グランボアタイヤについてお知らせ
こんにちは、まずは以前よりお知らせしていたタイヤの価格変更についてご案内します。
グランボアのタイヤですが、新商品のルートフォレスティエール発売をお知らせした際に告知したとおり、6月21日水曜日から新価格での販売を開始します。
【グランボアタイヤ新価格(2023年6月21日から)】
スタンダード ¥5,060(税込)
エキストラレジェ ¥5,940(税込)
ルートフォレスティエール ¥6,380(税込)
※アイズバイシクル店頭タイヤ10%引き、通信販売タイヤ国内送料無料サービスは変わりません
【タイヤラインナップについて】
ルートフォレスティエールの登場に伴い、グランボアタイヤのラインナップの整理を行っています。全てのタイヤサイズで3種類のケーシングを用意するのではなく、適材適所のバリエーションになります。
今年のカタログでエキストラレジェは650×38B以外は終了とご案内しましたが、検討の結果継続してラインナップすることに決まりました(全モデルではありません)。
今後入荷するエキストラレジェタイヤはケーシングのマイナーチェンジで従来品よりも僅かに重たくなります。それでも最高の乗り心地は変わりません。
650×36Bエキストラレジェのみ前回生産分の在庫がございます。650×36Bエキストラレジェは継続の予定が無いので必要な方はお早めにどうぞ。
エキストラレジェの継続を予定しているのは以下のサイズになります。
入荷時期は決まり次第お知らせします。
・650×32B、650×38B、650×42B
・700×26C、700×28C、700×30C
※700×23Cも需要に依りますが生産予定
【ケーシングの違いについて】
グランボアタイヤはサイズによっては3種類のケーシングから選択いただけるようになります。
どれを選んだらいいかわからないという方もいらっしゃると思うので、改めてケーシング毎の特徴をまとめてみました。
スタンダードモデルは文字通り、グランボアタイヤの基準となる性能を備えています。
乗り心地、軽さ、耐久性など全てにおいてバランスの良い性能です。価格は3種の中で最もお手頃です。
エキストラレジェモデルはその名の通り、超軽量な高性能タイヤです。
布目にも拘った超軽量でしなやかなケーシングを採用したことでハイエンドレーシングタイヤに匹敵する性能です。少しでも軽やかに、楽に、気持ちよく走りたい方におすすめです。ただ、デリケートなケーシングを使用しているので未舗装路走行はお勧めしません。
ルートフォレスティエールモデルはエキストラレジェの超軽量でしなやかなケーシングに耐パンク層を被せた、云わば強化版エキストラレジェです。
乗り心地の悪化を嫌い、グランボアタイヤでは今までアンチパンク材を採用してきませんでした。
未舗装路も安心して走れる耐久性とグランボアが最も大切にしている快適な乗り心地の両立を目指したルートフォレスティエールでは、耐パンク層を最高の乗り心地のエキストラレジェケーシングと組み合わせることで乗り心地の悪化を相殺しています。
重量と乗り心地はスタンダードモデルと同等ながら強化されたケーシングのおかげでサイドカットやパンクに強く、グランボアタイヤの中で最も耐久性に優れています。耐パンク層の関係で、サイドウォールは茶褐色になります。
【ルートフォレスティエールのラインナップ】
林道走行に適している他のタイヤサイズも順次追加予定です。
【ケーシング3種比較】
耐久性:ルートフォレスティエール > スタンダード > エキストラレジェ
乗り心地:エキストラレジェ > スタンダード ≒ ルートフォレスティエール
軽さ:エキストラレジェ > スタンダード = ルートフォレスティエール
インナーチューブはグランボアレール、パナレーサーR-airの使用をお勧めします。通常のブチルチューブより軽量で乗り心地が良く、空気圧の管理も殆ど変わりません。
650Bタイヤで最高の走行体験を求めるのであれば、エキストラレジェにラテックスチューブPLUMEを組み合わせてください。4年前のパリブレストパリ1200kmを69時間で完走したグランボアコンクールマシーンも同じ仕様です。ラテックスチューブは素材の特性上、空気圧管理がシビアになるのでご注意ください。
通勤やキャンプツーリングなど耐久性が重視される使い方や、チューブのコスト面を重視する方のためにパナレーサーのブチルチューブも各サイズご用意しています。
新品のタイヤを組みつける際は、パナレーサータイヤパウダーをタイヤの内側に塗布することをお勧めします。特に柔らかい素材の高性能チューブはタイヤへの貼り付きが起きやすいのでパウダーを塗布することで予防になります。
6月20日までは発売記念特別価格のルートフォレスティエールも含めて現在の価格で販売します。
値上げということで心苦しいのですが、ご理解いただきますようお願い致します。
お知らせあれこれ
大きな台風と共に早くも梅雨入りとなったようですが、皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか?
