アイズの独り言

礼文島から利尻島まではフェリーで50分ほどです。

2等自由乗船券1,030円 自転車920円(輪行時は無料)

 

 

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9月13日 利尻島

午後2時前に鴛泊港に到着。

当初の予定では沓形港に着いてからまずは宿にチェックインし、それからサイクリングロードを適当に走って往復する予定でした。でも、お天気も下り坂でしたし、風も強かったので結果的にはこれが正解でした。利尻島のサイクリングロードは想像以上に素晴らしく、宿のある沓形まで走行距離は20km足らずでしたが余裕をもって楽しめました。

 

 

この日に走った道はほとんどが島の北側のサイクリングロードです。地図は「りしぷら」の地図が分かりやすいと思います。リンクを開いていただくと他にもサイクリストの力量に応じて3種類のコースを紹介されていますよ。「りしぷら」は利尻島の観光ポータルサイトとして利尻の魅力を細かく紹介しています。利尻富士町ホームページの案内も親切です。

 

 

 

 

利尻北麓野営場へと向かう道の利尻山神社の前あたりからサイクリングロードに入れました。これがとても素晴らしい道でしたよ。なんか、ある意味、サロベツよりも野性味があって感動しました。それに、何より歩行者と自転車のためだけにこの道があるなんてすごいですよね。

富士野園地

映画のロケ地にもなっています。

 

 

サイクリングロードは完全に車が入れないようにしてあります。ところどころ寸断されて道道105を横断しなければならないところや交差路がありますが注意喚起がしっかりされています。

 

 

これで利尻山が見えていればすごい迫力ですね。

 

 

 

 

夕暮前にお宿にチェックインして間もなく雨が降り出しました。

だんだん風も強くなって翌日の稚内行きも心配になってきました。でも、旅はあと2日。万が一、船が欠航してここに足止めされたとしても、もう、何とかなるスケジュールです。お風呂に入って、コインランドリーで洗濯して、夕飯いただいて、お風呂に入って、「そろそろ帰るんだなぁ。」とか思いながら窓の外の風の音を聞きながら寝たのでした。

 

 

この日のお宿は沓形のホテル利尻

礼文・利尻で唯一の源泉かけ流し温泉とのことでとても良いお湯。でもね、褐色のお湯は湯船の底を隠すほどで、中に段差が2ヵ所あるのに気づかず踵をすりむいてしまいました。。足元要注意ですよ~。売店ではサロベツの有名牧場のアイスがあります。

 

 

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9月14日 利尻~稚内

案の定、心配していた船は午前中はすべて欠航になりました。でも、私たちが乗る予定にしていた17時40分発だけ出航することに。1日3便ある船が1便に集約されることになります。そこで親方、「きっと混むから1等にしようか」とか言い出す。なるほどなるほど、名案です。2等自由席はシート席もありますが、多くが雑魚寝ができる座敷席です。どれほどの方が乗られるのか分かりませんが、人混みを避ける意味でもちょっと奮発することにして、朝の内にネットで購入しておきました。

利尻~稚内迄 1等指定席 5,400円。2等自由席が2,660円なのでほぼ倍ですね。

これで安心してギリギリまで遊ぶことができます。自転車は一台1,800円、輪行時は無料です。

 

地図は姫沼までになっていますが、そのあとまたサイクリングロードへ入り鴛泊のフェリーターミナルでゴールです。これで利尻一周約60km完走。コースは北側と違ってアップダウンが結構あるので風があるとちょっと難儀です。途中であきらめてバスに乗っちゃう人も結構いるのだとか。でも、見どころもいろいろありましたよ。

 

 

宿を出発した直ぐはこんな感じ。

気温も低く利尻山も厚い雲に覆われています。でも夜中に吹き荒れていた風は少し治まっていて雨もほぼ止んでいました。

 

 

そして1時間もしないうちにこの青空。

今回はホントお天気に恵まれました。

サイクリングロードとして整備されているのは島の北側のみですので、この日はホテルを出て道道108、利尻ファンタスティックロードを走ります。

 

 

【寝熊の岩】

確かに、熊が寝そべってるように見えます。でも、泳いでる風にも見えますね。

この後、利尻町立博物館にもよったのですが、明治45年に本道から利尻島まで泳いで渡ってきたと云われる熊を退治した話が写真付きで伝えられています。でも、ちょっと調べてみると2018年にもそんな話が浮上してたり、最近では2022年の6月に無人カメラに写っていたそう。今はその熊の痕跡は無くなったようですが、クマって結構な距離を泳ぐんですね。

 

 

霊峰湧水

このお水、本当に美味しかった。

で、水を汲んで楽しんでいる私たちに声をかけてこられた方がこの方。

町おこしで2017年に結成された「リーシリボーイズ」の主要メンバー、コンブアッペカッチャさん!

???でしょ。

私たちもお話していてほとんど解っていなかったんですが、「おら、有名人だども知らねぇの?」なんて言うので、稚内についてからネットで調べてみてビックリ。是非、@pressさんのページも覗いてみてください。そんな方と小一時間も立ち話して、お別れする時には利尻昆布を二束もいただいてしまいました。

話した内容は利尻町の話かというとそれはほんの一部、ほとんどがご自身が経験されたシベリア抑留のお話と、私財を使ってここに慰霊碑を建てるんだという熱いお話でした。私も親方も実際にシベリアに抑留された方のお話を聞いたのは初めてでしたし、直に聞くこの地の言葉がとても新鮮で、とても刺激的な時間を過ごさせてもらえました。御年97歳。またお会いしたいです。

 

 

 

 

天気もどんどん良くなってきましたよ。

利尻島の中では利尻山を文字通り四方八方から眺めることになるので山の形が劇的に変わります。こんな利尻もこの旅で初めてです。

 

 

利尻町立博物館

入館料200円

トドのはく製や利尻町の鰊番屋の様子が再現され展示されています。囲炉裏を囲むヤン衆の人形がすごいリアルでちょっとビックリしました。この後で利尻郷土資料館もありますが内容的にかぶるものもあります。

この魚、礼文荘で出していただいた煮魚。「ハッカク」って初めて。美味しかったんですよ。

 

 

仙法志御崎公園

ちょうど利尻島の南に位置し、利尻山を南側から眺めることができます。

礼文島とは全く異なる海原ですね。

 

 

 

 

お昼ご飯は走ってきた道中で見つけた「まるヰ食堂」まで戻ることにしました。

地元の方々が通う食堂が美味しい確率は高いです。ここも独特なセルフサービスでしたが、美味しかったですよ。親方は塩ラーメン、私はタコ天うどんをいただきました。

 

 

 

島の南側は海岸線らしい大き目のアップダウンが続きます。

向こうに見える島影は本道。

 

