかけていましたが、結局パナソニックのライダーから折り返しの電話があったのは、すっかり下りきって林道の入り口に再び戻ってきたときでした。

ここで少しTTのポイントについて説明しますと、1位の1000点から10位の100点まで100点刻みでポイントが付きます。11位以下は加点も減点もありません。ただし、現役の登録選手、または登録抹消から5年以内のライダーについては500点の減点が課せられます。ですので登録選手を起用する場合、このTT区間で5位までに入らないと減点になってしまうのです。チームの方針としてはここでDNFもあったかもしれませんが、ライダーの意思を確認すると、「もう一度上りなおします。」とのことで、パナソニックはなんと他チームより約20km、標高差600mを余分に走ることとなったのでした。

 

最後尾から果敢に追い上げるパナソニックサイクルテック!(最終伴走車撮影)

 

 

 

で、このGPS中継は上位のチームがゴールした少しあとくらいからアクセス集中によるサーバーダウンで見れなくなってしまいました。。。6時前後でしたので、きっとみんな朝起きて一番にチェックしようとしてくれたのかな。。。運営会社にも早朝から対応していただきましたが結局復帰できずに終わりました。楽しみにされていた方、すみません。私たちも事前にGPS中継を公表していただけにとても残念でしたが、TT区間のこのドラマだけでもオンタイムで体感できて良かった。運営会社からも「リベンジしたい!」とのコメントもあり、次回はきっとうまくいくと思っています。

あと、そう、これは覚書。GPSはすべて同時にオンにする事。

 

 

 

 

 

 

 

村道鎌田入線への曲がり角。

ゴール直前。(5位のテンションシルクと6位のグランボア)

 

 

 

 

 

 

自費で取材に来てくれていたMr.Ogaから素敵な写真を提供していただきました。TT上位のチームだけなのですが紹介させていただきますね。

1位

電動アシストを搭載したTCD(東京サイクル専門学校)

 

 

 

 


2位

YANAGI(柳サイクル)

 

 

 

3位

ベロクラフト

 

 

 

 

4位

ケルビム

 

 

 

 

【リエゾン区間】

TT区間を終えれば残りの50kmほどは時間内に走り終えればよい区間になります。ただし、笠ヶ岳峠の後、渋峠、山田峠、毛無峠と日本屈指の峠を越えるヒルクライムルートが続き、16キロのダートの下り、林道湯沢線を経てゴールとなります。そのハードなコースを究極まで軽量化で追い込んだ車体が無傷で戻ってこれるかがカギとなります。また一方で、ライダーたちにとっては自転車をいたわりながらツーリングを楽しんでいい区間でもあるのです。この日のお天気は良好とはとても言えないお天気でしたが、それでも日頃一緒に走る機会のまずないライダーたちが一緒に走るのですから刺激にならないはずはありません。

 

 

(写真提供 S.Oga)

 

 

京都から応援に来てくださったAさんと。

山田峠付近のウェブ中継班と。

 

 

 

 

 

【お土産】

毛無峠から林道湯沢線に入るところで温泉饅頭のお土産が渡されます。わざわざ割れやすそうなプラスティックの容器に10個入りのところを8個にしてもらいました。実際にこのお饅頭は各チームへのお土産となります。

 

 

激しいダートを下るにはライダーのテクニックも必要ですが、それに対応したバッグや自転車の工夫もそれぞれ違っていて面白かったポイントでもあります。

テンションシルクは今はやりのバイクパッキング方式、ベロクラフトは伝統的なフロントバッグ。

 

 

グランボアは蓋に大きなポケットのあるフロントバッグを試作しましたよ!

チョコには「食べ物が取り出しやすい」と好評でしたが、結果はいかに!

 

 

 

寒い峠でお土産渡しを担当してくださったのは日東の若手スタッフ。前日に寒さ対策のウェアを買い込んで対応してくださいました。到着順に写真撮影までしてくださり、日東ハンドルのインスタには峠の饅頭屋リザルトが公開されています。是非、見てみて!