アイズバイシクルは相変わらず元気に忙しくお仕事していますよ。特に店長とアトリエ長は保育園に通いだした子供たちが早速熱を出したりで新米パパとしても大忙しです。
さて、まず、新規取扱品のお知らせ
一隆大高商会の帆布製フロントバッグ。
商品詳細は是非リンクをご覧くださいませ。
*****
そして、最新の納車のご紹介。
ラグレス親方フレームに前後のカスタムキャリア、シュミッツのライティングシステム、カンチブレーキNCミランをセットしたキャンピング車。イージー輪行フォークを採用し、キャリアもサイド枠はもちろん少し大きめのリアキャリアも簡単に取り外しができるよう細工を凝らしました。エレガントながら実用性もしっかり兼ね備えた、大人の旅自転車となっています。
詳細は是非ギャラリーページでご覧くださいね~。
****
そして、現在の美山のアトリエではUさんのフレーム製作に取り掛かっています。
この日は前三角(ヘッドチューブとトップチューブとダウンチューブ、そしてシートチューブとボトムブラケットで構成されるフレームの前側)が出来上がったところで、後ろのチェーンステーとシートステーの準備をしています。
切って、削って、磨いて、くっつける。
このあとまだ曲げて、凹ませて、カットして、削って、整えて、ようやく後三角として前フレームにくっつけることができます。
雑な表現でスミマセン。
要するに、フレーム一本作るのにそれはそれはたくさんの行程があるのです、って事をお伝えしたい。フレームの形になった後も、ステーの間のプリッヂを付けたり、ブレーキやらライトやらワイヤーリードやらの台座を付けたり、穴開けたり、盛ったり、洗ったり、ブラスターかけたり、研磨したり、足したり、引いたり、まだまだかかる。
フレームができてからはアトリエ長がキャリア製作にかかり、前野店長がフレームの最終仕上げを行います。
それからの工程をすべて終えて、ようやく塗装に出せるのです。
(メッキがある場合は更に研磨作業の行程が増えます。)
Uさん、もう少しです。楽しみにお待ちくださいネ。
****
6月は13日と23日が平日にあたり、アイズバイシクルはお休みをいただく予定です。
イベントは今月は無いかな。
良い季節ですので是非サイクリングの途中でもお立ち寄りください。
新しいバッグはもちろん、自転車もいろいろ入れ替わってますよ。
時の流れが速すぎる! -いろいろお知らせ溜まってます-
あっという間にゴールデンウィークもあと2日!
今年はお天気も良いし、通勤途中で見かけるサイクリストたちも多い気がします。自転車乗るには最高の季節ですよね。
5月は何してても楽しいです。もちろん、親方はフレーム製作をしながらですけど、出勤前に1-2時間だけ夏野菜の準備。気晴らしの畑仕事が楽しそうです。
***
さて、先週末は京王閣のフリーマーケットでした。
10時から14時までが出店時間のところ、お客様との約束があって12時で店じまいさせていただいたのですが、何人もの懐かしい方々にお会いできて嬉しい時間でした。たった2時間でしたが、新発売の「ルートフォレスティエール」36Bは持参した10本すべて完売!
「あ、これがブログに出てたやつですね。」と何人もの方に言っていただけてとても嬉しい気持ちになりました。ありがとうございました。

お店を覗いてくださってるのはLINDENさん。
?? 帽子に何やらくっついてますね。
営業活動もばっちりです!