 

 

 

 

南原湿原

ここまでくると利尻山にかかっていた雲はすべて晴れていました。山頂近くのローソク岩もはっきり見えています。

メヌウショロ沼の周りは木道が整備されていて散歩をしても良いですよ。1kmほどです。トイレ有。

 

 

オタトマリ沼

メヌウショロ沼と同じくらいの遊歩道があります。食堂と土産物屋を兼ねたお店が2軒あり一息つけます。

 

 

 

 

 

【白い恋人の丘】

オタトマリ沼の売店の方に薦められて寄ることにしました。道道から外れて展望台まで上りです。

利尻山ばっちり。

恋人たちへの演出の為か、その利尻を眺めるために二人掛けのベンチが置かれていました。

 

 

そして、海側は本道が望めます。

なんと、対岸のオトンルイがはっきり見えていました。

これほどになると人工物とはいえすごいランドマークですね。無くなってしまうのはちょっと惜しいくらいです。

 

 

 

利尻郷土資料館

鬼脇の集落内の赤い屋根のかわいらしい建物です。後で調べると昔の町役場だったそう。展示品は町の博物館と被るものもあるし規模も小さいですが建屋を見に訪れるのも良いかも。入館料200円。

 

 

【二ツ石海岸公園】

何かの芯材を再利用したと思われるテーブルとベンチがおかれています。天気が良くここでも対岸の風車が良く見えました。

 

 

南東側からの利尻山。

 

 

 

島の東側も交通量も少なくひたすら気持ちの良い道が続きます。

あの向こうに見える島影は礼文島。

 

 

 

【野塚駐輪駐車公園】

利尻島サイクリングロードの起点。

ここからサイクリングロードに入り、鴛泊港まで走りました。

 

 

 

自転車専用道なのに渓谷にちゃんとした橋がいくつもかかっていてとても立派なサイクリングロードです。全長24.9km。全部走った体感として富士野園地の西側と東側でちょっと趣が違います。前の日に走った西側は概ね平坦で開放的な景色が多く望めます。一方、この日走った東側は木立の中を大小さまざまな橋を使って走り、姫沼、湾内大橋とアップダウンがいくつかあります。どっちのコースも良いですね。オフシーズンなのもあるかもしれませんが、こんなに安心して走れるサイクリングロードも珍しい気がします。

すばしっこく動き回るキビタキを写真に収めることができました。

あちこちから鳥のさえずりが聞こえてきて楽しかった。

 

 

 

 

【姫沼】

サイクリングロードから外れて少し上ったところにあります。距離は800mほどですので行ってみました。

とてもやさしいシルエットの利尻山を見ることができました。

姫沼からサイクリングロードに戻ると湾内大橋まで再び上り返します。でも、これで最後。あとは港まで下っていけます。

 

 

 

【鴛泊港フェリーターミナル】

港でチェックインを済ませた後、出港時間の17時40分まで1時間ほどありました。

で、親方がササッとネットで見つけたカフェに入ることに。フェリーターミナル真ん前に何軒かある商店の一つ、PORTO COFFEEさん。矢印の下あたりです。

 

時間調整のためでしたが、コーヒーをいただいてビックリしました。大きな街中の有名店よりもずっと美味しくていい香り。近くにこんなお店があると良いのにな。でも、利尻のお水のおかげかもしれないですね。

 

 

予定通りに船は出港。

 

乗船客は確かにたくさんおられましたが、1等席はガラガラ。(笑)

 

 

 

1等席から見た利尻山。

 

 

鴛泊港から稚内港まで1時間40分です。

稚内のホテルは港にほど近いビジネスホテルでしたので夜の8時前のチェックインでしたが問題なくスムーズでした。自転車をフロントに預けて、荷物を置いたら歩いて街へ。夕食は地元で人気のスープカレーをいただきました。

今やネットのおかげでどこにいても旅の苦労は激減できますね。ある意味、旅の面白さも少し減ってしまうのかもしれませんが、ネット以前の旅とは大違いです。20年以上前が青春だった人たちにとって、かつて自分が地図や時刻表を頼りに旅した道を「今」旅するとちょっと物足りないかも!?

でも、やっぱり旅は楽しい。

平和であればこれはどんな時代になっても変わらない気がします。

 

 

つちやはるみ


こんにちは、前野です。
今日は来月開催予定のイベントについてお知らせします。

11月3日(木)文化の日にコンセントレーションおにゅう峠を開催します。

【コンセントレーションおにゅう峠】

日にち:11月3日(木)文化の日

集合時間:12時から13時くらい(13時集合写真撮影)

場所:おにゅう峠(滋賀、福井の県境)

参加申し込み、参加費:不要です

 

コンセントレーションはとてもシンプルなイベントで、決められた時間に集合場所に集まって皆さんで交流したり、集合写真を撮ったりします。
今回の集合場所は福井県小浜市と滋賀県高島市の境に位置する「おにゅう峠」。標高830mの峠が集合場所です。

集合時刻がお昼時なので、峠でお弁当にするのがいいんじゃないでしょうか。

ちなみに、滋賀県側は道の駅朽木新本陣周辺以外食べ物を調達できる場所はありません。福井県側も東小浜駅周辺を離れると補給できる場所は殆ど無いのでご注意ください。

 

滋賀県側は紅葉と雲海が有名で近年は多くの人が訪れるようになっています。福井県側は走りごたえのある峠道で、天気が良ければ日本海を望むことも出来ます。

 


集合場所へのルート取りは自由。輪行で小浜や湖西線沿線の駅から走るもよし、カーサイクリングで朽木周辺から走るのもいいと思います。もちろんご自宅から全部自走でもOK。JR東小浜駅スタートでおにゅう峠に行くルートを例として引いてみました。9時半ごろスタートすれば余裕をもって12時におにゅう峠に到着できるのではないでしょうか。

 

過去には日吉ダムでコンセントレーションひよしを開催していますのでその時のブログ記事も参考にご覧ください。

おにゅう峠でコンセントレーションを開催するのは今回が初めてではありません。
2年前、2020年の7月にもおにゅう峠でコンセントレーションを企画しましたが、雨の為中止になってしまいました。
ついこの前の出来事と思っていましたが、あれからもう2年以上経っているというのが驚きです。

今回は晴れるといいな。

 

このイベントは参加申し込み、参加費などは必要ありません。どなたでも参加していただけますので、紅葉のおにゅう峠の上で皆様にお会いできることを楽しみにしています。

 

 

【おにゅう峠雲海サイクリングのお誘い】

コンセントレーションおにゅう峠はサイクリングのコース取りはそれぞれの自由。決められた時間に集合地点に集まるイベントです。
例年であればおにゅう峠の紅葉が見頃を迎える時期になりますので、有志を募っておにゅう峠の雲海を見に行くサイクリングをコンセントレーションおにゅう峠開催日の早朝に行おうと思います。