 

 

いくつもの峠を越えてきたライダーたちはこの青いバンを見つけてきっとホッとしたに違いありません。

 

 

 

 

【林道湯沢線】

JBT走行会のクライマックス、16キロに及ぶ下りのダートです。

特に標高の高いところがガレていて多くのチームの自転車に傷を負わせました。パンクだけでなく、減点対象となるキャリアや泥除けの破損、螺子の緩みや欠損、部品の脱落などが多発し、拮抗する上位入賞車の総合結果に影響を与えました。プロとしてお客様に納車する自転車ではあってはならないことですが、これこそがJBTを開催する大きな意義の一つかもしれません。ここでの経験が新しい製品や具現化したアイデアを磨き上げていく過程になるのは間違いないのです。

これから向かう林道がお土産ポイントから見えています。

 

林道の入り口

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【走行後の各種審査】

ライダーたちはこれだけのコースを走ってきて、まだ終わりではありません。お土産や自転車のチェックを受け、更にステージで輪行するという課題が残されています。

 

 

まずはお土産チェックです。日東の吉川社長が担当してくださいました。日頃の日東製品チェックの厳しさが今回のお饅頭チェックにも発揮されていましたよ。

写真は1番に戻ってきたケルビムです。ライダーと自転車がトータルでコーディネイトされていてインパクト絶大でした。今回のお土産専用に一番振動を受けにくいであろう後ろにキャリアとバッグを製作し、更に緩衝材で保護するという徹底ぶりで、猛スピードでダートを下ったにもかかわらずお土産状態はAランクでした。お見事!

 

 

 

 

続いて車検。プレゼン前の車検を担当した車検チームが担当します。車検を受けているのはMONTSON(山音製輪所)です。

 

ホックで留める泥除けは素早く脱着できてとても斬新なアイデアでした。お土産ポイントでは自転車は無傷のようですが。。。

林道での振動で泥除けが外れて巻き込んでしまったそうです。

自ら「こうやって自分で泥除けを石でつぶして畳んだんです。」と。

しかも、「カメラがあったらなぁ、と思ってたんですよ。撮ってください。」と、林道でのパンク修理のついでに再現して見せてくれたのでした。

 

 

 

そして、輪行タイムトライアル。

自転車を輪行袋に入れて担ぐまでと、袋に入れた自転車を組み上げるまでの時間を競います。ですが、ただ速いだけではいけません。その手際や丁寧さを審判が判定します。

写真は今回唯一の女性ライダーを起用したオオマエジムショ。あれだけのコースを走り切るのもすごいのに、なんとダートは初めてとのこと。乗ったり降りたりで何とかダート区間を走破し見事完走されました。自転車もお土産も無傷の状態でしたよ。

 

 

こちらはプライベーターで参加のNAGARA。

 

このNAGARAさん、恐るべきガレージビルダーで、一年に一台のペースで様々な素材を使ってオリジナル自転車を自作されています。今回の場合もフレームだけでなく、キャリアや泥除けまでカーボンで自作したというのですから本当にびっくりしました。しかも、フレームの芯を観る定盤の代わりにホームセンターなどで売っている合板を使っているというのです!!! オリジナルパーツ満載のワンオフのカーボンバイク、ウェットカーボンといえどプロとして値段を出したら一体いくらになるのでしょうか。。

自ら作り、自らライダーとして完走されて、しかも自転車も完走後の車検で破損個所はありませんでした。自転車とライダーの一体感もすばらしかった。

「負けちゃうかも。。」

参加したプロフェッショナルたちがきっと全員思ったはずです。

 

 

 