往路の車窓から。
春らしいさわやかな富士山を見ることができました。
いつも、お世話くださる皆様、今回もありがとうございました。
*****
さて、次はいろいろお仕事紹介。
こちらはフリマのついでに配達してきたゼファー。
1980年製とのことですが、塗装はデカールも含めてすべてタッチアップで仕上げています。
ギャラリーにアップしていますので詳細はそちらをご覧ください。
こちらは先日納車した2台です。
どちらも個性的で素敵です。
これらも順次ギャラリーに近日アップ予定。
親方フレームはそろそろ60番台へ突入です。只今の納期は、少し停滞気味のバックオーダーがさばけましたので半年ほどかな。ご検討中の方は是非お気軽にご相談ください。
***
あと、5月もイベントが二つあります。
ん? 三つだ!
【岐阜羽島サイクルフリーマーケット】
第2回目のイベントで屋外会場でフリマと試乗会が一緒に楽しめるイベントです。グランボアも試乗車持っていきますね~。
・2023年5月14日(日)AM10:00~16:00
・場所 BLOCK47 (屋外)
【ランデヴーアレックスサンジェ】
フランスの老舗、アレックスサンジェのオーナーズミーティング。5年ぶりに泊りがけでの開催です。サンジェのオーナー様はもちろん、サンジェにご興味をお持ちの方もお気軽にご参加いただけます。詳細をご希望の方は事務局 (isb@cyclesgrandbois.com)までご連絡ください。
・5月20日(土)~5月21日(日)
【服部緑地シクロジャンブル】
ランデヴーと被るのですが、前野店長が一人で新製品やらデッドストック品やら見繕って出店する予定です。ですので、アイズバイシクルはこの日は午後から営業予定です。
*
そして、最後におまけの情報。
サイクルモード公式YouTubeに親方出演しています。
まずは第一弾。
なんか、4本撮りしていったそうなのでこれからもアップされるかもです。
ルートフォレスティエール発売!
今日から新しいグランボアタイヤの販売を開始します。
先日のブログでもご紹介したグランボア ルートフォレスティエールです。
未舗装路も安心して走れる新しいケージングを採用しています。
Route Forestiereは直訳すると「林道」。
その名の通り、ランドナーで林道を楽しむために作ったタフなタイヤになります。
ルートフォレスティエールは既存のグランボアタイヤのバリエーションモデルになります。
タイヤのモデル名を表すラベルがタイヤの右に、ルートフォレスティエールの緑色のラベルがタイヤの左にあります。
ルートフォレスティエールのケージングはエキストラレジェがベースになっています。
超軽量でしなやかなエキストラレジェのケージングに、パナレーサーグラベルキングなどで採用されているアンチフラットケージングを全面に追加しています。追加されたケージングの関係で、サイドウォールの色は従来よりも濃い茶褐色です。
追加された耐パンク層により未舗装路で懸念されるパンクやサイドカットに強く、乗り心地と重量はグランボアのスタンダードモデルと同等です。
ルートフォレスティエールはグランボアがオリジナルタイヤで何よりも大切にしてきた乗り心地はそのままに、未舗装路も安心して走れる耐久性を兼ね備えたケージングになっています。
ルートフォレスティエールは2019年のジャパンバイクテクニークの時には試作品が出来上がっていました。製品版とほぼ同等のケージングを使用した650×38BタイヤをグランボアJBT2019に装着して長野県の山岳地帯をトラブル無く走り切りました。
新しいケージングのタイヤはスタッフ間での評判も良く、もっと早く発売できればよかったのですが製造上の問題などが有り時間ばかりが過ぎていきました。
650×42Bエートル ルートフォレスティエールを履いたJBT2022
昨年のジャパンバイクテクニークでは650×42Bエートル ルートフォレスティエール試作版をグランボアJBT2022に装着して2019年よりも未舗装路が増えたテストコースを余裕を持って完走。改めてその耐久性と走行性能を実証しました。
ルートフォレスティエールのテストはジャパンバイクテクニークだけではありません。
親方と専務はそれぞれの自転車に試作品を取り付けてプライベートでのサイクリングや、年に2回のロングツーリングで使用してきました。