とは言っても、「私前野が京都市内から深夜スタートでおにゅう峠まで走るので誰かご一緒しませんか?」という個人的な企画です。こちらをクリックしていただくとルートの詳細、スケジュール、注意事項などを読んでいただけます。興味のある方はご覧ください。

ちなみに2年前に雲海を見に行った時の様子をブログ記事にしていますのでこちらも参考にどうぞ。コース取り、時間などはこの時とほぼ同様の予定です。

おにゅう峠を両側から登るハードなコースです。「どなたでもお待ちしています!」とは言えないのですが、晩秋の静かな夜の山を自転車で走るのは楽しいものです。それに条件さえそろえば雲海と紅葉のコラボレーションが見られるはずです。
前野と一緒に100km走ろうという方いらっしゃいましたらアイズバイシクルまでご連絡をお願いします。集合場所は京都市内ですが、ご都合に応じて途中からの参加もOKです。ご相談ください。

雲海サイクリング参加のご連絡はこちらからお願いします。

まえの


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9月11日

前夜は抜海のばっかすさんでお世話になりました。

礼文行きの港がある稚内迄は納沙布岬経由だと23キロ、丘越えになる最短路だと16キロ、「どっちで行こうか。。」と直前まで悩んでいたのですが、宿のご主人の勧めで最短ルートを行くことにしました。最初から稚内で宿をとればいいものですが、親方が探したところ稚内はほとんどがビジネスホテルで面白そうなお宿が無かったとのこと。とほ宿に名前を連ねるこの「ばっかす」さんも「あしたの城」さん同様、旅好き人好きのご主人がオーナーのユニークなお宿で、旅の情報もいくつか教えてもらえました。夕食後、9時から11時ごろまで座談会的なものがあって話し声がしていましたが、ちょうどいい感じの人懐っこさとちょうどいい量の家庭料理にとてもほっこりしましたよ。

 

というわけで、朝8時30分に盛大に見送られながら出発。

海沿いの宗谷サンセットロードから道道106へ入るとしばらく上りですがすぐに展望の良い駐車場が見えてきます。

 

 

この日は利尻島も礼文島もとてもきれいに見えました。

上りはここまで。あとはフェリーターミナル迄下りです。

 

 

 

 

【稚内フェリーターミナル】

稚内から礼文島まで2等自由席で3,070円。自転車は輪行せずに載せてもらうと1,800円。(輪行すると無料)

この日は車も少なく、自転車は私たちだけだったみたい。。。宿のご主人から「朝一の船は混んでるけど、10時台は空いてるから少々遅れても大丈夫」と聞いてはいましたが、これほどとは思っていませんでした。

 

 

 

海もとても穏やかです。

2時間の船旅の間に稚内のフェリーターミナルで買っておいたサンドイッチでお昼ご飯を済ませておきました。

 

 

【礼文1日目】

香深港に着いたのは12時半くらい。結構な向かい風。礼文町町郷土資料館や海原で寝そべるアザラシなんかを眺めて久種湖畔の礼文荘さんまで26kmほど走りました。

 

 

礼文町郷土資料館は香深港を北へ向かうとすぐです。特にリサーチしていたわけではありませんが、立派な建物でこの地域独特のオホーツク文化の遺跡の展示などもあって面白かったですよ。北海道開拓期の鰊が果たした役割の大きさも改めて感じました。入場料300円。

 

 

 

あとはもう、きれいな海を眺めながら走っては眺め、走っては眺めの繰り返し。

ウニを食べるオオセグロカモメ。

 

若鳥もたくさん見かけました。この子は懸命に飛ぶ練習をしていました。

 

 

 

さて、私は何を撮影しているでしょう。

岩礁?

いえいえ、アザラシの群れです。

 

いい顔して寝てるんですよ。

 

 

 

 

 

 

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9月12日 礼文2日目

久種湖畔展望台~トド島展望台~スコトン岬~澄海岬~双葉食堂~礼文高山植物園~宿(花れぶん)~北のカナリアパーク 約50km

 

 

朝食前の散歩で久種湖畔展望台へ。

期待満々で上りましたが、上からの景色の印象がほとんど無いんですよ。。しかも写真も浜に降りた後に見たアザラシの写真ばかり。

 

 

朝のアザラシ。

漁師さんがこんなに近くにいても平然としています。

 

 

普通に撮影するとこんな距離感。

一頭だけ浜の近くで寝そべっていました。

 

群れはたいてい浜から肉眼でははっきりわからないくらいの距離にいます。なので普通だと見逃してしまう方がほとんどだそう。荷物の隙間に望遠カメラか小さな双眼鏡があると良いですよ。

 

 

 

【トド島展望台】

宿を出てからまっすぐスコトン岬を目指さず、まずは小高い丘を上り「トド島展望台」へ。花は盛りを終えて華やかさはありませんが、とても開放的で気持ちの良い道でした。2人とももう1週間以上自転車に乗り続けていますので体の調子も上がってきています。この程度の坂道ならスイスイ、楽しくて仕方ありません。

 

 

 

 

展望台の反対側。

親方、小さいですが写っていますよ。探してみて。

ただ、この道はこの時期でもちょいちょい車とすれ違いました。花の時期ならもっとでしょうね。

 

 

 

【スコトン岬】

礼文島最北端は観光バスも来る観光名所です。

土産物屋はもちろん、併設しておしゃれなカフェもありました。

 

 

 

【澄海岬】

岬へ向かう途中に礼文を代表する花、礼文アツモリソウの群生地があります。花は咲いていませんでしたが、地元の方が数人で手入れをされていました。手付かずの自然のようできちんと手入れされているんですね。

緩やかに上る道はとても開放的。

ただ、岬の写真は良いのがありませんでした。ホームページで検索するともっと素敵ですよ。

 

 

 

【礼文高山植物園】

久種湖畔から「れぶんアツモリロード」を行くと峠を越えたところに高山植物園があります。入場無料。それほど広くはありませんが、手入れが行き届いていますし、そこから見える利尻も素敵です。

 

時期外れでしたが、礼文草が一凛咲いていました。

園のフロントにはこれらの種が小分けされ、無料で配布されています。うまく育つかどうかわかりませんが、私たちもいくつかいただいてきました。良いお土産です。

 

 

宿までの道中。

この日の利尻もとても美しく印象的でした。

 

 

【北のカナリアパーク】

島の南側に有名観光地は集中しています。この日の宿には15時過ぎにチェックインできたのでカナリアパークまで行ってみることにしました。

宿から3kmほどのところですが、最後の500mはグイッと上っています。

 