【輪界のホープたち】

今回のJBT、実は企画当初は参加チームは5チームも集まらないんじゃないか、そう言われていたそうです。そんな中、東京サイクルデザイン学校から職員のタカギサイクルワークスさんも含めて4チームもの参加があり、その数をグンと伸ばすことができました。今回、競技すべてを完走できたのは2チームでしたが、どのチームからも真剣な熱意が伝わり、今回のJBTの深みを増す役割を果たしたことは間違いありません。今後の自転車人としてのそれぞれの人生にこのJBTが良い経験として生かされますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回の結果は今までの単にスピードを競う自転車競技の枠で考えるとしっくりこない方がたくさんおられると思います。

競技は2日間にわたり、いくつもの項目を多くの目で真剣に審査し、ポイントに換算していただきました。今回の総発行ポイントは92691点、ただし、これには重量ポイントのマイナス26650点も含みます。主観的な要素を多く含む審査員5人の持ち点はそれぞれ4000点づつですので5人合わせても20000点で、主観的な評価を表す「プレゼンポイント」だけでは到底勝つことはできません。重視すべきは軽量化の表れである「重量ポイント」と、ツーリング車の今の課題である「ボーナスポイント」でした。

泥除けやキャリアとバッグ、自己完結する発電機を装備しつつ、軽く作る。もちろん、「軽い自転車」=「良い自転車」ではありません。ですが、たった2日間の技術コンペでその工房の技術を図るとすれば、「軽さ」はその技術を際立たせるのにとても有効です。数グラムの軽さを追求するにはあらゆる仕様パーツを吟味する必要があり、加工を要します。素材の知識、構造への理解、そして技術。こういったものがないと正しい軽量化は不可能なのです。

また、発電機(ダイナモ)については前後とも完備していたのはグランボアとベロクラフトだけでした。すぐそこにコンビニがあり、ロングライドイベントもそれほど盛んではない今の日本でのツーリングにおいて、自己完結する発電機の必要性はあまり感じられないかもしれません。ですが、世界での動向やツーリング車としての特性を考えたとき、課題を多く残しているのは発電機へのアプローチなのだと思います。

ボーナスポイントはそれらを自転車に取り入れるだけで取得できるので、全チームがそれらを装備した自転車をエントリーさせたとしたら、ボーナスポイントの総発行ポイントは40000点にもなります。ですが、実際は21000点のみの発行にとどまりました。だからと言って、多くのチームが基準である10キロ以下に車両を仕上げ、重量ポイントが膨らんだかといえばそうではなく、重量ポイントに至ってはポイントをゲットしたチームは16チーム中5チームしかありませんでした。結果、重量ポイントの総発行ポイントはマイナスに大きく転じたのです。(+3600-30250=-26650)やはり、この複雑なポイントの仕組みを理解して戦略を練ることは重要でした。ボーナスポイントは0でも軽量化で大きくアドバンテージを示したテンションシルクは見事上位に入賞しているのですから。ただ、仕様パーツを「オリジナル」「モディファイ」「純国産」「海外生産品」と細かく仕訳した「パーツポイント」については、判断に困る事例が多くあり混乱を招きました。次回があるとすればここは大きく変わるところかもしれません。

 

 

今回の結果について詳細はJBTのホームページに掲載済みですのでそちらをご覧ください。また、これから発売予定のサイクルスポーツとバイシクルクラブでも記事になる予定です。できればお買い上げのうえご購読くださいませ。

 

 

 

今回のJBTでは開催地である高山村とYOU游ランド、高山村観光協会の皆様には大変お世話になりました。数えてみると、準備のために訪村した数は去年の夏から6回となり、本番は7回目でした。京都からだと往復でおおよそ1000キロ。フランスと比較すると近いものですが、さすがに度重なる車移動は少々堪えました。だけど、ほんと、高山村でよかった。コースも会場も最高でした。また、JBT本番では特に役場への人的援助はお願いしていなかったのですが、2日間とも担当課長さんは会場まで来てくださり、2日目の走行会では一緒にスタートからかたずけまでお気遣いいただきました。取材も地元の新聞社からタウン情報誌、ケーブルテレビまで来ていただいて盛り上げてくださいました。