私前野は試作タイヤを履いた自転車に乗ってブルべや未舗装林道を走り、ハードな使用条件での性能を確認してきました。屋外に置く時間が長い通勤車にも試作品を装着していますがエキストラレジェ、スタンダードモデルに比べてサイドウォールの紫外線による劣化の進行が緩やかです。
今回発売するのは、エアボリュームが豊富でライン状のトレッドパターンが特徴的なエートル650×42Bと、スタンダードな太さでオールマイティなトレッドパターンを持つリエール650×36Bの2種類です。
新しいルートフォレスティエールは約1か月間、エキストラレジェと同じ特別価格で販売します。
この機会にぜひお試しください。
グランボア エートル ルートフォレスティエール 650×42B
グランボア リエール ルートフォレスティエール 650×36B
※ルートフォレスティエール特別価格はアイズバイシクル店頭グランボアタイヤ10%引き等の割引対象外となります。
そして大変心苦しいのですが、今まで価格を据え置いてきたグランボアタイヤ全モデルも値上げを予定しております。新価格での販売は同じく約1か月後の6月頃からを予定しておりますのでご理解の程お願い致します。
エキストラレジェのように、グランボアタイヤの全モデルでルートフォレスティエールを展開する予定は今のところありません。
あくまでも、タフなケージングの良さが活かせる太いタイヤにラインナップを絞った展開の予定です。
・
・
・
【イベントの予定】
ゴールデンウィークからイベント盛りだくさんです。各地のフリーマーケットに出店します。
ルートフォレスティエールの販売も行います。是非実物を確認してください!
- 4月29日(土) 京王閣フリーマーケット
- 5月14日(日) 岐阜羽島サイクルフリーマーケット
- 5月21日(日) シクロジャンブル
速く快適に走る自転車
こんにちは、前野です。
先月のハンドメイドバイシクル展で展示した650Bランドナーの1台は自分が使用することを前提に作られました。
今日はフルオーダーで作った新しい自転車と部品選択の理由を紹介します。
コンセプトは「速く快適に走れるシンプルなランドナー」
新しい1台を作るにあたり、まずは使用用途を決めました。
ブルべなどの夜間走行を含むハイペースな長距離サイクリング(PBPもまたいつか…)
未舗装林道サイクリング(担ぎは想定しない)
自分はのんびりと走ることも好きですが、それ以上に自分の限界に挑むようなブルべに参加したり過酷な山岳コースを走ることが大好きです。
長い峠道で疲れている時に少しでも楽に前へ進んでくれて、メカトラブルなどを起こさず、良い意味で自転車の存在を感じないような、人馬一体で走れる1台が理想です。そうそう、未舗装路を走ることも好きなので多少荒れた道であっても躊躇せず走れることも必要です。
なるべく楽に速く走れて道を選ばない。今使っているフロントシングルの650Bランドナーで実現できていることですが、新しい自転車は良い点はブラッシュアップして少し違った味付けの1台にしたいと思いました。
部品の構成はグランボアで採用している信頼性の高い現行品をメインに使おうと決めました。
手元変速は便利ですが、シンプルで変速が楽しいWレバーを使いたいです。
今使っているフロントシングルランドナーはシフトレバーの関係で、前後輪と前後泥除けを外して輪行袋に入れるロードバイクと同じ縦型輪行です。
新しい1台は方向性を変えて、よりコンパクトな荷姿になるフォーク抜き輪行に対応させます。これは縦型輪行に問題があるのではなく、単純にフォーク抜き輪行に対応した自転車にしたいという個人的な趣向です。
・
・
・
2017年から使用している通称 ” 4号車 ”
まずは今乗っている自転車の紹介を。
こちらは2017年にフランスのアンベールで開催されたハンドメイド自転車の競技会コンクールマシンにグランボアが参加するべく製作された2本の内、予備車となった軽量ラグレスフレームで組み上げたフロントシングルランドナーです。
SRAMフォース1をメインとした1×11s(前40T、後11-40T)のフロントシングル、前後ハブダイナモ給電のライト、快適なイデアルの革サドルなどを備えています。ロード/グラベル用としてフロントシングルが登場して間もないころだったので、フロントシングルコンポーネントの使用感を確かめるためのテスト車という側面もありました。