上りきると利尻山を愛でるには絶好の場所に小学校があります。

でも、実際は映画のロケ地でこの小学校も平屋の木造校舎というイメージに合うものを撮影用に建てられたものなんですって。中のセットも手が込んでいて本当にここで小学生が学んでいたかのようでしたよ。前の日の晩にipadで「北のカナリアたち」のビデオを見ておいてより楽しめました。

今はホント便利ですね。

 

 

利尻山は半分隠れてしまいましたが、併設されているカナリアカフェの営業にも間に合ったのでゆっくりお茶もできました。

 

ただ、この日は近づいてくる台風の影響で午後から雲も多く風が出ていました。利尻山を見るために奮発したお宿「花れぶん」もなんと大きな窓から見えるはずの利尻山は全く見えず。。。翌日の船まで欠航になるんじゃないかと心配したのでした。

 

 

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9月13日 礼文3日目 礼文島~利尻島

心配していた通り、いくつかの船が欠航する中、利尻島行きの船は南へ向かう沓掛行から東へ向かう鴛泊行に行き先を変えて出港するとのこと。よかった、よかった。船の運航状況は当日の朝5時30分には決定してくれます。すべてオンラインで確認できますし、チケットの予約も可能なので便利ですね。

風は少しありましたがお天気は良いので午前中は予定通り走るにしました。

 

 

 

【桃岩展望台】

まずは桃岩展望台までピストン。

 

片道3km、標高は200mほどかな。短いけど結構きつい登りです。

 

赤い屋根の建物がトイレでそこまでは自転車で上ることが可能です。そこから先は歩くことに。とってもいいお天気なんですが、残念ながらこの日は展望台から利尻山は見ることができませんでした。

 

 

展望台。

結構人がいたのでマスクをしています。

猫岩が見えます。

 

確かに猫の後ろ姿に見えるね。

 

 

 

 

 

【桃台猫台】

展望台からいったん降りてきて今度はトンネルを通って対岸へ行きます。

新桃岩トンネルは2016年開通ですので結構新しいですね。

 

 

 

トンネルを抜けて海岸線を南下するとすぐ見えてきます。

おお、確かに桃みたい。

 

 

展望デッキまで上がると更にいい景色が開けます。

左手の赤い屋根が伝説のユースホテル。猫岩もすぐそこです。懐かしい方もおられるんじゃないでしょうか。

 

 

【地蔵岩】

トンネルまで戻って今度は北上すると地蔵岩に出ます。

赤い矢印が地蔵岩。なんで地蔵? って思うよね。

 

 

高さ50m。拝むときの手を合わせた仕草に似てるから、なんですって。

このプチ情報、抜海で泊まったばっかすの女将が出発間際にさり気ない会話の中で教えてくれました。

確かにね~。

 

 

それと、これはあとから調べていて知ったんですが、この辺の浜は「メノウ浜」と名前が付くほど「瑪瑙」が採れたそう。

反対側は砂浜なのにこっち側は小石の浜なんだ、と思って写真に収めてました。珍しいですよね。

 

 

さあ、この後お昼ご飯を食べて港へ向かう予定ですが、この時点でまだ10時30分。この近所のdining cafe 海さんでランチと決めていた、というかここ以外だと港で探すしかありません。でも、オープン時間は11時。仕方ないので30分ほど浜をプラブラして時間をつぶしました。でもね、待ったかいありましたよ。ここのウニバターソースオムライス、とっても美味しかった。宿での料理はやはり海鮮懐石が多いので長旅ではこうゆうのが新鮮で嬉しい時ありますね。

 

 

いやー、長い!

本当は利尻まで書きたいところですがまた次にしますね。

読んでくださってありがとう!

つちやはるみ


こんにちは、前野です。
猛烈に暑かった気温も落ち着いて過ごしやすくなりました。
今回はオダックス近畿主催のブルべ、BRM924近畿600km茨木を走ってきたので紹介します。

スタートとゴールは茨木市。亀岡や美山、小浜など走り慣れた地域も含まれていますが、越前海岸や福井と岐阜の山奥へ行くのは久しぶりです。

ちなみにブルべのサブタイトルは「夢はでっかく琵琶湖一周」。
琵琶湖沿いは走りませんが一応ビワイチしてますね??

福井と岐阜の県境に位置する温見峠を夜間に越えることがこのブルべ最大の醍醐味でしょうか。
国道157号線の福井と岐阜の県境に位置する温見峠。特に岐阜県側は洗い越し区間が連続するほか、切り立った渓谷沿いに道を通しているのでハンドル操作を誤れば100m近い谷底に一直線…
酷い道、通称「酷道」として有名です。

2018年に初めて訪れたときは、道の険しさもさることながら大野市から本巣市まで約90㎞コンビニはおろか自動販売機も無く、補給できる場所が無いことが過酷さを際立たせていました。

その時の様子はこちらに書いています。

 

今年は600㎞と200㎞を1本ずつ完走しているので、この茨木600㎞と来月の守山300mを完走すれば2019年ぶりのSR(スーパーランドナー)を獲ることが出来ます。
そんな理由もあって何としても完走したいのです。

今回も友人のSと一緒に走ります。前回の米原600㎞は彼にとって初めての600㎞完走が懸かっていたので慎重にプランを練って走りましたが、今回は宿を取らずに仮眠のみで走る計画です。(前回は自分も久々の600㎞だったので夜間走行に自信がありませんでした…!)

 

茨木駅を8時スタート。制限時間は40時間ですが余裕を持って翌日の19時、35時間のゴールを目安に走ります。京都から茨木まで輪行なので、帰りの電車を考えると遅くても22時台に戻りたいところです。
ブリーフィングでは深夜の温見峠で主催者の方が待機してくれるという、頼もしいお知らせがありました。車検もクリアしていざスタートです。

 

8:00 スタート 茨木市中央公園

11:22 77km フォトコントロール1 美山かやぶきの里

8時スタートに集まった参加者は5人。2013年からブルべに参加してきましたが、これだけ少ない人数のスタートは初めてです。ちなみに1時間前の7時スタートは13人。
スタートすると茨木から亀岡、日吉ダムを経由して美山かやぶきの里へ。走り慣れた道と見慣れた景色なので僕たち二人は日帰りサイクリングに行くような感覚が抜けず緊張感がありません。亀岡は彼岸花が綺麗に咲いていました。

2時間ほど走って美山の山崎ショップで休憩。茨木のスタートから近い位置を走っていた方と僕たち二人で先頭を回して走ったので楽に距離を稼げました。3人で談笑しつつパンを1個食べて再スタート。
最初のチェックポイント美山かやぶきの里に着くと通過証明のために写真を撮ります。蕎麦の白い花が綺麗でした。

 