日本初のJBT開催に大変ご協力いただきました。ありがとうございました。

 

 

 

2日間のJBTのスケジュールがすべて終わり、親睦会での一コマ。

親方、なんと、サプライズで胴上げしていただきました。

ありがとうございました。

 

 

 

 

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さて、次は来月。フランスでのグランボア2回目となるコンクールです。4年に1回のパリブレストパリとの共同開催となっているので、2年前のコンクールと比べると更に大舞台です。今回の要綱は面白いんですよ。とある架空のお客様からのご注文という形でエントリーさせるべき自転車のポイントが示されているのです。お客様からのご依頼とあらば簡単に無視することはできませんね。

 

【ムッシュー(マダム)ドリーマーさんからのご注文】

 1. パリスブレストパリの歴史にふさわしい美しさと技術を備えた自転車。
 2.  80時間余り自転車に乗って起こる手のしびれを防ぐ工夫を自転車につける。
 3. ハンドル周りのケーブルをうまく処理する。GPS、スマホ、ライト等のコードをうまく処理する。
 4. PBPのチェックポイントで出すカードが素早く提示できるような工夫をする。また自転車のゼッケンナンバーもスマートに取り付ける。
 5. 走行中の食料の取り出しが容易なバック等の工夫をする。
 6. 非常の際のビバークセット、つまり直径10センチで長さ20センチの円筒状容器を美しく自転車に積載する。その中には小さな寝袋と膨らまし可能なマットが入るもの。
 7. PBP規格に則った自転車。そして前後ライトの点、消灯、明るさ調整が乗りながらできること。後ライトは点滅しないもの。
 8. 後輪の着脱が容易な自転車。
 9. 雨天の際、後続の人に水をハネない工夫をした自転車。
10. ブラブラカー(小型車)のトランクに入るデモンターブルの自転車。

 

と、こんな具合。

JBTを終えてから早速にフレーム作りから始まっています。もちろん、お客様のお仕事をこなしながらですよ。そろそろあとひと月となりました。親方を先頭にスタッフそれぞれで来月のコンクールに向け集中していきます。

と、その前にグランボアのJBT号についてはまた記事を書きたいな。書けるかな?

 

 

#japanbiketechnique #ジャパンバイクテクニーク

つちやはるみ

2019.07.02

JBT番外編 1

あれからもう2週間、ホントあっという間に2週間がたってしまいました。。。

イベントそのものについてはいろいろ取材もあったのでそちらをご覧いただくとして、ここではそれ以外のお話を少しハイライトで書いておこうかと思います。そもそも運営側にいると本番はあまり写真も撮れていないですし、じっくり見れていないのです。

 

 

JBT前日

JBTは6月の15日16日の2日間で行われましたが、審査員の方々やボランティアの方には打合せのため、その前日にお集まりいただいてました。

 

 

さて、その集合時間よりも早く現地入りされていたのは今回の審査員のお一人の長谷部さん。

実際に今回のTT区間である笠ヶ岳峠まで試走されていたそうです。さすが元シマノレーシング!

 

 

今回の舞台となった高山村YOU游ランドの屋外ステージのある広場。広々としてこれぞ広場って感じでしょ。

 

5名の審査員の他、ハンドルメーカーの日東さんやケーブルメーカーの日泉ケーブルさん、先導車や収容車、集計スタッフや車検係など今回の裏方を買って出てくださった方々が、翌日からの舞台を前に初めて一堂に会しました。ですが、集合は午後3時なのであまり時間はありません。5人の審判と車検係は本番に向けて判断基準や審査内容について打ち合わせ。本番にコースに出る方々はまずはコースの下見。本部スタッフは役場の職員さんから貸し出し物品を受け取って動作確認をしたり、買出しに出たり、横断幕を設置したり。

 

 

 

 

中でも横断幕の設置は手こずりました。

2枚のうち1枚はここ(屋内)に決定。手前の白いものはプロジェクターのスクリーン。本番はこれでGPSやウェブ中継を流します。

 

 

さて、もう一枚は?