この自転車に2017年の秋ごろから乗り始めて今に至るまで、京都から岩手まで走る1000㎞ブルべから瀞川氷ノ山林道の砂利道まで様々な道を走ってきました。
殆ど不満はないのですが、得意分野があれば不得意分野があるのも事実です。
変えたい部分があるとすれば以下の項目になります。
・平坦な道を効率よく走るための、トップ寄りがクロスレシオなギア構成
・650×42Bタイヤに最適化した機敏なハンドリングと泥除けクリアランス
・ロードバイク寄りのポジションを出しやすくする為にリーチを長くする
・メンテナンスを容易にするためテールライトへの電装の簡易化
・Wレバー変速(もしくはeTap)でフォーク抜き輪行に対応させる
上記を満たしつつ、アイズバイシクルで提供可能な現行部品を使用して新しい自転車を製作しました。
・
・
・
新しい650Bランドナー。フレーム番号にちなんで通称 ” T1”
【スペック】
・フレーム:グランボアラグレス カイセイ4130R (C-T 550mm、BB-サドルトップ 680mm)
・ヘッドセット:グランボアヘッドセット輪行用
・タイヤ、チューブ:650×42Bエートルエキストラレジェプリュ(試作品)、レール650
・ハブ:SON DeluxWideBody 28H、グランボアスモールフランジハブ28H
・リム:パセンティブルべ28H
・クランクセット、BB:サンエクシード、TA 44-28T、タンゲLN7922
・前後変速機、レバー:マイクロシフトFD-R42、同RD-R47S、ヨシガイシルバーWレバー
・チェーン、カセットスプロケット:シマノCN-HG93、同CS-HG400-9 11-28T
・ハンドル、ステム:グランボアフランス型ランドナーバー410mm溝付き、日東NPステム
・ブレーキ、レバー:グランボアシュエット3642、ヨシガイGC-07H
・サドル、ピラー:Berthoud アラヴィ、日東S65
・ペダル:シマノPD-M9100-S
・泥除け:グランボアGB650ML
・前後ライト:SON Edelux2、キャットアイVOLT400NEO、キムラTL-06D
重量:写真の状態で約10.9㎏
今回のフルオーダーフレーム製作はアトリエ長が担当
フルオーダーフレームなので従来通りなら親方が設計、製作を行います。
新しい試みとして、今回のフルオーダーラグレスフレームはセミオーダーモデルTypeERのフレーム製作を担当しているアトリエ長の伊藤が作りました。
自分はフレームのジオメトリや追加加工などについてリクエストし、最後の研磨仕上げと部品の組みつけを担当しました。伊藤が設計図を描いてパイプの加工やロウ付け、キャリアの製作を行っています。
フレーム製作を担当した伊藤より
「今回初めてのフルオーダー車作製にあたって、第一に優先したのが乗り手の求めるフレームの剛性です。オーダーといいましてもそれぞれ第一に求めるものが違うと思います。前野店長が求めたのは、ブルべに走る快適な自転車。つまりは”強い自転車”です。
フレームのジオメトリが乗り味に影響することはいうまでもないことですが、今回気をつかったことは材料のパイプの使い方です。バテット/テーパー パイプをどの位置でカットして剛性を出すか、親方も特に気をつかっているところです。
乗り手の体重、身長、乗り方で必要なフレームの剛性は変わってきます。フレーム製作をする親方を横で手伝いながら見て学んだことです。
フレームの剛性は健脚な前野店長が証明してくれるはずです。」
機敏に走るためのスケルトン
フレームは乗り慣れたカイセイ4130Rをメインとし、トップチューブは4号車より長めに設定してリーチを伸ばしています。その他の寸法も機敏な走りを実現するために少しずつ変更しています。
万能な650×42Bタイヤ
使用タイヤはここ数年愛用しているグランボアエートル650×42Bを想定しています。
ちなみに写真のタイヤはエートルですが、ケーシングが強化されたエキストラレジェの新型、”エキストラレジェプリュ”の試作品です。2019年頃から試作を重ね、ようやく今春に発売の見通しが立ちました。エキストラレジェタイヤより少し重くなりますが、しなやかなアンチパンク材を採用したことでサイドカットに強く、荒れた山道も安心して走れます。
インナーチューブはグランボアレールを使います。115gほどのしなやかで軽量な扱いやすい650B用チューブです。