12:13 90km 五波峠

かやぶきの里を出て少し走ると林道に入り、福井県へ抜ける五波峠へ。この先まとまった登りは福井から岐阜に抜ける温見峠までありません。
登りも下りも落ち枝や落石があるいつもの五波峠でした。変わった事と言えば、峠に設置されている木製の看板が朽ちて倒れていました。数か月前に来たときはまだ立っていたんですけどね。
福井県側下りの途中では参加者の方がパンクしていました。以前にSと二人で五波峠に行ったときは彼の28Cタイヤが2回もパンクしていたので走り慣れているとはいえ油断できない区間でした。

 

14:05 134.4km フォトコントロール2 福井県海浜自然センター

五波峠から小浜までの道も京都からおにゅう峠を周回する時に使う道なのでこの時点ではまだ非日常感を感じられずにいました。小浜の古い町並みはなんだか地元に帰ってきたような安心感を覚えます。小浜の市街地でゆっくり昼食を摂ることも考えたのですが、決め手に欠けてそのまま通過しました。

小浜から敦賀までは海岸線を走ります。多少のアップダウンはありますが景色も良く順調です。この辺りまで来ると頻繁に走る場所では無いのでフレッシュな感覚が出てきました。三方五湖を通るのも2年ぶりくらい。

 

15:57 162km 敦賀で遅めの昼食

昼食か夕食なのか分からない時間ですが、敦賀の市街地で食事を摂ることにしました。

敦賀と言えばソースカツ丼のヨーロッパ軒。ルート沿いにあるので覗いてみましたが、ランチとディナー間の休憩時間でした。残念!!
ヨーロッパ軒のすぐ近くにとんかつ屋さんがあったので入店。僕はヨーロッパ軒を諦めきれずソースカツ丼を注文。ご飯大盛、キャベツとあさりの味噌汁はお代わりしました。この先の越前海岸も頑張れそうです。

 

17:10 180km 夕暮れの越前海岸を先頭交代しながら進む

新日本海フェリーの乗り場を通り過ぎると越前海岸を北上していきます。少し肌寒く感じてきたのでメリノウールのアームカバーを付けて早めの防寒対策。
スタート前の想定通り、越前海岸走行中に日没を迎えることになりました。夕暮れの日本海は美しく、日が沈んだ後は漁船の灯りが空を照らしていました。

 

18:51 212km トイレ休憩

越前海岸の道路は所々に公衆トイレがあるのでPC1までもう少しという所ですが休憩を挟みます。Sは膝が少し痛むと言っているので適度に休んで無理のないペースで進むことにしました。休憩を挟むと調子が戻るのでどうにかなりそうです。

 

20:07 236.4km PC1 ファミリーマート川尻店

スタートからちょうど12時間、PC1のファミリーマートに到着しました。ここで越前海岸と別れて大野市方面へ進んでいきます。
豚まんを食べた後、カップ焼きそばを追加しました。食べ過ぎな気もしますが、今回のような長いブルべ中はこれだけ食べても2、3時間経つとまたお腹が減ってきます。

 

22:17 約270km 徐々に気温が下がる

福井市を抜けると気温が下がり始め、標高が上がると霧も出てきました。
アームウォーマーだけでは寒くなってきたのでベストを着て、足にはレッグウォーマーを装着。少し暑いくらいの方が調子よく走れるので寒さ対策は早めに行います。

 

22:54 286km 越前大野駅

大野市の市街地に到着しました。さすがに時間が遅いので閑散としていますが、4年ぶりに訪れたので感慨深いものがあります。前回大野市に来たときは、冠山峠から降りてきた後に宿探しを始めてギリギリのところで見つけた古い旅館に素泊まりしました。
夕食は近くの居酒屋で。その時の思い出をSと話しながら市街地を抜けていきます。

大野の市街地を出ると約90㎞補給できる場所が有りません。主催者の方が峠の上で休憩できるスペースを用意してくれているはずですが、それだけを頼りにはできません。4年前と同じように大野市の市街地の端にあるローソンで温見峠前最後の補給。おにぎりとコーヒー、飲み物を買いました。甘い飲み物は飽きてきたのでボトルの片方にはお茶を入れます。フロントバッグにはスタートから携帯しているクリーム玄米ブランと途中で買ったパンが残っているので食べ物は充分でしょう。

ヘルメットにヘッドライトを装着してコンビニを出発。1キロくらい走ったところで、二人とも寒くてレインジャケットを着こみました。登りが始まれば身体が温まるのでそれまでの辛抱です。

 

23:51 大型車通行不能を警告する看板が何度も現れる

福県側から温見峠に向かうと、しばらく綺麗な2車線道路が続くので「酷道」を期待していると拍子抜けするかもしれません。でも、道沿いに時々現れる「大型車通行不能」の看板がこの先の険しさを物語っています。

 

日付は変わり9月25日

 

0:10 313km 温見峠区間はヘッドライトを装備

摩耶姫ダムを抜けるまでは綺麗な道が続き、トンネルもあるので人工物に守られている安心感があります。今まで600㎞ブルべでヘルメットに道を照らす為のヘッドライトを付けることはあまりなかったのですが、温見峠の下り対策でヘッドライトを新調しました。通常時は暖色LEDで手元を照らし、下りや曲がりくねった登坂では白色LEDの明るい光で遠くまで照らせます。ずっと古いものを使っていたので新しいライトの性能には驚きました。今後は夜間走行用装備としてスタメン入りするかもしれません。手元が明るいとキューシートを読むのに便利でオレンジ色の光はなんだか心が落ち着きます。

そういえば、大野市のコンビニを出た直後に羽織ったレインジャケットは身体が温まったので登りの序盤で脱ぎました。

 

0:27 他の参加者に会えると嬉しい

ダム沿いの道で他の参加者の方に追いつきました。今回のブルべは出走者が20名に満たないので誰かに会えると嬉しくなります。「こんばんは~」と声をかけて先へ進みます。

 

1:14 315km この先道幅狭し。酷道の本領発揮

2車線の快走路だったはずが急に林道のような狭い道に切り替わりました。これでも地図上は同じ国道です。
ここから先が酷道157号線温見峠越えの醍醐味が詰まった区間になります。わくわくしてきました。

ちなみに道路を照らしているのはSON Edelux2ヘッドライト。ハブダイナモ給電のライトですが配光が秀逸で写真の通り非常に遠くまで広く均一に照らしてくれます。
バッテリー残量を気にする必要もないので、今回のように徹夜で走る場合に最適です。

 

1:17 316km 背の低いおにぎり

前回訪れた時も写真を撮った背の低いおにぎり。4年経って劣化が進んでいますが健在でした。このおにぎりのところで道は左に曲がり、橋を渡って温見廃村跡を抜けていきます。

 

1:30 320km 温見ストレート

1km以上続くロングストレートが現れます。ヘルメットに着けたヘッドライトで林の中を照らすと無数の光る眼が。鹿がそこら中にいました。ふと左側を照らしたら大きな角を生やした鹿が近くいたときは悲鳴をあげてしまいました。暗闇に光る眼と大きな角。それが藪の中数メートル先にいたらびっくりしますよね?