「ここ?」

「いや、低いっしょ。」

本当はもう一段上の緑の飾り柱に取付けたかったのですが、脚立が届かず断念。

 

 

「じゃあ、ここ?」

「良い感じ!」

「でも、そこ、バスが通るんだよなぁ。」

「じゃあ、まぁ、片側に寄せておいてスタート時に人力で張るということで。」

なんて、やり取りで準備を進めましたが、結局、翌日にプレゼン会場となった屋内ゲートボール場の入り口付近に移動させることとなりました。

 

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JBT1日目 雨

本部スタッフは午前中は設営準備。

コース管理の方々にはこの日もコースを一回りしていただき風や雨でコース上に問題がないかチェックしていただきました。この日から合流したウェブ中継班にもコースに出てもらい電波状況や実際に中継可能かチェック。そんなことをしているとあっという間に開始時間が迫ってきます。

 

本番は12:30 ~ 高山村村長のお言葉からJBTは始まりました。村長、写ってるんですけど、ちょっと遠かった。。

 

 

 

 

 

【計量】

計量を担当していただいたのは日泉ケーブルの社長さんとRetoro Cycle浅麓堂のご主人。小数第3位まで量れるので数グラム単位の軽量化を見逃すことはありません。

 

 

 

【車検】

車検係はヴェロドレーヴェさんとマキオズバイクさん。いずれも最初は参加する側に名前を連ねていたカスタムバイクのショップオーナーですが、結局本番はスタッフとしてお手伝いくださいました。

こちらはケルビムがプレゼンしている最中にパナソニックサイクルテックさんが車検を受けているところです。なんか、豪華ですね。。

 

 

そして、こちら。

車検を受けているのはc speed の棒式変速機搭載のフィクスドギアのツーリング車。すごいでしょ。これであのコースを完走されたんですよ。そして、壇上には正統派ランドナーを前にオオマエジムショさんがプレゼン中です。ツーリング車の製作技術コンクールとしていても各チームのコンセプトは様々です。だから面白いし、開催する意味があるんだと思います。

 

 

【プレゼンテーション】

2番手の柳サイクルさんがプレゼンをしているわきで真剣な表情で見つめているのは今回プライベーターとして参加のNAGARAさん。そして、そのわきで車検を受けているのがグランボアです。

 

 

ギャラリー側を見るとこんな感じ。

5人の審査員たちの真剣な様子が伝わりますか? ちなみにこの写真のプレゼンターは1番手の山音製輪所のMONTSON。

 

 

 

こちらは絹自転車製作所のSILKのプレゼン。自転車で自転車を運んでくるところから始まります。

司会は実は最後まで決まらずだったのですが、旅するファッションモデル山下晃和さんが急遽引き受けてくださいました!少し押していたスケジュールも巧みな司会で予定をクリア。さすがです。そして、この屋内ゲートボール場は前面に人工芝が敷かれていて土足禁止だったのですが、多くの方が裸足でウロウロ。裸足が気持ちよかったのです。大きな窓からの景色との相乗効果で緊張するプレゼンテーションの場も終始和やかに進んだように思います。

 

 

 

 

【記録係】

さて、それらのデーターを一手にまとめてくださっていたのがこちらのお二人。

自転車好きのご兄弟で銀行マンをされていたという経歴から白羽の矢が立ちました。計量、車検、審判、それぞれ16台分のデーターを限られた時間でまとめなくてはならなかったのですから大変です。それも2日間ともですから各チームの自転車を見る間もありません。。。でも、結果がいち早くわかってしまうポジションでもあります。書道をされていた弟さんにはJBTの篆刻の製作や表彰状の名前入れもお願いしました。

 

 

 