さらに走りを追及するのであれば、PBP2019の時と同じようにプリュムラテックスチューブを使います。ラテックスなので空気圧管理はシビアになりますが、走りが格段に向上します。
軽量化を優先するなら少し細い38Bか36Bになりますが、自分の使い方で最も優れていると感じるのが650×42Bなのです。
ドロヨケ、ペダル
泥除けは650×42Bタイヤでクリアランスを大きく取ることが出来るGB650MLにしました。
4号車はもともと650×36Bを想定した設計なので、泥除けはひと回り細い本所H50CNを装着しています。36Bタイヤを想定した設計のフレームに42Bタイヤを入れると当然ですがクリアランスは狭く、林道を走ると泥除けに落ち葉などが詰まりやすかったのです。
クランクは4号車と同じですが、フロント シングル/ダブル という大きな違いがあります。
BBの軸長の関係でこのままではQファクターが4号車より広くなります。
そこで、ペダルを長年愛用してきたシマノPD-A600ではなく、XTRのショートシャフトモデルPD-M9100-Sにすることで解決しています。
快適なハンドルとシンプルなブレーキレバー
ハンドルはグランボア フランス型ランドナーバー410mm を選択しました。
ランドナーバーを選んだ理由はアップライトなポジションにするためではなく、握り心地が良いからです。中央からせり上がったハンドルの肩部分は手のひらへのフィット感が抜群に良く、長時間の走行も快適です。ブレーキレバーがエアロタイプのヨシガイGC-07Hなのでケーブルを添わせる為の溝付きモデルです。
エアロタイプのブレーキレバーGC-07Hを選んだのは、フォーク抜き輪行時にケーブルがレバーから外れないので作業の簡略化につながる事が理由です。ちなみにエアロタイプのレバーでも、ケーブル受けに割りが入っている製品は輪行時にケーブルが外れて大変なことになるので選んではいけません。
GC-07Hにはグランボアのランドナーで定番のGC202Qのようなクイックリリース機能は付いていません。クイックリリース機能があるとアーチワイヤーの着脱が簡単になるので、センタープルブレーキやカンチブレーキの扱いに慣れていない方にはGC202Qをおすすめします。
明るいライト、低抵抗ハブダイナモ、軽量リム
メインのライトは4号車と同じSON Edelux2を採用。
非常に優れた配光で遠くまで均一な明るさで照らしてくれるので夜間も自信を持って走ることが出来ます。
フロントのハブダイナモはPBPでも使用した低抵抗なSON Delux Wide Body の28Hを使用しています。4号車のSON28は低速時の発電能力が優秀なのですが、今回は高速走行を主眼に置いているのでダイナモの抵抗減を目的としてこちらにしました。
リムはおなじみグランボアパピヨンではなく、チューブレス対応のパセンティブルべを選びました。チューブレスとして使う予定はありませんが、軽量なので採用しました。4号車のグランボアパピヨンは5年間トラブルなく使えたのですが、このリムの耐久性はどうでしょうか?
ブルべ用にサブライトを装備
キャリア左側にはキャットアイ製のバッテリーライトを装着するためのブラケットを備えています。
ブルべに参加する際はキャットアイの吊下げ対応ライトをサブライトとして装着します。
メインライトのEdelux2で夜間走行は充分快適なので2灯付ける必要はあまりないのですが、日本のブルべを統括するオダックスジャパンの規定で400㎞以上のブルべでは2灯以上の装着が義務付けられています。ライト2灯はブルべの参加条件を満たす意味合いが強いです。
無いことを願いますが、万が一夜道でパンクなどトラブルが起きた際に自転車から外して懐中電灯として使うことも出来ます。
センタープルブレーキ、ダイナモ給電テールライト
ブレーキは4号車と同じくグランボアシュエット3642センタープルブレーキとしました。
カンチブレーキのグランボアミランと同じく強力な制動力に加え、コントロールがしやすいので気に入っています。峠道を走るのが好きなのでブレーキに妥協は出来ません。
テールライトも4号車と同じキムラTL-06Dを採用しました。
コンデンサー内蔵で停車後もしばらく点灯を続けます。Edelux2をオンにするとTL-06Dも連動して点灯するので、バッテリーライトのようにスイッチを何か所も操作する必要がありません。