 

1:42 324km 路面には砂利や枝葉が散らばっている

温見ストレートを抜けると勾配が厳しくなり、本格的な登り区間に入っていきます。この辺りに来ると鹿の気配は無くなりましたが、今度は坂との戦いです。時間を忘れ夢中で走っていますがこの時深夜2時前。こんな事普通のツーリングなら絶対やりません。深夜走行はブルべを走るうえで最高の贅沢です。

 

1:55 相変わらず福井県側の路面は荒れている

急勾配と石畳のように割れたコンクリート舗装。650×42Bタイヤでも快適と言い難い道の荒れ様です。

 

1:55 325km 戦略的押し歩き

脚に負荷をかけすぎないように路面が荒れて勾配が厳しい区間は二人とも押し歩きました。限界まで坂と戦って足を着くのではなく、明日に響かないように脚の限界が来る前に歩くのです。制限時間には充分余裕があり、まだゴールまで300㎞残っているので登りの数十秒のために頑張る必要はありません。

それに歩くとストレッチが出来て脚がスッキリします。

 

2:17 327.2km フォトコントロール3 温見峠(標高1020m)

無事に温見峠に到着。前回来た時もその秘境ぶりに驚きましたが、まさか深夜に来るとは思いもよりませんでした。峠は風の通り道になっていて途端に寒く感じたので、レインジャケットを羽織り急いで通過証明用の写真を撮影。
茨木のスタートから少しずつ積み重ねてここまで来ることが出来ました。温見峠を登り切ったので余程のことが無い限り完走出来そうです。

 

峠の簡易休憩所

峠の岐阜県側に主催者の方が車とブルーシートを使って休憩所を用意してくれていました。ブルーシートの中でコーラとチョコレート、クッキーをいただいてほっと一息。主催者の方曰くほとんどの参加者が深夜の内に温見峠を越えているようです。

暖かい簡易テントの中で一休みできたので僕たちも下り始めます。ネックウォーマーと長指のグローブを着けて最大限の防寒対策。Sはおなかにあたる風を防ぐためにジャージの中にビニール袋を入れていました。

 

2:46 333km 温見峠名物「洗い越し」

岐阜県側にしばらく下っていくと水が流れる音と共に洗い越しが出現しました。連続して洗い越しを通過できるのは近畿ではここだけではないでしょうか。

 

水しぶきを上げて通過するのが楽しい!

夜中の山奥なのであくまでも安全第一ですが、この洗い越しを豪快に横切るのが温見峠の岐阜県側に遊園地のアトラクション的な楽しさを加えています。水の勢いがあるので少し横に流される感覚が有りますが転びそうになるほどではありません。
それと、泥除けが無い自転車でスピードを出して通過するとびしょびしょになります。Sはここで濡らした足が下りで冷え、山を抜けた最初のコンビニで靴下を買って履き替えるほどでした。

 

3:16 344km 左側は断崖絶壁

洗い越し区間を通過すると次は転落事故多発区間になります。渓谷沿いの曲がりくねった狭路でガードレールの無い場所が殆ど。深夜なので左側を流れる川は道路から全く見えませんが、落ちたら闇に吸い込まれるような落差があります。

 

3:34 350km 例の看板はもう無い

無事に温見峠区間を抜けました。楽しみだけど怖い区間でもあったので通過してほっと一息。4年前に来たときはここに「落ちたら死ぬ!」という看板があったのですが現在は撤去されています。

この後、しばらく下って90㎞ぶりのコンビニで休憩。この時午前4:45。さすがに二人とも眠たくなってきたので食事を済ませた後、近くの道の駅に行って仮眠を取ることにしました。1時間ほどベンチに座って目を瞑り眠気を解消します。

 

 

6:24 385km 朝焼けの中海を目指して南下する

1時間の休憩でだいぶすっきりしたので走行を再開しました。肌寒かった気温も上がり始め、この日の最高気温は30℃の予報です。海までひたすら堤防沿いを走って南下していきます。暑くなってくるのでまずはレインジャケット、お次はベスト、さらにレッグウォーマーとアームウォーマーを外して昼間装備に戻していきます。そして日焼け止めも忘れずに。今回のブルべは念入りに日焼け止めを塗りなおしたので殆ど焼けず、疲労感の軽減につながりました。

 

9:09 439.8km PC2 湾岸長島PA

ひたすら堤防道路を走り続けて三重県の湾岸長島PAに到着。ブルべのコントロールポイントにパーキングエリアが選ばれているのは初めてです。裏手に一般お客様入口があって入ることが出来ます。

ジャージとビンディングシューズでパーキングエリアを歩くのは不思議な体験でした。フードコートでカツカレーを食べ、売店で通過証明の為のレシートを取得。グァバジュースなるものがあったので買ってみました。

 

9:19 PAの足湯で回復

湾岸長島PAには無料の足湯があるので食後に入らせてもらいます。いいリフレッシュになりました。

 

10:30 約460㎞ 四日市で交通量の多さに疲弊する

湾岸長島PAを出発すると交通量の多い道が続きます。特に四日市付近は信号も車も多くて疲れました。無事に温見峠を下りてきたのにこんなところで車に引っ掛けられるわけにはいきません。自転車歩道通行可の区間は歩道も積極的に利用します。

 

11:13 471km 堤防道路が続く

四日市を抜けると、亀山まで鈴鹿川沿いの堤防道路を走ります。ようやく交通量が減って少し安心して走れます。次のPC3まで距離があるので湾岸長島PAで買ったパンを食べてエネルギー補給。堤防道路は交通量は少ないのですが、補給場所が無いのでフロントバッグに入れた食べ物が役立ちます。

 

11:31 474km Sは睡眠不足でDNFがよぎる

堤防道路の途中でSが遅れがちになりました。眠気でしんどいと言うので堤防道路を少し外れてイートインの有るコンビニで長めの休憩を取ることにしました。自分も一人で夜通し走ると猛烈な睡魔に襲われることがあるので辛さはよくわかります。こういう時は10分でも目を閉じるだけでマシになるので休むことが一番です。それに僕もボトルの中身が少なくなっていたのでちょうどいいタイミングでした。