そして、その場を少し引くとこんな感じ。コンピューターを何台も持ち込んでいろいろ進行させているのがお分かりいただけると思います。

JBT本番では少しでも資金調達をと物販もお願いしました。担当してくださったのは長年ARAYA工業で経理を担当されていたMさん。JBTの会計も快く引き受けてくださいました。

 

 

 

各チームのプレゼンテーションが進む中、ライダーたちの出走前健診をしてくださったのは山田記念朝日病院でした。院長の山田先生は自転車を趣味にされていて、今回のJBTには企画当初から快くご協力くださいました。

 

 

 

ブースを出して会場を盛り上げてくださったのはハンドルメーカーの日東。

 

個人的には何よりもこのパーカーにくぎ付けでしたが。。。

 

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1回目の車検がパスできなくて調整していた1チームが整備を終えて車検をパスできたのがタイムリミットぎりぎりの18時でした。

そして、1日目のスケジュールが終了して自転車は各チームの手からいったん離されます。

 

これ以降、2日目の走行会まで誰も手を入れることはできません。

 

つづく。

 

 

#japanbiketechnique #ジャパンバイクテクニーク

つちやはるみ

二日間にわたって開催されたジャパンバイクテクニークを無事終えることができました。協力をいだきましたボランティアスタッフ・審判の方々、そして何よりも参加いただきましたチームの皆さんに感謝します。

このジャパンバイクテクニークを通じて、私が2017年のConcours de Machineで体験した「自転車を作って走って競うことの楽しさ」を多くの自転車人にお伝えすることが出来たかと思います。

私はフランスでの体験から、自転車を作る一人の自転車業界のはしくれとして、閉塞感のある今の業界に多少なりともインパクトを与えることができたらとの思いから、このジャパンバイクテクニークを開催する決心をし、ハンドメイド展に参加されているビルダーの皆さんに声を掛けました。はたしてこの呼びかけにどれだけのフレーム製作者の人が答えてくれるのかは大いに不安でしたが、いざふたを開けてみると、17チームものエントリーがありました。

この大会への参加の困難さ、それは自転車の基本要件としての軽さや走行性能の指標としての多様な路面を走るためのフレーム設計はもちろん、輪行や荷物の積載、夜間走行などツーリングのための自転車という条件を満たすための課題があり、さらにはデザインや製作技術、実用性など複雑な要素に対して、5名のジャッジにより評価されるという複合的な課題解決へのアプローチなのです。

これに対して今回エントリーされた自転車に盛られた興味深いアイディアや加工に道具としての自転車に対する真剣な接し方が大いに反映されていると感じた次第です。それは私の想像していた通りであり、それこそが日本において娯楽的スポーツとしてのサイクリングが発展し培ってきた独自の自転車文化の現れであると思います。

私は本大会をオーガナイズしたものとしてこの結果に大いに満足しています。もちろん参加されたチームの皆さんにはまだまだ大会の在り方に対して、不十分であると感じられる部分も多々あったと思います。私はこの大会に多くの批判・提案をいただき、モノづくりの競技としての質をさらに高めていきたいと思います。

来年あるいは再来年またジャパンバイクテクニークを開催できるかどうかはまだわかりません。ただ参加されたチームのみなさんのさらなる熱意と、そしてこの大会を知って自らエントリーをしてみようと思われるビルダーの方が数多く現れれば、それは難しくないと思います。

私はこの大会の再度の開催を目指していることを表明します。今回グランボアは他のチームと同様のエントリーをしておりましたが、最終的にはオープン参加とさせていただきました。それはポイントの設定において私のランドナーへの思いが前に出すぎて、個別ポイントの指向性に偏りがあったようにも感じたからです。今回グランボアは順位の列からは外れましたが、次回は同じスタートラインに立って他のチームと渡りあえるような大会を作って行きたいと思います。エントリーチームの皆さん、そして多くのビルダーのご意見をお待ちしています。

photo by S.Akifusa

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