2×9速、Wレバー
オーソドックスなフロント44-28T、リア9速 11-28Tの組み合わせです。
グランボアTypeERで最も多く採用している8速で充分なのですが、9速にした理由はトップから4枚目までが1T刻みになっていたからです。
自分の用途に合ったカセットが有り、歯数の選択肢が豊富なTAのチェーンリングで使用可能なので9速としました。
変速機はフロントがマイクロシフトFD-R42、リアがRD-R47Sを採用しました。シルバー仕上げでグランボアのランドナーでの採用も多い信頼性の高い変速機です。
変速レバーはヨシガイのシルバーWレバーを選びました。シンプルな形状で扱いやすく気に入っています。
Wレバーを採用したのはフォーク抜き輪行に対応させる為と、自分の趣味です。
変速速度とあらゆる状況で変速可能という点で手元変速の性能に敵いませんが、Wレバーを触る指先から感じる、チェーンが移動してスプロケットと噛み合うまでの過程が楽しいのです。
ただ、9速のフリクション変速は8速に比べて短いストロークで変速するのでシビアになることは否めません。TAのチェーンリングと組み合わせていますが、TAの推奨は8速までとなっています。以上2点からトップ側クロスレシオにこだわらなければ8速で充分とも言えます。
革サドル、シートポスト
サドルは2年ほど前に購入して少しずつ慣らしていたBerthoudのアラヴィを採用しました。約400gと革サドルとしては軽量で、チタンレールとコンポジット樹脂製のベースがしなるので快適な乗り心地です。革のテンション調整は5mmの六角レンチ1本で行えるのも便利です。
もしアラヴィを持っていなかったらさらに軽量なイデアル#90TiALにしたかもしれません。
アラヴィも本格的に乗り込んでどんな風に年月を重ねていくのか楽しみです。
シートポストを日東S65にしたのはアラヴィがイデアルやブルックスなどの革サドルに比べて厚みが少なく、ENEのシートピラーだとハードに乗っている時稀に革がヤグラに底付きすることが有りました。ヤグラと革の接触が起きる可能性が無く、軽量で信頼が置ける日東S65を選びました。
もしサドルがイデアル#90ならヤグラが隠れるENEを選びます。
・
・
・
こうして完成した自転車は太いタイヤと泥除け、フロントバッグとキャリア、統合されたライトに革サドルなどランドナーとしての様式を持ちながら、レーシングバイクのような機敏さも備えたロングライドの為の1台となりました。
PBPを走ったグランボアCDM2019
フレームのジオメトリや特殊工作に重きを置かないのであれば、同じような構成でセミオーダーモデルのTypeERを組むこともできます。
同じフルオーダーフレームでメインコンポーネントをSRAMのeTapにすれば、PBPを完走したグランボアコンクールマシン2019のような電動変速を備えたより現代的で変速性能が優れた1台に仕上げることもできます。フルオーダーはラグ付きも選べるのでより趣味性の高い1台に仕立てることも可能です。
それに軽量化の余地もまだまだ残されています。
7700デュラエースやレコードなどを使えば同等の機能、信頼性を備えつつ更に軽量な1台を作ることも出来るでしょう。
・
・
・
フルオーダーで作る1台
新しい自転車を構想するのは本当に楽しい時間でした。
今回はハンドメイドバイシクル展への展示が決まっていたので、製作が決まってから完成するまではフルオーダー車としてはかなり短い期間でした。
展示会までの期限こそありましたが、「速く快適に走れるシンプルなランドナー」という構想は1年ほど前から頭の中で殆ど決まっていたので、新しい自転車のスペックはここ数年考えてきた結果ともいえます。
オーダーメイドでランドナーというと、ヴィンテージの世界というイメージを抱かれるかもしれません。確かにヴィンテージパーツを使って趣味性を追及するという一面もありますが、今回のように用途をはっきり決めて走り心地や機能面での使い勝手と個人的な趣向を両立させるオーダーの仕方もあります。
ランドナーのオーダーについて迷われていることがありましたら、まずはアイズバイシクルまでご相談ください。
自分の理想の自転車を考えるのは楽しいですよ。














