30分ほど休憩、Sはロックアイスを背中に入れたり色々と対策をして出発しました。

ちなみに彼はフルマラソンは数えきれないほど(僕は1度だけヘロヘロになって完走しました…)、100kmウルトラマラソンも完走している程の体力の持ち主ですが、このブルべが今までの中で一番過酷だったと語っています。

 

13:31 506.5km PC3セブン-イレブン 津市白山町店

堤防道路を離れてからは広域農道特有の直線的なアップダウンが続きました。Sはまだ眠気から完全に開放されていないようですが、走行距離は500kmを越えてPC3に無事到着しました。

おにぎりが売り切れていたのでいなり寿司を購入。甘い炭酸が飲みたくなったので飲み物はファンタグレープ。日差しが強く照り付けているのでコンビニの陰で休憩しました。

実はこの時、重大な出来事が起きていました…

 

 

14:28 514km 青山峠を登る

青山峠を越えると伊賀コリドールロードの強烈なアップダウンをこなします。伊賀コリドールロードは何度走っても好きになれません。バイクや車で走るにはいいのかもしれませんが、自転車だとひたすらアップダウンを繰り返すだけで景色は風情に欠けます…

伊賀コリドールロードへの文句を言いつつ伊賀上野に到着しました。駅の近くのコンビニで最終休憩の為停車。この時、Sが急に焦り始めました。

「レシート貰ってなかった…!」

先程のPC3でSも買い物をしたのですが、眠気のせいかレシートを貰わずそのまま出発してしまったのです。通過証明になるPCのレシートが無いとゴールまで走り切っても認定を貰えません。ここでSの心は折れかけてDNF宣言をしそうになりました。ただ、冷静に考えるとPC3では僕が一緒にいてSが写った写真も撮影しています。(写真には日時が記録されています)さらに、レジでの決済を電子マネーで行っていたのでレシートは無くても電子マネーの決済情報で店舗名と日時がわかります。この2点が有ったので、伊賀上野でDNFするのではなく、ゴールまで走り切って後は主催者の方に委ねることにしました。

17:47 581km ゴールが見えてきた

交通量が増えてきたのでかなり気を使いますがゴールは確実に近づいています。丘を越えて枚方に入ればあと少し!

 

18:44 598km 安全第一で残りの距離を消化

昨日の同時刻には越前海岸を走っていたことを思うと不思議な風景です。完走は確定しました。

 

19:30 603.5km この和室に入った時刻がゴールタイムになる

駐輪場所に迷いつつ、ゴールの茨木市福祉文化会館(オークシアター)和室に到着しました。入室した時刻は19:30。そして懸案事項だったSのPC3のレシートですが、僕が行動を共にしていたのでそれが証明になるのと、電子マネー決済の記録などもあったのであっさりとOKを貰えました。

無事に二人とも35時間30分で完走!目安のゴールタイムにしていた19時から大きく遅れなかったのも良かったです。

今回は久々に徹夜で走るブルべでしたが、一緒に走った友人Sのおかげで楽しく最後まで走り続けることが出来ました。これが一人だと深夜早朝の走行は眠気との戦いになるので本当に助かりました。

 

 


今回もグランボア650Bランドナーで完走

ランドナーはのんびりと走る自転車。スピードを求めない人が乗る自転車。ランドナーに対してそんなイメージを持たれている気がするのですが、僕が600㎞ブルべにランドナーを使うのはこの自転車で走る方がタイヤの細いロードバイクで走るより快適で速いからです。

ブルべ用に吟味されたフルオーダーフレーム、転がりの軽いエートルエキストラレジェ650×42Bタイヤ、ハブダイナモ給電の明るい前後ライト、手が痺れないグランボアフランス型ランドナーバーと身体に馴染んだイデアル#90サドル、荷物に簡単にアクセスできるフロントバッグ、足元が濡れることを防ぐマッドガード。

ランドナーに付いているこれらの部品はクラシックな雰囲気を出す為の飾りではなく、長距離を快適に速く走るための道具なのです。

 

フロントライトはキャリア右側にSON Edelux2、左側にサブライトとしてキャットアイVOLT800の2灯体制。VOLT800は温見峠の下りで念のため点灯しましたがそれ以外ではほぼ使わず、Edelux2のみで充分な視界を得ることが出来ます。
テールライトはシートチューブに直付けされたキムラTL-06D。こちらもSON28ハブダイナモからの給電で点灯し、フロントライトのEdelux2と連動しています。前後ライトは停車後も本体内蔵のコンデンサーに蓄えた電力で光り続けます。

荷物は全てグランボアフロントバッグに集約しています。サドルに跨ったままアクセスできる帆布のフロントバッグは古臭いようでとても合理的です。一緒に走ったSは現在主流の大型防水サドルバッグに荷物をまとめていましたが、荷物の出し入れをするのに時間がかかりブルべの後半はフロントバッグを使いたいと言うほどでした。もちろん完全防水のバイクパッキング用サドルバッグが活躍するシーンもあると思いますが、荷物の取り出しやすさではフロントバッグに敵いません。レインジャケットを取り出したりネックウォーマーやアームウォーマーをしまったり、ブルべ中にバッグを開け閉めする回数は意外と多いのです。
帆布もただのコットン生地ではありません。意外と防水性が高く、土砂降りを長時間走らなければ中の荷物が濡れることは稀です。
バッグの帆布にはグリーンランドワックスという蜜蝋とパラフィンを混ぜたものを年に一回、生地全体に塗布、浸透させるメンテナンスをしています。雨に降られても濡れるのは表面だけで、バッグの内側は殆ど浸水しません。風合いが味わい深く変化するのも帆布フロントバッグの良い所です。

 

前回の米原600と異なる装備としては、後ろ泥除けにマッドフラップを追加しています。フロントのマッドフラップは常時装着しているのですが、今回は友人と先頭交代しながら走る計画だったので後ろの人が快適に走れるよう装備しました。厚さ2mmのゴムシートからフロント用よりも長めに切り出しています。

この装備、親方にはちょっと不評でしたが(汗)、形状や取り付け方法などを改良して今後もブルべ専用装備として使おうと思います。

 

ランドナーでブルべを走ってみようという方、是非アイズバイシクルまでご相談ください。ランドナーのオーダーはもちろん、走り方や装備面などでもお力になれると思いますのでお気軽にお声がけください。

そしてブルべでお会いしたときはよろしくお願いします!

まえの


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9月8日

羽幌から天売島へ渡るつもりが船の欠航で渡ることができず、急遽、遠別に宿をとったわけですが、次の目的地の天塩の宿までほんの20kmしかありません。いくら熟年夫婦ののんびりツーリングと言ってもさすがに時間を持て余します。で、今回のプランから外していた「オトンルイ風力発電所」へ足を延ばしてみることにしました。本来なら通り過ぎるだけの場所でしたが、周回することによってまた違ったオトンルイを見ることができましたよ。

 

遠別~天塩~オトンルイ~下サロベツ~天塩 約78km

 

 

 

まず、この日は国道を行かず、親方が5万図を眺めていて見つけた海沿いの農道を行くことにしました。すると、これが大正解。

車も少ないうえ、海も近く、まさしく自転車の為の道が12kmほど続きます。

電柱もしばらくは視界から消え、遠くにうっすら利尻も見えました!

 

 

ただ、12kmなんてあっという間。お昼前には天塩の宿についてしまいそう。そこで、またもや親方が近くに宇野牧場という牧場が営むカフェがあることを発見。

向かい風の中ソフトクリーム目指して方向転換。

 

ところが、開店時間前で泣く泣くホテルへ。。。

でも、その先に立ち寄った道の駅てしおでも宇野牧場の乳製品は買えたので焦らなくても大丈夫! もっと言えば、利尻島のホテルの売店でもここのアイスは売ってたりしますよ。

有名なんですね。

 

 

さて、ホテルでパニアバッグなどの余分な荷物を預かってもらって再出発。

昼食をとれる食堂なども無さそうなのでセイコーマートでおにぎりなどを補充してから道道106稚内天塩線(日本海オロロンライン)へ。

 

お、見えてきました。左に利尻、右にオトンルイ。

 

 

利尻山もようやくはっきりと見えました。

 

 

この道はやはり車やバイクが多い。

 

でも、確かにこれだけ並んでいると壮観ですね。

目立つものがほとんどない原野の地で利尻山と並ぶランドマークになるのも頷けます。ただ、このオトンルイ風力発電所も稼働から20年がたち、来年春から順次取り壊し、新しい大きなものへと建て替えていくのだそう。この景観を楽しめるのもあとわずかだと考えると良いタイミングでした。

 

 

お昼はサロベツ原野駐車公園で食べて、せっかくだから幌延ビジターセンターにも立ち寄って、国道232へと戻るわけですが、途中またもや農道を発見。

 

私たちはこっちのオトンルイの方が好みかな。

 

※私たちが走ったルートサイクルグランボアのRideWithGPSでも公開しています。

良かったらご覧ください。

 

 

 

 

 

*****

9月9日

前日にこの地を旅する人たちのメインルートをすでに走っていたのでこの日は内陸へと向かうことにしました。そして選んだ道は前の日に目星をつけておいた天塩川左岸堤防のダート道。これがまた素晴らしかった。ランドナーだからいける道。それに、なだらかなアップダウンが連なる大規模草地育成牧場もホント気持ちの良い場所でした。

寄り道はトナカイ牧場幌延深地層研究センター工房レティエ宮の台展望台など。

 

 

下サロベツ(幌延)~豊富町大規模草地育成牧場~上サロベツ(豊富) 約73km

このコース、おススメです!

 

 

 

 

まずは天塩川を渡る「天塩河口大橋」の手前の道を入ります。

この日の利尻は雲が全くかかってなく美しかった。オトンルイもその先にすっきり見えています。

 

 

このダートは天塩川に沿って14kmほど。

釧路湿原の新釧路川右岸堤防を思い出しますが、オトンルイが常に見えているのでまだ人間界とのつながりを感じることができます。

 

 

今なら新旧の風車を見渡せますね。

ご存じですか。トビは背中が美しいんですよ。

 

 

 

ダートを離れて国道232から国道40号へ。そのあと、道道256から道道121をを進みトナカイ牧場へ。これもオロロンルートと呼ぶそうな。

トナカイの餌200円。柔らかいお口でした。

お昼ご飯もここでいただいたのですが、まあ、ラーメンが驚くほど美味しかった。

合鴨100%で出汁を取るという白湯塩ラーメン。チャーシューもアイガモなんです。絶品でした。また食べたい。

 

 

そして、この施設のお隣には幌延深地層研究センターがあって、施設の一部が見学可とのことで見学させていただきました。こんなところでこんな社会見学ができるとは思っていませんでしたが、日本が抱えている大きな問題の一つの研究がこんなところでされているんですね。核廃棄物の処理の大変さをあらためて感じることができました。

時間に余裕があれば是非寄ってみるのも良いですよ。

 

 

 

オロロンルートからサロベツリフレッシュロードへと進むと広大な大規模草地育成牧場へと誘われます。

 

今回の旅の最中、ここだけ雨に降られました。雨具も要らない少しだけですけど。

それでもこの景色は素晴らしかった。

余談ですが、この牧場は吉永小百合が主演を務めた映画「北の・・・」シリーズのひとつ、「北の桜守」の空襲の場面や「坂の上の雲」のロケ地だったとのこと。

 

 

牧場を降りて今度は上り返しがありましたが、その途中に牧場が営むアイスクリームとチーズのお店があるのを親方がリサーチ済みでした。ただし、営業時間が15時までとのことでいつになくハイペースで走ることに。

 

親方、こんな時、めっちゃ速いんですよ。。

 

 

最後は宮の台展望台へと上り返し。

ここも上り返しになるので悩むところですが、とっても良い展望台でした。

 

 

で、サロベツ原野を突っ切るように走り、ようやくお宿にチェックイン。

17:30。

美しい夕焼けが待っていました。

 

 

そして月も美しく。この日の翌日が十五夜でした。

 

 

 

 

 

 

******

9月10日

この日でサロベツ原野は最後。もういちど上サロベツから下サロベツへ回りながらパンケ沼にも立ち寄りました。そのあと再び海沿いの道を北上し抜海を目指しました。

寄り道は豊富町のアイスクリーム屋「フェルム」、こうほねの家など。

天塩~抜海 サロベツ湿原センターパンケ沼幌延ビジターセンター経由 約76km

 

 

 

 

朝、4時に目が覚め、そっと宿のリビングへ。

夜明け前でしたが空は明るくなり始めていて湿原はすっぽりと霧でおおわれていました。宿の窓からこれが見れるのですから「あしたの城」素晴らしいです。

 

宿のお庭。

望遠で撮影するとこんな感じ。

 

 

さて、のんびりとスタート。

サロベツ湿原センターの木道散策。すっかり秋。

すばしっこい小鳥。産毛フワフワの幼鳥のようですが何かな。。。ベニマシコ?

 

 

パンケ沼

 

幌延ビジターセンター展望台

 

 

 

 

 

で、あっという間に再び道道106オロロンラインへ。

北緯45度のモニュメント。

 

 

振り返れば道はまっすぐ。

 

 

 

行く道もまっすぐ。。。海と空に消えていくよう。

 

 

 

お山もキレイ。

 

でも、こーゆー道はちょっと苦手かも。。。

 

 

 

次はいよいよ島に渡ります。

つちやはるみ


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